正体のレビュー・感想・評価
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正体 「鏑木慶一の穏やかさ」
正体
「鏑木慶一の穏やかさ」
沙耶香に涙を流しながら秘密を吐露することも、
舞に動画を削除させることも、
由子さんに激しく問いただすことも、
又貫に対峙し睨みつけて恨みの一つでも言うこともない。場面場面…悉く予想を裏切られる。ドラマチックな言葉を一切使わない主人公。沙耶香との恋愛らしい恋愛も、和也との友情らしい友情も、派手な描写は何もない。身分を隠して逃亡している頭の良い若者なら、確かにこうするかも…恐ろしいほどのリアリティーを感じてどんどん引き込まれる。
終盤、泣いているつもりはなかったのに、いつのまにかめちゃくちゃ涙が流れていた。(無罪に安堵)
このリアルを追求する演技プランは監督の采配なのか、繊細な演出に拍手。100パーセント以上に応えた横浜流星さんの演技力がとても素晴らしかった。(哀しそうな表情は毎度グッときた)
森本慎太郎さんの「和也」
天性の憑依型なのか、緻密な演技プランなのか。こんなにうまい俳優にはなかなかお目にかかれないと思う。
部屋を片付け、勉強をして…鏑木慶一の影響で前を向いた「和也」主演のスピンオフ映画を観てみたい
冤罪ファンタジーとして観れば良作
鑑賞直後は各俳優の素晴らしい演技とこの映画のために作られた主題歌も相まって、身震いしました。
しかし、鑑賞中感じていた設定の粗さがどうしても受け入れられず、否となります。
横浜流星演じる鏑木が逮捕されてから死刑判決を受けるまでの設定がずさんであり、観客が本作を観て「警察ってこんな風に冤罪を作るのか」と、何気なく、割と本気で思ってしまうのではないかと心配になっていると、実際そのような感想を映画批評サイトに書かれる方がいて失笑してしまいました。
また、松重豊演じる刑事部長が、「ボクが考えたワルいケイサツ・コッカケンリョク」と言わんばかりのステレオタイプのものであり、冤罪でも良いから犯罪抑止のために鏑木を死刑にしたいというのは無理があるように思えます。
原作あとがきでは、冤罪が起きる原因を「高度な政治判断(わざわざ横に点を打って強調している)」であると断定している旨の文章がありますが、映画パンフに書かれていたインタビュー記事には、原作を書くにあたって冤罪事件に関する資料を読んだと言います。
しかし、捜査書類は一般人が読めませんので報道発表されたものや週刊誌などの情報しか読めないと思うのですが、それらを読んで「高度な政治判断」が冤罪の原因であると決めつけるのは、スマホ検索で世界の陰謀論を信じ込む人と同等では?と思います。
作中の指摘部分は数多く、
鏑木の逃亡・潜伏がスムーズに成功してる、事件現場にてDNA資料がたくさん残されているはず(足利が鼻水ダラダラ、髪ボサボサのフケまみれ)、鏑木に対して凶器の入手経路・殺人の動機を詳しく描いていない、錯乱後に憔悴仕切った被害者遺族の目撃証言がなぜか証拠として最重要視される(なんなら鏑木もなぜか重要視する、普通は物的証拠優先では?)、ガバガバな捜査結果がなぜか検察を通って(送致できて)裁判でも通る(検察、裁判所が機能してない)、労働基準監督署を今まで知らずいきなり検索しだす肉体労働者達(肉体労働なめんな!馬鹿にし過ぎ!)、高度な政治判断で冤罪を作り出せるのに被害者遺族の居場所が把握できない警察、自称セキュリティーの高い介護施設にスルッと就職できる鏑木、長野県で現場指揮を取る警視庁の又貫(警視庁の管轄は東京都)、山田杏奈演じる酒井舞のライブ配信が一瞬で日本中に視聴される(有名配信者かな?)、生きたいと願ったのに殺されるリスク承知で刃物を警察に向けて突進する鏑木
などなどキリがありません。
また、本作は「冤罪」というテーマに加えて「人を信じる」というテーマもあるように思いますが、冤罪と人を信じることは別問題です。
吉岡里帆演じる安藤沙耶香の父が痴漢の冤罪で一審有罪となりますが、作中では痴漢の状況については描かれないため、実際のところ父が冤罪かどうかは誰にもわかりません。
