室井慎次 敗れざる者のレビュー・感想・評価
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タイミング
私ごとだが柳葉敏郎の4学年下、織田裕二の3学年上、10月10日で還暦を迎えた。月末で定年となるのを挟んで前後編が公開されることに勝手に縁を感じる。27年も続くサーガであれば思い入れる部分があって当然。ゆったりと進むストーリーはこちらの思いを膨らませるいいリズムにもなった。
異分子たることが明確になったのちも杏を抱えたまま生活を続けるなど腑に落ちない所はいくつかあったが、ベースとなる男の子2人との田舎暮らしが心地よい。子供達が不器用な室井を安易に嫌わせていないところがいい。
不満な点は音楽。軽い所でいかにも軽い音楽が流れるなど古い印象。(ちなみに松本晃彦でないのは何故かとググっていて盗作疑惑を今更発見、オリジナル曲を聞いてその再現度に呆れた。感動していた自分の過去を返してくれ…。)
次回の登場人物も少し明らかになり、興味はスパイダーマン・ノーウェイホーム的なところに行ってるマタゾウであった。
ちなみに小泉今日子ファンで今年も2回ライブに行く予定。映画にドラマに主演客演が続き、間違いなくシーズンが到来して行くであろう。
何故今「踊る」?しかも「室井慎次・・・」?その疑問への答えは無かったが、松下洸平演ずる桜章太郎の発言の意味とは?
今、何故「踊る大捜査線」?しかも「室井慎次・・・」なの?と思った方は多いのでは無いかと思う。
かくいう私もその疑問の答えを知りたくて映画館に足を運んだが、本作にその答えは無かった。
二部作の前編、何故今「踊る・・・」なのかの疑問は全くわからないまま、伏線残しまくって前編終了・・・か?
「踊るプロジェクト再始動」「あなたはまだ、室井慎次の全てを知らない」「踊るの時間は止まっていなかった」「”約束”と”家族”そ守れるのか」「そして、君たちを、信じる。」
キャッチコピーの盛り上げ方は相当期待度が高い。
伏線かわからないが気になるシーンがあった。松下洸平が少しだけ登場し、しかも不自然なほどこの前編で活躍しているという訳では無いにも関わらず、登場と共に「すぐに熱くなりますよ」「捜査に協力してください」「これは室井さんの事件でもある」など後編に続く意味深な発言が飛び交う。
TBSドラマではあるが「最愛」で刑事役を好演した松下、織田裕二演ずる青島が登場する事がない「踊る大捜査線シリーズ・続編」を製作するとしたら面白いキャスティングかと思うのだが・・・そんなどんでん返し・・・無いか・・・。
踊る大捜査線シリーズと言えば、日本エンタメ界に不滅の金字塔を打ち立てた作品と言っても過言では無い。ドラマ初回視聴率は飛び抜けた数字では無いものの、その後じわじわと伸びて最終回は20%超え、その勢いで作られた映画も、当時(アニメ以外)邦画は無くなるのではないかと危惧されるほど観客動員も収入も落ち込んでいる中での大ヒット、2作目では実写邦画歴代興行収入第1位を未だ抜かれて無いという異例の大ヒットを記録した作品である。
スピンオフ作品も公開当時の流れの中で公開されてるなら違和感も無い。しかしシリーズ前作「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」から12年も経っての公開に、何かしら”今公開する事”の意味が示されるかと思ったが、前編からは全くその意味は感じ取れなかった。
とりあえず、その答えがあると期待して後編も観に行くだろうが、今のところ評価はできない。
『踊る・』シリーズはそれまでの、またそれ以降の刑事物ドラマとは一線を画していた。
刑事物というよりは、「本庁の官僚主義 vs 所轄の現場主義」といった構図がキモで、組織の縦割りとその弊害が話の本筋。悪者は犯人というより縦割り警察組織におけるキャリア官僚そのもの。そして一般の公務員である現場”刑事”達が”警察”という巨大な組織に抗うさまが痛快で面白かった(室井管理官は、そんな”悪者”官僚に風穴を開けるべく密かに立ち向かう役どころだ)。
