ティアーズ・オブ・ブラッドのレビュー・感想・評価
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Raptor
T・ジョイ系列でしかやらない作品が何故か5月に大集合しており、しかもその作品たちが謎に時間被っていたり朝イチだったりと、こういう作品を好んで観る人間からするとハードなスケジュールを組まざるを得ない状況でモッタモタしてます。
舐めてた奴が実は…系の作品に当てはまりそうなんですが、割とミステリーな要素が強いので、ジャンル映画にはなりきれなかったなぁというのが今作の印象でした。
地下鉄を運転してたら男が飛び込んできて、その男を確認したら息子だった…といった感じの始まりでしたが、警察が大人数を動員してまでやる事件か?と思うところはありましたが、まぁそれはご愛嬌ってことで飲み込みました。
アクションは近年主流の高速アクションでは無く、しっかり地に足ついたキックパンチがメインで、驚きこそないけれど、こういうアクションも良いねってなるくらいにはちょうど良いものに仕上がっていました。
節々のセリフには光るものがあって、序盤の「車内は禁煙だぞ」→ガチャ「車外よ」というスムーズさや、「下着落としてしまって、しかもめっちゃ履きつぶしてるんです」と良い具合のジョークと小気味のいい会話が今作の最大の魅力でした(後半はそれが薄くなってしまったのが残念)。
終盤は物語自体そこまで進まず、油断していたら急にエンドロールに突入してしまったので、んーなんだかなぁってなりました。
規模がそこまで大きくないのと、見せ場が少なかったのもあって作品全体ではややウケくらいでしたが、所々の部分は良かったのでそれでイーブンな作品でした。こういう系の作品は時期をずらして散らしてやってくれ〜。
鑑賞日 5/20
鑑賞時間 16:20〜18:10
座席 K-10
200ユーロで「質問はナシ」なのに色々聞いちゃうジャンク屋がツボ
2024.5.22 字幕 T・JOY京都
2022年のベルギー&フランス&スペイン合作の映画(100分、G)
訳あり地下鉄運転手が息子の怪死の真相を追うミステリー映画
監督&脚本はジョルダーノ・ジュデルリーニ
原題は『Entre la vida y la Muerte』で「生と死のはざまで」という意味、英題は『On the Edge』で「縁に」という意味
物語の舞台はベルギーのブリュッセル
そこで地下鉄の運転手をしているレオ・カスタニダ(アントニオ・デ・ラ・トレ)は、偏頭痛持ちで、時折血の涙が出てしまう状況にあった
2年前に妻が他界し、一人息子のユーゴ(Noé Englegert、幼少期:Hugo Quero)とはそれっきり会っていない
ある日、彼の元に疎遠の息子ユーゴが現れ、なぜかユーゴは父の運転する地下鉄の前に飛び込んでしまう
急ブレーキをかけて轢かずに済んだものの、ユーゴは複数の銃弾を受けていて、そのまま死んでしまった
警察は殺人事件として動き出し、警視(オリビエ・グルメ)の娘・ヴィルジニー(マリーヌ・バクト)主任刑事が担当となった
同僚のカール(Fabrice Adde)と共に動くヴィルジニーは、ユーゴの動きを不審に思い、レオが何かを受け取ったのではないかと勘ぐる
レオは取り調べで否定するものの、彼は息子からある家の鍵を預かっていた
レオがそこに向かうと、駐車された車の中に1人の男が死んでいた
そして、レオの元にユーゴの恋人マリカ(Lila Jonas)から「お金を返さないと殺される」というメッセージが届く
そこでレオは、男の所持品を探り、彼の胸元に隠しカメラが仕掛けられていることに気づく
それは警察が使用しているもので、男は潜入捜査を行なっていたラルフ(Alexxandre Bouyer)だった
さらに映像を解析すると、ラルフはヴィルジニーと恋人であることが判明した
映画は、息子の仇を探すレオと、恋人の安否を気遣うヴィルジニーが描かれ、それぞれが同じようなルートを経て、真相へと迫っていく
レオは元潜入捜査員であり、ある事件にて妻を亡くしていた
彼の頭の中には銃弾が残ったままになっていて、その後遺症として、血の涙を流すという症状が出ていた
生きていることが奇跡で、それゆえに原題の意味に通じるのだが、邦題は表面だけを見て無理やりつけている感は否めない
物語としては、子どもを思いやる親というのが登場し、レオには警視とヴィルジニーが親子であることがわかっていた
それを端的に「あんたがいると彼女がイラつく」と言い、「息子も俺といるときはそうだった」とつけ加えていた
この洞察力を持ってしても親子関係は難しく、うまくいかない果てに悲劇があり、今回はその後始末をつけた、ということになっていた
いずれにせよ、一般人っぽい人が実は凄腕のというパターンで、今回は「同じ警察官だった」という設定になっている
彼は名前を変えていて、インターポールが照会を拒否するという人物になっていた
この段階で「同業者なのね」とわかる人にはわかるのだが、潜入捜査員として万能過ぎないところはリアルのように思う
見つけたカメラデータの解析をジャンクショップのカルロス(パブロ・アンドレス)に頼むのだが、その時のやりとりもスタイリッシュだった
切れる関係を惜しむ2人だったが、レオが現役の刑事で、ブリュッセルが管轄なら、2人でいろんな事件を解決したのかなと思った
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