八犬伝のレビュー・感想・評価
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滝沢馬琴の物語、江戸時代のファンタジーと物語が出来る様子を楽しめる
面白かった!
曲亭馬琴「南総里見八犬伝」の物語は、勿論面白くて、想像の世界を美しい映像で楽しめました。
そして、作品が何年もかけて紡がれていく様子と、滝沢馬琴の生き様を楽しむことが出来きました。
葛飾北斎との交流、妻との関係、息子とその奥さんなど。
物語と現実の生活が交互に進むストーリー、それぞれのキャラクターが個性的で、やり取りが本当に面白い。
幾つか気にはなるけれど…
大変面白かった。八犬伝中の見せ場、例えば芳流閣の戦いや、名刀村雨の奪い合い、犬村大角の化け猫退治などはキチンと織り込められていて、物語が“虚”と“実”の間を行き来しながら、それぞれに破綻することもなく、一気に見られる。何度も見直したいと思った。
ただ、何度も見直したいのは、作品の面白さだけではない。“虚”の主役である犬塚信乃の渡邊圭佑ははあの美丈夫だから、すぐ見分けがつく。犬坂毛乃の板垣李光人は女と見紛うばかりの美貌だから、これも良い。犬飼現八の水上恒司はヒゲ面で、誰かわからなかった。犬山道節の上杉柊平もヒゲ面。犬川荘助の鈴木仁、犬田小文吾の佳久創、犬村一角の松村広大は、プロフィールを見て“あっ、あの人か!」と分かるくらいの知名度で、その上顔が汚れている場面が多く、判別がしづらい。犬江親兵衛の藤岡真威人は、あまりに出番が少なすぎる。
玉梓の栗山千明はピッタリだったが、最後の戦いの時、“呪いの炎”というCGではなく、キチンと顔を見せて欲しかった。
CGと言えば、八房はCGでなく.本物の犬でやって欲しかった。それにあの解釈では“妖犬”扱いで、“里見家を守る守り神”とするのが正解だと思う。心配した土屋太鳳の伏姫は、ちゃんとお姫様然としていて、良いキャスティングだと思った。丶大法師も名前は忘れたが、いいキャストだった。浜路に河合優美をアテたのはちょっと驚いた。
“実”の部分、滝沢馬琴の役所広司、北斎役の内野聖陽が、作品の重しになって、南北役の立川談春との掛け合いも、作品のテーマを語っているようで、“虚”と“実”、“裏”と“表”のバランスがとても良い。悪妻として知られる馬琴の妻・お百を演じた寺島しのぶ、きっとこういう人だったんだな、と思わせる。
一人だけミスキャスト、と思うのは宗白役の磯村優斗で、病弱な馬琴の子より、八犬士の一人として活躍して欲しかった。
あの長大な物語を、どう映画化するのか楽しみだったが、とてもバランスの良い、再見再々見にも耐えられるような、まとまった作品だと思う。次見る時は、誰が誰だか、注意して見よう。
ここ数年の中で1番好きな映画かも
4月ごろに陰陽師0にハマって、そちらにも出ていた板垣李光人くん目当てで観に行きました。
他にも藤岡真威人くんなど注目の若手さんが出ていたので、正直にイケメン八犬士目当てで行きました。
ですが、滝沢馬琴と葛飾北斎のやりとりが絶妙に心地よくてそちらにも食い入る様に見てしまいました。
自分も江戸時代の、滝沢馬琴さんの部屋に溶け込んで一緒に過ごしてるような感覚にワクワク。
そして虚のパートの八犬士のほうも、ため息が出るほどに良かったです。
芳流閣での決闘シーンは最高でした。
屋根瓦の色と空の色と、コントラストもすごく良くてさすが魅せ方がうますぎるとまたまたワクワク。
個人的に父親との対峙があった犬村大角が1番好きです。
剣さばきもとても良かった。
南総里見八犬伝はまだ読んだことがないのでネットで調べましたが、なるほど今回の映画の中ではかなりコンパクトにまとめられていたのですね。
でも分かりやすくて私は良かったです。
実のパートと虚のパート、どちらも面白過ぎたので別々に2時間の映画にしてほしいなと思いました^ ^
何も無いところから始めて28年間良く頑張った
今年はこういう映画が多い、アニメ「ルックバック」が絵とストーリーでゼロスタートから4コマ漫画を起こすが、本棚には絵を描いたことがある人は気がつくように誰もが読んだことのある絵の参考書が並んでいる。
滝沢馬琴の八犬伝はマネする物がない時代、インスパイヤされる物も少ない時代に自分の頭の中の妄想を28年間も維持して虚構の小説を書き上げるのはもの凄い苦労の連続であったと思う。
ゼロスタートでは無く、マイナススタートのこの時代の書き手は少年ジャンプのようなビジネスモデルもなく、編集もいない、校正も息子にやってもらう。
パトロンはいたが馬琴の性格から原稿料だけで生活しているのがわかる。
映画もドラマもアニメも、どこかで見たようなまるで生成AIで作ったような足してくっ付けてマネて、なんとなく形になっている作品が増えてきているし、これからももっと増えてくるだろう。
この映画は無い時代に学べと言っているように思える。
生成AIから教えてもらうのではなく、無い時代に学んで生成AIを利用していい作品がこれからも生まれることを祈る。
きっと、八犬伝が無ければ鳥山明のドラゴンボールは生まれて来なかったと思う。
誰もが痛快な虚を見たいがそれだけでは成立させてくれない現代よ
