新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!のレビュー・感想・評価
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【「新聞記者」女子高校生バージョン。チープな感じが良く(褒めてます。)学園の闇に迫る女子高生達の正義感溢れる展開も佳き作品。ヤッパリ、キャリア上手の高石あかりさんが、特に良かったなあ。】
■「新聞記者」・・2019年に、今を時めく藤井道人監督が世に出したポリティカル映画の逸品である。そして、この作品はナント、シネコンでも上映され、大ヒットをしたのである。邦画の潮流を変えた作品であると言っても、過言ではないと思う作品でもある。
そして、今作は設定を高校に移し、学園の闇を暴こうと活躍する女子高生たちの姿が、ナカナカなのである。
◆感想
・演者の殆どの方を知らず、且つ若手の俳優さん達の演技は初々しい、と言うか申し訳ないが拙い。
そして、設定もチープ感が漂うのであるが、今作はこの感じが良いのである。(キッパリ!)
■ペンネームで作家活動をするミドリマチコノハに憧れて、コノハが在籍されているという私立高校に入学したユイ(藤吉夏鈴:アイドルさんだそうである。)は、文芸部の西園寺部長(久間田淋加)から入部を許可すると言われ、コノハへのインタビューの実績がある学校から認可されていない、学校の先生たちのスクープを得意とする新聞部に入部する。
そして、部長杉原かさね(高石あかり)ともう一人の部員恩田春奈(中井友望)と学校の闇に迫る中、学園理事長の沼原(高嶋政宏)から、様々な圧力を掛けられる。
・ヤッパリ、高石あかりさんの突き抜けた存在感が魅力的である。今作では、賄賂で、連続全国高校文芸大会3連覇を狙う理事長に、真向勝負をするところなどは、「ベイビー・ワルキューレ」の様であり、理事長をぶん殴って退学になった後に履いている黒いソックスには”国士無双”と縫い込まれているのである。何だか、凄いなあ。
・ペンに仕込んだ録音装置での理事長との”スクープ録音合戦”や、理事長の言いなりだった西園寺部長が、表彰式で司会から”作品について”を問われた時に、”読んでいないから分かりません。!”と答えちゃうところなども、大変宜しい。
<今作は、悪徳理事長に支配されていた高校生達が、”良くない事は、良くない!と言う存在が必要。”というジャーナリズム精神により、真っ直ぐに進む姿が、ナカナカな作品なのである。>
上品にまとまってました!
なんとなくそうだろうなの範囲でストーリー展開が進んでいったので
ちょっと頭空っぽにして観た方が良いかもしれません
若い役者さんたちの頑張りは素晴らしかったです。
悪い大人役の方たちはさすがの存在感。
主役はアイドルの方のようですが新米って感じがしっくりきていました。
きっと一生懸命この作品に向けて努力したのでしょう。
最後の事件後の後日談までかなりしっかり描いてくれていたのは
若い人たちにも納得できる終わり方だったと思います。
あやふやで終わる作品も多い中、きっちりまとまってました。
特に不満もないのですが、期待を込めての評価としました。
青春ものの軽い作品
文芸オタク女子の主人公(櫻坂の藤吉夏鈴)が、憧れの作家が在籍していると思い入学した高校で、ひょんなことから潜入することになる非公認の新聞部を舞台に、振り回されながら学園の闇へ迫る、って児童文学っぽいストーリー。
まあ、年に数本はこういう青春わちゃわちゃ映画を観たくなりますね。
ストーリーのリアリティレベルが低すぎるので、いっそアニメの方が合う感じ。イメージ、映像研には手を出すな、のような時々現実世界が崩れるようなデフォルメをかけると意外と楽しめたかも。
それか、観ているだけでウキウキする美少女や美男子で画面を覆うか。この櫻坂のアイドルがイマイチ映えないんですね。雰囲気は綾波タイプの初期ロットで、平手友梨奈の下位互換、って感じですが、ビジュアルも演技も入り込めなかったです。
サブヒロインの髙石あかりは、どこかで見たことあるな〜、、、ミスiDですか。ここ出身者は個性の塊ですからね〜。文芸部長役の久間田琳加はもっと幼いイメージがありましたが、役柄に合わせて上手く化けましたね。
もう少しは面白くできそうですが、これはこれで、って感じの作品でした。
まぁライトノベルのような青春映画、定番の”痛快”で面白かったが、し...
