「踊るらしさ、室井さんらしさ、とは??」室井慎次 敗れざる者 キャプテン・ポップコーンさんの映画レビュー(感想・評価)
踊るらしさ、室井さんらしさ、とは??
これ以上、踊るシリーズを続けなくていいんじゃないか。
これが、踊るシリーズの"答え"なんじゃないか?
それだけ、「踊る」という物語、
踊るに登場したレギュラーキャラクターの人生、
そして、室井慎次の生き方の選択として
第1部にあたる
『室井慎次 敗れざる者』は深い作品だった。
「はい、これでシリーズ終わりだよ〜」と、
言われても腑に落ちるぐらいの出来栄え。
てか「踊るが…物語が…終わっちっまった…」と正直なところ思った。
それだけ、室井さんの人生を描いていた。感慨深い。
あと『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』で抱いた当時からのモヤモヤは無くなった。
ファイナルのとき、組織改革審議委員会が誕生したりと、
あのとき、青島と室井の思いを実現するための第一歩は、確かに描かれていた。
むしろ「さあ、これからも頑張るぞ!」という前向きな雰囲気で一旦完結された。
12年間、あの約束はどうなったのか・・・、正しいことができたのかい、と気になっていた。ファイナルだから余計モヤモヤしていたんだと思う。
新作では、そこからの12年間の結果がきちんと描かれている。
それを踏まえて、感じたのは、
組織に「希望」も「絶望」もない、
でも正しいことはできる。
ということ。
つまり、
理想が叶うことはあるけど、実現しないこともある。
でも、決して無駄なことが悪いことだったわけではない。
「正しいことをすると、良いことがある」
「無駄なことだって必要なんだ」
それが、
組織で生きる、社会で生きる、
ということなのだ。
筆者が「踊る」から学んできたことである。
室井さんが退官した理由、
ほかのメインキャストのいま。
筆者はその選択肢や運命をきちんと受け入れられた。
深く呼吸をするような映画だった、尊い。
なので冒頭の坂村さんから
警察組織に対しての問いは、
「たしかに…そうかもしれない」
と思って悔しくて泣きそうになった。
これが「人生」なんだ、と思って観ていた。
筆者は、まだ30代になったばかり、
室井さんと青島くんが出会った年代にようやくなったのだけど・・・。
重すぎる現実だった。
また、観る方の世代によって感じ方は変わる作品だ。
室井さんが山奥の家で住む生活は羨ましいと思ったり。
それにしても、新城さんと室井さんがお酒を飲むシーン。
27年間の関係性の重みを感じた。
まさか、こういう光景を目撃できる日が来るとは…。
特に新城さんが発した自分の警察官人生への一言が、
ずしっと心に響いた。
役者さんの演技や設定で、
もちろん「時の流れ」を理解することはできる。
でも、そのシーンにあった「深み」は
大ヒットシリーズで多くの人が知っているキャラの関係性、27年間観続けているが故の時間の重み
あのシーンが観られただけで、
踊るプロジェクトが復活して、本当によかったと思った。
そして、警察官を辞めた室井さんだけど、
里親になって、
犯罪関係者の子どもをケアするという考え、
組織を変えることはできなかったけど、
自分のできる範囲で誰かのチカラになりたい。
「群」ばかり出てくる作品だけど、「個」と向き合う。
これは、とても踊る的だな、と思った。
湾岸署の旧署員に出会うところも室井さんの人柄が出ていた。
シリーズ開始27年、休止期間12年。
知っている室井さんはいたし、
知らない室井さんも観られた。
「踊る」らしさもあったし、新しい「踊る」もあった。
再始動には良い塩梅なストーリー設定だったと思う。
あと、優しかったね、雰囲気が。
「組織」ではなく「人」、「会社」ではなく「家」な演出だった。
総して、今作は「踊る大捜査線」シリーズの
新作になっているし、
「踊る」とは別の独立した映画にもなっていたと思う。
このレビューの冒頭に
続かなくても良いのでは?と述べたが、
今作だけでは、まだ(また!)気になることはあるし、
次の『室井慎次 生き続ける者』を観たら、
今回の感想が変わるかもしれない。
踊るシリーズを一冊の本に例えると、
まだ完成していたわけではなく、
『室井慎次 敗れざる者』がやっと本の背表紙裏だと思っている。
我々は、27年かけて、一冊の物語の行くえ、総括を観ることができるのかも。
最初の予告を見たときに、
気分が乗らなかった人も、
きっと観てよかった、と思うはず。
むしろ、これまで踊るシリーズを好まなかった人にもウケそうだな、と思った。
もちろん、
4歳から観ていた一熱狂的なファン、
人生のほとんどを踊ってきた筆者としては、
シリーズは続いて欲しいし、
この先も踊っていきたいと思っている。
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後期ー
踊るの世界線で警察官になる、という筆者の長年の夢。
このたび、警視庁刑事部捜査第一課の刑事役で、2部作に参加できたこと、本当に感謝し、感激しています。
役者さんではないのみも関わらず、現場でご一緒できたこと、あの世界線で生きれたこと、最高でした。
いえうサン🍿🔥
ありがとうございます!
『室井慎次 生き続ける者』も楽しみですね、次で一旦終わるかもと思うと寂しいですが、映画終了後の予告を観たらドキドキです。
室井さんが、田舎で苦悩を感じている姿は、警察官時代の室井さんとガラッと変わっていて悲しくなる所もありましたね。負け犬だというセリフも切なかったです。
でも、おっしゃる通り室井さんの変わらない部分も描かれていて、より人間的に尊敬できると思たし人間味があって良かったですね!
物々しいパトカーやヘリコプターののシーン、踊るシリーズの劇中音楽もワクワクしました🫨
私も公開初日に観させていただきました!
『踊る』はもちろん、今作品の室井さんへの愛とリスペクトが感じられて素晴らしいレビューだと思いました。
踊るの世界線で警察官になる!という長年の想いも実現されて大変驚きです。
来月まで楽しみが続きますね♪
ねこのあおサン🍿🔥
コメントありがとうございます。
アニメーション等子ども向けの作品が好きじゃなかったちびっ子だったので、4歳からリアタイでドラマを見ていて青島コートの着方などマネしてました!
ぼくはファイナルが昨日のようです(笑)