何の根拠もなく、「娘が父を信じているから無罪!」、「みんなが鏑木を信じているから無罪!」と主張しているようにも見え、とても危険な描き方です。
別の男(痴漢の真犯人)が痴漢をしているシーンでもあれば安心して観れるのに、それがないため、鏑木のために再捜査の署名活動する「痴漢したかもしれない」父の姿には気持ち悪さや違和感を覚えます。
そして最大の問題点が、「目撃者の証言を信じた」ことが原因で冤罪となり、目撃者の証言が覆ったことで冤罪が晴れるというのは、最初から「目撃者を信じてはいけない(=人を信じてはいけない)」と、本作が物語っており、「人を信じる(大切さ)」というテーマを自ら否定している作品だと思います。
無能で傲慢な警察・司法、無知な肉体労働者、人柄と見た目だけで無実だと信じる人々など、原作者と監督にはこのように世界が見えているのかなと思うと非常に残念であり、この人達とは友達になりたくないと思いました。
本作パンフレットに書かれていたエンドロールの「取材協力」には警察・司法関係はなく、せいぜい「名古屋拘置所」しかないため、本作の設定の粗さは考証をまったく気にしない「某警察ファンタジー」シリーズの君塚良一を彷彿させ、本作は「冤罪ファンタジー」と言えます。
しかし、各俳優の演技は本当に素晴らしく、ファンタジーとして観れば良作です。
原作のあとがきにて、作者は本作をエンタメ本、娯楽本だと明言しており、冤罪というテーマを軽々しくエンタメ化した小説・映画を作り、意図は無いとしても観客に対してファンタジーを現実と信じ込ませる奴らこそ大罪人であり、私は映画「イコライザーFinal」のマッコールさんのように、TBS(本作)とフジテレビ(踊る大捜査線)に対して「nine seconds(9秒だ)」と囁くのでした・・・(イコライザー4&5制作決定おめでとうございます!!)。
正体
無駄のない構成
全体のテンポ感がいい
クライマックスまで駆け上がり、最後の演出
最後の判決の演出は素晴らしい
無罪だと分かっているものの、その表情から、え?もしかしてと思わされ、抜けで静かに湧き起こる拍手
震えました
めちゃくちゃ良かった。
原作は知りませんし亀梨くんのドラマ版もこちらの劇場版を見るまではあえて見ないようにしました。
最初から後半の方まで作品全体を通して緊迫感、緊張感が漂いずっと見ていて引き込まれました。
話もサクサクと進んでいくので見ていてダレることもないし、良くも悪くも大衆向けなとても見やすい作品だと思います。
シーンによっては橋から川に飛び込んであれだけ騒がれた状況でそこからどうやって逃げ切れんだよ?と、ちょっとツッコミたくなる無理のあるところもありましたがそれも横浜流星さんの演技力がカバーしてくれています。
その他の演者さんも間違いない方々なので作品の良さを引き出してるのは間違いなくストーリーどうこうってよりは演者の方々の力が大きいと思います。
横浜さんは以前、広瀬すずにDVだか性暴力する役をしててその演技力の高さを知りましたが今回も逃亡者としての役柄、逃走シーンの逃げ方など見ていて改めて良い役者さんだなと思いました。
個人的にはゴールデンカムイのアシリパさんが普通の今どきの女の子役で出ていて、この方はアシリパさんの役でしか見たことなかったので見ていてとても新鮮でした。
あとは松重豊さんも珍しく非道なクソ幹部みたいな悪者を演じていたのも新鮮でした。
あと地面師のあのおじいさんが出てきたのも良かったですね(笑)
この作品自体、何か実話を元に作られてるのかはわかりませんが作中にあるようにさっさと事件を終わらせたいからあいつが犯人でいいだろと決めつけられてしまっている事件が世の中にはおそらくあるのだろうなと思いますし、本当にそんなことが自分の身に降りかかってきたら恐ろしい話だと感じました。
最近見た2024年後半の邦画の中では個人的にはだいぶ良かった作品だったと思います。
オススメです。
本当の姿を隠して、ある目的のために逃走を続ける死刑囚の男。運命に抗い続けた先に待っているのは希望か絶望か。冤罪事件を素材に描かれる人間ドラマの秀作です。
藤井監督の作品と知りまして、久しぶりに観ようかなと。
藤井監督作品を劇場で観るのは「新聞記者」以来かと思ったら
「青春18」もそうでした。 …・_・; あらら
