国宝のレビュー・感想・評価
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役者さんの覚悟を強く感じた作品です
見てから約一ヶ月経ちますが、初めて見たときの衝撃が未だに忘れられません。
本当に素人の皆さんだったのかと不思議に思ってしまうほどに、主役の吉沢亮さん、横浜流星さん、その子供時代を演じたお二方、そして役を引き受けるまでプロのダンサーだった田中泯さん他、本当に心をぐっと引きつけられるあっという間の3時間でした。
歌舞伎役者としての所作、演目内での演技、舞台の裏側。。。
大変な準備期間を経たのだろうと思いましたし、すり足だけで一日の稽古が終わったという記事も納得です。
歌舞伎が元々好きではありましたが、さらに好きになりましたし、娘も実際に歌舞伎を見てみたいと申しています。
劇場で見るのには及びませんが、後々DVDなどで発売、視聴できるようになったら、自宅で何度でも見返したいです。私にとって、今まで見た邦画でナンバーワンの作品です。
素直に面白かったです
ストーリーで所々「作り物感」を感じたり、「なんか妙に駆け足ペースだな」と感じたりと、気になるところがあったのは事実ですが、俳優さん達の演技も非常に良いおかげで劇場にいる間は理性というより感覚的にものすごく納得してしまう形でスルッと楽しめてしまい、最後に「面白かったなー」と満足して劇場を出るくらいには面白い作品でした。とても良かったです。
途中駆け足感を覚えた部分は実際原作小説からだいぶ内容を削ぎ落としてるそうですが、削ってなおボリュームたっぷりの長編映画である以上、仕方がない部分ですね。
家族の中での愛憎や「その血の運命」的な描写は李監督の腕が存分に発揮されて見応え十分でした。
今原作を読み進めているところですが、ロングラン上映しているので是非終演前に読み終えて2度目を観に行きたいなと思っています。
膀胱を空にして映画を観るべし!
歌舞伎という世界の一端
令和の映画史に残る作品
映画と言う産業
久々に感激した邦画です。最初の感想としては日本にはまだ映画産業が残っていたのかと言う事。映画という興行は製作に金が掛かるし、多様な才能が必要だし、絵を作る為、ストーリーを現実らしく見せる為の技能集団が必要。それらがちゃんと結語して形になってるじゃないですか。
この数十年間、拙い邦画ばかりで、日本は映画産業がなくなった、文化として死滅したと思ったが復活のファンファーレが聞こえました。
さて感想。金額として4000円払います。
最初の10分が最高で、これで1500円。
半ばの曽根崎心中迄で+1000円。前半は文句なし。
ラスト近くの曽根崎心中以降は1000円、良くて泣ける。
二つの曽根崎心中を挟んだ期間は500円 計4000円。
映像が素晴らしく、演技が素晴らしい。
一番いいシーンは初めてのお茶屋さんで告白されるシーンかな。あれは何故か涙が出た。計算しているようでしてない初恋の感覚ね。いいシーン満載だ。両手で足りない。
映画館で見てよかったー!
2人が主人公かと思って鑑賞したけど、吉沢亮が美しくて凄かった。彼が主人公だったのね…
展開が早く飽きさせないので、3時間見入ってしまった。かなり外国の興行を意識した映画なんだと思う。最初のヤクザとか。歌舞伎の世界は日本人でも分からないことが多いと思うけど、ストーリー自体は分かりやすい。どうしても「さらば、わが愛/覇王別姫」が頭に浮かんでしまいます。
プレッシャーと緊張で震えてる吉沢亮に、横浜流星がメイクしてあげるシーンと、壊死したつま先に頬擦りするシーンで涙が出ちゃった…
あと2人が殴り合うのを、車の中で見てるアキコのシーンとか、なんか胸にきた。希望と喜びもあるけど、悲しくて絶望も感じてるやつ。無音の車の中から、見てるだけしかできないという…
鬼気迫るシーンを音楽とカットで魅せる映画、久々に映画館で見てよかったと思った。心が動かされました。よかった!
