「その“正体”。」正体 はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
その“正体”。
凶悪な殺人事件の犯人として逮捕され無実を訴えながらも、死刑判決を受けた青年が脱獄した。彼は何故逃げたのか。そしてどこへ向かっているのか。いくつもの顔を使い分け潜伏先を変えながら逃げ続ける鏑木と彼を追う刑事。そして彼と関わった人達のいくつもの証言を軸にしたとても見応えのある人間ドラマでした。
この“正体”にはいくつもの意味がある。今逃げ回っている青年の正体、一家惨殺事件の犯人の正体、そして自分の隣にいる誰かの正体。日本にも指名手配されながらも逃げ続けている凶悪犯が何人もいる。誰もが交番横に貼られたその顔写真を何度も目にしたことがあるはずだ。でも実際その人物が自分のとても近いところで生活していたとしても、その正体に気付くのは至難の技だと思う。誰だって自分の近くにそんな人がいるはずがないと思っている。その人間の心理をうまく突いたストーリーで、ラストも良かった。
出演者はなんで森本慎太郎がキャスティングされているんだろうと正直不思議だったけど、めちゃくちゃ役柄に合っていた。横浜流星は近年難しい役に挑戦している印象でめっちゃ応援してます。
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