劇場公開日 2024年7月12日

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ある一生のレビュー・感想・評価

全25件中、21~25件目を表示

3.5天寿を全うした男の話

2024年7月14日
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泣ける

難しい

彼にとって、マリーの存在は全てだった。
彼女を追って行くこともできず、体力が続く限り勤労に努め、生き続けることしかできなかった男のただそれだけの話。
マリーと過ごした時間は長くはなかったけれど、「幸せ」を感じ得ることのできたひとときだったのだろうな。

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ちゃ坊主

2.0引き摺る男

2024年7月14日
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悲しい

単純

幸せ

1900年頃オーストリアの山間部の村に住む母親の義兄の農場に引き取られた10代前半の少年のそれからの生涯の話。

養子にはなったものの家族と同じ食卓にはつかせてもらえず、事あるごとにお仕置きと称した暴力を振るわれる少年に始まって行く。

そうなったら確かにここに居る理由はないよな…からの仕事に住処に出逢いに戦争に…兎に角1人の男の人生に起きたことをひたすらみせていく展開で、それなりに大きな出来事もあるけれど、これといって深くハマるものはなし。
全然知らない普通の人だし、描き方も結構淡々としているしね。

ということで、つまらなくはないけれど面白みもなく、ふ〜んという感じ。

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Bacchus

3.0背中で語るフツーの男のフツーの生涯

2024年7月14日
iPhoneアプリから投稿

20世紀初頭、孤児の少年が引き取られた親戚にいじめられながらもアルプス山中で逞しく生き、死んでったお話しです。おわりっ!すごくドラマチックな展開があるわけではないのに何となく観てしまうのは、主人公がしんどい運命すら受け止め、黙々と前進していく姿勢に共感できるからだと思います。そのせいか、歩いて行く主人公の背中を映すシーンが、やたら多いです。また、絵葉書のようなアルプスの四季折々の美しい風景、主人公演じる役者の穏やかな表情もいいですね。一方で、老年期になってからのエピソードがイマイチよくわかりにくかったです。役者では、青年期を演じたシュテファン・ゴルスキーが、好感の持てるいい役者さんでした。

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シネマディクト

3.0一人で居るのは孤独でもないし寂しくもない

2024年7月12日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

でも、大切な人と出会いその人を失ったら寂しさと孤独を感じるだろう。「愛するマリーへ」で始まる小さい文字で書かれた手紙は、40年後に雪の中から見つかるだろうか。

遠い親戚に預けられた時からアンドレアスの目の光は強かった。神へ祈りをささげながら小さいアンドレアスに暴力をふり続けてきた養父の背丈を超えた彼はもう恐れない。唯一彼を大切にしてくれたおばあちゃん(『バグダッド・カフェ』のゼーゲブレヒト!)の死と共に一人の生活を始めるアンドレアス。自分の頭を超えたら、が人生の転機になっていく。家庭菜園のセロリがもう自分の頭を超える程大きくなったんだよと、愛するマリーに話しかける彼は輝いていた。寡黙な彼がたくさん話すのはマリーとだけだった。マリーに綴る手紙に、年をとったから背中が丸まって自分の頭より高くなりそうだと書いたアンドレアスはマリーが居なくてもマリーと一緒に年をとる幸せな人生を送った。

山は雪や風で人間を痛めつけるが、時間によって変わる山の色や涼気は人間の気持ちをひきしめて饒舌を諫め黙々と歩き考える世界に導いてくれる。

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talisman

3.0苦難と不運の一生を無骨に生きた男

2024年4月16日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

単純

原作は、ほとんど会話もコミュニケーションも取ろうとせず、心情も読者には伝わり辛い主人公アンドレアスの視点で描かれている。とにかく、こんな原作を映画化しようと考えた製作陣に頭が下がる。もし映像化すれば、下手をすれば起伏のない平坦な内容になっていたやもしれない。
そこで映画版では、無口なアンドレアスの心情を分かりやすくするために脚色をし、特にある人物の顛末に関して原作と変えている。こちらの方が確かにドラマ性が高くなっている。
『フォレスト・ガンプ/一期一会』や『大統領の執事の涙』で1人の人物を通して20世紀のアメリカを描いていたように、本作はアンドレアスの一生イコール激動の20世紀ヨーロッパの歴史とリンクする。
とにかくアンドレアスの人生は苦難と不運が続く。それでも人は生きる――人間賛歌の物語だ。

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regency