「作家の伝記としてはいいけど。。」八犬伝 リボンさんの映画レビュー(感想・評価)
作家の伝記としてはいいけど。。
八犬伝そのものの実写映画を期待すると、話が5〜6回?ぶつ切りにされるので没入感はありません。
でも滝沢馬琴という作家が語りながら、書いた作品を説明している、という体なので作家の伝記モノとしてはそれなりに面白い。。かな?というところです。
(役所広司さんと板垣李光人君は好きな役者さんなので甘い評価かも。。)
葛飾北斎は、田中泯さんが晩年の北斎を演じたほうの作品はとても良かったですが、今回の北斎も旅好きで90歳まで長生きした芸術家の味が出ていて、こちらの北斎さんも良かったです!
ただ、映画としては余程八犬伝ファン、滝沢馬琴ファン、役所広司ファンじゃないと盛り上がりとかは無いタイプの映画なので少々つまらないかも。
滝沢馬琴が晩年に目が不自由となったことは知らなかったので、後半〜完結までを文字に興したのは亡き息子のお嫁さんだったというのはシンプルに凄いな、と思いました。夫から「父さんの作品、八犬伝のことを頼む」と言われて本当にあそこまで協力するとは、、嫁の鑑。
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ちょっと気になったこと。
八犬伝そのもののあらすじは敢えて予習しないで映画に臨みましたが、この映画だけ見ると申し訳ないけど怨霊に祟られたあの大名、ぶっちゃけ自業自得だと思いました。だって、「この者を許せ、縄を解け」と言った2分後くらいには、部下からの進言があったとはいえ「やはり打ち首じゃ!」って。。。それは捉えられたほうも怒るって。
殿様とか、権力のある身分の高い人がそんなにコロコロ話を変えるな、っていうのは怨霊のほうに理がある。と思えてしまった(汗)
そもそもこの大名、飼い犬にも「敵の大将の首を取ってきてくれたら娘の伏姫を嫁にとらす」なんて簡単に約束しちゃって、ちゃんと犬は大将首取ってきてくれたのに娘は嫁にしようとしなかったとかさ、、そりゃあ犬も反発するさ。飼い主なら守れる約束だけにしなきゃ駄目じゃん。
まぁ、とりあえず八犬伝のほうはお話、ということで目をつぶりますが。
最終的には鋼の錬金術師でグリードだった渡邊圭祐さんがカッコ良かったので、一応良しとしますが。。ちょっと残念な映画でした。