劇場公開日 2025年6月6日

国宝のレビュー・感想・評価

全2283件中、1~20件目を表示

4.0『国宝』と『宝島』の深層構造  カタルシスと反カタルシス

2025年11月6日
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悲しい

難しい

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マユキ

3.5美しい生き様

2025年10月29日
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悲しい

興奮

難しい

歌舞伎を知っていたらもっと楽しめるのでしょうか。
そこが残念ではありましたが、役者さんの芝居が素晴らしすぎて、歌舞伎がわからない自分でも、舞台の場面には涙がこぼれ引き込まれました。吉沢亮さんは言わずもがなですが、最後の曾根崎心中の横浜流星さんも引けず劣らずで。魅了されながら、この凄みは役どころに依るものなのかなぁ、とぼんやり考えていました。
芸事の世界、その厳しさ、それぞれの葛藤や思いを描きながら、誰ひとり悪者にしないで昇華させる見事な作品。

けど、
人の人生を描いた作品は、哀しい気持ちになります( ˊ꒳ˋ ;)

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くまの

4.0青、白、血色

2025年9月27日
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『青 chong』で鮮烈な長編デビューを果たした李相日監督の最新作。吉沢亮や横浜流星などの役者陣の演技は素晴らしく、歌舞伎の世界を舞台にした本作はスペクタクルに富んで素晴らしい。
まさに『さらば、我が愛 覇王別姫』を彷彿とさせる喜久雄と俊介/半弥の波乱万丈な人生。役者とは、栄光と引き換えに色んな代償を背負う「美しい化け物」にならざるを得なく、舞台に人生を差し出すことは自分にはできないと思った。そういった意味でも、役者とは誰もができる職業ではないことを痛感させられる。

以下、ネタバレを含みます。

本作は上方歌舞伎の名門である花井家の「血」が主題であるが、その対抗となるものは「白」である。ファーストカットが、喜久雄の肌に白塗りが施されることであったように、「白」とは芸の表象であり、「血」を隠すことができるものだ。

喜久雄はヤクザの一族という血筋を隠して、芸の道に勤しむことができる。芸で観客を魅了させれば、生まれも何も関係ない。そう信じ、実際に喜久雄は半弥を差し置いて、半二郎の代役を掴み、最後には「花井半二郎」を襲名されるに至る。しかし悲しいかな、喜久雄は半二郎の本当の息子ではないから、舞台にも立てず没落していくのは、不条理でありつつ血縁の重みを強く感じてしまう。

喜久雄と半弥はいつも表舞台で輝き続けたわけではなく、人生において酸いも甘いも嚙み分ける。喜久雄は歌舞伎での成功のために「悪魔と契約し」、幼馴染の春江と別れ、舞妓の藤駒を内縁の妻とし、実の娘を見ないように。かといって、半弥は喜久雄に「半二郎」を取られ、春江を奪い、アンダーグラウンド舞台で生きざるを得ないように。半弥が再び歌舞伎の舞台に返り咲くと同時に、今度は喜久雄が破門にされ、彰子―森七菜と共に地方巡業する様は、底まで落ちたように思えるが、彼らは栄枯盛衰いろいろに人生を歩んでいく。

二人が「半半コンビ」として同じ舞台に立つのは、彼らの辛苦を思えばとても感動だが、それも長くは続かず。半弥は「血」の断絶かのように糖尿病のため左足を切断することになってしまう。

最後に二人が「曾根崎心中」を演じる時、白塗りの顔は涙に濡れて、彼らの〈本当の顔〉が現われている。泣いているのは喜久雄と半弥なのか、徳兵衛とお初なのかは分からない。いや人生の悲喜こもごもを味わった生身の人間の涙が、〈役〉の涙になったということだろう。それは役者が役に飲み込まれたということかもしれない。