まぁライトノベルのような青春映画、定番の”痛快”で面白かったが、しかし新聞部より文芸部を中心としたお話のように思えた、新聞部はその影響でできたようなもんだし。だから主人公も最終的にジャーナリストを目指すことになるが、それに憧れ先輩のように熱血漢になる過程がすっぽ抜けてる感じ、そこら辺が残念。
将来性豊かなキャスト陣が贈る青春部活学園モノコメディ映画
以前から気になっていた映画。時間ができて、やっとみることができました。
主演は櫻坂46・藤吉夏鈴さん。初映画初主演ということで、緊張とかプレッシャーを感じながらの挑戦だったと思いますが、演技についてはいい意味でこんなものかな、と。初めての映画出演と考えると上出来ではないでしょうか。まあ演技力というのは経験を重ねればいやでも上がっていくものですから、この作品を原点にして経験を重ねていけばいいのです。少しだけ気になったのは声の出し方。普段あまり声を張らない子ががんばって声を張っているような感じがしました。内気な文学少女役なので役通りといえば役通りなのかもしれませんが。役に応じた自然な発声は、これから自ずと身についてくると思います。
ストーリーは現役大学生の書いたシナリオが原案らしいですが、悪い意味での青臭さはあまり感じず。脚本家さんの手腕もあって、よくできています。日大タックル問題に端を発する大学経営不正がモデルなのかな。高嶋政宏さんが出現した時点で、着地点は見えたので、そこへ向かってどう着地していくかを見守る映画でした。高嶋さんの演技は本作のコメディ要素を一人で引き受けているようで、見事な立ち回りでした。
小慣れた脚本家だったら、恋愛要素を付け足したくなるかな。でもこの作品に関しては、入れなくてよかった。私立高校を舞台に、正義vs悪、大人vs子供という単純で分かりやすい構図に絞って描き切ったのがよかったです。
ナレーションを頻繁に用いる演出は、私は嫌いではない。説明ぜりふを多用するよりもわかりやすくてよかったです。それよりも気になったのは、学生新聞がテーマでありながら、実際に新聞を作るシーンがほとんどなかったこと。活字の新聞を作るからには、専用のソフトがあって、見出しとか本文をレイアウトとか文章にこだわって作り上げていくプロセスが必ずあるはず。言葉の力で正義を実現するというコンセプトならどういう新聞を作るか、というところにもっとフォーカスを当てて欲しかった。
音楽はクレナズム。クリーンギター主体のバンドサウンドでした。新海誠作品のRADWIMPS方式で、劇伴と主題歌を担当しています。劇伴と主題歌に一体性があって、終始青春の爽やかな雰囲気がありました。ただ、緊迫感のあるシーンも爽やかな音楽が流れているのは少し違和感がありました。
上映時間は98分。テンポよく話が進んでいくのがよかった。間延びすることなく、展開が早すぎることもなく、淡々としたスピード感がちょうどいい。最終的には無事着地すべきところに着地して、オチもついて未来への余韻を残しつつエンディングを迎えます。スッキリとした後味が残る作品でした。
映画初挑戦の藤吉さんをはじめ、将来ある成長途上の役者さんが多数出演されている映画です。出世魚でいえば、第一形態か第二形態。成長を見守る視点がほんの少しでもあれば、さらに楽しめる映画になっていると思います。これから先、この作品のキャストの方が別の大きな映画に出たとき、以前こんな面白い映画に出てたんだって、もう一度評価を受ける作品になるといいですね。そういう未来が訪れるように、がんばってください。
若い才能が結集した爽やかな青春映画。今後の伸びしろや将来への期待もこめて、星4つと評価させていただきます。おもしろかった!