「新聞記者」と「青春18」の2作品、作品から受けるイメージが
違うなぁ と今更ながら思ったワケですが、さてこの作品はどん
な作品なのでしょうか。サスペンスドラマと紹介されていました
が、はて その正体は。…というわけで ・_・; 行ってきました。
さあ鑑賞開始。
刑務所か拘置所?の中。刃物のようなモノを口に銜える男。
体を震わせながらも、口の中で刃物を動かす。…痛そう*△*
やがて見回りの看守の耳に、うめき声が聞こえる。
” …? ”
声のした部屋を覗くと、床に倒れて血を吐いた男の姿。
”!! ”
病院に搬送される途中、隙をみて車内に同行した刑務官に襲いか
かる男。車内で揉み合いの末、男は救急車から逃走する。
その男が主人公、鏑木慶一(横浜流星)。
3年前、東京での惨殺事件の犯人として逮捕され、死刑判決を受け
ていた。彼には死刑執行をただ待って居られない理由があった。
逃走した鏑木の行方はしれず、警察は面目を失う。大失態だ。
懸命の捜査の目をかいくぐった鏑木、数日後に大阪にいた。
大規模な建設工事現場に、働く鏑木の姿が。
単なる潜伏なのか。それとも他に目的があるのか。
淡々と日々の作業をこなしている鏑木だったが、作業中の事故で
足をケガした同僚のため現場責任者と法律の知識を武器に慰謝料
の交渉をしたりもしている。良い奴だ。
ケガをした若い男(野々村和也)とは、俺がトモダチになってや
る と、徐々に親交が深くなる気配もあったのだが…
警察が目撃情報に懸賞金をかける中、マスコミの報道も執拗だ。
ある日、TV放送の中で伝えられた「鏑木の特徴」を知った和也。
目の前の男(=工事現場ではベンゾーと呼ばれている)が鏑木に
酷似していることに気付いてしまう。 …あら
トイレに行くと言って鏑木の前から離れた和也。
混乱する頭と震える指で、スマホのボタンを押していた。
” イチ ・イチ ・ゼロ ”
ふと顔をあげると、視線の先に鏑木の姿。こちらを見つめている。
何か言わないと…。焦るだけで言葉にならない。大量の汗。
作業を終えて戻ってきた作業員たちの姿に紛れて、鏑木の姿は
見えなくなっていた。…放心状態の和也。
こうして鏑木は、和也の前からいなくなった。
次に姿をあらわした鏑木の姿は、東京に現れる。
フリーのライターとして出版社からの依頼で原稿を書いていた。
そこで出会ったのは…
◇
といった感じで
ある場所で何らかの目的をもっているかのような行動をみせる鏑木
が、そこで接触する人たちとのささやかな交流を図りながらも、
「自分が殺人犯」と知られてしまい、逃走を繰り返していく姿が描
かれます。
その描かれる内容を通して、次第に鏑木の過去や、事件の真相に迫
っていく展開なのですが、「信頼」と「不信」の間を行き来する鏑木
の心理と行動の描写は見応えがありました。
冤罪事件をテーマに描いた「社会派ヒューマン・ドラマ」の秀作。
着地点が不幸なエンディングではありませんようにと祈りながら
鑑賞した甲斐がありました。
観て良かった。・_・
(※原作では違う終わり方みたいです…。パンフを見て知りました)
◇
それにしても、登場人物の人物描写が素晴らしいです。
鏑木が逃走中に出会い関わる3名も
自分を逮捕し、今回も捜索に関わる刑事も
週刊誌?の編集部のひとたちも
無実を信じ続ける施設の寮母さんも
登場した全員の好演に拍手☆ です。・-・/□
◇あれこれ
■導入部によるミスリード感
主人公に対してやたら「怪しい奴」のイメージを印象づけようと
する導入部が、鑑賞後に振り返ると違和感も感じまして。
「正体不明」で「行動の意味・目的不明」であっても、「危険な奴」
では無かったかな と。
「髪が伸び放題で髭面」 ⇒ 放っとけば伸びるので…
「髭を剃って髪を染める」 ⇒ ヒゲが無くなると人相も変わる
「髪を切って眉を細く」 ⇒ 長髪→短髪で優しそうな雰囲気に
思うに、出来る範囲で「自分の人相画像」から離れようとしたという
ことなのかな と。 ・_・フム
最初、「二十面相」みたいな怪しいヤツの話かと思ってしまいました。
見事にミスリードされた気がします。
■SNSの功罪
SNSで世論も味方になる場合の心強さ と
SNSで個人情報が一瞬で拡散する怖さ の
