正体のレビュー・感想・評価
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悪役が物足りないのが惜しまれる
原作は未読で、WOWOW のドラマも観ていない。埼玉で幼児を含む一家3人が刃物によって惨殺されるという猟奇的事件が発生し、犯人を決めつけた警察の捜査の挙げ句、死刑判決が確定してしまった若い男の話である。凶器には容疑者の指紋が付いていて、被害者の返り血も浴びており、生存者の証言も彼が犯人だと言っている。こうした証拠と証言が物を言って、無罪を主張する被告の訴えは悉く否定されて死刑判決に至ったものである。 彼は自分の無実の証拠を探して再審を請求するために、拘置所から脱走を企てて一か八かの行動に出る。物証はひっくり返せないが、混乱した状態で行われた生存者の証言は、冷静に考え直して貰えば変わる可能性がある。彼の頼みはその一点だけで、1年以上にわたる逃亡劇と、再審の手がかりを得ようとする流れは、息をつくのも忘れるほどの緊張感の連続だった。 横浜流星演じる若い死刑囚は、逃亡中に見せる本質的な善良さや文才など、こんな人が犯人のはずがないという思いは観る者には痛いほど伝わってくる。同じ思いは彼が出会う人々にも伝わるが、警察はあくまでも脱走した死刑囚という認識で冷徹に追い続ける。山田孝之演じる担当刑事は、犯人像に割り切れないものを感じるが、上司の叱責を跳ね返すほどの思い込みはない。命令で動くしかない警察官にとっては、上司の命令には逆らえない。 逃亡中に彼を取り巻く人物が魅力的である。吉岡里帆は、自分の価値観に照らして彼を悪人とは思えず、献身的な行動を見せる。父親の痴漢冤罪に立ち向かう姿は、自分が信じた人が悪い人であるはずがないという確信に満ちているように思える。グループホームで彼に好意を寄せる山田杏奈も健気である。ゴールデンカムイの神々しいアシリパの姿とはまるで別人で、新たな魅力を見せて貰った思いがする。 残念だったのは一番の悪役が松重豊だったことである。最近の彼がテレビドラマや孤独のグルメなどで見せる姿は善人役が多く、この映画の諸悪の根源を彼に求めるのは難しいと思った。時代劇が絶滅危惧種になって以来、顔を見ただけでわかる悪役という役者もまたほぼ消滅してしまっている。ここは香川照之あたりにやってもらうべきではなかったかと思う。 いくつか気になったのは、まずいくら物証があるからと言っても、裏付け捜査を綿密に行えば、普通の高校生だった彼が猟奇殺人を犯すような人間でないことは容易に分かるはずである。冤罪で誰かを犯人にでっち上げてしまえば、本当の犯人はぬくぬくと次の犯行に及んでしまうはずなので、警察にとってはサッサと片付けてお終いという訳には行かないはずである。 また、いかに人材不足といっても、グループホームに介護士として就職するには戸籍関係の書類提出が必要なはずで、逃亡中に入手するのは非常に困難なので、偽造するしかないと思うのだが、それで介護士になれるとはちょっと思えない。本作にとって非常に肝心な部分なので、何らかの描写があるべきでなかったかと思う。また、吉岡里帆の父の痴漢冤罪事件の結末も示すべきだった。 音楽も出来が良く、演出も優れていたので、上記の点だけが気になった。 (映像5+脚本4+役者5+音楽5+演出5)×4= 96 点。
脚本が予定調和
めっちゃ評判いいですね
人が人を捌く難しさ
泣いちゃったけど、予定調和な感じがして少し物足りなかった。
後半で山田孝之が冤罪である可能性を示唆しエンディングに向かうが、実際だとそうなら無いから冤罪事件は根深く深刻である。
映画であるならそこからをオチにした脚本で「正しいものは勝つ」展開を見せてくれないと!
“死刑囚が脱獄してまでしなくてはならなかった事は… 自身の無罪を晴らす事” って、ひねりなさすぎで横浜流星が変装して逃げ回るだけの映画になってしまっていて少し物足り無い。
袴田巌さんの事件もそうだけど、警察が故意に証拠を捏造し人の人生を台無しにしといてなんで罪に問われないの?