面白さはあったのですが、リアリティラインをもう1段上げた方がもっと面白くなったのでは?‥
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
この映画『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』は、文学オタクの主人公・所結衣(藤吉夏鈴さん)が、櫻葉学園高校の文芸部の入部試験中に、新聞部のドローンに巻き込まれ文芸部の入部が叶わず、文芸部の入部を条件に学内の文才ある謎の作家、緑町このはの存在を明らかにする為に、新聞部に潜入調査するという物語です。
その過程で、文芸部が度々入選していた文芸コンクールに関して櫻葉学園高校の不正に行きつき、その不正を暴くというストーリーになっています。
物語は二転三転し、ジャーナリズムの本質を垣間見る、面白さある脚本と内容になっていたとは思われました。
ただ残念ながら映画としては、特に櫻葉学園高校の理事長の沼原栄作(髙嶋政宏さん)の人物造形や不正の内容が、余りにもステレオタイプでリアリティがなく、主人公たちが対峙する相手の根幹部分にリアリティがなければ、作品としても駄目になってしまうのは必然だと思われました。
もしかしたらかつてのアイドル映画であれば許されたのかもしれませんが、それは今のアイドルやそのファンの人達に対しても失礼でしょう。
また当然、数多くの映画を観ている観客にとっても、このリアリティラインでも騙せると思った制作陣の人達は大いに反省が必要だと、僭越思われました。
特に傑作『恋は光』を監督した今作の小林啓一 監督は、こんな浅いリアリティラインでは駄目だ!と企画者や脚本家に押し返した上で、脚本内容の練り直しからやる必要があったと思われました。
この内容で『恋は光』を絶賛した観客たちを落胆させないと思っていたとしたら、1観客として残念無念としか言いようがありません。
とはいえ、主人公・所結衣を演じた藤吉夏鈴さんには冒頭は間の微妙さで拙さも感じながら次第に魅力ある演技をしていたと感じ、杉原かさねを演じた髙石あかりさんは今さら言うまでもない出色の演技で、二転三転する展開は面白さもあり、今回の点数となりました。
是非ともスタッフの皆さんは、今作のリベンジを次作で、小林啓一 監督含めてそれぞれ成し遂げて欲しいと、僭越ながら思われました。
リベリオン
「恋は光」の小林監督の最新作!?そんなん観にいくしかないっしょ!と遅ばせながら観に行ってきました。
王道学園もの、年に1本は出会える真夏の青春ものが大好物なのでしっかりと楽しめました。
新聞という媒体を通して学園中に、そして全世界へとメッセージを届けていくというまさにエンタメに振り切った感じの作品で、SNSが良い意味でも悪い意味でも話題になる現代に抗って紙にこだわる姿勢も込みで良かったです。
トリックは無難なものが多かったですが、それを積み重ねて伏線にしていく事によって、回収していくタイミングで気持ちいい〜となる作りになっていたのもこの手の作品なら良いスパイスにもなっていました。
高石あかりさん最高…!ベイビーわるきゅーれ以降様々な作品に出演されていますが、快活な少女が似合う似合う!
しっかりと動く場面は積極的に動いて、考え込むところはしっかり悩む、等身大の高校生をこれでもかと演じられていてファン冥利に尽きる出番の嵐でした。
藤吉さんは映画初出演ということなので、まだ若い感じはありましたが、今後どのような演技をしていくんだろうと気になるものにはなっていました。
高嶋さんの悪役は小物感満載でとっても好きでした。この人絶対痛い目見るじゃん…と思っていたらあれよあれよと言わんばかりに痛い目に遭っていくのはコメディっぽくて良かったです。
ストーリーには無理やり進めた感は否めませんでした。
全体を通して心の声で進めているので、その点でも一度作られた世界にのめり込んだ集中がスパッと切られるのもノイズだったかなと思いました。