両方を改めて突きつけられたように感じます。
何気なく撮影した一枚の写真。
そこに写った情報から、被写体の個人情報やどこにいるのかまで
分かってしまうのって、とてもコワイ気がします。・_・;
認知症の行方不明者の捜索を、防犯カメラの画像やAIを駆使して
出来るようになるなら、プラスの活用の仕方もありそうですが。
使い方・考え方ひとつが難しいです。
■山田杏奈さん
このところ、アシリパさんで見慣れていたもので
現代劇の女性役に違和感を感じてしまいました…。・_・;スイマセン
■ハンバーグ
「兄弟が多くて、料理を作っていたので」だから得意なのだと。
そう沙耶香(吉岡里帆)に説明していました。
施設の子供たちが、彼にとっては兄弟だったのでしょう。
面倒見が良さそうな感じがします。
■「正体」の言葉から連想(…蛇足です。読み飛ばして下さい)
昭和のTV番組に「ダイヤモンド・アイ」というのがありました。
特撮ヒーローものです。・-・ 内容はシンプル。
ダイヤモンドアイが悪いヤツ(前世魔人!)と戦って倒すのですが
敵を倒す際にお決まりの会話がありまして…
ダ ” 汝の正体見たり 前世魔人ワレアタマ!” ←こんな名前の敵も
魔 ” バレたか~ ”
…なんといいますか。ゆるいという。ぬるいというか。
イタズラ現場を見つかった中学生か といった感じのこの会話。
これがとても好きで、毎回観てました。@_@
見覚えある方、いらっしゃいますか? (…いなそう)
◇最後に
再審の判決言い渡しの場面。
「主文」の後が無音正になり、鏑木の表情が中々変化しない中
後ろの席にいる人たちの手が拍手へと変わっていく。
この場面が印象的でした。
とても雄弁に、結果を伝えるサイレントシーンかなと思います。
※それはそうと。父さんの再審請求しないのですか?沙耶香さん
⇒ 痴漢冤罪・_・;
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
意外性ゼロ
原作未読だけど、「正体」ってタイトルほどの何もない。
●要は冤罪を晴らしたいだけの主人公。どんでん返しも何も無い。
逃げた理由が「信じたかった」って、なんじゃそりゃ?
そもそも普通の高校生がこんなこと出来るもんなの?聖人ぽいのもムリ過ぎる。
そもそもこの人の家族は何してるんだろう?人物が不明過ぎてワケわからない。
●逮捕されたシチューエーションもムリすぎる。何でまわりが田んぼのあんな田舎の家に都合よく警官が来るの?誰か通報したのか?他人の家にいきなり入るのも、あんな血まみれの屋内に入って人に刺さった鎌を抜くのも変すぎる。
●警察無能すぎる。状況証拠だけで殺人罪に持っていけるわけない。真犯人も穴だらけなんだから足跡とか残ってるとしか考えられない。
中盤のマンションの逃走劇もアホ過ぎる。普通、別班で裏口固めるし、街中の用水路に飛び込むだけで逃げ切れるわけない。
●関わる人間のエピソードが薄すぎて、冤罪を訴える味方になる展開が変過ぎる。
2万円くれた、見ず知らずの男と同棲した、職場の同僚がイケメンだった…など。
●目撃者のおばさんに「思い出してください!」とか。何してんの?この人?
あげくにナイフで人を脅して(るように見られて)、それで得た証言なんて採用されるわけないやん。
原作知らないけど、薄い内容を無理くりに進めてるとしか思えない。
横浜流星さんのファンなら見るべき
ストーリーは殺人犯が逃亡、逃亡先で仲が良くなる人ができる。逃亡犯だとバレる。逃げる。その繰り返しですが、横浜流星さんや吉岡里帆さん、山田孝之さんの演技がひかり、映画に引き込まれます。横浜流星さんが冤罪になった理由や、逃亡先での一般人に紛れ込むまでの経緯、最後のオチが内容的に浅いように感じました。
ラストに何か期待してしまっていたので、少し物足りなさを感じました。横浜流星さんや吉岡里帆さん、山田孝之さんの演技は、良かったと思います。
吉岡里帆さんの父親の冤罪のその後もきになりました…。
横浜流星、いいね👍
原作未読、WOWOWの亀梨くん主演のらドラマは視聴済み。とても面白かったので、今回横浜流星なら面白いのは間違いないだろうと期待して鑑賞。期待通りでした!