この構図はシン・ゴジラも全く同じで、巨大不明生物出現という国家の非常事態に対し、組織の手順を踏まないと何もできない役立たずなエリート達(政治家・官僚、有識者と言われる学者達)と、「出世に無縁な霞が関のはぐれもの、一匹狼、変わり者、オタク、問題児、鼻つまみ者、厄介者、学会の異端児」というさまざまな肩書き・個性をもつ「くせ者」たちが縦割りをぶち抜いて”怪獣”を倒す、という設定だ。
キャッチコピーは「現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)」
怪獣映画でありながら、『“日本”という“組織”において、“ゴジラ”という想定外の現実に何も対処できない政治家や官庁に対する皮肉が込められた社会派作品』という本質が、多くの観客の心を掴んだ。
それは「踊る・・・」シリーズの本質とも共通している。
ただ本作には、そんな踊るシリーズの本質は影を潜めている。
後編を見れば、答えが見つかるのかもしれないが、相当意味深な伏線の張り方をしているので果たして回収できのだろうか?よほどのどんでん返しが無いと回収しきれないのではと余計なお世話かもしれないが心配だ・・・。
踊るファンにはただ続編が公開されただけでも良いのかもしれないが、スピンオフとは言え継続した話の流れで作られた続編ではあるので、作品が持っている本質・方向性は失わないでもらいたい。
前編で良かったのは、福本莉子演ずる日向杏の演技かもしれない。決して多くを語ってるわけでは無いにも関わらず視線だけでこの作品を支配していると言っても良いほど脳裏に残った。だてに東宝シンデレラグランプリを取った訳では無い、これからの活躍が楽しみな女優だ。
矛盾点は回収されるのか?
過去作品の映像を混ぜ込み、更に当時はちょい役だった人達が昇進し室井さんの前に現れ「あー、はいはいはい。居た居た(笑)」と一気に懐かしさが込み上げました。
退職し故郷でひっそりと暮らしていた日々が、一体の遺体が発見された事に由り喧騒に巻き込まれて行く室井さん。
村人には「あんたが死体なんか見付けるから!」って嫌味を言われていたけど、アレ室井さんが発見した訳じゃ無くね?散歩させていたおじさんが(と言うか犬が)第一発見者じゃ無いんですかね?
新城さんの「捜査の基本は第一発見者を疑え」は、犬のおじさんが犯人だと指しているとしても………
多少の距離はあれども、あんなに見晴らしの良い向かい岸に、誰の目にも留まらず、かなりの深さの穴を掘り、遺体を埋めるのは無理じゃね?
街灯が無いから夜に?音が響くよね?
多少の音なら分からない日中?タカは学校、室井さんは畑仕事をしていて気付かなかったとしても、リクが気付く可能性大だよね?
村人全員で協力して短時間でやったにしても、だったら山に遺棄した方が見付かる可能性は低いと思う。
ラストの火事は、杏が故意に火を付けたと思わせておいての過失だと思う。
何にせよ生き続ける者を見ないとモヤモヤしたままになるので、或る意味監督の思惑通りですかね?(笑)
リタイア後の室井さん
リタイア後の室井さんの生きざまがメインで、徐々に事件に関わらざるを得なくなっていく前編。
組織を変えられなかった室井さんの無念さや、試行錯誤しながら子どもたちと接する姿は観ていてグッときました。
なんだか場違いな感じがしたのは、やたらテンション高いだけの秋田県警の警官、やたら分かりやすく性悪に演じる女弁護士、捜査一課のやたら生意気そうな若手刑事。
室井さんや子どもたちの深みあるやりとりに対して、彼らは軽い演技に見えて物足りなかった。
(事件に対して)「あなたもすぐに熱くなっていきますよ、私には分かる」というセリフを言わせるなら、あんな若手ではなく新城さんに言わせてほしかったです。
捜査に関わっていくと同時に、子どもたちとの問題も大きく発展。
後編での解決とテーマ回収に期待して、来月も観に行きます。
変な新キャラは、いらないです(笑)
新城の心情
既に観られた先人たちのレビューを拝見するに、おそらく次作品を観るまでスッキリしないのかな?と思ったんですが、実際に観てみると、本作だけでも、『踊る』ファンに、は充分楽しめるものでした。
ただ、本作を映画作品として、過去シリーズと関係なく初めて観る人にとっては、確かに消化不良な部分が、ちらほら。
おそらく次作は、リクと杏のエピソードか柱になるのでしょうけど、、、なんとなく青島刑事の現在も語られたようだし、スピンオフではなく本編シリーズの続編に繋がるのかなあ?