壮大な話にしすぎたのもあって、終盤はちょっとくどかったかなと思いました。学園内の事じゃ話として小さすぎるから学園の汚職の方をという感じだと思うのでしゃーなしと思いつつも腑には落ちなかったです。
あとキャラクターの登場頻度のバラつきがあったのは仕方ないにしても、田島はドローン飛ばしただけで終わってしまいましたし、恩田も取ってつけたような裏切りのようなそうじゃないような感じの水増しの出番だったのも残念でした。
事が終わってから主要人物のその後を紹介するってオリジナル映画じゃ滅多に見ない構図は珍しく、アニメ映画ならしっくりするんでしょうが、実写だとどうにも唐突さが目立ってしまったのは勿体ないなと思いました。
未来へと向けて走り出したトロッコの夢をずーっと見守っていたいと思える爽やかな作品でした。
夏場はやっぱりこういう作品に出会えるのが良いですね。
鑑賞日 8/15
鑑賞時間 9:45〜11:30
座席 D-2
残念な作品
これは役者さんの演技力なのか演出の問題なのか。
個々の役者さん達を観てる分には良いが、掛け合いをやってる部分が棒過ぎて話が入って来ない(笑)
最終的に悪者は高嶋政宏演じる理事長になるのだけど、そこへ行くカタルシスが感じられない。
最後の10分くらいでそこに至る展開があるのだけれど。
主演の欅坂の娘は魅力的なので、彼女を活かせる演出が欲しかった。ただただ残念。
生者なのにゴーストこれ如何に
2024年映画館鑑賞77作品目
8月14日(水)フォーラム仙台
水曜フォーラムデイ1200円
監督は『ももいろそらを』『逆光の頃』『ぼんとリンちゃん』『殺さない彼と死なない彼女』『恋は光』の小林啓一
脚本は『アストラル・アブノーマル鈴木さん』『幕が下りたら会いましょう』『辻占恋慕』『ヒットマン・ロイヤー』『さよならエリュマントス』の大野大輔
文系学園コメディー
粗筋
天才小説家である高校生の緑町このはに会いたくて櫻葉学園高校に入学した文学オタク所結衣
文芸部は特進クラスが殆どで普通クラスの結衣は入部できなかった
緑町このはは文芸部には所属しておらずペンネームだった
文芸部部長西園寺茉莉の依頼を受け文芸部に入部させてもらうことを条件に緑町このはの正体を突き止めるため新聞部に入部した
新聞部部長杉原かさねの強引な取材活動に同行し呆れつつも惹かれていく
かさねの尾行をしていた結衣は流れで松山秋の自宅を訪れ彼が西園寺のゴーストライターであることを知る
この事実を西園寺に問い詰め記事にすると彼女はしばらくのあいだ休学した
新聞部の活動を疎ましく思っていた不正の黒幕である学園理事長の沼原栄作は公認する代わりに学校側に都合が良い平凡な風紀委員的存在の部活動をするよう強要してきたがかさねは断固拒否し沼原を殴り退学してしまう
新聞部副部長恩田春奈は結衣を裏切り?特例で文芸部に転部し孤立を深める結衣
松山らと協力し沼原の不正を暴き世間に公表するため文芸コンクールの日に作戦が決行された
話の設定は見え透いている
緑町このはの正体も恩田の裏切りの意図もあちら側の西園寺が寝返るのもありがちな展開
だからこそ心地良い爽やか痛快学園ドラマ
トロッ子とは半人前の新人記者のギョウカイ用語らしい
たしかに駄洒落だが昔から日本ではそれが罷り通っている
僕はそれが悪いとは思っていない
若手俳優の演技力はともかくあの芝居は監督の演出であり趣味趣向だろう
嫌いじゃない
かさねを観察する結衣のシーンが好き
沼原を失脚させはしゃぐ高校生たちのシーン好き
主演の藤吉夏鈴は映画初主演初出演
日本人女性としては身長が少々高めなので俳優業挑戦中のモデルさんかなと思ったがあの顔で有名アイドルグループのメンバーだった
アイドルに疎い野暮天だが坂道シリーズはAKBグループと違い美人揃いと聞かされていたのでやはり何事も例外もいるんだなと感じた
結局彼女は新聞社に入社し新聞記者になるんだろう
これほどまでこの作品を好意的に受け止めているのに朝日新聞やTBS報道部や週刊文春など東京のマスコミやそれらの報道姿勢に追従するヤフコメ民やX民を疎ましく思い毛嫌いし敵視すらしているのはなぜだろう