逃亡犯の鏑木と関わった人達のドラマに加え、刑事又貫の上層部のいい加減な操作方針と真実を突き止めたい正義感との葛藤も加わり、ちょっと2時間では足りない。もう少し鏑木の逃走劇を増やしても良かったのに、、、。
警察のお偉いさんが、犯人が未成年でちょうどいいじゃないですか、さっさと片付けましょう。。の発言、なんて酷い、最低だ。
舞ちゃん、映した人の映像、許可なく勝手にSNSにあげたらダメでしょう。
いつもはいい人の役が多いイメージの山中さんがサイコな犯人役、なかなか似合ってました。 その他、みなさん役にとても合っていてとても見応えある映画でした。
人柄を描くってだいじ。
先にNETFLIXの「正体」を観てしまったがゆえに…どうしてもこの点数になってしまいました。それくらいドラマ版があまりにも完成度が高すぎて…苦笑。
観客はいっぱいで隣の人も泣いていました。もしドラマを観ずに映画を観ていたらワタシもどう思ったかわかりません。
比較ばかりをして申し訳ないのですが、ドラマでは鏑木の人柄をもっともっと浮き彫りにするはずのシーンが(とくに弁護士の冤罪を掛け合うところ、宗教のところ、紗耶香との恋愛への忠実さ、舞との関係の誠実さ、井尾氏の自白を引き出すところ)が沢山ありました。けれど映画ではそれが、ほとんど削られているか、雑になっていました。無罪という事実も大切なのですが…鏑木慶一と言う人が「どういう人なのか」ところが、場面ごとに伝わって来るだいじな展開があってこその、ラストに繋がり、感動するのになぁ。
そして脚本的にも違和感がありました。勝手に動画をアップして、それが広まるって...かなり無理がある…(^^;どんだけ常識ないんだ、と思ってしまう行動だし。なんか、、鏑木と出会う人達はもっともっといい人なんです。そこも引っかかって引いてしまいました。原作は知らないのですけど、ちょっと映画版には素直に感動できなかったのでこの評価です。ごめんなさい。
原作とは違う
原作とは違うラストに涙しました。
喜びが強かった。
警察側の葛藤を知れてよかった。
やはり2時間という短い時間に映像として残すのは難しいだろうと思っていましたが、内容や登場人物を変えながら上手く2時間におさめたな!と思います。(原作では若年性アルツハイマーでしたが、そこをPTSDに変えちゃうのは少し納得がいかなかったです…)
原作ファンですが、ラストの終わり方は映画の方が好きです!ただそれは原作があまりに残酷だったから、どうか報われてほしいという願いが映画で叶った喜びなのかもしれませんが。
これはフィクションです。
これだけ主演俳優を集めて良い映画は生まれるのか半信半疑で前情報をできるだけ入れずに鑑賞。
結論から話すとこんなに一人一人のキャラが立っているのに話の邪魔に一切ならずスッと入ってきて製作陣も俳優陣も最高のお仕事されてらっしゃる!(少しでも疑ってすいません!!そんなお気持ち!!)
個人的にですが、あれだけの猛者達の中で座長としてやり切った横浜流星さんが本当に素晴らしい賞賛しかない。
話としては冤罪がテーマになっていて最後は信じる者が救われるがどうしてもフィクションだなぁと思ってしまう。
フィクションが悪いという話ではなくこれが現実ではありえないと思ってしまう世の中が本当は間違っていて、いつか本当に正しい事を正しいと言う人間が救われる事がエンタメではなく当たり前になって欲しいしその教本としてこの映画が正しい事をしようとしている人の支えになってくれたら素敵だと思う。
映画を普段観ない人にも勧めたいそんな作品。
それぞれがすごい
どうして 冤罪のような事が起きてしまうのだろう
実際に冤罪で捕まってた人物もいる為に、警察というのは本当にこんなことをでっちあげているのかと、この映画を観て何とも残念な気持ちになった
一家を惨殺し、逮捕され死刑を宣告された鏑木慶一が、脱走劇を繰り広げ、姿かたちを変え潜伏し続けるが、最初はまさに死刑囚が潜むスリルはあった。
でも潜伏先で出会う優しい人と関わるうちに、鏑木の真面目で優しい部分も浮き彫りにされる
建築現場でべんぞう(鏑木)として知り合ったジャンプ(野々村)
フリーのライターの那須(鏑木)として知り合った安藤さん
介護施設で桜井(鏑木)として知りあった酒井さん
それぞれ鏑木の優しさに触れるが、流れるニュースにより逃亡している死刑囚だと勘づきはじめる
潜伏先で何度もヒヤヒヤさせられるが、
1度鏑木の優しさに触れた3人は、鏑木がやってないと信じる
また鏑木も目的を果たすため逃亡しながらに、人の優しさに触れもっと生きたいと思うようになる
一方 鏑木を追う刑事又貫は、鏑木が犯人であるかどうか確信がないまま死刑囚へと追いやってしまっていた。上に言われるがままに鏑木を犯人に仕立て上げたが、鏑木の起こしたとされる事件に酷似した殺人事件がおこり、犯人が捕まったことで鏑木が犯人ではないかもしれない思いが巡っていた
とにかく
冤罪とはあってはならないものだ
その事件がどのようにして起こったか事件が起こった経緯も大事だが、無実の人間が間違って死刑囚となり、それによって拘束されること、人生のいろいろを奪われること、負わなくてもよかったはすの身体的、精神的ダメージを受けること
この代償が埋められることは絶対にないのではないか
それでも出会った人に思いを馳せる鏑木が、しっかり未来に向かっている姿か素晴らしいと思った
優れた秀作だったと思われます、気になっている人は是非!