自分自身が何を信じるのか考えさせられる
逃亡犯、追う人、被害者、それぞれに関わっていく人々、それぞれの想いが溢れる様がとても良かったです。キャストみんな素晴らしい。 何回でも観たい映画
ビカビカに光ってた
俳優横浜流星の演技が光り輝いていた。 そして私は泣いた。 イケメンが涙流してたから泣けてきたんだ。 何かを胸に、脱走から始まった“5つの顔を持つ男” 人にはスイッチがあって、 家での自分、学校での自分、会社での自分 全部少し違って、でも全部同じ自分。 彼の“正体”とは 絶望、不安、優しさ、希望に触れたその時 私たちは彼の正体を知るのだ。 主題歌『太陽/ヨルシカ』 何回も聞いてる。映画鑑賞後に聞くと 生きている時に見えるもの全て当たり前じゃないんだって実感した。
信じる者(信じてもらえる者)は救われる
先週観た「侍タイムスリッパ―」に続いて、この作品も見ごたえがあり大満足でした。年の終わりに2作連続でいい映画に出会えて幸せです。
主演の横浜流星さんは、「線は、僕を描く」や「春に散る」でいい役者さんだなと思っていたけど、この作品でもとてもよかったです。正直脚本にはかなり粗があって、突っ込みどころはいっぱいあったけど、それを差し引いても最後の裁判のあたりのシーンでは涙が止まりませんでした。このレビューのタイトルに書いたように、信じる者(自分の無実がいつかは晴らされると信じた横浜流星・父親の痴漢を冤罪だと信じた吉岡里帆・最後には正義を信じた刑事の山田孝之)のそれぞれの行動に共感し、自らの他人を思いやる行動により短い付き合いの中でも他人から信じてもらえて、自分の冤罪を晴らそうと助けてもらえた横浜流星の、「信じてもらえた」ことによる自己肯定感と、生きたいという強い思いなどが重なって、最後はハッピーエンドになってよかったです。他の人のレビューを読むと、原作はどうもハッピーエンドではなかったようですが、映画ではあのラストで正解だったんじゃないでしょうか。
思いがけず号泣
キャストの演技はもちろん、主題歌も、とにかくよかった!! 吉岡里帆さん演じる、信じる姿にぐっときました! 正しいことが正しいと言える世の中を信じたいという気持ちが 今は一部だけが切り取られたりでうまく言いたいことがいえなかったり、事実が湾曲されて伝われることもおおいからこそ、 良心にとても響きました!!! 名作です!!
まさに映画!という感じ
イケメンは助けてもらいやすいよね、でも隠れにくいか、とか山田孝之さんガタイ良すぎるとか、心の中で少々脱線しましたが、
総じて良作と言えます。というか、途中でこれは絶対いい映画だ!と確信しました。横浜流星さんと吉岡里帆さんのシーンから泣き始めて、だいたい泣いてました。吉岡さんはいつ逃亡犯だと気づいたのかな、それでもそのまま一緒にいたのはなにか感じたからかな、それを全く説明もセリフもなしに演じられてて一気に感情移入してしまいました。他の俳優さんの演技も素晴らしくて引き込まれるし、セリフは胸に刺さるし、画(風景)、音楽や沈黙さえも効果的でした。比べてはいけませんが、ハッピーエンドであることも含め、これこれこういう映画が見たいのよ!と思いました。マイナスポイントがなかったので満点にしました。
イケメンは置いておいても、横浜流星さんは、知的で善良、信じるに値する人物を見事に演じておられ、来年の大河ドラマも楽しみです。
公開が
あまりにもタイムリーで、何か裏があるんじゃ?と勘繰ってしまうが。 これで良かったとはとても思えないし、現時点で真実は重要じゃない、との言葉には膨れ上がるモノが在るので、しばし吉岡里帆さん、山田杏奈さんのお顔を思い出して心を鎮めよう。
面白かった
俳優陣の演技が素晴らしかったです。特に印象に残ったのが森本くん!演技に引き込まれました。ストーリーは無理がある点もありましたが、映画だから…と割り切って観るのをおすすめします。最初から最後まで飽きずに観られました。
「報知映画賞3冠」
今年285本目。 11月25日に第49回報知映画賞が発表されて作品賞、主演男優賞、助演女優賞3冠。早目に行きたかった作品。ちょっと変わって山田孝之さんが「十一人の賊軍」の時に気合い入れてもついてくのがやっとの現場に行きたい、2021年6月「はるヲうるひと」など命懸けて俳優、ここまで人間やらなきゃと気が引き締まります。 また3日ほど飯食わんといて山のてっぺんで食うた握り飯が一番だったりする、菊乃井の3代目主人村田吉弘さんが、空腹は最高の調味料。場面は違いますがそのシーン開始2分でありました。 なぜ逃げた? ここが今作の一番。