でも「きれい」だと思う。

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まぬままおま

5.0この歌舞伎映像こそ、国の宝として欲しい

2025年7月31日
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猿田猿太郎

4.5日本だからこそ出来た表現

2025年7月23日
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鑑賞方法:映画館

知的

驚く

斬新

予告や前評判から興味が沸いたので、7月の3連休に観てきました。

歌舞伎役者を続ける大変さが濃厚に描かれている物語に驚きました。上映時間が3時間近くあるにも関わらず、全く眠くならずに最後まで夢中になれました。

主人公の喜久雄は歌舞伎に人生を捧げますが、厳しい修行が毎日続いて自由が制限されるストレスフルな環境から「やっぱり役者の現実は厳しいな……」と痛感しました。

一緒に行った母の話によると、歌舞伎とご縁のある家系に生まれると、幼少期からずっと稽古を続けなくてはならないとのことで、俊介の描写ではそれが強く表れていました。

舞台のシーンも圧巻の一言で、役者の繊細な演技と古典的な演奏は、歌舞伎の歴史が深い日本だからこそ出来た表現のように感じました。

最近観た邦画では間違いなく上位に入るレベルで素晴らしかったです。大ヒットに納得がいく出来栄えで、映画館で観れて本当によかったです。

それと、いつかは実際の歌舞伎も見に行きたいと思うようになりました。

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Ken@

4.0ポップコーンを食べるのに、とんでもない緊張を強いられる映画

2025年7月15日
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興奮

幸せ

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momokichi

4.0濁流に飲まれたかのような気持ちで映画館を後にした。

2025年6月14日
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歌舞伎に疎い私でも、別の仕事と並行して、1年半でここまで歌舞伎役者を見事に演じ切った喜久雄演じる吉沢亮と、俊介演じる横浜流星が尋常ではない努力をされたのは誰が見ても感じ取れる。
型は違えど、きっとこの2人も演じることに取り憑かれた人たちなんだろう。彼ら2人がいたから、この作品がここまでの完成度と説得力がある作品になったことは間違いない。

そして彼らの幼少期を演じたのが、新人アカデミー賞を受賞した『怪物』の黒川想也くんと、『ぼくのお日さま』の越山敬達くんという、これまた胸熱な2人なもんだから、誇張無しに喜久雄と俊介の幼少期からずーーーっと隙がなく素晴らしい。
黒川くんの女型なんて、あの歳でなんであの色気を出せるのか、昔話で人間を化かす妖怪ってこんな感じなんだろうなとさえ思えた。
なのに練習シーンで見せた、上半身のあの筋肉質で引き締まった男らしい身体に驚く。彼の日本アカデミー賞でのスピーチでも感動したけど、今後がとても楽しみな役者さんだ。

さらには田中泯さん演じる万菊。滲み出る『人間国宝』の凄みと気品で、田中泯さん自身は歌舞伎役者では無いのに、もう何十年も歌舞伎の世界に身を投じていた人物にしか見えなかった。招く手の所作まで、細部に至る全てが美しかった。

そう、この作品は3時間ずっと美しいのだ。

それは李監督がいつも作品で見せてくれる、人間の美しさなんだろう。もちろん吉沢亮と横浜流星という外見の美しさもあるけれど、単純に外見の美しさというわけではなく、醜く足掻く姿も美しく、汗と涙でぐちゃぐちゃな姿も美しく、そういう壮絶な人生が放つ、常人では放てない美しさが始終作品から放たれていた。

喜久雄の人生を3時間で描くため、若干物足りないところもあったし、あのキャラはその後どうなったの?とか、ここはもう少し丁寧に見せて欲しかったなーという箇所も無かったわけではないけれど、これでもだいぶカットしたんだろうなと思う。
演目で彼らの心情や想いを語らせる、生き方をダブらせるという手法は、歌舞伎の演目を知っていないと少し難しい。

私は『曽根崎心中』しかあらすじがわからなかったので、鑑賞後に他の演目を調べたところ、思わず「そういうことかー」と声が出た。これを知った上でもう一度あの歌舞伎のシーンが見たい。

