「インドらしさと、らしくないところを感じる不思議な映画」KILL 超覚醒 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
インドらしさと、らしくないところを感じる不思議な映画
インドのアクション映画といえば、ワイヤーアクションかCGを駆使したものをイメージしてしまうが本作はどちらでもない。主人公のアムリトが狭い空間でいかに敵を倒すかをウリにしたアクションとなる。「ブレット・トレイン」よりは派手で凄惨だった。インド映画らしい攻めた描写。ストーリーはあまり気にしない方が正解だ。ただ、気になるのは敵となる強盗団。貧困のために親族で強盗しているという設定がインドっぽく感じる。結束は強いが、情に左右されるためあまり怖くはない。1人屈強でパワフルなやつがいたからそれなりに対抗できていたが、基本的には物量で対抗するしか敵に勝ち目はない。それほど悪の雰囲気がない奴もいるから、乗客と区別がつかないというのもなかなか面白い設定だった。単調なアクションの中にちょっとしたスパイスが効いたシーンを演出できている。
基本的に親族経営の強盗団だから、アムリトが一方的に倒すだけでは面白くないって配慮なのか、アムリトがちょいちょいやられてしまう。このまま縛られたり、刺されたり、もっと殴られていたら終わってんじゃない?と思うほどだ。最初はなるべく殺さないようにとアムリトが手加減していたが、途中から私怨も絡めて敵を殺しまくるという流れになっていく。怒りを武器に覚醒するという流れは悪くないが、あの人たちの殺される順番が逆なんじゃないの?と感じる。一番強くなるのはあのタイミングなのかなと思ってしまう。タイトル出すタイミング考えたらあれでもアリかもしれないが、ちょっと納得がいかない。
好みによって評価が分かれるだろうなと感じる。個人的には好きな部類の映画。上映時間やダンスシーンの有無も含めてハリウッドに寄せたことがどう評価されるか。インドでヒットしてるってところもちょっと面白い。今どきはボリウッドの様式にこだわらなくてもいいってことなのか。今後のインド映画の変化を占うような作品かもしれない。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