所謂ダブルスタンダードだろうか
ヤフコメ民はなにかと言えば厳格にルールを守れと口酸っぱく書き込むが世の中というものはグレーゾーンという不正行為によって成り立っている
水清けれは魚棲まずという諺があるじゃないか
不正も度が過ぎれば警察などが重い腰をあげるだけのことだ
調子に乗り加減を間違え正義がエスカレートすればそれはもはや悪である
だからヤフコメ民は軽蔑してるし大嫌いだ
所結衣は上から目線の冷酷な人間じゃないしね
ウルトラスーパーデラックスマンも自滅してるし
配役
櫻葉学園高校1年生
高校生小説家の緑町このはの正体を探るため新聞部に入部した文学オタクの所結衣に藤吉夏鈴
櫻葉学園高校2年生
探究心のためならなんでもする学園非公認の新聞部部長の杉原かさねに髙石あかり
高校生小説コンクールで毎回優秀な成績を納める学園の華であり高飛車な文芸部部長の西園寺茉莉に久間田琳加
かさねと結衣を気にかけている新聞部副部長の恩田春菜に中井友望
図らずも西園寺のゴーストライターに仕立て上げられ登校しなくなった元文系部の松山秋に綱啓永
部長の西園寺に憧れる文芸部の副部長の片岡姫香に外原寧々
ドローンを操作し新聞部に協力する田島にゆうたろう
櫻葉学園高校学校関係者
学園の不祥事を暴こうとする新聞部を疎ましく思っている不正の総合商社と言っても過言ではない理事長の沼原栄作に高嶋政宏
草間からセクハラ被害を受け新聞部に相談したことがきっかけで協力するようになる教師の山内に筧美和子
サッカー部の顧問を務める体育教師の草間に長田拓郎
元教え子と不適切な関係をしている教師の国分に中山求一郎
テスト中にスマホで違法賭博をしている森永に愛下哲平
教師たちの先頭に立ち新聞部をテロリスト認定する校長の重岡に麻木貴仁
その他
ステージで自作小説を朗読する文芸部新入部員のミクルに八木響生
廃業した山本印刷の元社長で社屋を新聞部に貸しかさねの依頼で新聞を発行している山本に石倉三郎
文芸コンクール審査員で小説家の野口杉夫に山口森広
文芸コンクール審査員でコラムニストの隅田尚子に澁澤真美
文芸コンクール審査員で文芸評論家の渡辺一徹に有山尚宏
かさねが心酔している伝説の記者の前島勝美の声に戸田恵子
青年の主張を見守るお姉さまの「がんばって!」が聞こえてしまう不思議な映画でしたね
2024.8.15 MOVIX京都
2024年の日本映画(98分、G)
文学好き女子が訳あって新聞部に入ってしまう顛末を描く社会派コメディ映画
監督は小林啓一
脚本は大野大輔
物語の舞台は、日本の関東のどこか
目標にする作家・緑町このはがいる櫻葉学園に入学した所結衣(藤吉夏鈴)は、文芸部に入部するための試験を受けていた
だが、新聞部の取材のために飛んでいたドローンが室内に入ってきて、結衣はそれにぶつかって気を失ってしまった
試験は中断され、規定により再試験もできないまま、結衣は文学部の入部を諦めることになった
文学部は、2年連続で文学賞を受賞している西園寺茉莉(久間田琳加)が部長を務めていたが、昨年は緑町このはの作品の方が優秀だと思われていた
結衣はこのはが文芸部にいると思って入部を希望していたが、実は部には在籍していないと聞かされる
茉莉もこのはの行方を追っていて、このはが一度だけ新聞部のインタビューを受けていたことを知っていた
そこで茉莉は、結衣に新聞部にスパイをしてもらい、このはを見つけることができれば、文学部に特別に入部しても良いと交換条件を提示した
結衣はそれを承諾し、新聞部の居場所を探し始める
彼らの発行する新聞に募集のQRコードがあり、それを追っていくと、下町にある印刷工場に辿り着いた
そこには部長の杉原かさね(髙石あかり)と副部長の恩田春菜(中井友望)がいて、新聞部はたった2人で活動を行っていたのである
映画は、新聞部にてスパイ活動を繰り広げていく結衣が、かさねに感化されて、新聞の存在意義を知る様子が描かれていく
そして、教職員に蔓延る悪事を暴露し、それを追求する姿勢に感銘を受けていく
