「廃部寸前のボート部に引き寄せられて集まった5人の女子高生が、素人同然から始めた部活動を通して成長する姿を描いた学園ドラマ。登場する人物が魅力的な良作です。」がんばっていきまっしょい もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
廃部寸前のボート部に引き寄せられて集まった5人の女子高生が、素人同然から始めた部活動を通して成長する姿を描いた学園ドラマ。登場する人物が魅力的な良作です。
正直、予告映像を観た際の感想としては今ひとつ響かず。
キラキラした女の子が一杯登場する今風のアニメ作品かと
思い込んで、鑑賞対象外の作品でした。
愛媛県が舞台の地方色の出ている作品 と小耳に挟んで興味が
涌いて観てみることに。
さあ鑑賞開始。
で、すぐに単なるキラキラな作品では無いなと分かりました。
登場人物の性格がみんな魅力的で、会話もテンポ良く進みます。
楽しい世界観に冒頭から引き込まれました。・_・
(先入観から決めつけてはダメですね。うーん。反省)
で、登場する主な人物たち。全員高2。
村上悦子 (悦ネェ) メインヒロイン。何となく気だるげな雰囲気。
佐伯姫 (ヒメ) 悦ネェとは小中一緒の幼馴染み。参謀タイプ?
高橋李衣奈(リー) 埼玉からの転校生。翔んで…は来てません。
兵藤妙子 (ダッコ) 地元の大手漁業事業者の娘。実はお嬢様。
井本真優美(イモッチ) 由緒ある家のお嬢様。妙子はライバル。
あ、唯一の男子部員を忘れてました。・∇・; ゴメン
二宮隼人(???)高2。三年生引退後に残った唯一の部員。
舞台は四国。愛媛県松山市の三津東高校。
進学校らしいです。かつてはボート部が強かったそうな。
海が近く、ボート部は畝も行き交う海で練習します。
県大会は、山の中の湖で開催されます。その名も玉川湖。
後でマップで確認したら、細長い湖のようです。こじんまり。
ボート競技に適した湖なのかも。
悦ネェと姫が同じクラス。そこに転校生がやってきます。
ボート部に入りたいと言う転校生=リー。
海で競技会を行っているのを見て、ボート部があるものと思って
いたようですが、その時点で「廃部寸前」。@_@;;
三年生の引退後、残った部員は男子一人だけ。
その唯一の部員に会いに行こうと…しないリー。 「?」
リーは家庭環境と女子校育ちのため、男子が苦手。あらら。
泣きつかれて、二宮クンの所に付き添う悦ネェと姫。
そして三人で二宮君の前に。
「ボート部に入りたいんだけど。残せないの?」
そう尋ねると ” 残せる ” との返事。ただし、と二宮君。
「三人が入部してくれれば」
部の人数要件を満たすのだそうだ。
自分は付き添いで来ただけ。そう告げて入部の意志が無いことを
口に出す悦ネェ。入るのはこの子だけ と、リーを指さす。
「お願い!一緒に入部して!」
必死に悦ネェと姫を勧誘するリー。…彼女は男性が苦手。
幽霊部員として名前だけでもと、入部することになる二人。
こうして入部することとなった三人の元に、ボート部に勝つため
との理由で更にダッコとイモッチが入部。怒濤の展開。・_・;
女子だけで5人になった。4人乗りのボートを漕げる。
競技に対する熱意の温度差はあるものの、部活動スタートだ。
と、まあ
5人の練習する姿や、出場した大会の様子が描かれます。
また、” 真面目に取り組んでも意味が無い ” と
練習に身が入らない悦ネェの姿、
ライバル高の生徒との間でバチバチと火花が飛ぶ様子などを
ときに軽妙に、ときに本音混じりに描き出します。
全体を通して流れる雰囲気が軽妙洒脱で良い感じのする
「青春・学園・スポ根・ヒューマンドラマ」 でした。・_・;
登場人物の性格がしっかりと描かれている点、話がブレずに
進んだのが良かった。
観て良かったと思える作品です。
満足しました。
◇
鑑賞後、この作品をもっと知りたくなって色々調べたのですが…
あ、原作あったんだ。@-@ ;
あ、実写映画もあったんだ。@-@ ;;
あ、連続ドラマもあったんだ。@-@ ;;; キャー
原作は1995年に発表されてます。ほぼ30年前ですか。
…うーん。
当時の作品を全く知らずに鑑賞してしまいました。・_・;; けど
それでも尚、しっかり伝わってくるものがある良い作品でした。
あ、10年後を描いた続編小説もあるんですね。
これも気になります☆
◇あれこれ
■ボート競技
の事をを調べてみたのですが、現在は「ローイング競技」と呼ぶらしい
です。この作品で描かれた競技のような「1艘に5人乗って4人が漕ぐ」
競技を「舵手付きクォドルプル 」と呼ぶようです。
高校の競技ではこれが花形種目らしく、距離は1000メートル。長いなぁ
舵手は漕ぎませんが、楽チン…な訳ではなく、司令塔なのでしょうか?
一人だけ進行方向を向いて乗っている訳ですから。
他にも漕ぎ手の人数や手に持つオールの数で競技が分かれるようで
人数の違いは「エイト、フォア、ペア、シングル」
オールの数は「スウィープ(一人1本)、スカル(一人2本)」
…うーん複雑 @_@;
■ボートって軽いの?
前半の描写で、女子が4人がかりで担ぎ上げる場面がありました。
中盤では、二宮君(男子部員)が一人で運んでいました。しかも
頭に乗せてました。
最初の場面からは、一艘4~50㎏ありそうな印象を受けたのです
が、頭に乗せて移動するには重すぎるかなぁという気も…。
そんな訳で、ボートの重さが気になって調べていたのですが
女子が運んでいたのは4人乗り、男子が運んでいたのは1人乗り。
重量が違うと分かりました。4人乗りは50㎏を超えますが、一人乗り
ボートは14㎏程度のようです。
そういえば二宮君。
1人用ボートで女子のボートに並走する場面もありましたね。
(※忘れてました。ごめんなさい)
■モデルになった高校
三津東高校として登場する主人公たちの高校、モデルとなっているのは
松山東高校、とのことなのですが、その松山東高等学校ボート部。
創部136年とか。歴史と伝統の重み。というヤツですね。
これからも頑張って下さいまっしょい。(えへ☆)
◇最後に
この作品の原作が書かれたのが30年前と知り、最初は" へー ” と思った
のですが、個性ある登場人物と良く練られたストーリー、そして演出に、
最後まで楽しんで鑑賞しました。
良い作品の魅力は30年過ぎようが色褪せない。昨年のスラムダンクも
そうでしたが、これもまた、その見本のような作品かなと思います。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
今はもう、レンタルビデオ屋さんもなかなかないのでしょうね。ドラマ版はともかく、実写版はぜひ見てもらいたいなあ、と思います。
ごくたまに、NHKBS等でもあっていたので、チャンスがあったら、ぜひ!
こんにちは。共感有難うございます。
松山東高校は、愛媛の名門校ですね!
今作の田中麗奈さん主演の実写化映画を観たいのですが、配信でナカナカ掛かりません・・。観たいなあ。返信は不要ですよ。では。