極道一家の息子に生まれ、歌舞伎の世界に入る喜久雄と、歌舞伎一家のサラブレッドの俊介。
芸をいくら磨いても、血縁という強固な絆とお守りには勝てないと思う喜久雄と、その血によって苦しむ俊介。2人の立場の違う無いものねだりの若者が、芸を極めるために、もがき苦しみ、執着し、追い求める様の熱料は凄まじく、芸を極める以外の全てを捨てた者が辿り着く先が『国宝』なのかと思うと、畏怖感に震えた。

実際歌舞伎の世界で生きている人たちから見たら、この作品はどう映るんだろう。実際の人間国宝の方々からの感想を聞きたくなった。

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AZU

5.0俳優・吉沢亮の代表作、ここに誕生。魂が震える、芸の一代記!

2025年6月10日
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映画『国宝』を観てきました。
言葉を失うほどの余韻に包まれ、今もまだ心が震えています。
これはもう、今年度のアカデミー賞を総なめにしてもおかしくない、圧巻の一本でした👏

『悪人』『怒り』などで知られる李相日監督が、再び吉田修一の小説を映画化。
任侠の家に生まれながら、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた男の激動の一代記を描いた人間ドラマです。

まず何より、吉沢亮さんの“女方”役が凄まじい。
演じているというより、「役が宿っている」と表現したほうがしっくりきます。
国宝級イケメンの彼が、顔を白く塗り、己の芸一本で勝負する姿はまさに圧巻。
「歌舞伎」という日本の伝統芸能の世界は、一筋縄ではいかない道のりだったはず。

李監督が、なぜ歌舞伎役者ではなく吉沢亮を主演に選んだのか──
その理由を語るインタビューを読み、「なるほど」と納得しました。
その熱烈なオファーに応えようと、苦しみながらも挑み続けた日々さえも、
“芸の肥やし”となり、この作品を輝かせています。

“国宝”というタイトルにふさわしい生き様と芸が、吉沢さん自身の演技によって命を持ち、
観る者の魂に深く突き刺さる。
まだ上半期ですが、日本アカデミー賞主演男優賞の最有力候補といっても過言ではありません。

そして、昨年『正体』で同賞を受賞した横浜流星さんの存在感も素晴らしかった。
まさに作中のストーリーそのもの──
若手実力派俳優同士の“芸道対決”が、本作の見どころでもあります。

横浜流星から吉沢亮へ──
イケメン俳優から“国宝級”イケメン俳優への夢のバトンタッチは、美しく誠実な“アシスト”。
師匠役の渡辺謙さん、その妻役で歌舞伎をよく知る寺島しのぶさん、重要なヒロインを演じた高畑充希さんなど、脇を固める俳優陣も豪華!
芝居の間合いや声の温度感すべてが、舞台のような緊張感と深みを生み出していました。

さらに、音楽と“無音”の演出がとても効果的。
歌詞のない打楽器の重低音が、歌舞伎という芸に込められた品格と魂を引き立て、
本物の舞台を観ているかのような臨場感を味わえました。

King Gnuの井口理さんによるラストの歌声も、まるで楽器のように物語に溶け込み、
観終わったあとまで美しい余韻を残してくれます。

ふだんなら高額なチケットを払わないと観られないような上質な歌舞伎の演目を、
映画という形で丸ごと堪能させてもらったような贅沢な体験。

じっくりと味わう映画がお好みの方には、特におすすめ🧐“観ておいて損はない”名作です。
映画ファンはもちろん、日本の伝統芸能に関心がある方にもお勧めしたい映画です♪

