愛はステロイドのレビュー・感想・評価
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ステロイド・DV・同性愛…
単なるポディビル大会への珍道中映画と考え鑑賞したが、ステロイドによるドーピングに同性愛、ドメスティックバイオレンス、汚職、殺人と盛りだくさん。ポディビルダーである必要あるのかなとも思いながらも不思議な感覚で鑑賞しました。
男が見る愛はステロイド
こんな事を書くと時代遅れと言われるのかもしれないが、男の自分には理解出来ない部分も多々あった。
だからなんだってんだ!!
見る度に予想を覆してくるA24の映画最高!
上映館数が少ないからか、最近の洋画にしては珍しく客入りが良く、やっぱりフェミニズムを描いた映画って一定の需要があると思う。
なんかネットだと反フェミニズムの声が大きすぎて、結局フェミニズムを唱える事に躊躇しがちな雰囲気になっているけど、水面下ではちゃんと人気があるんだから、これからも臆せずこういう作品がじゃんじゃん出てくることを望みます。
だって創作って自分が知らなかったり理解出来ない世界を知るきっかけになるものでしょ。
マッチョな体育会系の世界って妙に女々しく感じたりします。感情的だし、仲間、家族、繋がりを異様なまでに大切にする。体育会系の人たちって誕生日を大事にしたりしません?男同士でプレゼント送りあったりして。僕の見てきた体育会系が変なだけ?
逆に外見はナヨっとした文化系が割とサバサバしてたりして、冷めたところがある。
この作品が面白いのは女性視点でマッチョな女性の世界を描いているところなのかな。
マッチョな女性の主人公たちがマッチョなのに女々しいところを見せたりして...もう何がなんだかわからなくなってきた。
個人的には、ラストシーンであれ?◯しちゃうの!?ってなった、ここまで来たらみんなで仲良く暮らすのもありじゃない??
なにはともあれ、エドハリスが超絶キモいことは確かです。
まさに「愛はステロイド」!
最初邦題見た時、「またトンチキな邦題付けて…」と思ったけど、観てみたらほんとに愛はステロイドだった(原題も好きですよ)。
そして登場人物みんな問題ある笑
A24の作品は裏切らないですね!
クセが強すぎる。
クリステンはこういう'70sがすごく似合うなーと。
ジャッキー役の女優さんの役作りが凄すぎて心配になりました…。
あと、やっぱり、ステロイド怖い。
STARGAZE
今年公開のA24作品とは中々相性が悪く、今作もどうなるかなーと期待半分不安半分で観ましたが、想像以上のぶっ飛びっぷり、それでいて破綻していないストーリーになっており、ここ最近のA24作品の中では1番好きな作品でした。
序盤はガールミーツガールで進んでいくのかなーと思ったら、早めにステロイドで筋肉バッキバキになっていきますし、街の中で様々な事件が起きていき、2人の愛も一筋縄ではいかない展開になっていくので飽きることなくノンストップで楽しめます。
ジャンルがドッタンバッタン変化していき、ラブコメかと思いきやノワールになって、かと思いきや体の変形が一気に出てくるボディホラーになって、最終的にはそれらをごちゃ混ぜにして独自の要素を醸し出すとかいうイカれた作りになっているので、ジャンル映画好きとしてはこの上ないくらいテンションが上がっちゃいましたね。
筋肉はなんでも解決するし、引き金にもなるという、ステロイドを用いる前と後でも物語のキーになってのも印象的でした。
やっぱ筋肉羨ましいです。
終盤にかけた勢いは凄まじく、ルーとジャッキーが少し離れていく中で、ボディビル大会でブチギレて相手選手をボコボコにしてしまって収監されたジャッキーがルーのパパさんに保釈金を払ってもらい、その代償として人殺しの依頼が発生し、ルーはルーでめんどくせぇ女に絡まれていて、このめんどくせぇの酷い目にあったら面白いのになーと思ったらジャッキーが弾丸ぶっ放してくれたので、ルーにとっては衝撃的なシーンだと思いますが、いち観客としてはスッキリしました笑
パパさんがブチ切れてから部屋のものを壊したり、カブトムシの入ってるショーケースを割ったりするまではうんうんと思いながら観ていましたが、なぜかカブトムシをムシャムシャ食ったのが意味不明すぎてめっちゃ笑いました。
ピンチの時現れる大切な人が大きく見えるっていう比喩表現は聞いたことがありますが、まさか本当に大きくしてしまうとは思わずでめっちゃ面白かったです。
まるでハルクのように巨大化し、パパさんをとっちめてからの口の中に銃を突っ込んで警察に突き出すという社会的抹殺かつトラウマを植え付けるというエッジの効いた決着は最高にクールでした。
そこからの2人の逃避行は序盤のガールミーツガールのようで美しかったんですが、ある意味邪魔者なメンヘラ女がなぜか生きていたので絞め殺してからの捨ててからのタバコを一服というラストもめちゃめちゃカッコいいですね。
