正体のレビュー・感想・評価
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「ネットワーク社会における“信用”の危うさ ― 映画『正体』レビュー」
映画『正体』は、人間の多面性と社会に潜む「信じたい欲望」を鋭くえぐるサスペンスであり、経営者という立場から見ると、“信用”と“疑念”のネットワーク構造にこそ、この作品の本質があると感じた。
物語は、一人の男が無差別殺人事件の容疑者として逮捕され、逃亡するところから始まる。彼は整形と偽名を駆使し、さまざまな人々のもとに身を寄せながら、真犯人を追っていく。だが、どこに行っても「過去」が追いかけてくる。それは罪の意識だけでなく、人の噂、メディア、そして“善意”という名の暴力によって構築されたネットワークによるものだ。
経営者の視点で見れば、企業もまた「信用」のネットワークで成り立っている。人材、取引先、顧客――すべての信頼関係が崩れれば、会社は簡単に崩壊する。この作品では、人間関係という見えない“社会のインフラ”が、いかに脆く、また再構築が困難かを痛感させられた。
また、「逃げる主人公」の視点は、変化の激しい現代において、企業や個人が不安定な立場に置かれたとき、どう立ち回るかを問うているようにも見えた。SNSやメディアといった現代の“ネットワーク”は、一瞬で人を英雄にも犯罪者にも変える。そのスピード感は、営業やマーケティングにも通ずる緊張感がある。
『正体』は、サスペンスとしての完成度はもちろん、経営や人間関係における“ネットワーク”の本質を問う、鋭い問題提起でもある。単なるエンタメにとどまらず、現代社会を生き抜くための教訓すら内包した一本だ。
今更ながら
現代の日本の不条理を具現化した映画。それぞれの立場や職業での自己の確立を積み上げた先に誰かの犠牲や悲しみがあると言う事が改めて認識させられる。上映当時、知人が観た感想では「怖い」と言っていたがその知人が思った怖さとは…?結局その答えは聞いてないが社会と言う中での怖さでは
観る人の観点だと思う。出てくる登場人物の数だけの立場や視点が違うので
自分がどの立ち位置にいるかに寄って解釈が違う。主人公の観点で見るか、それを支える人間の観点で見るか、相対する人間の観点で見るか…時にはニュースで見て一つの話題として捉えて
通常の生活を行っている一般人として観るかは人それぞれ。
世の中には表に出ない不条理がたくさんあり、その裏には他人が感じる不条理を自分の立場によって正しい事と思う人間もいる。もしくは正しいと思わなくとも遂行する人間もいる。題材が強烈なんで映画として出せたが
大なり小なり、人それぞれの人生に似たような事はあると思うので観て良かったと思う。
キャストが良いのかキャストの演じる人物が良いのかわからないくらい、すんなり観れた。この映画に関わった全ての人達に感謝します。
オムニバスヒューマンサスペンス
脱獄してからの逃亡劇が、職や居場所を転々としながらオムニバス形式のように進んでいくが、最後はそこで関わった人たちが集結して、それらが一つにまとまる感じ。
脱獄中の主人公(容疑者鏑木敬一)の行動や言動で、次第に人間性が見えてくるので、冤罪なのか、実行犯なのか、考えながら鑑賞すると面白い。
自分が今平和に当たり前のように過ごせている何気ない日常がとても幸せであることを実感するし、すごく前向きになれて、人間の温かさというか、人の素晴らしさを感じられて、「明日からまた頑張ろう」という前向きで温かい気持ちになれる。ドラマ版は観てなくてもストーリーの理解には問題ないです。
ただ、水産加工工場で働いていた期間があまり描かれておらず、その時期の時系列だけがよくわからないのでそこだけモヤモヤする。
信じるものを失っても、信念は手放さない
がっかりした
この映画を観て、横浜流星さんのファンになりました!
諦めない先にある未来
横浜流星名演技です!
お正月休みに鑑賞、流星くんは上手でした。
映画そのものはできすぎ感がありすぎて漫画みたく感じてしまいました。でも、問題提起としてはアリなのかな。
現実社会でも冤罪は多いから、確証ないなら極刑にはしない方がいいよな〜とかぼんやり思う。
どこの国もいがいと警察も適当だよね、自分が逮捕されるわけじゃないし(自分には関係ないし)、未解決事件は少ない方がいい(仕事は早く終わらせたい)しね。
取り調べ室の可視化は本当に必須だな~とか考えました。
リアル冤罪の被害者が話してた台詞を思い出す「(強要された自白なので)裁判が(自分が無罪なことを)はっきりしてくれると思った」。
いや無理でしょ、日本は魔女裁判だからさ。裁判は罪を確定させる場所になってるだけで起訴されたら確定確実なんだよね。
日本の三権分立は形だけだし、検察が出した証拠は全て正しいことになっているから検事は証拠を見せない。裁判官も見ない。
演技は上手いし、スピード感あるので見応えある映画です。
冤罪ついて考えるのにも、なかなか良き映画です。
素敵な人に囲まれて
誤認逮捕された青年が無実の罪をはらすために起こす逃亡劇。
劇中に出てくる中に完全な悪は真犯人しかいない
逃亡中の鏑木を通報することだって社会的な正義だし、
半分現行犯逮捕状態なので、逮捕・拘束も仕方のないこと。自分自身の仲良い人が指名手配と知ってその人を信じられるのか?誤認逮捕を認めて正しい道を進めるのか?
どちらも相当な勇気が必要。そんな勇気を持ちたいものと思いました!
逃げずにいれば無実をはらせたのか?
世のルールに従うとしたら、逃げないで無実を訴え続けるべきだけど、ルール通りに物事を進めたら大きな変化は生まれないということだと思う
多少強引でも正解へ向かって走る
私にはできないことだけど、そうすべき時がきたらそうできたらどんなに素敵なことだろう
みんな「逃亡者」見てないの?
ツッコミどころ満載だけど気にせず観れた
配信サイトの方がよかった
横浜流星の演技力には定評があるし、期待を裏切るものではなかったけれど、先に配信サイトで亀梨和也バージョンを見ていた事もあって作品としての評価が下がった。原作本を読んでいないので、あくまでも配信版と映画との比較になってしまうけれど、初めて配信を見た時に「原作がおもしろい」と思った。細かいところを言ってしまえば、死刑囚が人助けをするなど色々と無理があるけれど、それなりに心が温まる。脱獄囚としての緊迫感もあった。けれど、映画版は元々の原作を2時間
強という枠の中に無理矢理収めた感が否めない。5つの顔を演じ分けているというが、実際には3つしか思い浮かばない。パン工房で働いていた期間の印象が全くない。痴漢冤罪の人助けをしたエピソードもない。確かに横浜流星の演技力は評価に値するが、日本アカデミー賞という華々しい場所で金品を贈呈されている様子を目の当たりにすると、亀梨和也が日陰の身という感じで可哀想に思えた。
山田孝之というだけでブランド価値がある彼が演じた刑事役が、かろうじて作品に内容を与えているが、それがなかったら、本当に配信サイトで見た人にとっては穴の空いた作品に思えてならない。
エンディングに流れる主題歌はじっくり聴いたら良い歌
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