(完全ネタバレなので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
結論から言うと、今作の映画『正体』は、優れた秀作だと思われ、大変面白く観ました。
まず、大量殺人の冤罪の罪を着させられた主人公・鏑木慶一を演じた横浜流星さんの素晴らしさがあったと思われます。
死刑判決を受け拘置所に収監されている主人公・鏑木慶一は、自傷行為によって救急車で搬送されその途中で脱走します。
初めの野々村和也(森本慎太郎さん)と出会った建設現場での主人公・鏑木慶一は、ほとんど周りとコミュニケーションを取るのも困難な雰囲気でしたが、その後、鏑木慶一はフリーライターとなり、社員編集者の安藤沙耶香(吉岡里帆さん)との出会いなどで次第に人間性を取り戻して行きます。
最後の酒井舞(山田杏奈さん)が働くグループホームでの主人公・鏑木慶一は、シャイさはありながら、一見、普通の人物としか感じない振る舞いをしていました。
この主人公・鏑木慶一の、脱走直後の人間不信から、最後はシャイさは残りつつの一見普通に見える振る舞いの、横浜流星さんの時間経過の演技は、それぞれ秀逸さがあったと思われます。
そして、個人的に本当に素晴らしいと思われたのが、編集者の安藤沙耶香を演じたの吉岡里帆さんの演技だったと思われます。
特に編集者の安藤沙耶香が、モンタージュの積み重ねで主人公・鏑木慶一への不信が少しづつ重なって行く表情は素晴らしかったと思われます。
その不信の積み重ねと同時に、父・安藤淳二(田中哲司さん)の痴漢冤罪を晴らしたい想いも並行して流れ、不信と、主人公・鏑木慶一の普段の振る舞いから感じた信じる想いの矛盾した感情が、吉岡里帆さんの優れた演技と、藤井道人 監督の積み重ねの優れた演出によって、見事に素晴らしく表現されていたと思われました。
もちろん、他作品でも感じている、建設現場での野々村和也を演じた森本慎太郎さんや、グループホームの職員・酒井舞を演じた山田杏奈さんなども、優れた俳優だと、1観客の私にも思われているのですが、編集者・安藤沙耶香を演じた吉岡里帆さんの演技は、作品に説得力の柱を通す、次元の違う演技だったと、僭越ながら思わされました。
(藤井道人 監督の作品の常連でもある、柔軟性自然体のリアリティを作品にもたらす黒木華さんとはまた対極的と思われる)
直線的だけど深さあるリアリティを作品にもたらす吉岡里帆さんの今作でもの素晴らしい演技だったと思われました。
そして、脇としてもう1本の太い柱を作品に通していたのが、警視庁捜査一課係長・又貫征吾を演じた山田孝之さんだったと思われます。
疑うことが職業だとも言える刑事の又貫征吾を、矛盾の背後を感じさせながら、最後まで強固に山田孝之さんが演じたからこそ、対峙する主人公・鏑木慶一が逆に輝いたと思われます。
そして刑事の又貫征吾が一貫して強固だったからこそ、又貫征吾が最後の鏑木慶一の言葉で考えを変えたことにより、最後の鏑木慶一の言葉による感動も増したと思われました。
今作の映画『正体』は、作品の内容構成と相まって、優れた俳優陣の深さと矛盾も引き受けたリアリティある演技によって、素晴らしい秀作になっていたと思われました。
惜しむらくは、警視庁刑事部長・川田誠一(松重豊さん)の、少年法の改正の広報のために冤罪を隠すなどの、ステレオタイプ的な警察描写の演出は唯一どうにかならなかったのかとは思われましたが、私的の気になった今作の欠点はそれぐらいで、それをはるかに凌駕する素晴らしい作品になっていると、僭越ながら思われました。
脚本が予定調和
めっちゃ評判いいですね
人が人を捌く難しさ
泣いちゃったけど、予定調和な感じがして少し物足りなかった。
後半で山田孝之が冤罪である可能性を示唆しエンディングに向かうが、実際だとそうなら無いから冤罪事件は根深く深刻である。
映画であるならそこからをオチにした脚本で「正しいものは勝つ」展開を見せてくれないと!