血
若き才能に感服、邦画の星たち
私は観たい作品のチラシは必ずゲットし鑑賞記念にしていますが、本作は敬遠しておりました。歌舞伎に興味ないし難解なのかなと・・・・。
しかし周囲で推す声があまりに多く、妻と鑑賞しました。公開2ヶ月後、田舎のシネコンは他の作品なら早々に終了になっているが、その日は平日にもかかわらず(夏休みではありますが)、スクリーン前の数列以外、ラストの横並び席を買えました。高校生の男子が友人同士で何組も居ました。
シネコンスタッフに聞いたら昼の回はこんな感じが続いているそうです。いつのまにか前列のあの見づらい3列も全て埋まっていました。
・生あくびすら出ない
・3時間があっという間
・脚本の見事さ
・映像美
・カメラワーク
そして吉沢さん、横浜さん、謙さんの演技の見事さ。邦画のこの二人の若き才能が居る、そのこともまさに邦画の宝です。「踊る~」を抜くのは無理かな、でも抜いてほしい。まだの方、是非是非!!!
吉沢亮さん、貴方は天才です。
今年の映画大賞はこの作品。
少なくとも今年、この作品を超える力作は出てこないと思う。
制作側の熱量と本気、覚悟を感じた力作。
予告編だけで結構仕上がってるのは分かって、「これ稽古大変だな」と感じた。
吉沢亮君、横浜流星君の2人は、歌舞伎の家に生まれてもいないのに、2年ない稽古期間でよくここまで頑張ったと思う。
田中泯さんの、空中を滑るような足捌きはさすがだと思った。
役者にとって、作品は出会い。当たり役に出会えるのは幸せだと思う。
称賛の言葉なんて、血の滲む稽古の苦しさに比べたらほんのオマケかもしれないけど、でもこの作品、出演者は間違いなくやってよかったんじゃないかと思う。
また個人的には、エンドロールにKing Gnuの井口理が起用された事は誇らしく…、ここはアップルや髭ではなく、ちゃんと選ばれたと思う。彼がコントラルトである事が、女形の要素と通じるところが、制作側にも分かっていたのかと思うと、そんなところも最後の最後まで拘って作った作品だと思った。
映画史に残る大作の、誕生に拍手。
鬼気迫る演技に心を掴まれる
元々見る予定は無かったが、評判が良いので劇場に足を運んでみて正解だった。パーフェクトデイス以来の感動だった。出演者の一人一人に味があり、主役の二人の舞台に立つプレッシャーもさることながら、それらを演じることのプレッシャーは相当のものであっただろう。2人の演技のぶつかり合いは鬼気迫るものがあった。ストーリーも立場が二転三転し、一体どうであることが幸せなのか、幸せなどないのかもしれない。極めることが幸福なのだ。田中泯が演ずる国宝の末路が何とも物悲しく、全体的には暗いトーンだが、一切飽きずに引き込まれた。特に吉沢亮の演技は素晴らしかった。アイリスのCMと同一人物とは思えない。何でもこなせるのが引く手あまたの理由であろう。自分にとって間違いなく今年ナンバーワンの邦画である。多くの外国のひとにも観てもらいたい。次は予告で流れていたキムタクの映画を観に行ってみよう
心中と芸の道を結びつけた、見事な成長劇
この映画で1番重要なシーンは、冒頭で喜久雄(吉沢亮)の父親が死ぬシーンだと思った。
『国宝』は、「見る人」と「見られる人」が交互に出てきて、物語を展開する構図になっている。もう少し細かく言うと、「見ている人」が変わっていくことで、ストーリーをドライブしている。
冒頭、ヤクザの新年会から始まるシーン。喜久雄は、渡辺謙が演じる半次郎に演技を見せた後に、父の死にざまを「見る人」となる。
その際に、父親から「よぉく、見ておけよ」という呪いの言葉を受けることになる。これが、映画の核でありラストシーンにも繋がってくる。