逃亡劇、人間ドラマ、警察・司法の問題
原作は未読。 藤井道人監督は原作があろうがなかろうが、映画としてちゃんと面白いものを仕上げてくる印象。本作も脱獄した死刑囚の逃亡劇として始まりながら、なぜ彼が逃亡したのかの真相を徐々に明らかにしていく作り。感動の結末を予感させる予告編だったが、ちゃんと逃亡劇としての面白みも用意されていた。鏑木が警察の追手から逃げる映像・カメラワークに臨場感があってかなり圧倒された。 様々な逃亡先で出会う人たちと鏑木のふれあいが、容疑者としての彼の評価を変えていくという流れもいい。あれだけのイケメンであれば行く先々で女性を惚れさせていくのはわかるが、人たらしな部分も存分に発揮していく展開。本当に殺人犯なのか?という疑問を徐々に抱かせるうまい作りだった。正直、警察の捜査方法や逃亡させてしまった経緯、鏑木を追いかける段階での警察のミスなんかはちょっと粗さを感じてしまったのは事実。でも、本筋がしっかりしていたので大きな問題とは感じなかった。 涙を流すようなラストではないが終わり方もとてもいい。判決の際の音声をなくすところもさすがの演出。スリリングな逃走劇、感動的なドラマだけでなく、警察や検察の問題点、裁判が長期化するという日本の司法の限界等をさりげなくちりばめてくるところに藤井道人監督の凄みを感じた。フィクションではあるが、日本の警察大丈夫か!?と思ってしまう力がある(そう思ってしまう下地があるということでもある)。最初から最後まで目が離せない面白い、そしていい映画だった。やはり藤井道人監督はすごい。改めて強くそう思う。
苦悩(流星&山田)
原作未読。 面白かったです。これは良かった。やや突っ込みどころはあるものの、見応えありました。 実際にあったいくつかの事件を彷彿とさせる内容。 色々な事を考えさせられました。 人は接してみなきゃわからない。 組織で働く者はコマである。だとしても、従順が決して正しい訳ではない。 マスゴミと呼ばれる報道のあり方。 冤罪の恐ろしさ。 (息子を持つ身としては、痴漢の冤罪の話がいつも怖いと感じる) 終盤ちょっと泣けました。 木野花さんの顔も最後に出してほしかった。 懸賞金300万はどうなったのかな? 俳優陣。 安定の宇野祥平さん。 見に行ける本数限られるので、映画館で見るの初めてだった吉岡さん、前田君、森本君。皆良かった。 前田君はチャラい役よりこういう感じの方が個人的には好きです。
テンポはいいけど
冒頭の車からの脱出劇から、どんな「正体」なのかを期待したのだが、普通の人でした。大体犯行時高校生が死刑判決を受けるの?いくら警察上部の意向が働いてたとは言え、物証と動機が皆無でしょう。有りがちな「介護施設に潜り込んで」というのもリアリティなし。「正体」のタイトルの意味が最後まで分からず、モヤモヤでした。流星の演技と勢いだけで作ったストーリーが雑な映画でした。
藤井監督はすき
藤井監督がよい。社会派という意味では「新聞記者」と同じですかね? 迫力あるシーンと、上手い具合の伏線回収が気持ちがいい。 予告動画では、横浜流星は悪人なのか?善人なのか?がメインテーマだと思っていましたがら、初めの60分くらいでそれは解決?します。 この物語ばその先のがメインテーマだと思います。 この辺りが絶妙。 予告動画から、悪人なのか善人なのか?といつストーリーかと思ってたら後半は違った。 ポスター見ても誰だか分からなったけど、映画の内容に納得。 要約すると、けっこう単純な話になってしまいますが、演技と演出でとても見応えがあります。 特にとある逃走シーンと、対峙のシーンは、映画っぽいかなり好き。 藤井道人監督っぽい、とても見応えのある映画でした。今年のアカデミー賞かな。
期待したのですが
私はぜんぜんダメでした。
もちろん、横浜流星の演技はよかったと思う。
この監督は現実世界の警察の冤罪を招く捜査手法や間違いを認めない体質への問題意識は一応あるのだろう。しかし、一警官が幹部の意向に逆らって「誤認逮捕の可能性がある」と記者会見で認めるようなことは現実には起きないわけで、それが起きない組織や体制にこそもっとも根深い問題があるはずなのにその部分との対決は避けて、「こうであったらいいのにね」という展開が何か現状批判になると思っているなら大間違いだと思う。単に映画のリアリティを損なうばかりだし、むしろ現実の問題から観客の目を逸らしてしまうだけだろう。