個人的には、新城元管理官のボヤキがツボでした。室井さんと違って着実に出世して、本当なら長官とか総監とか目指していたはずなのに、、、かなり無念でしょうね。
いまはレビューするべきではないかも、、、、
伝統ある踊るシリーズということで、
期待をもって鑑賞。
1ヶ月あけての2部構成ということで、
その新しい試みに期待度は高かった。
本作公開前にドラマシリーズや、過去の劇場版が一挙公開されたが、
あれを観ていないとほぼなんもわからんよな、、、
そういう複数メディアを取り入れるという試みも好意的には捉えていたが。。。。
しかし残念ながら、前編の中途半端な終わり方はもやっとしたし、
先ほどは新しい試みとはいったものの、
悪い言葉でいえば、ちょっと商売に走り過ぎじゃない?
という印象をもった。
一応、前編も1編の作品なのだから、それなりのオチはつけてほしかったな、、、
というのが残念ポイント。
2000円払って2時間の予告編を観させられたかな?
この作品を一言で表すとそんな感じ。
よって11月の後編を観ないと作品としの正当な評価はできないな、、、
というのが評価。
後編への期待をこめて星3つ。
眉間のシワ男シリ-ズ第二弾! そう簡単に秋田に戻させまい!
どうしたぁ~。
きりたんぽ鍋でも突っづくか。
封鎖出来なかったが。君たちを信じる。
責任を取る、それが私の仕事だ。 (この名台詞)
秋田の一番星、柳葉さん。
お米作って、うまい日本酒飲んで、もう役者遣らないのかなと思ってたけども。
額から眉間にかけてシワだけクロ-ズアップされた チラシが突如劇場で撒かれる事態に驚き。やり過ぎやろ 目も入ってねぇぞ・・・ワロタけど。
何じゃこりゃ??? だ、だれだ??
”室井慎次”の文字観て あ~ぁ、踊るね って思った方多かったと思う。
2005年:容疑者 室井慎次
2024/10/11公開:室井慎次 敗れざる者
2024/11/15公開:室井慎次 生き続ける者
前作から19年ですか。そして第二弾の2部作。
今日は「室井慎次 敗れざる者」観ましたよ。
(大体の流れ)
青島との約束を果たせないまま、沖田(真矢ミキさん)からの県警主要ポストも断り、室井は警察を辞めて故郷秋田の山奥の空き家へ棲み移った。
荒れた家を修復し、自給自足の生活を始める。
(なんか畑仕事姿がメッチャ違和感無く似合ってるわ)
そして、事件の被害者家族・加害者家族を支援したい思いから
事件関係で影響受けた子供達を二人(タカ・リク)男の子を引き取り、平穏無事に暮らしていた。
ある日、山中を彷徨い倒れていた1人の少女を子供達が発見。
家で介抱し自宅で面倒を見るが 名前が日向杏。
猟奇殺人犯・日向真奈美(小泉今日子さん)の娘だった。
どうやらムショ内で妊娠し生んだようだ。そして室井の住所メモを渡しておりそこへ行く様に仕向けたようだった。
(そんなプライベ-トな山奥情報 どうやって知った?)