“死刑囚が脱獄してまでしなくてはならなかった事は… 自身の無罪を晴らす事” って、ひねりなさすぎで横浜流星が変装して逃げ回るだけの映画になってしまっていて少し物足り無い。
袴田巌さんの事件もそうだけど、警察が故意に証拠を捏造し人の人生を台無しにしといてなんで罪に問われないの?
信じる者(信じてもらえる者)は救われる
先週観た「侍タイムスリッパ―」に続いて、この作品も見ごたえがあり大満足でした。年の終わりに2作連続でいい映画に出会えて幸せです。
主演の横浜流星さんは、「線は、僕を描く」や「春に散る」でいい役者さんだなと思っていたけど、この作品でもとてもよかったです。正直脚本にはかなり粗があって、突っ込みどころはいっぱいあったけど、それを差し引いても最後の裁判のあたりのシーンでは涙が止まりませんでした。このレビューのタイトルに書いたように、信じる者(自分の無実がいつかは晴らされると信じた横浜流星・父親の痴漢を冤罪だと信じた吉岡里帆・最後には正義を信じた刑事の山田孝之)のそれぞれの行動に共感し、自らの他人を思いやる行動により短い付き合いの中でも他人から信じてもらえて、自分の冤罪を晴らそうと助けてもらえた横浜流星の、「信じてもらえた」ことによる自己肯定感と、生きたいという強い思いなどが重なって、最後はハッピーエンドになってよかったです。他の人のレビューを読むと、原作はどうもハッピーエンドではなかったようですが、映画ではあのラストで正解だったんじゃないでしょうか。
まさに映画!という感じ
イケメンは助けてもらいやすいよね、でも隠れにくいか、とか山田孝之さんガタイ良すぎるとか、心の中で少々脱線しましたが、
総じて良作と言えます。というか、途中でこれは絶対いい映画だ!と確信しました。横浜流星さんと吉岡里帆さんのシーンから泣き始めて、だいたい泣いてました。吉岡さんはいつ逃亡犯だと気づいたのかな、それでもそのまま一緒にいたのはなにか感じたからかな、それを全く説明もセリフもなしに演じられてて一気に感情移入してしまいました。他の俳優さんの演技も素晴らしくて引き込まれるし、セリフは胸に刺さるし、画(風景)、音楽や沈黙さえも効果的でした。比べてはいけませんが、ハッピーエンドであることも含め、これこれこういう映画が見たいのよ!と思いました。マイナスポイントがなかったので満点にしました。
イケメンは置いておいても、横浜流星さんは、知的で善良、信じるに値する人物を見事に演じておられ、来年の大河ドラマも楽しみです。
テンポはいいけど
冒頭の車からの脱出劇から、どんな「正体」なのかを期待したのだが、普通の人でした。大体犯行時高校生が死刑判決を受けるの?いくら警察上部の意向が働いてたとは言え、物証と動機が皆無でしょう。有りがちな「介護施設に潜り込んで」というのもリアリティなし。「正体」のタイトルの意味が最後まで分からず、モヤモヤでした。流星の演技と勢いだけで作ったストーリーが雑な映画でした。
期待したのですが
私はぜんぜんダメでした。
もちろん、横浜流星の演技はよかったと思う。
この監督は現実世界の警察の冤罪を招く捜査手法や間違いを認めない体質への問題意識は一応あるのだろう。しかし、一警官が幹部の意向に逆らって「誤認逮捕の可能性がある」と記者会見で認めるようなことは現実には起きないわけで、それが起きない組織や体制にこそもっとも根深い問題があるはずなのにその部分との対決は避けて、「こうであったらいいのにね」という展開が何か現状批判になると思っているなら大間違いだと思う。単に映画のリアリティを損なうばかりだし、むしろ現実の問題から観客の目を逸らしてしまうだけだろう。
警察幹部が「真実など問題ではない」と言葉にして述べたり、マスコミがハイエナだったりと、「どうせこんなもんでしょ」という安易な決めつけから発しているとしか思えないステレオタイプなキャラ描写もウンザリする。