非喫煙者ですがこういうカッコいい喫煙シーンを観るとココアシガレットを咥えたくなります。抹茶味が好きです。
主演2人含め役者陣の体当たりな演技が素晴らしく、主演2人は可憐さとカッコよさを同時に解き放つビジュアルや体格、アクションがあって惚れ惚れしました。
素晴らしいパターンの邦題だったのも良きポイントで、原題のままだとテーマや内容と少しズレがあったんですが、邦題だと愛のパワーで障害を乗り越えまくれる、そしてステロイドという中毒性のあるものも同時に表現しているというナイスな邦題でした。
ジャンルフルミックスで色んな映画を楽しめるという点でも面白かったですし、好みは分かれると思いますがもう一回見たいくらいにはとち狂ってて良かったです。
A24作品、このくらいの塩梅でずっと狂ってて♡
鑑賞日 9/2
鑑賞時間 18:25〜20:10
テルマ&ルイーズ + サブスタンス ÷ 3
なんだこれは笑ぐちゃぐちゃ。
禍々しさ全開の愛、ゆえにファンタジーは要らない
ステロイドの過剰摂取もアレだけど、愛も行きすぎると色んなものを生み出してしまうのね
2025.9.3 字幕 イオンシネマ四條畷
2024年のイギリス&アメリカ合作の映画(104分、R15+)
ボディビルジムの管理者とビルダーを描いたクライムラブロマンス
監督はローズ・グラス
脚本はローズ・グラス&ベロニカ・トフィウスカ
原題は『Love Lies Bleeding』で「愛は血を流す」と言う意味
物語の舞台は、アメリカ・ニューメキシコ州のアルバカーキ
そこにあるクレータージムで働くルー(クリスティン・スチュワート)は、劣悪な環境の中でも文句を言わずに働いていた
彼女を慕うデイジー(アンナ・パリシコニフ)のアプローチを交わしながら、時間だけが過ぎていった
彼女には父ルー・シニア(エド・ハリス)がいたが、12年前に母親が家を出てしまい、それが原因で関係を断ち切っていた
ある日のこと、ベガスの大会に向かうボディビルダーのジャッキー(ケイティ・オブライエン)がジムにやってきた
ひと目で違いのわかる筋肉に見惚れたルーは、彼女のことを気にかけるようになり、住まいが見つかるまでの間、部屋に住まわせることになった
物語は、ルーの姉ベス(ジェナ・マローン)の暴力的な夫JJ(デイヴ・フランコ)とジャッキーが関係を持っていたと言う冒頭があり、それが露見するところから動き出す
ルーはジャッキーに好意を寄せていたが、それは寝床を確保するための嘘の感情だったと思い込んでしまう
ジャッキーはバイセクシャルであることを打ち明け、ルーに対する想いは本物だと告げる
そして、ジャッキーはその愛を証明するためにある行動を起こしてしまうのである
映画では、ルーと父の過去に語れぬものがあり、それが原因で疎遠になっているのだが、ルーは母親の失踪に父が絡んでいると考えていた
父はメキシコに武器を送ったり、麻薬を密売したりして儲けていて、FBIへの情報提供者を始末してきた
その手伝いをしてきたのがルーであり、彼女の特殊清掃は手慣れたものとなっている
ジャッキーはベスを愛するルーのためにJJを殺すものの、その後始末を巡って「あること」を思いついてしまう
それは、JJの死体を例の崖に落として警察に見つけさせると言うもので、他の死体が見つかることによって、ジャッキーが容疑者から外れると考えたからだった
だが、それによってJJの死体が見つかってしまい、ベスにも知れ渡ることになるのである
その頃、ジャッキーはベガスにてボディビルの大会に出場していたが、過剰なドーピングによって錯乱し、失格処分となってしまう
会場で暴れたジャッキーは捕まってしまい、ルーに助けを求めるのだが、その電話をデイジーが取ってしまう
デイジーは「もう会いたくないと言っている」と嘘を言い、ジャッキーは仕方なくルー・シニアを頼ることになった
ルー・シニアはジャッキーがJJ殺人に関わっていることに気づいていて、居場所確保のために「ある依頼」を突きつける
ジャッキーは引き下がることができず、さらにその依頼がルーとの関係を再構築できると考えていた
だが、その依頼をルーの目の前で行ってしまい、さらに関係は拗れてしまうのである
映画の前半でモブキャラのように登場するデイジーが後半では物語を推し進める役割になっていて、さらにオチに使われていた
ジャッキーはルーと出会ったことでステロイドを使うことになるのだが、その効果も相まって、徐々にエスカレートしていく様子が描かれていく
だが、精神的に負荷がかかりすぎると乱用状態になってしまい、それによって幻覚を見たりもしてしまう
これらの一連のシーンは某アカデミー賞ノミネート作品を思い出したが、そのシーン以外にも本作ならではの特異点が用意されていた
それが賛否両論を巻き起こしそうなジャッキーの巨大化だったが、このシーンを理屈で考えてはダメなんだと思う
