入国審査のレビュー・感想・評価
全54件中、41~54件目を表示
しょせんよその国の事
しょせんよその国の事とは思っていましたが
色んな仕組みや方法があるんだと改めて勉強になりました。
トランプ政権最初の頃の話でしたが、厳しくなったのね
と見ていましたが、個人のプライバシー迄とことん
聞いて矛盾を突いていくところは、日本じゃないよな~~
と見ていました。
ラストは・・・。
いずれにしろ見て勉強にはなりました。
皮肉な結末
私が初めてアメリカで入国審査を受けたときも、結構な皮肉を言われたものである。本作の結末も、かなりの皮肉を感じた。展開から推測される結末は、犯罪の摘発による処分が行われ、カップルが破綻して当然なくらいであったが、何の咎めもなかった場合も含めた複数のその後の行く末が考えられるのかもしれない。
愛の試練
ワンシチュエーションのサスペンスとして新しい設定で、楽しみにしてたのだが…
とにかくずっと尋問が続く作品。
BGMもなく、カメラワークの工夫も見られず、なんだか意味深な質問ばかりが投げかけられる。
ただ、主人公2人に対して事前説明がなく、ほぼ全てが新情報のためなかなか頭に入ってこない。
真偽を推し量る材料すら与えられてないので、ひたすら一方通行に受け止させられる。
個人的にはこれが非常に苦痛だった。
審査官はとにかく露悪的に嫌みったらしく演じてある。
そして中盤からはディエゴがビザ目当てではないかと不審を募らせる展開になっていくのだが…
サスガにそれは普通過ぎるし、この流れならエレナの方に何かあるのでは、と勘繰るが何もナシ。
そして、あれだけ色々訊かれて疑惑を晴らす要素も何一つ示されてないのに、アッサリ「ようこそアメリカへ」。
この理不尽オチをやりたかったのは理解した。
そしてそこの落差を最大限に付けるために、主人公2人にも観客にも過度にストレスをかけたことも。
それ自体は面白かったが、作品としてはイマイチ。
終わってみれば、2人の愛を試す滑稽劇のような印象なのだけど、大して感情移入できなかったんですよね。
エレナ同情はするけど、直前まで疑って見てたし。笑
観客がディエゴの真意を知りようがないあたりはわざとなんだろうけど、そこもスッキリしない一因か。
監視カメラの可能性に言及しておきながらのディエゴの行動も解せない。
過去の交際関係とかもあんな短時間で調べられる?
短尺ではあるが、このネタなら個人的には30分で十分。
何の意味もない停電とかじゃなくて、もう少し別の起伏の付け方はなかったんですかね。
双方の思惑の中で選んだ選択肢も、審査の前ではほとんどが炙り出されてしまう
2025.8.4 字幕 MOVIX京都
2023年のスペイン映画(77分、G)
アメリカ移住のために訪れたスペインから来たカップルの入国審査を描いたスリラー映画
監督&脚本はアレハンドロ・ロハス&フアン・セバスチャン・バスケス
原題は『La Ilegada』で「到着」、英題は『Upon Entry』で「入国するとき」という意味
物語は、スペインからアメリカ・ニューアーク国際空港へと移動するスペイン人のダンサーであるエレナ(ブルーナ・クッシ)と、彼女の恋人でベネズエラ人の都市計画家ディエゴ(アルベルト・アマン)が描かれて始まる
ディエゴは緊張状態で、入国審査のゲートで憔悴しきっていて、温和そうな審査官のいる18番ゲートが良いな、と思っていた
思惑通りに18番ゲートに誘導され、審査官ジェームズ(コリン・モルガン)の審査を受けることになった二人だったが、何かの不具合か、理由もわからないまま別の受付へと通されてしまった
そこは二次審査の待合で、受付のウィルソン(デヴィッド・コムリー)は彼らの手荷物をチェックしたのち、別室に彼らを誘導した
その後、いくつかの尋問を受けたのち、バスケス捜査官(ローラ・ゴメス)が部屋へと入ってきた
移民申請の書類などを確認したのち、入国に至るまでの経緯、二人の出会いと生活、両親との関係などを根掘り葉掘り聞いてくる
エレナは不快感を感じながらも、ディエゴは従順の方が良いと諭し、非人道的な質問にも答えることになった
物語は、入国審査にて「新たな情報の確認のため」という名目で二次審査が行われ、最終手にはバレット捜査官(ベン・テンプル)も加わっての尋問を受けることになった
そこでは、過去にディエゴが婚約寸前まで来たのにビザの申請を中断したとか、他の女性とも関係を持っていたことなどが明かされていく
