「アクションは凄い!あと味は重い!」KILL 超覚醒 時代劇ファンさんの映画レビュー(感想・評価)
アクションは凄い!あと味は重い!
一言で言うと、踊りと歌と笑いがなくて、2時間以内の珍しいインド映画!
で、ストーリーは、電車ジャックにたまたま乗り合わせた特殊部隊隊員が、悪者をバッタバッタと倒す映画!
となると、私の世代では、スティーブンセガール兄貴の映画を想起させますが、テイストはかなり韓国ノワール映画的です。
つまり、あと味が重いです。
ですから、アクションは凄くて、悪役がひどいのでスッキリ感はあるにはあるんですが、あと味の重さ分、割り引いた評価になりました。
主人公の特殊部隊隊員は、見た目がかなり平井堅さん。ですから、親近感あって、外見のバイオレンス風味はかなり薄いんですが、題名通り、映画中、2回覚醒するんです。
1回目は、そりゃ怒りますよね、彼女が、、、ですから、わかります、からのスーパーサイヤ人化。それまでの殺さずの剣心(恐らく正義の軍人さんの矜持)から、一転して切って切ってきりまくりモードへの変身です。消火器の斬新な使い方はさもありなんです。
で、2回目は、これもわかります、親友が、、、ですから、そりゃさらに怒りますよね。で、スーパーサイヤ人2化です。攻撃方法がさらにグレードアップして、口へのライターアタックは、これまでありそでなかった斬新な攻撃でした。
このように主人公はあるイベント毎に覚醒するごとに、多分ドン引きしてしまうほどに、バイオレンス化するんです。電車の中という限定閉鎖空間で、1対50人の盗賊の戦いなので、一切容赦なし!いやー、インドの電車は、当たったら痛いところだらけだから、乗るのが怖くなるくらいでした。
ですが、そのドン引き度を薄めるのが、悪役の卑劣さ、外道ぶり。多分インドでは観客が主人公の反撃に拍手喝采だったと思うんですが、それくらい反撃されても自業自得でしょ、と言い切れるくらい、もうね、悪役が卑劣で外道なんです。北斗の拳に出てくる牙一族をさらに卑劣にしたかんじ。で、圧倒的外道なのに、主人公のドン引き反撃に対して、被害者ムーブまでかましてきます。いやいや君達一族が先に卑劣なことやり始めたんでしょ、とツッコミが360度から入るくらい、卑劣です。ここまで悪役の卑劣さを徹底して描いてるので、インドで大ヒットしたんだと思います。実際に似たような事件が少なからず起こっているようですし。
で、こういう悪を主人公が圧倒的に退治していくので、カタルシスがあるんですが、その反撃が重い復讐心に起因しているので、あと味がかなり重いです。韓国ノワール映画を観た後くらい重いです。
平井堅さんのように善人、おとなしめの風貌の主人公が滅多滅多にバイオレンス化するので、その復讐心の強さがかなり過剰に感じられるんです。もちろん、重い復讐心を持つのが当然レベルの悪行を悪役陣がやらかしている、というストーリー上の整合性はあるんですが。それにしても重いので、むなしさが出てくるのがやむを得ず、あと味がスカッとアクション映画というわけにはなりませんでした。
あとちょっと、、、と思ったのは、対テロ特殊部隊隊員なのに、はじめの格闘で難敵を倒すのに無力化しないから、次々と復活されてしまう点。ここはプロという設定なのでどうかなーと。もちろん、そうしちゃうと、ストーリーが進まないから仕方ないんだと思いますけど。とすれば、役柄を警察官くらいでも良かったかなと。
もちろん、凄みのあるアクション映画という点では楽しめました(ただゴア描写はホラー並みなので苦手な方はご注意ください)。
ということで、多分同じ設定では映画化できないと思うので、ハリウッド版のリメイクが、この話の骨格を用いながら、どうスカッとアクションに昇華してくれるかがさらに楽しみです。ジョンウィックの監督さんなのでなおさら楽しみです!
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