タカの母を殺した犯人との面会がメインで一山の感動は向かえたが、杏の目が離せない動向と、腐乱死体事件の関係性と 新城賢太郎(秋田県警察本部長:筧利夫さん)との会合。そして 今作最後に訪れる 室井らが棲む建屋炎上。
色んな伏線が 後編の”生き続ける者”に繋がる。
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TVドラマシリ-ズも含め 色々懐かしい映像が出てきます。
そこは結構好きな方は楽しめるのでは と感じます。
とにかく 皆さん ”若い” この一言に浸りますね。
踊る大捜査線の風味も若干しますが、スピンオフとしての
”室井慎次”メインオリジナル色であると 強く感じますね。
そこは良い感じします。
(その他 感じた事)
・秋田にこんなけ集中的注目させる作りは羨ましいかな。
これも ひとえに柳葉様のお力と感じます。
・子供達への接し方が ちょっとキツい感じが時々するかな。
自子がいないので仕方が無いけど。空き屋修復と自給自足生活。
都会の警察官僚上がりが辞めていきなりこの生活は無理と思う。
田舎生活を舐めてるなと思ったのが本音。
・家の前の池の周囲で腐乱死体発見ですが、埋めて2週間??。
秋田犬も飼ってるでしょ? 見掛けたら怪しい奴に吠えるでしょ。
山奥の一軒家ですよ。車で運ぶでしょ。タイヤ痕などまず調べないと。
そこの道中のラインを全て当たれば ほぼ犯人は結びつくと思う。田舎だし。
・街中にいきなり 監視カメラ増設対応。それは対策上無理あるわ。
レコ-ダも同時に設置して集中監視がいるのよ。ドーム型監視カメラの設置が正しいけど一般型入れてたよね。
・洋梨、どうしても入れなきゃ駄目?。あの原型は止めなさそう。
犯人は馬鹿?あれで関係性匂わせた様だけど 時間経過を考察すると
関連付けるのは無理と感じるかな。
・腐乱死体だとすると、野生の獣がまずは掘るだろう。しかし 室井が掘ったとき現場の土地は草も無く平坦だったと思う。つまり 元々腐卵臭で怪しく思う前に、そこだけ雑草も無く何かを埋めた跡があるので目視で怪しいと感じるのではないかな。
・ちょっと物々しく発見現場に警察関係が来すぎかな。
物的証拠が荒らされるでしょ。県警捜査方針を疑うな。
・タカ・リク・アンに後編で華を持たせてあげて欲しいかな。
(もう仕上がってるだろうけども)
室井との関係性を丁寧に描けば、本家の踊る~以上に
感動作の域に達するかもと、ちょっと期待ですね。
今、シワ男の話題作。
興味ある方は
是非 劇場へ!!
男は敗れようとも…
『踊る大捜査線』の新作映画も12年ぶり。
しかし今回、“踊る大捜査線最新作”と括っていいものか。
ご存知の通り今回、青島=織田裕二は出ない。それについては色々憶測が流れているようで、ここでは敢えて触れない。私が聞いた辞退説もあくまで噂のような…。
そこで主役に白羽の矢が当たったのが、もう一人の主役・室井なのだが…。
2005年に室井主役のスピンオフ『容疑者・室井慎次』が公開されたが…。
これが『踊る』映画シリーズとして最も成績の低い約38億円。同年のもう一つのスピンオフ『交渉人・真下正義』は約42億円であった。
そんな室井を主役に。しかも2部作で。
『踊る』の映画も『1』『2』をピークにどんどん成績が下がっている。約101億円→約173億円(邦画実写歴代1位)→約73億円→約59億円。
12年のブランクは思ってる以上に大きい。その間、『踊る』関連のものは何も無く、『踊る』を見てない/知らない世代も…。
久し振りの新作なのに、今一つ話題になってないような感も…。注目度やレビュー投稿数は『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』の方が上。ファンの間では盛り上がっているが、結局それは再放送のTVドラマや映画に対して。
かつては邦画絶対的な人気/ヒットコンテンツだったが…。不安要素はいっぱい。
これがコケたら“踊る終わった説”も現実に。
果たして…?
早速色々と。
中身ナシ。何も起きない。
2時間ただだらだら。
事件も話も中途半端。
全ては後編で。あざとい金稼ぎ。
…まあ、分からなくもないものもある。
『踊る』も終わった…?
