劇場公開日 2024年10月25日

八犬伝のレビュー・感想・評価

全252件中、241~252件目を表示

3.5虚はいずれ実となる

2024年10月18日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

楽しい

知的

試写会にて。
開映前に本屋に立ち寄り、メディア化コーナーにあった「八犬伝」を手に取ったのだが、そこには著者が山田風太郎とあり、無知な自分は疑問が浮かんだ。あれ、滝沢馬琴ではないのか?この作品を見たいと思っている多くの人は承知の事だとは思うが、滝沢馬琴は「南総里見八犬伝」の著者であり、本作の原作にあたる「八犬伝」とは、その「南総里見八犬伝」を作った滝沢馬琴という人物にスポットが当たった、山田風太郎執筆の物語。少しややこしいが、主人公はあくまで滝沢であり、八犬伝そのものはあまり深く掘り下げられていない。「南総里見八犬伝」の実写映画化では無いということは、頭に入れておく必要がある。

それをなぜわざわざこの場で強調したのかと言うと、28年の時を経て完成した作品の魅力が、当たり前ではあるが映画の尺では十分に伝えきれていないと感じたから。そもそも、山田風太郎の「八犬伝」はどのように描かれているのか分からないが、本作の原作なのだから、現実パート、八犬士パートを行き来する構成は同じはず。
そう考えると、山田風太郎自身もこの作品だけで滝沢馬琴の八犬伝を知ってもらおうとは到底思っておらず、自分の書いた滝沢主人公の物語を読んで、少しでも「南総里見八犬伝」を知って欲しいという思いで執筆したのだろう。となると、本作の目的は滝沢馬琴という人物の作品であり、ここで興味を持った人はぜひ、日本文学史に残るその名作を手に取ってね、とそういう意味合いを持った映画なのだろう。

うだうだと語ってきたが、結局のところどうだったかと言うと、ちゃんと面白くて見応えたっぷりの作品だった。ただそれは八犬士の物語としてではなく、それを書いた滝沢馬琴の伝記ものとして。前述の通り、この作品だけでは八犬士の物語は掴めなかった。それでも伝記映画という見方をすれば素晴らしいものだった。
役所広司が演じたのも大きいが、これほどまでに歴史上の偉人を魅力的に写す映画は、そう多くない。柳楽優弥が主演の「HOKUSAI」よりも、葛飾北斎という人間の面白さが内野聖陽の手によって引き出されており、両者の関係性もまた見もの。2人の演技に対するストイックさに、今日もまた感服致しました。

とにかく現代パートに安定感があり、近年の邦画にしてはかなり長尺の作品にも関わらず、あっという間に感じてしまうほど没入出来た。八犬士の物語にはあまり入り込めなかったし、かなり省かれて説明されているんだろうなと感じざるを得なかったけど、ここまでのボリュームを1本の映画に少し粗くもまとめたのは凄まじい。映画を見てここまで見応えを感じたのは久々。それだけ本気が伝わってくるし、「八犬伝」を世に知れ渡らせたいという熱い思いが映画にこもっていた。その愛を受け取ることが出来たというだけでも、この映画が作られた意味があるなと思える。

少し駆け足な展開で描ききれていない部分も多くあると思うけど、満足度はかなり高かった。重鎮と若手のバランスの良さ、演出力の高さ、構成の巧妙さ。実写映画化はかなり難しい作品だったと思うけど、よくここまで出来たな〜と感じる。
役所広司、内野聖陽、寺島しのぶ、磯村勇斗、黒木華が好演なのは言わずもがなだけど、中でも一際輝いていたのは八犬伝の一人・犬坂を演じた板垣李光人。あまりに顔立ちが美しいから、登場シーンはホンモノの踊り子かと思った。惚れちゃう。超キレイ...。八犬士パートに出演する役者の登場シーンはかなり少ないけど、皆それぞれ爪痕を残していて、俳優目当ての鑑賞にもってこいの映画かも。時代劇はあまり得意じゃないんだ!という人も、この機会にぜひ。公開日は10月25日です!

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サプライズ

4.0虚と実と

2024年10月16日
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鑑賞方法:試写会、映画館

虚と実の二つのパートが交互にくるが、はっきり分かれていて見やすかった。次の物語がどうなるのか、と読者のように気になって、演技云々は大して気にならなかった。だってそれは虚だし物語だし。飽きずに楽しめた。

