国宝のレビュー・感想・評価
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お父ちゃん
面白いけど、過大評価
「映画館で見るべき作品」と聞いて見に行ってきた。実際「映画館で見るべき作品」と言われる所以は理解できた。歌舞伎のシーンは圧巻であり、本当に美しい。美しいという言葉だけでは表現し尽くせない。知識が全くない私でも惹き込まれた。横浜流星、吉沢亮の演技がすばらしい!!映像美、演技の観点では評判通りだったが、ストーリーの方は若干気になる点があった。まず、高畑充希ひどくない!?ということ。歌舞伎の演目と重ねたかったのは分かるが、横浜流星を選んだ過程が描かれていないため、ただの尻軽に見えた。次に、絶望・転落からの復帰があっさりしすぎじゃない!?ということ。屋上でのシーンは素晴らしかった。華やかな役者人生からの転落をまざまざと見せつけられ、胸が痛かった。しかし、そこから次の日には誘いが来て!?突然復帰!?血が大切だのどうのこうの言ってた割に血がなくても案外すぐ復帰できるやんけーと思ってしまった。転落期間をもう少し詳しく描写してほしかった。最後に、あやの(隠し子)との再開のシーンいらないなということ。あの芸妓さんが何番目でもいいから〜とかいって吉沢亮を誘ったくせに、その子供にあんな恨み節言われる筋合いなくない!?あやのちゃんが「あなたが舞台で輝くためにどれだけの人が犠牲になったか〜」みたいなこと言ってたけど、犠牲にしたのってせいぜい芸妓さん(自分の意思では?と思うけど)、あやのちゃん、森七菜、くらいでは?しかもあやのちゃん、吉沢亮のこと大して知らないよね?突然現れてわかったような口聞いてお父ちゃん(涙)とか言っても、何も刺さらなかった!なんだこいつは!と思ってしまった!ストーリーへの文句はこれくらい。それ以外は素晴らしかったです!最優秀作品賞あるかもね
エンドロールの余韻が良い
国宝感想
はじめ、タイトルが個人的にちょっと権威的な感じな気がして好きじゃない(なかった)のですが、本編は大変な力作で最後まで興味深く見られました。
一将功成りて万骨枯る、といったところでしょうか?(だけじゃないでしょうが、)
ひとつの道で功を成してきた人というのは、(自他問わず)どれだけの犠牲を払ってきたのかと思うと感慨深いものがありました。
しかし他を引き合いに出すのもなんですが、残菊物語で道頓堀川で錦を飾る歌舞伎役者菊之助と病で荒屋で床に伏せるお徳の犠牲(内助の功)の対比が鮮烈だっただけに、どうしても本作と比較せざる得ませんでした。
思えば、主人公の喜久雄と俊介は、血(筋)か芸かですったもんだするわけで…
しかも二人は他人でありながら家族以上に心情の面では繋がってもいて…
これもまたチェン・カイコーの覇王別姫を思い浮かべる所ですが、
それにもまして丹波屋?の名跡にまつわる二人の関係性が、個人的に本作の突出して良かったところでした。
その梨園の血(筋)には抗えない、その喜久雄のどうしようもない藻掻きが面白かったです
半二郎の代役に(なってしまった)抜擢され楽屋で喜久雄が震えながら言う「俊介の血をガブガブ飲みたい」は喜久雄の懊悩を象徴する最も印象深いセリフでした。
あと気になった所は、少年喜久雄がカチコミに失敗した後、これから父の復讐が芸にどう転嫁していくか?… に、個人的に興味あったんですが、作者が興味無かったのか、どうやらそこに触れられることが無く、最後の鷺娘の紙雪と父が逝ったあの雪景色との心象風景に留めるだけで(そこが良いいのか?)終わってしまった所が惜しい所でした。
また、いよいよ喜久雄と俊介が袂を分かち、駆け落ちしてドサ回りしながらドン底を味わう喜久雄…
万菊に呼び戻されて再び二人藤娘?を踊る件りの、その二人の情感を描かない端折り具合が酷く乱暴に思いました。長尺ゆえの英断だったのか、再会の二人をもっと丁寧に見たかったです。
いろいろ過去の名作と比べて気になった所を上げ連ねましたが、近年の邦画にしては質と量ともに充実し見応えある作品なのは間違いないと思います。
つらつらと考えるうちに、、
国宝とは芸道(美しさ)に悪魔はんに身を売った男の皮肉と捉えると、この嫌った表題がまた違った趣きに見えくる不思議。
それを最たる犠牲者の一人、喜久雄の娘の口から吐露させたのは言うまでもありません。
とにかく素晴らしい映画。総合芸術を堪能
最初のオープニングから一気に見る側をひきつけ、その後は、物語が転調...