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ななやお

4.5吉沢亮と横浜流星の贅沢なアンサンブルで魅せる、血筋と才能の残酷な相剋

2025年6月7日
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ニコ

4.0客席のエキストラのみなさんが作品価値をさらに上げている

2025年7月31日
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村山章

5.0これほどの作品には滅多に出逢えない

2025年6月30日
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人生は舞台、そんな言葉が脳裏に浮かぶほど、本作はあらゆる場所に舞台的状況を出現させる。観客がひしめく劇場はもちろん、雪景色の中では窓越しに惨劇を見つめ、稽古場のみならず川辺や病室にも舞台は現れ、かと思えば、場末の宴会場、それに誰もいない屋上でただただ自分のためだけに踊る場面もある。かくなる経験を重ねながら、才能に魅入られた青年が、血に見出され、血に呪われ、芸事の道をひたすら歩み続ける。その姿は圧倒的に孤独で壮絶。兄弟同然の二人が互いの存在に身を反らし、しかし鏡のように向き合い、照らし合う様も大きな感動を呼ぶ。何のために踊るのか。本作は3時間かけてその答えを探し求める果てなき旅路だ。圧倒的な存在感で役を生きた二人。その若かりし頃を担った二人。李作品の柱たる渡辺。それに手のひら一つで舞う田中。誰もがあまりに見事。歌舞伎の音階を損なわず、深いところでドラマ性を奏でる劇伴も胸を揺さぶってやまない。

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牛津厚信

5.0吉沢亮のお初の台詞回しに心震える。伝統に挑むアウトサイダーの物語を李相日が監督した点にも感慨

2025年6月30日
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悲しい

知的

驚く

私は歌舞伎の素人ながら、稽古に1年半かけた吉沢亮(喜久雄役)の演技、とりわけ「曽根崎心中」のお初が声を振り絞る「死ぬる覚悟が聞きたい」に心が震えた。顔のクローズアップと引き気味の画を巧みに配した客席側からの映像も見事だが、原作者・吉田修一が四代目中村鴈治郎に黒衣を作ってもらい3年間舞台裏や楽屋まで取材して書いた役者視点での描写も興味深い(脚本は「八日目の蝉」「軽蔑」「望み」など小説の映画化で実績のある奥寺佐渡子)。横浜流星、渡辺謙らもそれぞれに素晴らしい。とりわけ、舞踊家でもある田中泯の手招きの柔らかな表現や、浮世絵のごとき白塗りで皺深い表情にも引き込まれた。

喜久雄が藤駒(見上愛)との間にもうけた娘・綾乃を演じた瀧内公美もワンシーンながら印象的。綾乃が喜久雄に伝える言葉には、周りの大勢を踏み台にして高みを目指す役者の生き様と、そうしたスターを支えるファンの心情が濃密に詰まっていた。

舞台のシーンでは入魂の演技と美麗な映像に目を奪われっぱなしになりそうだが、BGMの繊細な演出もいい。演目の実際の音楽(囃子)を中心に据えつつ、ストリングスやシンセ系の音を加えて調性やドラマチックさを補強しているのだ。まさに映画らしい歌舞伎の見せ方と言えるだろう。

世襲制が基本の伝統芸能である歌舞伎の世界で頂点を目指すアウトサイダーの物語を、在日朝鮮人三世の李相日監督が映画化した点も感慨深い。李監督が過去に2度、吉田原作の「悪人」「怒り」をいずれも東宝配給で映画化していたことも起用の要因だろう。李監督はまた、チェン・カイコー監督が2人の京劇俳優の波乱の生き様を描きカンヌでパルムドールを獲った「さらば、わが愛 覇王別姫」を観た衝撃が、本作につながったと明かしている。確かに、同作で女性役(姫=虞美人)の京劇俳優を演じたレスリー・チャンと、女形の化粧をした吉沢亮は見た目も雰囲気も近い。厳しい稽古を積みながら兄弟のように育った役者同士の絆や確執といった要素も共通する。「国宝」は今年後半以降、韓国や台湾などアジア、フランスやオランダなど欧州で公開が決まっているようで、日本の伝統芸能を題材にした本作が海外でどのように評価されるかにも大いに興味がある。