そんな折、学園の理事長・沼原栄作(高嶋政宏)は、非公認だった新聞部を公認し、予算をつけて、自身のコントロール下に置こうと動き出す
理事長の誘いを跳ね除けたこのはだったが、それによって圧力がかかり、新聞部は活動場所を失ってしまう
さらに、春菜が買収されて文芸部に入部し、かさねも理事長にパンチをお見舞いしたことによって、結衣だけが取り残されることになったのである
物語は、正義の報道とそれを取り込もうとする権力者の構造を描き、社会風刺をこめている作品になっている
報道の独立性と権力構造との癒着を描いていて、彼らの論理ならば、日本には報道というものがないように見えてくる
あと一歩踏み込んで、実は外国資本が流入しているとか、理事長が実はあっちの人みたいなことになればすごいなあと思ったが、さすがにアイドル映画にそこまでは求められない
主演は初演技のようで、初々しさが残っているのだが、キャラに合っている感じだったのでそこまで違和感はない
むしろ気になったのは、初演技なのに長尺の演説シーンがあって、その後ろに位置していた茉莉役の久間田琳加が「めっちゃ心配そうに眺めていた」ところだろうか
そこだけは素の彼女が出ている感じがして、違う意味で胸キュンな展開になっていたように思えた
いずれにせよ、アイドル映画としては合格点で、メッセージ性もあって良かったと思う
だが、ラストで青年の主張!になってしまうシナリオは微妙で、主演の辿々しさの方が上回って、内容が頭に入って来ない
映像コンテンツなので、もっと映像で見せる部分があった方が良くて、結衣が何を見てきてそう思ったのかをダイジェスト的に重ねても良かったように思えた
アイドル映画にそこまで求めるのは酷かもしれないが、主演の印象をもっと色付けるためにも、音だけではなく画を意識した方が良かったのではないだろうか
報道は新聞のみに非ず
主演は知らないが、髙石あかりと中井友望、綱啓永に筧美和子が出演と知って。
(『ベイビーわるきゅーれ』と『違う惑星の変な恋人』から2名ずつですね)
なんだか脚本が無理矢理で性急に感じてしまった。
特に結依が報道にのめり込んでいく流れがまったく感じられず、いつの間に?という印象。
新聞部もゴシップ以外に書くことないんでしょうか。
全体の流れは理解できるが、西園寺が松山を利用したのに沼原がたまたま乗っかった?
盗作なのはいつ知ったの?不登校にはなったものの松山は放置だし、それ続けるの危なくない?
緑町このはの正体は選考委員から辿れるし、そっちを特進に引き上げて囲う方が楽じゃない?
など考え出すと色々モヤモヤ。
仮にも文芸部だった西園寺・松山の進路も唐突だし。
緑町このはの正体とか、敵を騙すにはまず味方から、とかはベタだけど嫌いじゃない。
しかし敵のハメ方が面白味もなく薄っぺらいので、あんまりスカッとしなかったのは残念。
春菜も松山も山内も山本さん(あとドローン君)も、それまでが薄過ぎたし。
藤吉夏鈴の演技はまだまだで、特に台詞の抑揚が足りておらず、内容が頭に入ってこなかった。
もっとコメディに振った方が面白くなりそうだが、この演技力だと寒くなると判断した可能性もある。
ただ、全体的な固さや雰囲気が昔の波留に似ているため、今後に期待。
期待値が高すぎて
かつて松本伊代さんが自分の自伝の記者会見で内容を聞かれ まだ読んでないからわかりませんと言ったとか言わないとか
小林監督は好きな監督で いつも演出が良いなぁと思って見ています
今回は ストーリーが ちょっと弱かったなぁというのと 主演の藤吉さんの評価で辛口です
カタルシス溢れるシーンもあるのよ ミスリードしないというか あ だろうな と思わせるところも 監督の力が及ぶところではないのよね
藤吉さんに関しては 純真で朴訥な俳優さんになるだろうな と 思うんですけど 台詞の終わりが どうしても手前で落ちちゃう
声が小さくなるわけじゃなくて 最後まで届けようって感じないのよね 性格なのかな
言い切った フォーエバーでさえ ちょっとそんな感じがしたの