ジャッキー自身が巨大化したことをルーもルー・シニアも認知している状態なので、ジャッキーのトランスが原因ではない
かと言って、ステロイドの過剰摂取によって、あのようなことは起こるはずもない
その後は巨大化したジャッキーとルーがルンルン気分で走っていくシーンがあって、一連の映像は効果的な演出と考える方が良いのだろう
結局のところ、警官も父も殺さなかったルーは最後の一線は超えていないように思えるのだが、これからも逃亡生活を続けていくことになるのだろう
砂漠で捨てられたデイジーもいずれは発見されるだろうし、不可解な事件の後に消えた女2人をFBIが見逃すはずは無いように思えた
いずれにせよ、A24なので変な映画だろうなあと思っていたら案の定という感じで、かなり特殊な映画だったと思う
ボディビルダーのレズビアン映画というのも新しいジャンルで、あの肉体がほぼ自前で鍛え上げているものというのはすごいと思う
ルーの方も結構筋肉がついている背中をしていたので、おそらくはあのジムで鍛えていたのだろう
ストイックな環境にいると感化されるのかはわからないが、彼女の中にある男性性にデイジーは惹かれているし、ジャッキーも女の子状態になっているシーンもあった
そのあたりは家庭教育の賜物であると思うのだが、ベスが言い放つ「あんたには愛がわかっていない」というのも、結構無茶なセリフだなあと思った
まともな人間が出てこないぶっ壊れたテルマ&ルイーズ
純愛は脆くて危険
1989年のベルリンの壁崩壊当時のアメリカを舞台に、毒親、DV、ドラッグ、殺人、武器密輸などなど、ブラックな世界の中でもがく同性愛女性のお話でした。題材からして胸焼けするほど劇薬満載の作品でしたが、題名にもある通りテーマは”愛”というのが面白い所で、そうしたドロドロした中で2人の女性がどんな心境でどう行動するのかに注目して観ました。
お話の展開は激烈かつスリリングで、これでもかとネガティブな方向に進んで行きました。登場人物もろくでもない感じの連中がてんこ盛り。特に主人公ルー(クリステン・スチュワート)の父親であるルー・シニア(エド・ハリス)は風貌から悪行まで強烈でした。
で、メインテーマの”愛”ですが、純愛は純粋だからこそ不純物を嫌うという印象。でも世の中は不純物ばかりなので、純愛が汚されそうになるとそれを守るために手段は選ばないという展開でした。実際ルーと家なしでボディビルの大会出場を目指すジャッキー(ケイティ・オブライアン)の関係は極めて純粋。ただこの純愛を守るために殺人をするジャッキーの行動はかなり衝撃でした。
最初ルーに勧められた”ステロイド”を使うことで、大会に向けてパンプアップしていくジャッキーでしたが、その副作用で筋肉ばかりか精神まで高揚する不安定ぶり。結果邪魔者を殺してしまうとは!
実際ネットで調べてみると、ステロイドにはうつや不眠の副作用だけでなく、高揚感が出る副作用もあるようで、怖い薬であることは間違いない模様でした。ただあそこまでの行動にはなかなか至らないでしょうが。
いずれにしてもストーリーに関しては、かなり衝撃的であまり好みのタイプではありませんでしたが、役者の演技はいずれも抜群。主演のクリステン・スチュワートは、「スペンサー ダイアナの決意」のダイアナ妃以来でしたが、その時と同様の熱演でした。相方役のケイティ・オブライアンも、マッチョな肉体美とアクション、そして高揚感から殺人に至る精神状態の表現も素晴らしかったです。
そんな訳で、本作の評価は★3.6とします。
無理を通せば道理が引っ込む系剛腕ムービー
邦題の時点で、「何コレ?」という感じなのですが、いい意味で予想を斜め上に裏切っていく小気味のいい展開の連続。
テンションがちょっとでも違えば「製作陣は何を考えてこんな作品を……」と頭に浮かびそうなところですが、剛腕な展開と変な笑いの連続で最後まで押し切られ……そうなところで……これはもう劇場で見てくださいwwww
不思議な魅力に溢れた愛すべき作品です。
いろいろとやり過ぎ
A24独特の世界観に
クイア・ラブストーリー・犯罪・ミステリー・復讐劇&怪獣映画
僕はこの映画大好き。
アメリカの地方都市。ジムで働く女性と、ボディビルディングの大会での優勝を目指す女性の同性愛ラブストーリーと言う形を取っているのですが、とてもそんな枠は収まりません。
愛し合う二人のクイア物語とは言えず、犯罪映画の様であり、ミステリーの様であり、復讐劇の様であり、ホラーの様であり、或いは怪獣映画とすら言えるのです。少しずつ謎を見せながら、テンポよくそれを回収して行きます。
そもそも彼女らも褒められた人間ではありませんが、それでもよりクズな男どもに怒りを爆発させる、その瞬間の筋肉の漲りに客席から「うぉ~」と拳を振り上げたくなりました。肉を引きちぎった様なヌラヌラした肌触りに痺れました。
キーワードは後片付け
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