それらをエレナに話したとディエゴは説明するものの、エレナは婚約の話は初耳で、しかも交際期間が重なっていることを指摘されてしまう
バスケスは「アメリカに移住するために二人の女性を利用し、最終的にエレナを選んだ」と考えていて、ディエゴはそれを否定する
だが、一連の問答を受けて、エレナの中で彼への信頼が消えていくのである
映画は、入国審査にて素性が暴露される様子が描かれ、それによって、二人の信頼が緩いでいく様子が描かれていく
捜査官の目的はカップルの破綻ではないものの、ディエゴの過去がそうさせている面もあった
審査自体は「どのような理由で入国し、ビザを所得したいのか」という部分を明らかにすることであり、「偽装結婚で入国しようとしたのではないか」という疑いを持っている
ディエゴはエレナとケイト(ネットで知り合った年上の女性)と二股状態になっていて、より確実だと思われたエレナの方を選んだように見られている
だが、ディエゴはエレナとの関係が始まったためにケイトと別れたと主張していて、その重複した部分が疑問視されていた
審査にて嘘をつくことは重罪であり、それぞれは全てを語るのだが、それぞれに配慮する形で個別の尋問に切り替えている
このあたりは捜査官の良心的な部分であり、あくまでも二人が示し合わせて偽装結婚(事実婚)をして入国しようと考えているのかを突き詰めようとしていたのだろう
結果として、経緯はどうであれ、偽装婚でのビザ所得のためではないことが理解され、それゆえに認められたのだと思うが、捜査官の思惑は別のところにあったように思えた
映画ではほぼ描かれないのだが、彼らはきちんと指紋を取られているし、ディエゴに関しては親指の指紋も取られていた
さらにエレナはスマホだけだが、ディエゴはスマホとパソコンの両方のデータを抜かれている
映画内ではディエゴの真の目的みたいな部分は濁されているが、捜査官が席を外したところで資料を盗み見たり、禁止されている通話をするなどは「やましいところ」があるように思える
それが何かはわからないものの、現時点ではグレーという感じで入国を許可されている
だが、要注意人物としてのマーキングはされているので、ディエゴにとっては不要な行動は難しくなるのではないだろうか
いずれにせよ、非人道的にも思える尋問の応酬で、ここまで聞くのか?というぐらいに聞いていたように思う
だが、偽装婚でビザ所得したのに申請を辞めたというのはかなり奇妙で、さらにネット上の相手とは婚約で、エレナとは事実婚というところも怪しさは募る
結局のところ、ベネズエラを出たいディエゴが何とかしてスペインに移住したものの、そこでの国籍所得はできぬまま、エレナの抽選ビザが通ってしまった
そこでそれに便乗しようとしていて、それをスムーズに行うために事実婚として法的な処理をしたように思えた
これらの制度にそこまで詳しくないので想像の範囲だが、いち早くアメリカへの移住をしたいという背景には、ベネズエラで何かをしたからなのかな、と思った
また、エレナ自身にも目的があって、それはディエゴを利用している部分があったと思う
彼女の最終的な目的は、スペインや両親から離れることであり、そのためにはディエゴがいた方が都合が良い部分があるのだろう
それゆえに清濁併せ呑む形で実を取ったのではないだろうか
アメリカに旅行したくなくなる・・・‼️
スペインからアメリカへ移住しようとするカップルが、空港での入国審査で受ける予想外の尋問・・・‼️尋問によりカップルの恐ろしい過去や人間性が浮き彫りになる展開かと思いきや、男性が別の女性と過去に婚約してたとか、男性はアメリカ移住のためビザを持ってる女性を利用したとか、その程度の展開で、しかもハッキリしないうやむやな描写に終始する‼️加えて審査官の質問も相手を愛してるかとか、出会いはいつかとか、セックスは週何回かとか、ダンスの講師である女性に踊ってみろとか、嫌がらせの域を出ない程度の低いもので、正直興ざめしてしまう‼️不条理サスペンスとして観れば面白いんだけど、どうしても移民が嫌いな現職大統領の顔がチラホラしてしまう‼️ただカップル二人の不安を画面に充満させた演出は素晴らしく、今作の監督が脚本も手がけてらっしゃるとの事ですが、演出が物語構成を上回ってしまった作品‼️
水際作戦
円安が続く昨今、海外に出稼ぎに出る日本人が増えたせいか、ハワイで入国拒否された日本人女性観光客のニュースが話題になった。彼女は売春目的だと疑われたのだそうだ。