ただ 緑町を再確認して ファンです ってゆうユーモラスなよく演出に応えてるように思いました
べいびー に 出てる2人は やっぱり達者ですよね
藤吉さんって 初めてポエトリーエンジェルで武田玲奈さんを見た時みたいな印象です
きっとたくさん色んな作品に出て 素晴らしくなりそう
不思議な存在感
藤吉夏鈴さんを観に来た。
平手さんが在籍してる頃からの欅坂のファンであり、今は櫻坂になってる。
なので、本作以外の藤吉さんの方が馴染みが深い。
普段目にする彼女とは全く違っていて…冒頭のナレーションからハキハキ喋る藤吉さんが新鮮だ。
で、まあ普段お目にかかれない藤吉さんを、物語の進行と共に眺めていくわけになるのだが…不思議だ。
なんとも薄味なのである。
なのだが、明らかに芝居をしている。普段から比べると相当な味付けである。
高嶋さんは相当濃い。アイドル主演の作品だからナメてんのかと思う程濃い。
高石さんと理事長室で対峙するシーンがあるんだけど、作意が見え見えで恥ずかしいくらいだ。
この高石さんが、またすこぶるいい。
かなり個性派だなとは思うのだけど、しっかり作品に埋没し根を張ってるように見える。
新聞部の先輩2人は、タイプは違えど、良い俳優さんだった。
それと同じフレームに収まるアイドル。
筋金入りの高石さんとガッツリ対峙する藤吉さん。
無味無臭というか…主張を全く感じない。
張り合う事なんてないのだけれど、気構えくらいは漏れてもいいはずなのに、漏れてこない。
相当肚が座ってんのかと思ってしまう。
そこに居るんだけど、居ないような…でも、ちゃんとやる事はやってて存在感はないようである。主演だから当たり前か。けど彼女の声質がそう思わせるのかなぁなんて事も思う。凄い独特な、彼女だけが行使する役作りのやり方があるかのような…なんか初めての感触で、役へのアプローチが俳優のソレとは違う角度のようにも感じる。
物語は非現実的ながらも、そこそこ面白くて…新聞記者が悪事を暴いていくみたいな所謂「ペンは剣より強し」って話で、権力の監視者のような役目も果たし、新米記者トロッコが汽車になり、一人前の記者として権力に立ち向かう爽快な話でもある。
高嶋さんが、ソレを一手に担うのだけど、どうにもとってつけた感が高石さんによってバラされる。たぶん昭和ならあの理事長でも良かったんだろうと思うんだが…今は、なんつうか受け止めにくい。
とはいえ、物語の展開は面白かった。
元欅坂となれば平手さんの「響」が思い浮かぶ。
センセーショナルだった。
アレは響ってキャラの恩恵もあったんだけど、藤吉さんは平手さんの対極にいるような感じだ。
芝居はしてるのだけど嘘はない。
嘘はなさそうなのに、喋ってる感は凄くある。
ファン目線なんだろなあー。
彼女の容姿がそうさせるのだろうか?
高石さんなんかは、どこにでも居そうな女子高生の容姿に思う。だが、藤吉さんのスタイルよ…。
足は長いわ、手足は細いわ、体は薄いわ…異次元のスタイルで、櫻坂にいる時は周りもそんなだから目立たないのだけれど、比較対象が変われば途端に目立つ。
モデルさんって感じでもない。
本作以外の藤吉さんを見てるからなんだろなぁ。
今でも覚えてる。
響ん時の平手さんを見た時は「誰だ!?こいつは?」って印象だったんだけど、今作の藤吉さんは、普段と全然違う事やってんのに、普段の延長線にいる藤吉さんだったような感触だ。
櫻坂に全く興味がない人がこの作品を見るかは疑問だけれど、予備知識0の観客がみる藤吉さんの感想も知りたいものだ。
憧れの作家に対面し「ファンです♡」って屈託なく両手を差し出すカットがなんか素朴で良かったなー
普段もそうだけど、まだまだ底が見えない「藤吉夏鈴」だった。
灯台下暗し。
憧れの作家が在籍してる名門櫻葉学園高校へ入学した所結衣の話。
憧れの作家(緑町このは)は正体不明と入部しようとしてる文芸部部長の西園寺茉莉から聞き知り、入部条件として「緑町このは」の情報を知ってる“新聞部を探ってきて”と頼まれ新聞部に潜入するが…。
