「鏑木の成長ドラマとサスペンス」正体 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
鏑木の成長ドラマとサスペンス
横浜流星演じる主人公鏑木慶一はいいヤツだ。いいヤツだからヤバそうな見た目をしていても人が寄ってくる。本人が人を避けていても。
そんな中、鏑木は色々なことを経験していく。いくつかの「初めて」を。
鏑木は未成年のうちに逮捕されたため体は成人していても心は子どものままなのだ。
無実の罪で投獄されても荒れないのだから真性の、いや神聖の純粋なのだ。言い換えるならば絶対の正義。
その正義感や純粋さ故に逮捕されることになってしまうのは皮肉だ。
純粋な男が純粋なまま大人になっていく物語で、鏑木の純粋さと対をなすように警察の存在があり、その間で山田孝之演じる刑事は揺れる。
鏑木の成長ドラマとしても面白いし、逃亡劇というサスペンスとしても面白い。見所の多い作品だったなと思う。
横浜流星はなんかオーラが薄くてあまり好きではないのだけれど、この作品においては影の薄さのおかげか様々な風貌を見せることができた。
演技は基本的に良いんだよな。目を引かないだけで。「国宝」でもいい演技してた。
横浜流星の出演作品は結構観ているけれど、もう少し注目してあげようかなと思った。
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