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高森郁哉

5.0画面に凄みがほとばしっている

2025年6月30日
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傑作映画はとにかく理屈じゃなく、画面に凄みがある。そして、この映画にはその凄みがあった。日本映画でこの凄みを感じたのは久しぶりだった。
これは確かにすごい作品だった。3時間途切れることのない集中力ある物語が展開するが、決して疲れることがない。緩急ある構成力が素晴らしい。歌舞伎役者の業を描く作品に役者たちが全力で挑んだ結果、映画の高みへと達している。
喜久雄役の吉沢亮にレスリー・チャンの面影を見た。彼がいなくては絶対に成り立たない作品だったことは間違いない。本物の歌舞伎役者を起用しなかったことがかえって良かったのかもしれない。公式パンフレットのインタビューで吉沢亮は、「どこまでも稽古を積んでも足りないと感じてしまう」と語っていたが、その気持はスクリーンの喜久雄からも感じ取れるのだった。彼には歌舞伎役者の「血」を持たないから。
もちろん、横浜流星もすごいし田中泯は手招きだけで観る者を震わせるし、すごいシーンがいっぱいあった。最後に喜久雄が見た景色がどんなものだったのか、恐ろしくも覗いてみたいという気持ちにさせられてしまった。表現者にしか見えない景色がある。

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杉本穂高

4.5得体の知れない何かを求める人生の至福と過酷さ

2025年6月9日
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泣ける

興奮

幸せ

当代の人気役者、吉沢亮と横浜流星が歌舞伎の世界で出会うライバル同士を懸命の演技でなぞっていく。任侠の世界から生来の才能を見込まれて歌舞伎の世界に飛び込んだ喜久雄(吉沢)と、名門の跡取りである俊介(横浜)を通して、才能か?血縁か?という命題に取り組んだ物語は、そんな比較論に収まらず、各々が命懸けで挑む美の探究の果てに、何が見えるかを垣間見せて緞帳を下ろす。出自に関係なく、芸を鍛錬する者だけが目撃する神々しい光の正体は何なのかは、正直よくはわからない。でも、得体の知れない到達点をただただ追い求める人生の至福と過酷さだけは、しっかりと伝わるのだ。

『国宝』は歌舞伎という日本古来のエンタメと、今を生きる若手俳優のトップ2人の献身が結びついて誕生した本当の意味での娯楽映画。読み始めたら止まらない吉田修一の長編小説を3時間弱の映画にまとめ上げた脚本は秀逸で、上映中時計を見ることはない(はずだ)。所作を含めた演技が美しい吉沢と、口跡と見た目で対抗する横浜(白塗りにすると中村七之助そっくり)を囲む脇役の中では、喜久雄の才能を会った瞬間に見抜く伝説の女形、万菊を演じる田中泯の妖艶さに痺れまくった。配役、美術、音楽も含めて、これほど贅沢な時間は年間を通してあまりない気がする。

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清藤秀人

4.0歌舞伎への深い愛を感じる力作。一方で描くべき内容が多すぎるのか予備知識が少ないと感情移入しにくい面が課題か。

2025年6月7日
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本作は歌舞伎の演技シーンを中心に強いこだわりを持って描かれている力作なのは間違いないでしょう。
役者たちの演技も文句なしに素晴らしく、その熱演は見る者を惹きつけます。
ただ、歌舞伎や原作小説の予備知識があるかないかにより、かなり見え方が変わるでしょう。
歌舞伎の知識が乏しかったり、原作未読の状態で見ると、「時」の経過に伴う場面などが断片的に見えてしまったり、状況をつかみきれず感情移入しにくい面があるのです。
結果的に175分を使いながらも、一見さんかそうでないかによって印象に差が出やすい構造になっていて、前者の視点からは課題を感じる作品でした。

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細野真宏

組織票。

2025年11月17日
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興行社会は面倒臭い。
下っ端は楽そうでいいね。
犯罪だよ犯罪。
徳でも積んでろ。

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equinox

4.0エキストラに参加して

2025年11月16日
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かなり遅くなりましたが、今年話題のこの映画について書きます。