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mio

3.0なんだかペラペラの映画

2024年10月15日
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笑える

楽しい

興奮

なんだろう。馬琴の物語である実パートとその馬琴の書く八犬伝の物語である虚パートが交互に進んでいくのだが、
八犬伝パートはあくまでも馬琴の想像する空想の世界を表す意図からワザとVFXを安っぽい表現にしているのかな?と勘繰ってしまう程の出来でラスボスの表現に至ってはちょっと笑ってしまうらくらいでした。それに引き換え、馬琴の物語である実パートは役所さんや内野さん他、素晴らしい俳優陣のおかげで、まだ興味深く見れましたが、それでも総じて曽利監督の演出なのか脚本のせいか、人間関係に深みを感じれず、普通ならココは涙するシーンなんだろうなと言うシーンも感情がまったく乗れず、何か全体的に重厚さや深みのないペラペラのうわべの物語感が最後まで拭えませんでした。曽利監督作品はピンポン以来ファンで全作品を観てきてはいますが、ピンポンの出来は色々な奇跡が重なり合った結果だったのかなと思うくらい、ピンポン以降の作品は個人的にはイマイチで、次回作こそピンポンを超える会心の一作を撮って欲しいなと期待しています。

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nao

4.0ファンタジーと人間ドラマ 一粒で2度美味しい!

2024年10月13日
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曲亭馬琴は28年の長きに渡り「八犬伝」を書き続けていたらしい
馬琴と親友 北斎の風貌(髪型、顔の皺)が徐々に変化していくサマを見るのも面白い
それと馬琴の住まいが変わるのも年月を感じさせるよね
2人のやり取りは いちいち面白くて笑っちゃう

物語パートは「虚」だと初めから分かっているから壮大なファンタジーとして楽しめる
生首とか出てくるけどね😱
それと とりあえず犬がデカい!
ま、でもあれだわ、人間担いでどっか行っちゃうんだから、それは大きくないとw

必ずしも正義が勝つわけではない現実だからこそ馬琴は勧善懲悪に拘った虚構の世界を描き続けたかったのだろう
映画を観ていたはずの私が いつの間にか曲亭馬琴の物語に引き込まれ「八犬伝」の読者になっている不思議

かなりチャレンジングだとは思う
八犬伝の世界と馬琴の実生活を交互に見せるといっても その本は28年かけた全98巻っていう長編小説だよ?
あらすじだけでも簡単に まとめられるわけもない
しかも登場人物けっこう多いしw
必然的にそれぞれのキャラクターの背景は殆ど割愛する事になる
それでも作品として成立させるって大変だよね

「ヒーロー談義付き試写会」で鑑賞
仮面ライダーの曲で登場の藤岡弘さんと最年少の八犬士を演じる藤岡真威人さん 親子が登壇
えらいイケメンで驚いた!
ちょ…何頭身なん?漫画かよって本気で思っちゃってゴメン
撮影は2年前、八犬士の中で唯一馬に乗る役で練習頑張ったらしい
そして なぜか最終的には家族5人で馬で駆け回ったとw(謎)

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みっくるん

4.5見応えあって惹き込まれる素敵な作品!

2024年10月12日
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鑑賞方法:試写会

試写会にて鑑賞。

「虚」の八犬伝パートと、「実」の創作パートが絶妙に行き来し、心を揺さぶられる見応えもあって面白い作品!

その「虚」では、VFXで描かれた映像としての綺麗さと、キャストの方々の熱い迫力あるシーンに惹き込まれ…

「実パート」では、特に馬琴(役所広司)と葛飾北斎(内野聖陽)の二人でいる時の会話やシーンに自ずと魅入ってました!

そして、公開されたらまた観たい作品です!

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ハル吉

4.0虚を突き詰めた先には

2024年10月12日
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鑑賞方法:試写会

楽しい

興奮

知的

山田風太郎の小説「八犬伝」を役所広司さん主演で映画化した本作は、里見家の呪いを解くため運命に引き寄せられた8人の剣士たちの戦いをパワフルに活写する“虚構”パートと、その作者である江戸時代の作家・滝沢馬琴の創作に迫る“実話”パートを交錯させて展開していく。
人気作家の滝沢馬琴は、友人である絵師・葛飾北斎に、構想中の新作小説について語り始める。
それは、8つの珠を持つ「八犬士」が運命に導かれるように集結し、里見家にかけられた呪いと戦う物語。
その内容に引き込まれた北斎は続きを聴く為に度々馬琴のもとを訪れるようになり、2人の奇妙な関係が始まる。
連載は馬琴のライフワークとなるが、28年の時を経て遂にクライマックスを迎えようとした時、馬琴の視力は失われつつあった。
絶望的な状況に陥りながらも物語を完成させることに執念を燃やす馬琴のもとに、息子の妻・お路から意外な申し出が入る。
「ピンポン」「鋼の錬金術師」の曽利文彦さんが監督を務めた本作では、滝沢馬琴を役所広司さん、葛飾北斎を内野聖陽さん、八犬士の運命を握る伏姫を土屋太鳳さん、馬琴の息子・宗伯を磯村勇斗さん、宗伯の妻・お路を黒木華さん、馬琴の妻・お百を寺島しのぶさんが演じている。
果たして日本ファンタジー小説の原点である「八犬伝」は、どのようにして書き上げられたのか、そして物語はどう大団円を迎えるのか?