ちょっと待って。
率直な感想。思ってた以上に面白かったのでは。
前回の室井スピンオフよりも。『3』や『FINAL』よりも。
個人的に『踊る』の映画は、『1』と『交渉人』が好きで、『2』の次か並ぶくらい。
『踊る』特有のあのノリや雰囲気ではない。室井が主役だから確かに真面目な作風。
が、常に眉間に皺を寄せたばかりの作風ではない。ちゃんとエンタメ性はあり、事件サスペンスも起こり、哀愁と感動のヒューマンドラマでもある。
まだ“ジョーカーショック”を引き摺っていた分、室井さんが魅せてくれた。
青島が出ない以上、誰が主役に相応しいか。誰の“その後”を見たいか。
やはり室井。
彼にはやらねばならない事がある。果たさねばならぬ約束がある。
あの男と。
かつては組織人だったが、あの男との出会いで変わり、約束を果たす為、組織と闘い続ける。
現場の者の為に。上と下、よりよい関係の為に。
組織を変える為、もっと上へーーー。
が、彼は敗けた。
組織を変えられなかった。組織から見離された。
定年前に辞職。無念と自責のまま、室井は故郷の秋田へ…。
猪突猛進の青島とは違う信念の室井。挫ける事などないだろうと思っていたが、まさか室井がこんな事になっていたとは…。
秋田の自然に包まれた田舎で静かに暮らす室井の姿に違和感ナシ。それともギバちゃんの素…?
孤独な一人暮らしではない。
可愛い秋田ワンちゃん。
そして、二人の男の子。
…あれ? 室井に子供いたっけ…? そもそも結婚してたっけ…?
実の子ではない。犯罪事件の孤児の里親となり、預かっている。
貴仁。“タカ”と呼ばれている。高校生。母親が殺された。
凛久(リク)。小学生。親が犯罪者。
3人の関係は良好。タカもリクも室井の言う事をよく聞き、懐き慕っている。
室井もそんな二人に向ける眼差しが暖かい。
夕食は必ず一緒に。リクにはカレーは飽きたと言われるけど、室井特製の鍋。マジ、旨そう~。レシピ教えて!
平穏な暮らしだが、これを築くまでは大変だった。終盤描かれるのだが…
警察を辞め、この地へ。古家をイノベーションし、畑を耕し、悪戦苦闘。上手くいかず、頭を抱えて喚く事も。不器用な男なのだ。
やがて二人を迎え入れる。暮らしに穏やかさと幸せが溢れ出したのは、二人を引き取ってから。
心残りはあるが…、もう警察の人間じゃない。この二人を育て、静かに慎ましく…。
平穏は突然破られた…。
室井たちが住む家の目の前に池があり、その対岸の地中から発見されたのは…
謎の他殺体。
事件など起こった事など無い町に警察が。
町人の中には快く思わない者も。室井に対しても邪険露わ。
県警だけではなく、警視庁も。旧知の刑事の話によると…
被害者はあの“レインボーブリッジ事件”の犯人グループの一人。出所し、特殊詐欺に手を染めていたという。
“過去の亡霊”はこれだけではなかった。
ある日現れた一人の少女。持っていた里親からの手紙によると、“室井慎次を訪ねろ”と。
タカ・リクとも打ち解け、一緒に暮らし始めるが、室井には何か引っ掛かるものが…。
警視庁の旧知のツテを使って調べて貰う。刑事としての勘は鈍っていなかった。
少女の名は、日向杏。シリーズ最凶の犯人・日向真奈美の娘であった…。
室井の個に迫った番外編的作品になるかと思いきや、がっつりシリーズとリンク。しかも、『1』『2』の大事件と…!
結局過去の作品に頼ってるだけとの声もあるが、ファンにはワクワク。が、室井にとっては…。最凶の犯人と“レインボーブリッジを封鎖出来なかった”忌まわしき事件…。
全てから決別しようとこの地に根を下ろしたというのに…。室井の眉間に再び皺が…。
因縁か、宿命か、ケリを付けなければならないのか…?
履き慣れた古い靴や馴染みのスーツを着たような。佇まい、言葉一つ一つの重みや深み。柳葉敏郎が魅せる円熟の味。
シリーズ馴染みの顔(筧利夫も『踊る』で知名度上がったなぁ…)も見せ、シリーズ過去映像(青島の姿も! どうやら織田裕二と製作側にしがらみはないように感じた)も流れ、このシリーズが如何に長い歳月を経たか感慨深くさせつつ、新たな3人に注目。
福本莉子。小泉今日子が怪演した凶悪犯の娘という難役。可愛らしい見た目の中に、陰や時折見せる不敵な笑みが“母親”を彷彿させる。次作で大化けするか…?