なにより、鏑木とわずかに交流しただけの吉岡里帆をはじめとする数人が、冤罪の証拠を探して見つけたわけでもないのに「犯人ではない」と信頼するに至るのはなぜなのか。ここかいちばん重要なところのはずなのに描けていない。
弁護士を動員して捜査資料等を検証した後ならまだ分かるが、その前から「いい人だから」というそれだけで「信じます」っておかしいでしょう。殺人犯が普段はいい人だなんていくらでもありえることでしょうが。
すべては主人公の拘置所でのセリフ(これがまた拍子抜けするような内容)との整合性のためになされた強引な設定としか思えない。
後半の拘置所の主人公との各キャラの接見のシーンは本当に白けるのだが、こういうふやけた描写がいいと感じる人もいるのだろうけど、私はとにかく恥ずかしくてスクリーンを見ていられなかった。
描写が足りていない部分をエモーショナルな音楽で誤魔化したようなところもたくさんある。しかし誤魔化しはきれてないですよ。
信じる大切さ
前々から気になってた映画でやっと鑑賞しました!
日本中を震撼させた凶悪な殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木が脱走した。
潜伏し逃走を続ける鏑木と日本各地で出会った沙耶香、和也、舞そして彼を追う刑事・又貫。
又貫は沙耶香らを取り調べるが、それぞれ出会った鏑木はまったく別人のような姿だった。
間一髪の逃走を繰り返す343日間。
彼の正体とは?そして顔を変えながら日本を縦断する鏑木の【真の目的】とは。
その真相が明らかになったとき、信じる想いに心震える、感動のサスペンス。
というのがあらすじ!
横浜流星さんの演技とてもよかったですね
いろんな表情があってどれも鏑木のほんとの顔だった…
そのほんとの顔を見せることでみんな変わってましたね
最初と最後では語るときの印象が全然違ってました!
山田孝之さんもよかった!
しがらみと葛藤が表情にすごく出てましたね
冤罪の可能性があって犯人は違う人がいるって思いがおそらく撃てなかったことに繋がってるかもしれないですね🤔
部下が撃ちましたけどもしかして死ぬ?って思いました笑
でも当たった場所が肩あたりで生きてたのでよかったと思いました…
そしてあの記者会見で冤罪の可能性があるって言って変わろうと変えようとしてましたね!
これは映画オリジナルの展開みたいです
鏑木が脱獄した理由を最後に言ってる場面がありましたけどそれまでことを考えるとぐっときましたね…
この世界を信じたかったと…
ラストシーンも無音でしたけど反応からすると無罪みたいですね!
演出が印象的でした!
ハッピーエンドでよかったです☺️
この映画を観て冤罪はやっぱり怖いなと思いました…
通りすがりの普通の高校生だったのに運悪く警察がきてさらに殺人犯にされる
気持ちは想像するのも難しいですね😔
人が人を裁くので難しいですけど冤罪がない世の中になってほしいものです
原作は読んでないので映画を観て読みたくなりました!
そしてエンドロールで流れるヨルシカさんの太陽と言う歌よかったです!
いい映画をありがとうございました😊
鑑賞動機:予告7割、ヨルシカ「太陽」2割、評判1割
原作未読。
横浜流星出演作を観るのは、初めてのはず。
特に序盤、同じ構図(雑踏の中の後ろ姿、事情聴取時の横顔等)で切り替えていくところでハートを鷲掴みされる。これ私好きなやつ、絶対そうでしょ。
そして横浜流星七変化。単純に外見を変えるというだけでなく、出会った人たちに影響を与えられ、そしてまた自分でも周りに影響を与えながら、成長/変化していく内面を演じ切った。
なぜ/何を、というミステリ要素は控えめにして、鏑木と周囲との関係性を中心にしているので、逆にここぞというところで、彼がそしてこの物語自体が何を目指していたのかが示されて、心を揺さぶられた。
そして「太陽」ででトドメ刺される。
あえて難癖つけるなら…原日出子さんをいじめるな(違います)、ってくらいか。
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