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玉川上水の亀

3.5正義は必ず勝つ!

2024年10月12日
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鑑賞方法:試写会

八犬伝がこんなにヒーロー物語なのは知らなかったよ。
内容をよく知らなくて姫を救出する話だと思ってたんだけど、ある意味そうだけど、ヒーロー達が力を合わせて悪い奴らをやっつける勧善懲悪のお話だったのね。

そしてこちらの作品は馬琴がなぜ八犬伝を書きたかったか、書かねばならなかったかの背景と、彼の書いた八犬伝の世界が交互に行ったり来たりするストーリーになっているのだけど。
一緒に年齢を重ねていく葛飾北斎と馬琴のやりとりが毎度面白くて北斎が出て来る度笑ってしまった。

悪い奴が権力を持っている世の中でも、正義を胸に生きる真のヒーローが必ずいる、そしてその人たちが悪を打ち破る正義が勝つ世界があるはず、という強い信念をもつ馬琴。
例えそれが虚構だったとしても、それを信じて生きていけばリアルになる、というのは現代を生きる私たちにもとても励みになるのではないだろうか。

歌舞伎の演目を通じて、馬琴の虚構世界(小説・舞台・絵など)はどうあるべきかの価値観がわかりやすく説明される場面がすごく面白かったな。
あの怪談、みてみたい。
どれくらい怖いんだろう!

キャストもよかった。
全員藤岡ファミリーかなと思うほど八犬士が美しかった!
まさに戦隊ヒーローばりのイケメンばかりで目がどっち向いても眼福すぎて忙しかったわ。登場の仕方がそれぞれカッコいいので好きなヒーローの登場の仕方を比較できるのも楽しい。栗山千明ちゃんの美しく妖しい鬼女っぷりも必見。

未だ悪はもちろん健在なわけだけど、そのどうにもならない悪な世の中をいつか救ってくれる正義の味方がどこかにきっといる!と思える、素敵なヒーロー物語でした。
今見ても面白い設定なのがすごいよね。
何度も二次作品が生まれ続けているのが納得です。
面白かったー!

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icco

4.0まさに今風、令和版の「八犬伝」

2024年10月11日
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鑑賞方法:試写会

派手さは無いがケバさも無い。
まさに今風、令和版の「八犬伝」と言えそう。
昭和のコテコテを想像すると面食らうかも...削ぎ落とされた無駄の無い美学というべきか。
ただ八剣士が無駄に美男子揃いではあった。

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たるたるご

4.0思ったより凄い!

2024年10月11日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

楽しい

興奮

知っているようで知らない里見八犬伝。こういうお話なのですね!滝沢馬琴の生涯を描く「実」パートと、彼の創作である八犬伝の「虚」パートが交互に出てきます。「虚」はVFXを駆使した映像が美しいエンタメ性高く、「実」は良質な人情噺となっていて、楽しくて泣ける素晴らしい作品でした!

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tomoboop

3.5本物かと思ったらCGだった犬

2024年10月6日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

楽しい

『八犬伝』のパートと滝沢馬琴の生涯パートが交錯しながら進んでいくので飽きずに最後まで見ることができた。(この描き方は好き嫌い分かれるかも)
現実パートは役所広司はじめ、ベテラン中堅の俳優陣の演技が良かった

八犬伝パートのCGがややチープに感じた
里見八犬伝自体、名前を知っているレベルだったのでかなりファンタジーなストーリーに驚いた
ストーリーが交錯するので現実パートから一気にファンタジーになるのが最初はちょっと慣れなかった笑
八犬伝パートは若手俳優の方が多いのだけど、棒読み感が否めない方が何人か、、

色々好みの分かれる作品だと思う

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Fun

3.5八犬伝

2024年10月4日
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鑑賞方法:試写会

2024.9.25 神楽座にて試写会
Filmarksさんありがとうございました。
役所さんのお芝居···
八犬伝 是非映画館で、
やはり映画は大きなスクリーンで観てほしい。

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Milk

4.0懐かしい「八犬伝」

2024年9月18日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

知的

子どもの頃NHKテレビで放送していた人形劇「新・八犬伝」をいつも観ていた。
辻村ジュサブローさんの独特な人形たちの活躍に夢中だった。
その「八犬伝」が映画になった。
本作はその「八犬伝」のストーリーと「八犬伝」を生み出した
滝沢馬琴の半生を描いたストーリーが並行して描かれている。
単純な「八犬伝」物語ではなく、作者の滝沢馬琴の心情と
絵師葛飾北斎の奇妙な友情と家族の関係ともに、
「八犬伝」をより深く掘り起こしている。

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シネマスキー