タカ役の齋藤潤クン、どっかで見た名前だなぁ…と思っていたら、『カラオケ行こ!』の聡実クンか! 着実にキャリア積んでる。
リク役の前山こうが・くうが双子が、二人一役していたのは驚き!
室井と3人の子供が織り成すドラマこそ本作の見所だろう。
静かにかつ深刻に波風立てるのは、杏。
まだ何が目的か定かではないが、嘘を吹聴し、タカとリクに室井への不信感を募らせる。
幼いリクは信じてしまう。タカは…。
杏の仕業と分かっていても、室井は咎めない。
リクに対しても常に同じ目線に立って。ある時リクに言う。自分もまだ“一年生”だから、どう注意したらいいか分からない。
手探りでの里親。しかしその姿を、しっかり見ていた者がいた。
タカの母親を殺した男が獄中から謝罪の手紙を。担当弁護士から一度会って欲しいと。
室井はすぐ見抜く。裁判を有利にする為の弁護士の魂胆。
あなたが家に来た時、タカの母親の遺影に手も合わせなかった。室井さん、よくぞ言ってくれた!
タカは母を殺した男と会う。謝罪の手紙などやはり弁護士が書いたであろう嘘。謝意も何も無い横暴な態度。
そんな男にタカは言う。俺はあんたみたいな大人を知っている。内心で、自分は情けないと言い続けている。あんたみたいな大人にはならない。
なりたい大人がいる。
その人の傍で、姿を背を見続け、あんな大人になりたいんだ。
共に暮らした時間はまだ一年。が、時間以上の実り築いたものが彼らの間にはあった。
何も起きないと言われるこの前編だが、唯一解決し、ハイライトとなったのはこのシーンだろう。胸に染みた。
前編がタカなら、後編はリク。終盤リクの父親が出所し、次回予告映像では…。
謎の放火。火に飲まれる室井のスーツ…。
杏の目的は…? 次回はどうやら“母親”も…!
事件の真相と犯人は…?
室井は何か病を患っているのか…?
やり残した事、再びあの男との約束を果たす事が出来るのか…?
後編は回収しなければならない事がいっぱい。
これは室井と、君塚良一と本広克行、男たちのケジメのドラマである。
とにかくみなさん観てください
よく考えたら、世の中にはぶつ切りで放置される物語が多い。作者の納得がいく最終回まで描かれる物語は稀有なのではないか。
踊る大捜査線は、登場人物が歳を取り、その年齢に合わせて置かれるステージも変わる。
役者の演技も変わる。
みんなが若い頃の、お祭り騒ぎのような踊る大捜査線はもちろん大好きで、あのまま時を止めたい気にもなる。
だけど、時を動かして人間の物語(人生)を最後まで丁寧に描く勇気を出してくれたことに感謝している。
若い人の良さ、人生経験を重ねた人の良さ、人生における勝ち負けはないことを、わからせてくれた。
室井慎次という人間をこんなにも丁寧に描いてくれてありがとう。
そりゃ前後編にもなりますわ。それでも足りないかもね。
少年が親の敵を正面から見据えしっかりと自分の言葉で話す場面は自然と涙がこぼれた。
室井さんが背中で大きくなった!と伝えるところも、こんなに震える映画が作れるんだ、と心から驚いた。
結論:全人類観てください…!!
秋田の映像が綺麗だし大画面で昔の踊る映像流れるし、楽しかったです。
※↓めちゃくちゃネタバレな感想注意です
・キャラ弁作る室井さん、可愛さが爆発どころの騒ぎではなくレインボーブリッジ封鎖できましたブサムバディトゥナイ
・ガキの好きなオムライス〜!!!こんな一瞬で子心掌握できるの?!練習して私も真奈美様になるう〜〜!!
斉藤潤さん、柳葉さんよかった
後編にむけてじっくりと効かせるような、フリの展開で長く感じたが悪くはなかった。
特に斉藤さんの演技がよくそれだけでも見る価値あり。
室井さんも最高でしたし、ただ前作までの内容がかなり関わってくるので後編に向けて復習が必要かなとも思いました。
歳をとった室井さんも良い!!
