「纏わりつく様な「30年の想い」」港に灯がともる gangan2929さんの映画レビュー(感想・評価)
纏わりつく様な「30年の想い」
マスコミはまるでお祭りの様に、この日だけ騒ぎ立てる。
あの時、様々な理由で心に傷を負ってしまった者は、
毎日毎日の積み重ねの上の30年という時間に漂う。
「よりそう」「つなぐ」「わすれない」・・・
美辞麗句が、安らぎを与えるのではなく、
まるでヤスリをかける様に心がササクレ立つ人もいる事を
忘れてはいけない。
体験をした者と、聞かされ続ける者。
在日と帰化申請。
映画の中で、交じり合わない「想い」が交錯していく。
劇中の言葉が心に残る。
「人はグラデーションの世界で生きてゆく」
明快な境など存在しないのだ。
117を記憶するに、すばらしい映画だと思う。
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