「生者なのにゴーストこれ如何に」新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる! 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
生者なのにゴーストこれ如何に
2024年映画館鑑賞77作品目
8月14日(水)フォーラム仙台
水曜フォーラムデイ1200円
監督は『ももいろそらを』『逆光の頃』『ぼんとリンちゃん』『殺さない彼と死なない彼女』『恋は光』の小林啓一
脚本は『アストラル・アブノーマル鈴木さん』『幕が下りたら会いましょう』『辻占恋慕』『ヒットマン・ロイヤー』『さよならエリュマントス』の大野大輔
文系学園コメディー
粗筋
天才小説家である高校生の緑町このはに会いたくて櫻葉学園高校に入学した文学オタク所結衣
文芸部は特進クラスが殆どで普通クラスの結衣は入部できなかった
緑町このはは文芸部には所属しておらずペンネームだった
文芸部部長西園寺茉莉の依頼を受け文芸部に入部させてもらうことを条件に緑町このはの正体を突き止めるため新聞部に入部した
新聞部部長杉原かさねの強引な取材活動に同行し呆れつつも惹かれていく
かさねの尾行をしていた結衣は流れで松山秋の自宅を訪れ彼が西園寺のゴーストライターであることを知る
この事実を西園寺に問い詰め記事にすると彼女はしばらくのあいだ休学した
新聞部の活動を疎ましく思っていた不正の黒幕である学園理事長の沼原栄作は公認する代わりに学校側に都合が良い平凡な風紀委員的存在の部活動をするよう強要してきたがかさねは断固拒否し沼原を殴り退学してしまう
新聞部副部長恩田春奈は結衣を裏切り?特例で文芸部に転部し孤立を深める結衣
松山らと協力し沼原の不正を暴き世間に公表するため文芸コンクールの日に作戦が決行された
話の設定は見え透いている
緑町このはの正体も恩田の裏切りの意図もあちら側の西園寺が寝返るのもありがちな展開
だからこそ心地良い爽やか痛快学園ドラマ
トロッ子とは半人前の新人記者のギョウカイ用語らしい
たしかに駄洒落だが昔から日本ではそれが罷り通っている
僕はそれが悪いとは思っていない
若手俳優の演技力はともかくあの芝居は監督の演出であり趣味趣向だろう
嫌いじゃない
かさねを観察する結衣のシーンが好き
沼原を失脚させはしゃぐ高校生たちのシーン好き
主演の藤吉夏鈴は映画初主演初出演
日本人女性としては身長が少々高めなので俳優業挑戦中のモデルさんかなと思ったがあの顔で有名アイドルグループのメンバーだった
アイドルに疎い野暮天だが坂道シリーズはAKBグループと違い美人揃いと聞かされていたのでやはり何事も例外もいるんだなと感じた
結局彼女は新聞社に入社し新聞記者になるんだろう
これほどまでこの作品を好意的に受け止めているのに朝日新聞やTBS報道部や週刊文春など東京のマスコミやそれらの報道姿勢に追従するヤフコメ民やX民を疎ましく思い毛嫌いし敵視すらしているのはなぜだろう
所謂ダブルスタンダードだろうか
ヤフコメ民はなにかと言えば厳格にルールを守れと口酸っぱく書き込むが世の中というものはグレーゾーンという不正行為によって成り立っている
水清けれは魚棲まずという諺があるじゃないか
不正も度が過ぎれば警察などが重い腰をあげるだけのことだ
調子に乗り加減を間違え正義がエスカレートすればそれはもはや悪である
だからヤフコメ民は軽蔑してるし大嫌いだ
所結衣は上から目線の冷酷な人間じゃないしね
ウルトラスーパーデラックスマンも自滅してるし
配役
櫻葉学園高校1年生
高校生小説家の緑町このはの正体を探るため新聞部に入部した文学オタクの所結衣に藤吉夏鈴
櫻葉学園高校2年生
探究心のためならなんでもする学園非公認の新聞部部長の杉原かさねに髙石あかり
高校生小説コンクールで毎回優秀な成績を納める学園の華であり高飛車な文芸部部長の西園寺茉莉に久間田琳加
かさねと結衣を気にかけている新聞部副部長の恩田春菜に中井友望
図らずも西園寺のゴーストライターに仕立て上げられ登校しなくなった元文系部の松山秋に綱啓永
部長の西園寺に憧れる文芸部の副部長の片岡姫香に外原寧々
ドローンを操作し新聞部に協力する田島にゆうたろう
櫻葉学園高校学校関係者
学園の不祥事を暴こうとする新聞部を疎ましく思っている不正の総合商社と言っても過言ではない理事長の沼原栄作に高嶋政宏
草間からセクハラ被害を受け新聞部に相談したことがきっかけで協力するようになる教師の山内に筧美和子
サッカー部の顧問を務める体育教師の草間に長田拓郎
元教え子と不適切な関係をしている教師の国分に中山求一郎
テスト中にスマホで違法賭博をしている森永に愛下哲平
教師たちの先頭に立ち新聞部をテロリスト認定する校長の重岡に麻木貴仁
その他
ステージで自作小説を朗読する文芸部新入部員のミクルに八木響生
廃業した山本印刷の元社長で社屋を新聞部に貸しかさねの依頼で新聞を発行している山本に石倉三郎
文芸コンクール審査員で小説家の野口杉夫に山口森広
文芸コンクール審査員でコラムニストの隅田尚子に澁澤真美
文芸コンクール審査員で文芸評論家の渡辺一徹に有山尚宏
かさねが心酔している伝説の記者の前島勝美の声に戸田恵子