劇場公開日 2025年6月6日

「ファンタジーとして見れば、かなぁ」国宝 su-zuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ファンタジーとして見れば、かなぁ

2025年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

就職して最初の仕事が歌舞伎でした。
今は亡き人間国宝の方々とも接することが出来たことは、とても良い経験でした。という自分の歌舞伎との関わりをいちおう前置きとして、見た感想です。

舞台や演劇を物語にした映画やドラマあるあるなんですが、稽古初日から舞台を使っていたり(海外ではあったりもするけど)、稽古初日から衣裳を着ていたり、最近では、舞台美術家が本番で小道具を忘れた俳優にキャットウォークをつたって上から舞台に落とすって表現もあったりしますが、実際の舞台、演劇としては「ありえない」と思うわけです。
(そういう意味では、医療でも警察でも弁護士でも、みんな「実際はありえない」のでしょうけれど。)

そんなことを踏まえたうえで、歌舞伎はたいてい、昼夜興行。
二人娘道成寺を演じたのが、昼公演か夜公演は分からないけれど、1時間上演したとしても、他にも演目はあるでしょう。幕間があって、次の演目があるでしょうし。
この映像時(物語時)が初日としたら、次の日も公演があるわけで。
20日間興行としたら、あと19日あるわけで。そこでやり切った感だされてもなぁと思ってしまったわけです。
この激しい舞踊をあと19回、同じテンションで続けるのか。う〜ん。
舞台美術家が小道具持っていく映画は、タイムリープものだったから、ファンタジーと思えたけれど、いろいろと細かく描いている分、ない、ない、ないと思う点が多々あり、それが気になってしまいました。

実際の歌舞伎の顔寄せに初めて参加したとき、「當る平成⚪︎年⚪︎月興行〜〜千穐万歳大入叶〜お手を拝借、よぉ〜(うろ覚え)」みたいな様子で、心の中で、うわっ、映画の中のヤ⚫︎ザの襲名みたいだなと思ったので、反社の部分はファンタジーには思えなかったです。
背中に背負っていてもおかしくないかも(ないでしょうが)。

大絶賛している方が多いけれど、そこまでは……って感じでした。
何が自分にはハマらなかったかは上手くいい表せないですけど、今年イチとまではいかなったなぁ。(147本見て)

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su-zu
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