新聞部に潜入で入るやいなや、何か空気感で「緑町このは」はこの子だろと何か序盤で察せてしまったけれど、校内の悪は許さないで先生、生徒の悪行をスクープしては校内新聞に…。
そのせいで校長、理事長に目をつけられた新聞部だったけど、とりあえず今時、不正、裏金とパワハラ、セクハラ半端ない理事長の傲慢さとか独裁者ぶりみたいなのが観てて腹は立つけど何か憎めないマヌケキャラで個人的には理事長演じた髙嶋政宏さんには笑わせてもらいました。
新聞部部長杉原かさねを演じた高石あかりさんは、気の強い感じのキャラはデフォになってますね。あと主演の彼女はアイドルだったんですね!だから鑑賞者が意外といたんだと納得!作品としても理事長の悪行を公にしようと奮闘する新聞部と仲間達の団結も含め楽しめた。
SNSの現代だからこそ「紙の新聞」!記者としての矜持を貫く! 地味で真面目で少しトロイが努力家で 間違ったことは許せない主人公が魅力的
学園内の不正を暴く新聞部と新入部員の活躍を描く。
正攻法で作られた真面目な青春学園映画であり、「櫻坂46」の藤吉夏鈴主演によるアイドル映画。
最近多作されるキラキラ学園ラブコメディー映画とはちょっと違って、少し前のどちらかと言うと古風な作りで、府増え増しく、妙にすがすがしい映画で気分よく観れました。
まず、SNSの時代に「紙の新聞」というところに驚く。
しかし、それは部活故か。
確かに、刺激的なところや攻めたところは一切ないのですが、ただ切り捨てるにはもったいないような気分になる。
何より、主人公のルックス、雰囲気が、地味で真面目で少し少しトロイ。
だけれど努力家で間違ったことは許せない。
そこが味があって魅力的です。
モノローグで進行する導入から少しユーモラスな語りに引き込まれました。
最後の展開、その後の話もいたって真面目で、ちゃんとしてる。
こういう映画は好きです。
タイトルだけで
タイトルだけで
出演が誰とかわからないまま、ムビチケを
買います。
ムビチケが颯爽とした感じだったんで
とりあえず、青春物語な話しかな、と。
初日に観劇。やたら、男性が多い?気がしていたら、主演は坂道シリーズの方でした。
真っ直ぐなおもざし、まわりの若い俳優さんたちもフレッシュ!
おばさんにはまぶしかった!
ハラハラドキドキジェットコースター映画ではないけれど、清々しいお話しでした。
理事長濃いめ…
元坂道のアイドル映画。お目当ての女優がいれば見たら良い。SNSでなくナゼ紙の新聞?とは突っ込まないで (^^)
「ベイビーワルキューレ」、「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」、「少女は卒業しない」の人が出ているが、顔は「少女」の図書館の子しか覚えていない。
坂道の人は知らなかった。
(追記)高石あかりさん、去年(2023.令5)NHKドラマ「わたしの1番最悪な友だち」に出てたのを思い出した。
高嶋政宏さん、悪役の時は必ず成敗される (^^) ← ネタバレとは思えないが一応ネタバレ設定。
MVPは髙嶋のお兄さん(笑)
小林啓一監督に脚本が大野大輔監督
ハードルをかなり上げて観ました
思っていた内容とは少し違いましたが期待通りでスッキリしました
冒頭のドローンのシーン殺し屋さんとその清掃係りのお2人登場で「ベイビーわるきゅーれ」か?
何気なく西園寺建設の看板が髙石部長と藤吉トロッ子の背景に登場し学園と建設会社の癒着を連想させます
中井副部長相変わらずいい声です
出演者全て真面目に演技すればするほど笑える流れでお話は進みます
徐々に西園寺部長の怪しさが露見しますがとても悪役とは思えません
中盤明らかにラスボス髙嶋理事長登場で新聞部は崩壊します
ここでほとんどの観客が期待する結末が想像されるのです
よく期待を裏切る結末もあるのですがこの作品は見事に潔ぎよく観客の期待にスカッと答えてくれました
私が選ぶMVPは怪演の髙嶋理事長
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