「love storyの副題に偽りなし」ジョン・レノン 失われた週末 かみさんの映画レビュー(感想・評価)
love storyの副題に偽りなし
ファンなら知っているジョンとヨーコの別居時代。その知識を確認する内容かと思いきや、期待を上回る史実の告白がある。そして副題にある通りひとつのlove storyとして成立している映画だった。
メイパンは冷静に言えばヨーコに雇われ、やはりヨーコによりお役御免にされた人。ヨーコvs.メイパンという構図で描かれている面もあるが、最終的には誰が勝者というわけでもない。メイパンだけが知っていたジョンがいて、それが若き女性の人生に後戻りできない刻印を残したということなのだ。
メイはジョンとの共作や子どもを残さず、だからこそジョンと人対人としての純粋な思い出が残ったともいえ、メイとの日々はジョンがまるで10代の少年に戻る、人生の夏休みのように輝いている。
ジョンに関する使い古されたキーワードである「愛」。この映画にも本人の言葉で登場するが、等身大の手触りでそれを感じることができた。それは限りある人生の時間を共にすることで生まれる、カルマというべきものではないか。そしてそれはジョンが曲を通じてリスナーに伝えてくれたものに他ならない。
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