劇場公開日 2025年6月6日

「日本映画の真骨頂」国宝 まっちゃまるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5日本映画の真骨頂

2025年6月19日
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鑑賞方法:映画館

歌舞伎という特殊な、日本独特の世界を通して、芸に生きる事に取り憑かれた人達を描いた作品。実はちょっと前の香港映画、「さらば、わが愛 覇王別姫」をちょっと思い出した。
上方歌舞伎の世界に生きる血筋と才能の対比、美しくも特殊で過酷な世界、だからこそ人々が魅せられる舞台を光りと影で色濃く映している。まさに役を生きている吉沢亮と横浜流星は、歌舞伎舞台上でも演出とは言えその対比が素晴らしい。吉沢亮は不思議な俳優だ。過酷な設定の役や大作でも、小作品でも、気負いや凝った役作りは感じられずいつも見た目は自然、その役を生きているように見える。今回の舞台上の舞いも、屋上での孤独な舞いも本当に素晴らしかった。
そして田中泯さすがです。迫力と怪しさがその佇まいと目線で、そしてその語りで本物の国宝級歌舞伎役者のようでした。作品通しての空気感に圧倒されて褒めちぎる言葉しか思い浮かばないのだが、一点だけ…どうしても渡辺謙の女形は想像がつかない。歌舞伎役者特有のしなやかさみたいなものだけ、感じられなくて。そのシーンは無かったので良かったと思った。
もう一度見たい、と思わせる作品。

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まっちゃまる
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