「後世に繋ぐ物語」ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
後世に繋ぐ物語
ナチスの危険が迫るプラハにて、子どもたちをイギリスへ避難させる為に奔走する青年とその同士達の物語。
お爺さんとなった現在(80年代)のニコラス。救えなかった子どもたちを思い、50年経った今もその記憶に苛まれている…。
正義の行為を行った人間が苦しみ続けるという現実は辛すぎますね。今でこそナチスは解体されたとは言え、当初は侵攻していた立場なのにズデーテン地方の割譲を譲歩される…。
正義と悪とは一体何なのか。
そんな中、言ってみれば他人である難民のこどもたちの為に闘うニコラスと同士の姿、まさに無償の愛がそこに。わりとさらりと描かれていましたが、資金集めや里親探しはどれほど大変だっただろうか。
少しずつ動き出す計画。駅での別れのシーンは胸を抉られる。劇場内からも終始鼻をすする音が。しかし9回目には…。
それでも闘い続けたニコラス。現代に還りまさかの再会が。
ここからの展開はアツかったですね。読めてしまうと言えばそれまでですが、大事なのはこの事実を伝える事ですからね。
50年経っても苦しんだニコラス。しかし、そんな彼を救ってくれた存在こそ、かつて彼が…。
ひとりを救えれば世界を…あながち間違いではないのかもしれません。
涙腺崩壊とまでは行きませんでしたが、6000もの物語に繋げた彼の勇気。
その物語が、今この瞬間も世界のどこかで生き続けているということに、胸が熱くなった作品だった。
コメントする