劇場公開日 2024年10月25日

「なんだかとても惜しい映画 マイナス×マイナス=プラスの方式。」八犬伝 野球十兵衛、さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0なんだかとても惜しい映画 マイナス×マイナス=プラスの方式。

2025年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

な!なんと!奥さん!この話題作がもうアマプラで配信じゃないですか!
「嘘と実が交錯するエンターテイメント」が本作のキャッチコピーですよね。
まずその点からイチャモンつけたいの。いきなりステーキ。
そもそも映画こそ最も“虚”たるフィクションじゃないですか。ドキュメントフィルムじゃないんだから。
そこを“実”と言われてもなぁ…が観終えた時の正直な感想でした。
むしろ“虚”パートのお話の方こそ“実”に見えたんですね。“実”であってほしかったんですね。マイナス×マイナス=プラスみたいなメタ構造爆誕。
そして、結局がどっちつかずの凡作に終わった感じに思えたです。
いっそのこと“虚”パートの八犬伝のお話をメインに全振りしてくれた方が楽しめたかも。
実際“虚”パートの見せ場ってかなり面白かったです。
“実”パートは映画として観るなら、やや地味で退屈な印象を受けてしまいました。
この“虚”ד虚”のクロスオーバーの成功例で、私がまず思ったのは『大河への道』なんですね。
大河…は本当に楽しめましたし、感動すらしましたもん。
加えて直近では『はたらく細胞』これも本当に面白かったです。つい先日観たばかりなので、レビューはまだ書いておりませんが。是非とも触れておきたい作品だと思いました。

でも、偉大すぎる先駆者があって。そことの真っ向勝負を避けたのかな?
そう、当然往年の角川映画の『里見八犬伝』のこと。本作を語るにあたって比較してしまうのはどうしても避けられない映画だと思うです。
ぶっちゃけ里見…は薬師丸ひろ子人気に頼った、かなり大味なエンタメ作品ではあったものの、制作費は当時としては破格の10億円だったらしくて。(今日換算なら大雑把にシャアザク的な約3倍の30億円くらいらしいです)
対して興行収入倍の23億円ということです。今日換算ではシャ…だいたい3倍の70億円。
立派に成功作と言ってよいと思うの。
映画にそれだけ贅沢な予算をかけられるって、はっきりいってそれだけで勝ち組だと思うの。
翻って今日の映画ってまず予算に非常に大きな足かせがあると思うの。それ故に失敗は許されない事情が多分にあると思って。
本作の製作費は多分10億円くらいだと思うの。←なにこの決め打ちw
対しての興行収入は6億6千万円のデータがあって。10億円超えが業界内でのボーダーラインのようですね。
それで言うと本作は興行収入的にはそれほどでもなかったかも…?の微妙なラインみたい。
お金の話はもういいや。←なら語るなし!
期待作だっただけに、ちょっと残念な評価になったかな。
劇場で観ていたなら、パンフレットを買おうとは思わないくらいに。
カイジやアカギみたいな、ヒリヒリと焼けつくような大博打で“虚”パートを描ききってほしかったというのが正直で端的な感想でした。そここそ、今日の映像技術で観てみたかったです。
予算が悪いんやで…予算が…←まだ決め打ってるし…

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野球十兵衛、