その後、数年の時を経て、喜久雄は芸の道を歩むことになる。そこから、喜久雄は「見られる人」となり、様々な登場人物に視線を送られることになった。
半次郎、歌舞伎の興行を手掛ける三友の社長、観客と喜久雄を見ている人たちが変わっていき、喜久雄が順調にステップアップしていくことを映画では描いていく。
一方、喜久雄は何を見ていたのか。それは、間違いなく「死」であると思われる。半次郎の事故の後、「曾根崎心中」のお初を演じることになった喜久雄は、半次郎との稽古を通して「死」の矜持に近づいていく。
稽古の合間に、喜久雄は春江に会いに行くが、喜久雄は春江を全く見ない。視線が交わらせずに行なったプロポーズを春江が拒否したのは、映画の構図からも必然だった。喜久雄はあくまでも「見られる人」であり、この時に見ていたのは目の前にいる春江ではなく、お初の心情「死」だった。
喜久雄は、ここから終始どこを見ているのか分からない視線を繰り返す。それは、増村保造の映画『曽根崎心中』でのお初の目線を思い出させる。
芸の道を極めることと、心中をリンクさせて、骨太な芯をつくり演出仕切った手腕が見事だった。
演技、映像!
光は見せたが、境地は描けず
映画『国宝』は、人間国宝という称号に至る芸道の苦しみと、その背後にある人間的な業を描き出す意欲作である。吉沢亮をはじめとする俳優陣の演技は迫真に満ち、舞台シーンには息を呑む迫力があった。
小さな注文をつけるならば、義母(寺島しのぶ)、義父(渡辺謙)、そして小野川万菊(田中泯)へとつながる人間関係が簡略化されていた点は惜しい。ただし、尺の都合上やむを得ない部分もあっただろう。
しかし看過できなかったのは、隠し子との対面という局面で娘が父に向かって発する「役者としての賛辞」である。あまりに安易で説明的であり、業を背負いながら舞台に立ち続ける人間国宝の姿を象徴的に描ききるはずのラストを、陳腐な和解と感動の演出へと引き寄せてしまった。
さらに言えば、業の深さを超えた先にある「国宝にしか辿り着けないはずの」澄み切った境地を、光一本の暗示にとどめるのではなく、確かな像として描き出してほしかった。
俳優陣の努力と舞台シーンの緊張感は確かなだけに、ラストの安易な謝辞と境地描写の不足が、作品全体の美しさに水を差した。業の深さそのものは見事に表現されていたが、それを超えて芸道に昇華する崇高さが、最後まで届かない。その不在こそが、本作を惜しくさせる最大の要因である。
3時間はさすがに...と思っていたけれど
伝統と挑戦のドラマ
日本の伝統である歌舞伎の世界に、圧倒的な熱量と美意識を注ぎ込んだ渾身の人間ドラマでした。まず印象的だったのは、女形を演じる吉沢亮さんの姿。「まるで役そのものが宿っている」と感じるほど魂が乗った演技に、こちらも心を揺さぶられました。
そして、横浜流星さんとの競い、支え合う関係にも胸が熱くなりました。家の力と才能の間で揺れる2人の切ない対比は、互いの存在が道を照らす鏡のようで、美しかったです。
また、本作は上演時間が約3時間に及ぶ大作ながら、まるで1時間半のように感じるほど引き込まれ、観終わった後には魂が震える余韻が残りました。
加えて、本作に込められた「芸を追うことの過酷さ」と「美しさ」は、まさに“芸道もの”の真髄。この映画を通して、日本の伝統がいかに深く、そして時代を超えて普遍的な感情を揺さぶるものであるかを再認識しました。
最後に、本作が公開から73日で興行収入100億円超という〝大ヒット〟を達成した事実にも納得。これは、ただの娯楽ではなく、未来に受け継がれる価値を描いた作品だからこそだと感じました。
歌舞伎の素晴らしさ
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