「4~6話としては満点」コードギアス 奪還のロゼ 第2幕 映画読みさんの映画レビュー(感想・評価)
4~6話としては満点
なんだかんだ楽しみで公開初日に観に行った2幕。
後の新テレビシリーズの4~6話に相当する。
物語の構造論的には、教科書通りに4話で承の承が始まり、そのまま継続中というところ。この教科書通りというのはまったく悪い意味ではない。12話構成なら1~2or3話が面白いのは当然で(そうでないとそもそも商品企画として勝ち目がゼロに近い)、10話~12話が面白いのも当然だ。むしろ4話~9話をどれだけ維持しながらじわじわと盛り上げていけるかが、内外どちらからも評価されにくいが地力が出る3箇所の一つだったりする。
本作の4~6話に関して言えば、全体としての及第点であり、構造上の満点である。
・アッシュが敵に勝ち続けるのは構造上必須なのでもはやヒキでもヤマでもない
→草の根キャラを好きにさせて心の拠り所と次の見所を作る
→草の根のエース化、それによる対アインベルクとの「どうなるかわからない」感補充
・アッシュが楽勝から接戦や苦戦に寄ることで、敵の厚みと物語の進行を表現する
→赤髪の人。アッシュ側も柔らかな秘密を持ちロゼはそれを知っている構造
・好きになれそうに無かったキャラを、あれ?意外と好きになれるかも…と思わせる
→白のクイーン
・安直な野蛮人らではなく、ロゼの謀略も刺せるようなヤバイ敵たちを出す
→大ボスの側近らしきハサミとその一団がギアスに気付いていく
…など、盛り上げ方はどれも王道なのだが適切で効果大、手本にすべき堅実さ。
次回予告で流れた7~9話もますますわかってる感満載で盛り上がりそうで、最初はやや斜に構えていたがどんどん好きにさせられた感がある。
あえて星4にするが、12話モノの4~6話で星4は事実上の満点である。
OPも最初はなんだか力点が…と思っていたが、どんどん好きになるのだから審美眼で上を行かれていた。最後らへんの落ちる→ダッシュが特に。
第三幕も楽しみに待っている。
余談。
旧キャラはやはりわからないでもいい塩梅。
あの痴態醜態のニーナが生かされている、心からの反省していて居場所があり、自らが生み出した虐殺兵器をを防ぐ流れは、ゼロレクイエムが間違っていなかった傍証だろう。
旧ブリタニアの世界観では、防ぐのではなくもっと大量破壊できる者こそが評価され、反省などする者が生かしてもらえる場所はなかったのだ。