「金曜だから夜ふかし」悪魔と夜ふかし ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
金曜だから夜ふかし
TV番組の生放送中に悪魔が現れた!的な放送事故を記録した映像という体のモキュメンタリー作品で、デヴィッド・ダストマルチャンの風貌や雰囲気が予告の時点で好みだったので鑑賞。
今の人も昔の人も取り憑かれている数字を求める貪欲さが招いた最悪の結果が悪魔と対面するというリアリティから一気にぶっ飛んでいく構成が役者陣の演技も合わさって面白い映画になっていました。
視聴率が右肩下がりになっている有名司会者が起死回生の一手として悪魔とトークをするという小粋な展開からどんどん不穏な感じになっていくストーリーで、変に曲がったことをしないようにモキュメンタリーにしているのもあってスッキリしていて観やすかったです。
気丈に振る舞ってるだけで超迷いながらの進行が悪い方向へ進んでいく流れをニヤニヤしながら観れるってのが贅沢でした。
当時の番組ってこんな感じの雰囲気だったんだなぁとレトロな映像から感じれるものがありましたし、シーンの切り替わり切り替わりで音楽で盛り上げてくれたり、登場シーンが毎回凝っていたりと、現代のバラエティでは見なくなったなというものが詰め込まれていて当時に生きていないのに懐かしさが感じれる映像で本当にバラエティを見ているかのようでした。
ワイプがたまーにしか出ないのもとっても良いです。現代のバラエティもワイプは最小限にすれば良いのにとずっと思っているので日本からなぜかその想いが通じててちょっと嬉しかったです。
悪魔憑きと対峙し出してからはよく映像に収められたなという展開の連続で笑っちゃいましたが、そういうものを好んでみる自分にとっては不気味さ全開の前半とハチャメチャな展開の後半と2面性楽しめたのでとても満足な作りでした。
どんな悪魔が出てくるかなぁと思っていたら頭パッカーンからモワモワ姿を現してきてのめっちゃベタなタイプだったのでズッコケかけましたが良いじゃん良いじゃんと謎にテンションが上がっていきました。
そこから体中にミミズが入り込んでやがて目玉からミミズが飛び出てきたり、それが幻想だったみたいなフェイクも入ったかと思いきや悪魔がエンジン全開でステージ上の人物をありとあらゆる手で殺しにかかったりと勢いもありながらチープな映像が味を出していて見応え抜群でしたし、オチも良い塩梅で締めてくれたので良きでした。
悪魔を題材にした作品は多いけれど、コミカルに楽しく時に悲鳴を上げながら観れたのでちょうど良かったです。
尺もちょうどいいくらいですしもうちょいギアがかかるのが早ければなとは思いましたが佳作だと思います。
鑑賞日 10/4
鑑賞時間 13:55〜15:40
座席 I-15