実際は公開してから1週間以内に観たのですが、
もうパンフは完売の状態で、これだけで人気作品だということが手に取るように分かりました。

エキストラで京都東映撮影所へ行ったのは、去年の秋前。
まだ暑かった頃です。
どうしても監督の作品に参加してみたかったので、
無理矢理入り込みました。
メイクとヘアーセットをして、観客席端の前から5番目くらいにスタンバイしました。
待ち時間はかなりありましたが、ひとりが好きなのでまぁまぁ楽しめました。ロケ弁もいっぱい出ましたし。

監督により映画の作り方は異なるのですが、
李監督の演出力はさすが名監督だけのことはあります。
最初、助手の方からサクッとこんな場面ですという案内はあるのですが、それだけではフワッとした感じしか皆さん掴めませんでした。
その後、監督が補足というか、場面の真髄の説明がありました。
この舞台がどういう経緯で行われるのかという案内があり、
横浜流星さんの演技力と相まって、
リハ含め4回涙が自然に流れてきました(映ってないけど)。

美しさは吉沢さんですが、横浜さんは演技力が半端ないです。
それより上回ったのは田中泯さんの化け物。
映画では誰をも食うインパクトでした。

さて撮影ですが、監督は丁寧な作り方をします。
同じシーンを各角度で、更には手だけとか、音だけとか何テイクも撮るんです。
編集もたいへんそうですが、演じる役者さんもワンテイクではすまないので、
同じ感情を何回も演じるのは、並々ならぬ苦労だった事でしょう。

完成された映画は、その完璧さの賜物でしょう。
芸術的に美しい。

でもよく比較されているようですが、
京劇を題材にした『さらばわが愛〜覇王別姫〜』と比べると生死や激動の時代背景がない分、やはり生チョロい。
長い原作をコンパクトにまとめたせいか、
どん底に落ちた登場人物達がいとも簡単に這い上がってきている。

また李監督としてもベストではない気がする。
吉田修一氏との相性はいいはずなのですが、『怒り』ほどの閉塞感もない。
『フラガール』ほどの昭和の汚なさもなく、ただ昭和が美しくみえる。(衣装や髪型が大変そうだったのは見てましたが)

全世代に対応しこれだけ話題になり、丁寧に作られた作品であるから、
各賞を総ナメにするのは明らかなのですが。

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重村牧男

4.5噂通りでした

2025年11月16日
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鑑賞方法:映画館

知的

驚く

気にはなりながらもようやく観ました。
映画に関しては、多くの方たちが書いているので、いまさらなので省略します。

学生の時に歌舞伎を観たことがありました。衣装の早変わりがスゲーと思った記憶がありましたが、早変わりの様子が分かりました。

公式サイトに演目紹介・歌舞伎豆知識があり、義足については公式サイトで澤村田之助について書かれているのかと思ったけどありませんでした。

大見得を切る時などに大きな拍手があったが、明治時代まで日本には拍手という習慣がなかったらしいので、それ以前の掛け声で盛り上げる様子がどうだったのか知りたくなりました。ちなみに公式サイトの歌舞伎豆知識のなかに「大向う」はありました。

別れの時に手を横に振ったり、劇場などで拍手をするようになったのは、明治時代のお雇い外国人が持ち込んだ習慣だと、かなり昔に読んだことがあります。

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isaac

3.51回目の鑑賞時に乖離があり、もう一度見直したが…

2025年11月16日
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難しい

斬新

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Wing

3.5観てよかった

2025年11月15日
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Audibleでしっかり聴いてから臨んだので、
・聞いてはいたが、エピソードや登場人物をかなり大胆に端折っている それでも3時間だから仕方ないけど、エエッと思うところ多い
・Audibleの菊之助より、役者さん達の関西弁が上手い😅 特に渡辺謙すごい
・どうでもいいが、歌舞伎座や南座、市駒の名称を(原作と異なり)そのまま使わないのは何か配慮があったんだろう
・さらにどうでもいいが、横浜流星はイケメンだと思ってたが、吉沢亮と並べると意外と普通の顔立ちである
・今もって満席。あのファルセットも吹き替えかと思ったらそうではないらしく、全体にリアリティと迫力あり、観てよかった

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たいちゃん
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