「まぁ映画にするとこうなるよなぁ」八犬伝 ねきろむさんの映画レビュー(感想・評価)
まぁ映画にするとこうなるよなぁ
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なんとなく真田広之と薬師丸ひろ子の里見八犬伝のリメイクみたいに思ってみる人が多いのではと思うけど、この映画の主役は実は作者である曲亭馬琴。八犬士の活躍が見たい人にとっては実の世界のパートは退屈に思えるかもしれない。しかしこの映画でのハイライトは実の世界での奈落の鶴屋南北との対決のシーンなのですよ(すごい地味ですけどね)。大好きな忠臣蔵をコケにされて激昂する馬琴に対して、四谷怪談こそが実で忠臣蔵こそ虚の世界だとうそぶく南北がまるでメフィストフェレスのごとくで実にかっこいい。山田風太郎の原作の中でも大好きなシーンなのだけど、映画の中ではいまいちピンとこない感じで終わってしまって、ちょっと残念でした。
談春さん良かったですけどもっと妖怪じみた感じでも良かったかなと思いました。
原作は上下2巻にわたる長編なので、虚の世界と実の世界を行ったり来たりするなかで、うまくいかない実の世界の皮肉なおかしみみたいなのは、映画の中で表現し尽くすのは難しいのかなぁと感じました。
思いきって虚のパートは絵本風のアニメにして、実の世界をメインに描けばよりテーマがはっきりしたのではと感じました。
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