人生って、素晴らしい Viva La Vida

劇場公開日:2024年4月5日

人生って、素晴らしい Viva La Vida

解説・あらすじ

ともに不治の病を抱えながらも性格は正反対な2人を主人公に描く中国製ラブロマンス。

腎臓病を患い、日々の人工透析でなんとか生き延びている真面目な性格のリンミン。そんな彼女の前に、超天然なリュトという青年が現れる。自身も悪性脳腫瘍という不治の病を患うリュトは、リンミンが行く先々に必ず現れるばかりか、リンミンの面倒を見るために彼女の家に住むと勝手に決めてしまう。予測不能な行動でペースを狂わせてくるリュトに嫌気がさすリンミンだが、リュトの憎めない素直さに次第にひかれ、2人は心を通わせていく。しかし、リュトがリンミンに付きまとうのには、ある理由があった。

監督は、「賭博黙示録カイジ」を中国で映画化した「カイジ 動物世界」などを手がけてきたハン・イエン。リンミン役は「兎たちの暴走」のリー・ゲンジー、リュト役は「象は静かに座っている」のポン・ユーチャン。

2024年製作/129分/G/中国
原題または英題:我們一起搖太陽 Viva La Vida
配給:面白映画、Open Culture Entertainment
劇場公開日:2024年4月5日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3

(C)2024 LIANRAY PICTURES

映画レビュー

4.0「奥利给!」 「奥利给!」 「奥利给!!」 「奥利给~~~!!」

2024年5月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

ビルの屋上と部屋に分かれてトランシーバーで叫び合う 「奥利给!(ファイト!)」。
彼(彼女)が過酷な運命に負けないように!自分も負けないように!病なんかに負けてたまるか!!
それまでに二人の辛い日々や背景をさんざん観てきているだけに、熱いものが込み上げた。

透析治療、こんなにも大変なものだったとは。
腕に無数の注射針の跡、シャントの形成、厳しい食事制限、少し油断するだけで命取り。
移植手術が直前で流れてしまい、転げまわって泣き叫ぶ男性患者の姿からも透析患者の辛い過酷な日々が見てとれた。

賃貸を追い出されそうになったリンミンが不動屋にぶつけた言葉が響いた。
「私はちゃんと賃料を支払っているのになぜ移らないといけないのか。私は他の人と違って簡単に移れない。病院までの距離など、ここじゃないと生きていけないの!命がかかっているの!」

「励ます方と、励まされる方」が途中で入れ替わる。最初の方のリンミンは厳しい表情で心から笑うことも少なく、憤りやイライラするシーンが多かったが、強引で少しお馬鹿さんなリュトと出会い、徐々にほぐされていく。そのリュトの背景を知ったとき、手術の恐怖にむせび泣くリュトを、今度はリンミンが引っ張って励ましていく。この展開もとても良かった。

相手にもっと生きていてほしい、と心底思うのは、それはもう契約結婚ではなく、愛のある結婚の証。

リンミンの両親も良かった。娘の辛い姿をみていると(ダメだと内心思いながらも)ついリュトのドナーに期待してしまう。でもリュトの人となり、二人の愛を知ったときに。。。

全編高い熱量のままスピード落とさずに進む。

しかし最後のシーンを忘れてしまったぞ。どんなシーンで終わったけ。。
で、もう1回観ようと思ったのに、上映館少なっ。上映期間短かっ!
こういう映画こそもっと上映されて、多くの人でシートが埋まるようにならないと。チャンスがあればぜひ観ることをお勧めします。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
momokichi

4.5ユニークとシリアスがうまい

2025年7月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

不治の病を抱えた2人のラブロマンス。
まず透析治療の過酷さを嫌というほど知ることになりました。
過酷な食事制限と水分制限、無数の注射跡。
少しの油断が命に直結した日々がとても丁寧に、ドキュメンタリーのようにさえ感じました。
それが突然の出会いから始まり、そこからは準ストーカーのような鬱陶しい関係に。
だけど、そこから徐々にほぐれていく心情の描き方が好き。
こぼれる「私達って二つの空きビンみたい」って台詞も心が掴まれたようでした。
そして劇中で二人の辛い日々たくさん知ってしまったからでしょう。
部屋と屋上、お互いを称え合う「ファイト!」「ファイト!」は本当泣けました。
あと緩急のついた脚本がすごいです。
振り返ると全編を通し、ユニークとシリアスがうまく絡んでいました。
ミンとリュト、勇気ある二人の素敵な物語でした。

終わって驚いたのがこの監督、なんと中国版「カイジ」の人でした。
カラー違いすぎw

コメントする (0件)
共感した! 0件)
白波

3.5腎臓病と脳腫瘍

2025年7月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

悲しい

主人公は若い女性、腎臓病を患い、生き続けるために辛い透析を受けている。
彼女の前に、脳腫瘍の手術を受けた若い男が現れる。
馬鹿なことばかりやらかす彼に呆れるが、そのうち惹かれていき・・・。
とてもストレートなラブストーリーで、最後は一緒に祈ることに。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
いやよセブン

4.5巡り会えた奇跡

2025年6月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

癒される

すごく良かった。『最も功利的な結婚の契約、最も感動的な永遠の約束(原題直訳)』というルポルタージュの一部だけを題材としているそうで、いわゆる難病ものだが暗かったり後ろ向きだったりジメジメ湿っぽかったりせず、あくまで前向きな姿勢のところが良い。泣かせどころはもちろんあるものの過剰に泣かせに走るあざとさがなく、あくまでさらっと自然に見せてくれるのも良かった。それでいて腎臓病と人工透析や脳腫瘍の辛いところや大変なところもきちんとくわしくリアルに見せてくれる、しかもドキュメンタリーではなく劇映画として見せてくれるというところにも感心した。そういうのって日本映画にはあまりないような気がする。中国の難病ものの映画だと、2021年に観た『薬の神じゃない!』もそういう感じの映画だった。重い題材を広い意味でのエンターテイメントとして見せてくれるところがエラい。監督のハン・イエンの作品は日本のマンガ『カイジ』をアレンジした『カイジ 動物世界』を観てて、そっちもなかなか面白かったが、ここまで良い映画を撮れるとはびっくり。

主演のリー・ゲンシーとポン・ユーチャンも素晴らしい。以前の映画やドラマとはまるで違うキャラクターの人物をごく自然に演じていて、まさに若き演技派だ。美男美女すぎない2人だからこそとはいえ、素顔とは別人のように冴えない、というかポン・ユーチャンに至っては小汚い人物を演じながら、それでいてその人の魅力を余す所なく表現している。荒れた肌のメイクをしたリー・ゲンシーが後半どんどん魅力的になっていく姿もすごいが、それでも彼女の場合は最初からその可愛さが隠しきれないのに対して、ポン・ユーチャンの別人ぶりには本当に驚かされる。後半2人の心が通じ合っていくシーンはなかなかに感動的。デートシーンなども本当に楽しそうで、そこから再びシリアスな展開に向かう脚本の緩急の付け方も上手い。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
バラージ