「どちらの取り方もできる映画」室井慎次 敗れざる者 Haruka Miuraさんの映画レビュー(感想・評価)
どちらの取り方もできる映画
まず初めに言っておきたいのは、過去作品を見ずにこれだけを見に行くと確実に置いてきぼりです。
少なくても過去3本の映画は見ておかないとあまり理解できずに終わってしまうと思われます。
昔からのファンとしては、冒頭の過去映像が出てきただけで過去を思い出してうるうるしてしまう感じで。
その過去があり、時を経ての登場人物の環境の変化、人としての感覚の変化、そして自分も歳を重ねたことを実感しました。
刑事モノというより、この映画に関してはヒューマンドラマといった要素の方が強い印象でした。事件も起きたといったら起きたけど、ほんのさわりのみ。後半に向けての序章と言った感じです。
ドキドキハラハラの刑事モノを求めていくと今回の映画は見応えに欠けるものかもしれません。
でも、踊るが再開するにあたって、この映画は重要だったと私は思います。
室井さんはキャリアとして、現場の刑事からは疎まれたりして、キャリアの中では東北大出身だということで嫌味を言われたり、不利な立場に立たされたりして、本当に苦しい立場にいたこと、孤独を感じていたのであろうと思うと泣けてきます。
ドラマを観ていた学生時代にはそこまで感じていなかったけれど、違う角度から見るようになっていることにも、踊ると共に歳を重ねてきたことを強く感じた部分でした。
現役時代そのような体験があって、現在の生き方を選択したこと。室井さんには室井さんの幸せを掴んでほしい。後半の映画では事件の解決だけでなく、果たせなかった約束も、室井さんの心残りになっていることも解決して、そして未来に希望もつないでほしいと思います。
とりあえず後編も見ないことには終われません。
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