劇場公開日 2024年10月11日

「誠実・・踊る大捜査線チームが26年目に出した答えは《人間を描く事》」室井慎次 敗れざる者 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0誠実・・踊る大捜査線チームが26年目に出した答えは《人間を描く事》

2024年10月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

驚くほど静かに滑り出し。
「踊る大捜査線」のコミカルなイメージを覆す
シリアスドラマ・・・でした。

定年の何年か前に警察を退職した室井慎次が住む木造家屋。
郷里の秋田の山奥で畑を耕し魚を釣る。
そんな悠々自適にも見える生活には、小学低学年と高校生の2人の
里子が居る。
そこに今も終身刑の受刑者の娘(福本莉子)が飛び入りしてくる。

そして沼を跨いだ筋向かいの土地で、埋められた死体が発見される。
それは2005年の劇場版第一2弾「レイボーブリッジを封鎖せよ!」の
実行犯5人のうちの1人の死体。
実行犯の5人は刑期を終えて2年前に自由の身となっていたのだ。

3人の犯罪被害者(and加害者)の子供たちを縦糸に、
刑期を終えた後は「特殊詐欺と強盗」に生きる道を選んでいた
「レインボーブリッジ事件の加害者たち」の1人の他殺体。
この事件が横糸と言えるでしょう。

はじめは室井慎次(柳葉敏郎)のリタイア後の人情ドラマか?
《田舎暮らし》の話しなのかとと思いました。
食事も凄く美味しそうだし、
しかし観進めて行くうちにジワジワと心に響く、
心に迫るものが押し寄せてくるのです。

警察官僚“室井慎次“のやり残した事。
そしてやるべき仕事と生き様・・・・
何故、前・後編の2回にしはければならないのかも、
分かってくるのです。
この映画はヒット狙いでは無かった。
“踊る大捜査線チーム“
監督の本広克行、脚本の君塚良一、プロデューサーの亀山千広、
スタッフ全ての「踊る大捜査線」の総括であり、やり残しの全ての
集大成で「答え」なのです。
3人の子供たちを準主役に置いた事は、正解でした。
「人生を若くして捻じ曲げられた子供たち」への熱い思いであり、
犯罪の持つ後遺症や風評被害、親を奪われる悲劇であり、
室井慎次のように里親になるのも一つの答えだし、社会全体が
サポートすることの必要性が当然あります。
高校生のタカ(齋藤潤)
小学生のリク(前山くうが、こうが・・・双子で一役?)
そして猟奇殺人犯の小泉今日子の獄中で産んだとされる娘役の、
福本莉子。
福本莉子は今までの好感度女優から、捻くれた悪を匂わせる
複雑な役柄。新境地が見られそうな予感。
齋藤潤は「カラオケ行こ!」同様に人間的深みを垣間見せる。
光るものがある大器ですね。

まあなんと言っても柳葉敏郎ですよ‼️
多くを語らず、多くを背中と年輪を感じさせる皺の深さ。
もう室井慎次の人間的魅力全開です。
間違いなく後編ではやってくれます。
松下洸平もちょっとしか出てない、
後編の11月15日が楽しみになる、
《絶対に後編を見届けたい》気持ちになりましたから、
成功なのではないでしょうか‼️

琥珀糖
SAKURAIさんのコメント
2024年10月11日

こんばんは!

レビューサクッと書いたのでこれから編集しようかなと思ってるんですが(笑)

今作面白かったですよね!
過去作は今放送されてるものを録画して観てるんですがコメディすぎててあまりハマらずって感じでしたが。

SAKURAI