自分の意思だけでは無い。
主人公が国宝に辿りつくまでの人生ストーリー。
鑑賞していてつくづく感じたのは、
誰しも叶えたい目標があれば、努力は惜しまないけれど…
同じ様な気持ちで努力を重ねて切磋琢磨する集団の中、結果そのトップに上がる人は…
沢山の要素が絡んだ後の結果なのだと。
自分の性格・産まれた境遇・自分の事を思ってくれアドバイスや指導等をくれる人との出会い・ファンになってくれるご贔屓さんの有難み・物事が起きるタイミング
体の具合…
だから、その結果トップに立った人は凄いし…
また、トップに立てなかった人も自分の力だけではどうにもならない事があるのだぁ。
原作も読みたくなった
歌舞伎の世界の裏側を覗けそうだと予告編の時から期待していた作品。
少年の時から共に修行に明け暮れた二人の人生を描いているという点で覇王別姫を思い出したが、喜久雄と俊介が自分に無い物を持つ相手への複雑な思いを抱えつつ、芸の高みへの渇望と執念を見せる様は、覇王別姫より更に凄まじかった。
期待していた歌舞伎の世界の裏側…については、稽古の場面はもとより、喜久雄や俊介が舞台に立つ場面では、舞台袖から、後ろから、上から、と、普通に観客として歌舞伎を見に行っても絶対に見られないアングルから踊りや芝居を見られたのも楽しかったし、後見を無くした役者の厳しさもシビアに分かりやすく描かれていた。
また、公演の場面では、あれやこれやの有名な演目の一番の見所をダイジェストのように見られるのも楽しい。
特に曽根崎心中は非常に効果的に使われていた。
一方で、二人を取り巻く人物が大勢出てくるが、三時間の映画にまとめるためだろうか、その人達との人間関係や心の機微については充分に描かれていたとはいえないのが残念。これについては原作を読んで補完したいと思った。
私、最後の一時間はほぼ泣いていましたが、なんだろう?感動…というのともちょっと違うな。あそこまで、狂気になれるほどの何かを持てる人への羨ましさ?みたいな?感じかな。
ところで内容とは関係ないけど気になった点。
とても話題になっているせいか、普段あまり映画館に慣れていない様子の人も大勢いました。本編が始まってからも座席を探して無遠慮に通路をウロウロする人が多くて辟易しました。
芸能の世界に落ちる
良かった〜!!!とても没入して観ることができました。
歌舞伎に魅せられ一心不乱に突き進んでいった喜久雄が、転がり落ちていく場面は苦しくて仕方ありませんでした。
見向きもされない余興で踊った後に、観客に暴行を加えられた喜久雄が、酒を飲み屋上で朦朧と踊った時はそのまま飛び降りてしまうのではないかと思いました。というか、感情移入して飛び降りたくなりました。
何度も絶望を味わっても舞台に立ち続ける精神力がすごい。並大抵の人ならどこかで自死してしまうのでは?とさえ思います。
喜久雄が光の当たる場所に戻ってこれて良かったですが、結局は芸の力ではなくて権威のある人物の力で戻ってきたことにモヤモヤしました。
どれだけの芸や技量があっても、最終的に血筋や人脈があって初めて評価されるんかい。と…
喜久雄に力があったからこそ、万菊さんの目に留まったとも捉えられますが…。
俊介は最初から最後まで素直でまっすぐで、とてもいい奴でした。守ってくれる血筋があって、愛してくれる両親がいて、味方になってくれる妻がいて、、喜久雄とは正反対でしたね。
春江も半次郎も幸子もみんな俊介の味方で、喜久雄の周りには誰1人いませんでした。
傷ついて、挫折して、孤独になって、最後には歌舞伎だけが残っていたことが印象的でした。
役作りのために演者は歌舞伎を身につけたのでしょうか…。歌舞伎の世界はわからないので、凄いのかどうかも判断できませんが、舞台のシーンはすっかり見入ってしまいました。役者魂恐るべし
全体を通して、とてもとてもおもしろかったです。映画館で観てよかった!
黒川想矢から吉沢亮への鉄板リレーが見事
観終わってから175分もあったのかと気づいたがこれは歌舞伎舞台をそしてドラマのディテールシーケンスを丁寧に描かんがための長尺で、老害の域に入った「巨匠」たちのやりたい放題垂れ流しとはわけが違う。芸能世界の裏と世襲=「血」の問題に真っ向から切り込んでおり李相日監督なればこそ作り上げることができた「復讐劇」の傑作と思われ、今年一となるであろう大ヒットが内容に相応しい。冒頭、長崎での興行を前に地元ヤクザの新年会に渡辺謙が挨拶に訪れるシーンから「やってくれるな」と感じ、「キル・ビル」雪庭での殺陣シーンが吉沢亮の原風景となるのがアバンタイトルとして的確で、脚本の奥寺佐渡子の手腕も見事。何といっても役者が役者を演じる映画は、映画作りの映画と同じくまずハズレが無い。歌舞伎の「劇中劇」もさることながら、お互いが相手に対して「ブチギレる」演技を「演技中演技」として構成したシーンが「演じるとは何か?」を更に虚実ない交ぜにしていて秀逸。一点、横浜流星が春江(高畑充希)のアパートを訪れるシーケンスでそれに続くシーンを端折ったことだけが残念。
歌舞伎好きには見逃せない作品
歌舞伎が大好きで、大学時代から現役で働いていた時までは、南座や歌舞伎座などで歌舞伎を鑑賞していました。しかし、リタイア後は歌舞伎のチケットが高いため、もっぱらシネマ歌舞伎で鑑賞しています。女形の坂東玉三郎さんの美しさと幅広い芸に魅了されているので、吉沢亮と横浜流星が女形をどのように演じるのかすごく興味を持ってこの映画を鑑賞しました。大昔に中村鴈治郎さんと扇雀さんの「曽根崎心中」を生で見たときの感動が甦ってきました。鴈治郎さんの手ほどきがあったのだと思いますが、映画の中にも脈々と受け継がれる歌舞伎の魂が宿っていました。ラストの吉沢亮の「鷺娘」は、女形の人間国宝である玉三郎さんが乗り移ったかのような演技に自然と涙がこぼれました。
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