名作「ピンポン」でデビューした曽利文彦は1964年生まれで1973年から始まったNHKの人形劇「新八犬伝」は小学校3~6年のドンピシャ世代なのだろう。「ゴジラ-1.0」の山崎貴も同世代でやはりこれをやりたかったと語っており辻村ジュサブローのワイヤーもろばれ人形劇ファンタジーを最新VFXでどう見せてくれるのかが最大の関心事であった。そして予告編にも使われている伏姫の着物を咥えて引っ張るモフモフの八房が素晴らしくそこにこの映画の本領を見た。ゴジラは実在しないからリアルなのだけれどちょっと大きい犬は誰もが見て知っているのでここのCGが一番難しいと思うのだ。ピンポンの球をCGで描いたようにそのものを見世物にしない(観客に意識させない)VFXが曽根監督の持ち味で、根底に流れている大阪人気質のユーモアも合わせて好感度が高い。滝沢馬琴と鶴屋南北の奈落での「虚実」論争がそのまま映画制作に懸ける監督自身のメインテーマと合致しており水面下で必死に足をバタバタさせながらもスマートに一級のエンターテインメント作品に仕上げた力量に拍手!観ていて気付いたのは滝沢馬琴は剣士と犬士を掛けていたのか!ということである。
南総里見八犬伝未読での感想
南総里見八犬伝未読なので、純粋に2つのストーリーを楽しんで鑑賞しました。
現実パートは、寺島しのぶ演じるお百の言動がうっとおしく感じました。お百が没するシーンで、ようやくそれまでの【デフォルトで愚痴こぼしモード】の理由がはっきり裏付けられた感じ。もうちょっと丁寧な猫写があれば、これほど嫌な印象は受けなかったのかも。磯村勇斗と黒木華の演技が、とても良かったです。
物語パートは、原作の読者の方には、端折りすぎて物足りないのだろうなと思いつつ、未読の私には、ストーリーがコンパクトにまとまっていて、とても楽しく鑑賞しました。ただ…少し前から応援している、河合優実の無駄遣い感が…。せっかく良い役者さんなのに、その演技力を全然活かせていないというか、「それだけですか!?」と突っ込みをいれたくなりました。
ともあれ、エンターテイメントとして、楽しい時間を過ごせたと思います。
八犬伝パートが薄味
八犬伝パートが微妙。八人が集まって戦う理由がさっぱりわからん。彼らは玉を持ってるだけで姫やその父親に何の恩義もない。まあ、姫に対して忠誠心があったとしても、少なくとも父親は約束を破って姫を死に追いやった男だ。なぜそんなやつのために命をかけて戦う?
馬琴&北斎パートがなければ見てられなかった。
一番心に残ったのは鶴屋南北との対論。あれはよかった。「忠臣蔵が虚で四谷怪談が実だ」という解釈はなるほどという感じ。しかもそれが今回の話にオーバーラップしてるという構造、ここはよくできてる。
屋根の上の戦闘シーンのCGもよかった。
そのくらいかな。あ、栗山千明を忘れてた。彼女もよかった。
ただまあとにかく八犬伝パートが薄味なのは否めない。動機づけの部分を作り込んでくれてないので八犬士が奮闘したり、斬られたりしてもハラハラしないんだよ。モブキャラが暴れてるだけに見えてしまう。
虚と実があるから
それでも正義は勝つ物語があってほしい
馬琴と北斎
才能を描ききって欲しかった
ひと粒で2度おいしい映画
納得と驚き
「里見八犬伝」…小学校の図書室や図書館で見かけるたびにちょっと気になってたけど、なんとなく読まないできた本。
なんかジャンプの犬の漫画、銀牙?とかぶっちゃって、八匹の犬が主人公のイメージでしたが。
滝沢馬琴…八犬伝の作者として現国のテストに出てきそうなキーワードを知ってるくらい。
なので、予告で「八犬伝」を見て、「え、葛飾北斎と知り合いだったの?」とか「あ、犬が物語の主人公じゃなかったんだ」という発見があり、観てみることに。
八犬伝の話しとしては、ものすごく集約した内容なんだろうけど、充分おもしろかった。さすが現国のテストに出てくるほど有名な作品なだけあるな、と。
もしかしたら「里見八犬伝」を読んだことある人には、省略しすぎで気になっちゃう部分もあるのかもしれないけど、初・八犬伝の私は、やっと里見八犬伝の話がわかったし、滝沢馬琴の事も知れたし、とても面白かったです。
そして、さすが役所さん。
内野聖陽も寺島しのぶも黒木華も良かった。
鈴の舞いの踊り子さん、このキレイな人ダレだっけなってすっごい気になったら板垣李光人くんでした。城主同様、完全に騙されたわ。さすが。
あと劇中劇?の歌舞伎役者さん、中村獅童なのも気づけなかった。本職のお姿見るの、久しぶりすぎ…。
偏屈ジジイの生き様
良いところ
架空の世界で虚実が入り乱れるなかで現実逃避とも理想の追求とも取れるこだわりと気概の発露
やっぱり作り物の世界は美形キャラが必須
?なところ
どこまでが史実なんだろ
自他共に認める偏屈かつ創造力豊かなジジイ二人のお話。シーンの移り変わりには「南総里見八犬伝」のカットがきちんと作られて挟まれていて、二つの映画を見たかのような感覚。つい最近でいうと「フォールガイ」を彷彿とさせますね。どちらも一つの作品としてちゃんと作られているのがわかるので、現実の泥臭さと理不尽さが虚構作品内の大団円を補い合って心地よい。
八犬伝の方は美形細身キャラばっかり生き残ってパワー型マッチョが死んでるのは当時も今も人気の方向は同じかと。原作通りだよな?
館山に行った時に舞台になった館山城に行ったけど本人は行ったことないんか。
リアルと非リアル
虚(八犬伝)か実(馬琴の話)に絞ったら
馬琴と北斎トークがたまらない
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