全シリーズを復習することなく、鑑賞(笑)
それとなく、回想シーンありで、
過去を説明してくれるので、思い出せる感じでした。
言葉少なく、不器用で、くそ真面目で、真っ直ぐ、
内に熱い心をもち、人を良くみている眼。
人から良く勘違いされる、若い人からいじられる(笑)
踊る好きが、心に焼きついてる、
あの室井さんに、スクリーンで会えるのは感慨深い。
今回は前編なので、ネタ振り満載で、スッキリはしませんが、
室井さんと新城とのやりとり、ちょい胸圧。
後半が本戦という感じなので、来月楽しみにしてます。
後編の直前に観るのが良
前編は事件は何も解決しないので結末を知りたいのなら後編の直前に観るのが良いです。前編は室井さんの現状と育てている2人の子供との交流が丁寧に描かれてますが事件的には風呂敷を広げきった状態なのでうまく畳んでくれるか心配。内容的には前編TV SPで後編映画が良かったかな?
二部作というよりは前編
正直、ワクワク感半分、まだ擦るのかという気持ち半分で観に行った。
晩節を汚すというほど駄目だとは思わないが、面白いとも言えない。
エンタメ作品なのだから
シリーズを見たことがない人でもある程度理解して
楽しめる内容にすべきだし
二部作とは言え別々の物語なのだから、一定の終息は見せてほしかった。
これでは単に踊る公式ファンムービー前編である。
全部散らかしっぱなしで大して切りも良くないところで
物語が終わってしまったし、タイトルで『敗れざる者』と謳いつつ
内容はずっと自分は負け犬だ、という人の話だった。
過去の映像が挟まれたり、過去作に出ていた人が出てきたり
「約束を果たせなかった」という室井さんの言葉だったりで
うるっとはきてしまう。
しかしストーリーや演出が良かったかというと
結局過去作が好きでその歴史をリスペクトしているだけで
けして本作が面白かったとは言えないと思う。
全体的に演出がしつこい。
若手警官の乃木と桜が特にうざったい。
レインボーブリッジが封鎖できなかったもちょっとしつこかった。
タカにつきまとう弁護士も非常にうざかったし
お父さん一年生だからどこまで干渉してよいかわからない
ということだったのかもしれないが、
保護者としては面会に行かせる必要はなかった。
立ち会ってくれたこと、弁護士を退けたところは恰好よかった。
タカが室井さんを尊敬してくれているのは良いのだが
それならここまでにもっとそういう描写があって良かったと思う。
タカの言葉を聞いてあんなに態度が悪かった犯人が
あっさり罪を認めるのも随分な展開だった。
本作をタカの話、自作をリクとの話をメインにすれば良いものを、
そうするにはタカ周りの描写が浅いし杏がノイズ過ぎる。
遺体が見つかって平和に暮らしていたのに警察に引き戻される
みたいな話なのかと思ったら
それにしては色々盛り込みすぎで雑音が多い。
警察でも村でも異端児扱いされている姿は気の毒だし、
村の寄り合いに出ずに白い目で見られるのはあるあるだとしても
害獣駆除を手伝えと言ってひとりだけハンターベストもなく
目立たない格好をさせられ誤射に見せかけて撃つ気なのかと思う演出は
どういう意味があったのか。
諸々次回作できちんと回収されるのだろうか。
子どもと室井さんの関係良かった。
まず、ずっと怖かった。死体が家の近くで出るとか、謎の女が何するかわからんとか、怖すぎ。
まずは容疑者として室井さんが捕まるのか?とヒヤヒヤした。そして最悪、おこちゃま殺害されたらどうしよとか、そんな想像すらした。
なんか、色んな昔の人が不自然な位、地方にみんな出てくるから、リアリティ的にはなんか安っぽくはなってる。
ただ、なんか地元の人がムラ的で怖かったり付属ストーリーがついてんのな。
そしてテンポが中々進まないのはなんでなのかと思ったら前編だったのね。
一番前編で良かったのは、上の子との関係性。上の子は、室井さんを信じてくれていたし、母親の事件の犯人に向き合っていくんだよ。それを静かに室井さんが支えてた。
室井さんは言葉が出ないキャラなんだけど、だからこそ、言葉が出た時の重みが違うんだな。こういうキャラってこういう風になるんだなってマジマジ感じたわ。
下の子にいった言葉泣いちゃったよ。「俺は1年生だ。正直どんな風に接したり叱ったりしたらいいかわからないんだ」ってニュアンスの言葉ね。
ストーリー的には室井さんの人生の選択にいまひとつリアリティはない。
青島との約束が守れなくて失意で退職はわかるとして、田舎に篭って、さらに里親になるまでの経緯の作り込みが甘い。なんで里親になるって発想でたのか。室井さんなんで結婚しなかったのかとかもね。
でも、まずまずかな。踊る大捜査線の明るいハチャメチャイメージとは又違った感じだけど、子供と室井さんに拍手ですね。
小泉今日子怪演だったの思い出したけど、不気味な女はどうなんのか?次も又怖いな〜〜!