警察幹部が「真実など問題ではない」と言葉にして述べたり、マスコミがハイエナだったりと、「どうせこんなもんでしょ」という安易な決めつけから発しているとしか思えないステレオタイプなキャラ描写もウンザリする。
なにより、鏑木とわずかに交流しただけの吉岡里帆をはじめとする数人が、冤罪の証拠を探して見つけたわけでもないのに「犯人ではない」と信頼するに至るのはなぜなのか。ここかいちばん重要なところのはずなのに描けていない。
弁護士を動員して捜査資料等を検証した後ならまだ分かるが、その前から「いい人だから」というそれだけで「信じます」っておかしいでしょう。殺人犯が普段はいい人だなんていくらでもありえることでしょうが。
すべては主人公の拘置所でのセリフ(これがまた拍子抜けするような内容)との整合性のためになされた強引な設定としか思えない。
後半の拘置所の主人公との各キャラの接見のシーンは本当に白けるのだが、こういうふやけた描写がいいと感じる人もいるのだろうけど、私はとにかく恥ずかしくてスクリーンを見ていられなかった。
描写が足りていない部分をエモーショナルな音楽で誤魔化したようなところもたくさんある。しかし誤魔化しはきれてないですよ。
ホラーやサスペンス系✕でも観れた
ホラーやサスペンス等、痛々しい物も全て苦手な身としてあえて、ここでのネタバレのレビューを読んだものの。 怖いもの、とは感じず。 原作やドラマ版等を観てない私としては、理解出来て覚えていたのは登場人物の名前だけだった。 逆にその登場人物の名前を覚えていたことで、映画の内容は入って来やすかったように感じた。 思い返しても、名前が文字で映し出されていたのは主人公(横浜流星の役名)のみだった。 目を瞑りたくなるようなシーンがゼロか?と言われるとゼロではないがこの映画の予告に使われてる映像のがよっぽど怖いよ…というのが感想。 あとは、観ての感想としては【観てよかった】が何より心から出てきた言葉だった。 この「正体」という作品が伝えたいことは観て、ダイレクトに伝わってきた。きっと映画だからよりわかりやすいものになったのではないかと思う。 自分にある正義感や責任感、真面目さ等と丁度向き合っていたタイミングだったからこそ、観てよかったと改めて思う。
信じる大切さ
前々から気になってた映画でやっと鑑賞しました!
日本中を震撼させた凶悪な殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木が脱走した。
潜伏し逃走を続ける鏑木と日本各地で出会った沙耶香、和也、舞そして彼を追う刑事・又貫。
又貫は沙耶香らを取り調べるが、それぞれ出会った鏑木はまったく別人のような姿だった。
間一髪の逃走を繰り返す343日間。
彼の正体とは?そして顔を変えながら日本を縦断する鏑木の【真の目的】とは。
その真相が明らかになったとき、信じる想いに心震える、感動のサスペンス。
というのがあらすじ!
横浜流星さんの演技とてもよかったですね
いろんな表情があってどれも鏑木のほんとの顔だった…
そのほんとの顔を見せることでみんな変わってましたね
最初と最後では語るときの印象が全然違ってました!
山田孝之さんもよかった!
しがらみと葛藤が表情にすごく出てましたね
冤罪の可能性があって犯人は違う人がいるって思いがおそらく撃てなかったことに繋がってるかもしれないですね🤔
部下が撃ちましたけどもしかして死ぬ?って思いました笑
でも当たった場所が肩あたりで生きてたのでよかったと思いました…
そしてあの記者会見で冤罪の可能性があるって言って変わろうと変えようとしてましたね!
これは映画オリジナルの展開みたいです
鏑木が脱獄した理由を最後に言ってる場面がありましたけどそれまでことを考えるとぐっときましたね…
この世界を信じたかったと…
ラストシーンも無音でしたけど反応からすると無罪みたいですね!
演出が印象的でした!
ハッピーエンドでよかったです☺️
この映画を観て冤罪はやっぱり怖いなと思いました…
通りすがりの普通の高校生だったのに運悪く警察がきてさらに殺人犯にされる
気持ちは想像するのも難しいですね😔
人が人を裁くので難しいですけど冤罪がない世の中になってほしいものです
原作は読んでないので映画を観て読みたくなりました!
そしてエンドロールで流れるヨルシカさんの太陽と言う歌よかったです!
いい映画をありがとうございました😊
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