次作へ続く壮大な予告編?
「踊る大捜査線」のノリを期待して見ると、残念な思いをしてしまうんではないだろうか?
冒頭の矢本悠馬の警官が出てきたあたりは、面白くなりそうだと期待したんだけど。その後は淡々と進む展開と、殺人事件というより里親の話が中心になり中弛みが激しくなってしまう。
そして、終映時間が続くも物語は進まず、嫌な予感は見事的中! 本作は次作へ続く壮大な予告編として終わってしまった。
本作で、一通り完結。しかし、次作で本作のストーリーを完全否定してのどんでん返しストーリーを見たかったわ。
キャスト皆よかった。
終始柳葉さんが自身のものまねみたいなキャラで、そこがおかしくもあり、不器用な役がハマってるからこそ子供たちに掛ける言葉、表情一つ一つに泣けた。
福本さんもキョンキョンの目元に少し似てていいキャスティングだなと思った。室井さん、りくとたかひと君3人が不幸にならない事を祈るばかりです。
次回も涙なくして見れない気がします。飯島直子さんがちょい役でキャスティングされているの怪しい気がしませんか。カギになりそうな予感です。
懐かしさに浸れる
踊る大捜査線の大ファンである個人的に待望のシリーズが帰ってきた。
室井らしさ満点で、踊るらしさも満点な作品。
何度も懐かしいシーンで胸が熱くなりました!
役柄で申し訳ないが、福元莉子さんや生駒里奈さんが嫌いになりそうです。
家族ものなんだけど
うーん。
昔の映像の使い回しが必要だったか?
それはシリーズを思い出すための配慮か?初めて観る人への配慮か?そんな配慮は必要ない。
また家族物語を作りたいなら死体の発見が早過ぎる。
発見で終わる形で良かったんじゃないか。
殺人事件を本筋とするならこの物語は一切進まず終わる。そんな作品はあり得ないだろう。
2部作として描こうとするとこに問題があり、別々の作品として描くことを前提として作った方がスッキリした様に思えた。なので副タイトルも変更し、家族に焦点を当てるだけのものであればもっと評価は良いものだった。
敗れ去る者ではないのですね。
室井慎次による「踊る大捜査線」シリーズの後日談か?と思っていた。
警察の組織改革をやり切れずに青島との約束を果たせず警察から敗れ去った者、室井慎次の話
だけど犯罪被害者(加害者の子供も被害者)の子供を引き取り育てようとする室井さん。周りで昔に関連した事件起き、新たなる子供が湾岸署最悪の事件の犯人の娘で波乱を作る。昔の踊る大捜査線の未回収部分を創り上げ新たなる「踊るプロジェクト」を再始動させた。
もちろん、全部は観ていない私でも少しは知っているからいろんな場面の回想を懐かしく思い、引き取った子供との室井さんのエピソードで新しく室井さんの家族を描き、新しい火種が室井さんの隠居生活をぶち壊す所まで描かれる。
後編の「生き続ける者」で室井さんの周りがどうなるか観たくなる作りでした。
柳葉敏郎さん良かった。家のリフォームや掃除、畑整地に畑仕事と室井慎次のキャラにないこともこなしていた。
福本莉子さんの暗い影のあるキャラも上手かった。
さぁ楽しみ室井シリーズの後編と思って1ヶ月待ちましょう。
前山くうが、こうが君の双子による二人一役はわからなかった。
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