本作で主人公たちが体験する入国審査の実態はほぼ監督の実体験に基づくもので、作品を鑑賞した同じような体験をした移民の人々からも多くの共感を得たのだという。
携帯は厳禁。渡航目的の中に人と会う約束があればその相手に電話をかけて確認したり、プライベートなことでも根掘り葉掘り聞かれるという。
劇中でダンサーのエレナが踊ることを強要されたのも実際の監督の奥さんの話だという。
入国審査はいわば危険人物を自国に入国させないための最後の砦であり、大きな裁量を与えられている審査官たちは時には人権侵害すれすれとも思われる発言も行う。それは自分の職務に忠実なことの裏返しだとも言える。彼らにとってはこの不快感極まりない入国審査はただの日常業務でしかないのだ。実際に審査される側にしたら監督の言う通りトラウマになるのは必至だろうけど。
いま移民への排斥運動が巻き起こっている世界の現状において実にタイムリーな作品と思える本作。移民を取り巻く世界の現状がこの77分の上映時間にすべて凝縮されていたように思えた。
アメリカではいまそれこそトランプによる排外主義盛んな時期だが、アメリカの入国審査の厳しさはそれ以前から、すなわち9.11以降からだという。必ずしもトランプ政権による影響ではないのだという。
確かにそれは納得できるが、本作の主人公ディエゴはテロリストでもなければ犯罪歴もない普通の市民だ。しかし彼の過去の行いが審査官の目に留まり厳しい追及を受けることになる。
彼は客観的にどう見てもビザ取得のためにアメリカ人女性との偽装結婚を画策していた。しかし同時に交際していたエレナがグリーンカードを抽選で取得したのを機にその婚約を破棄する。偽装結婚を疑われるリスクよりグリーンカードの方が安全性が高いからだ。
パートナーのグリーンカード取得は法律婚を経ていなくとも自身もグリーンカードを取得できる可能性が高い。
もちろんビザ取得のための偽装結婚の疑い、そしてエレナとの関係もそうではないかというのは審査官たちの推測に過ぎない。偽装結婚については明らかに交際の実態もなく婚約してることからほぼ間違いないであろうが、婚約は破棄してるので偽装結婚自体は未遂である。その事情を加味してエレナとの交際、事実婚まで実体がないとは言えない。エレナとの交際の実態はディエゴの主観により判断されるべきものだからだ。
もし仮にビザ取得目当てでエレナに近づいていたとしても、半分はエレナに好意を抱いていたかもしれない。いや、たとえ彼の内心がビザ取得目的が90%、エレナへの愛情が10%だとしてもそれが事実婚の実態を否定することはできない。それを知ったエレナの気持ちは別だが。
まさにディエゴの違法性が証明困難なのは審査官もよく承知してるからこそ、彼らは別の方法でアプローチを続ける。
ディエゴの婚約の事実、彼の意図はどこにあるのか、それをエレナに知らしめて揺さぶりをかける。
当然この事実を知らされたエレナはディエゴを信じられなくなる。二人別々に尋問を受けたこの期に及んでさえディエゴは噓をついた。
エレナはディエゴに離れてベンチの席に座る。二人の関係は尋問を受けて壊れかけていた。
審査官が自国にとって不利益となる人物、その疑わしい人物を自国に入国させたくないという思いで日々職務についていると考えれば、二人のプライバシーを侵害して、二人の仲を引き裂くようなことまで許されていいものか。なんともこの辺の判断も難しいところではある。正直ここまで執拗に入国をさせないよう画策するのは度が過ぎているとも思える。この辺はさすがに映画的な脚色だと思いたい。しかし現にその広い裁量権から審査官による恣意的判断もなされるという。審査官によって入国が認められたり認められなかったりと。
そもそも自分が生まれた国で一生暮らしていけることはなんと恵まれたことなんだろうとしみじみ思う。
このディエゴの生まれた国ベネズエラは政情不安で、彼は一足先に自主的に国外へ脱出してるが、その後この作品の舞台2019年の時期に難民問題が発生し、ベネズエラはシリア難民に次ぐ数の難民を輩出する事態に。ディエゴ自身も本来ならば難民として保護されていてもおかしくない身分だった。
しかしニュースで報じられた通り現トランプ政権はTPS(一時保護資格)によりアメリカに保護された難民たちの資格を取り消し強制送還をする構えだ。彼ら難民がベネズエラの犯罪組織に属しているという理由で。しかし彼らが犯罪組織に属していることの証明はなされない。中には普通の人がエルサルバドルの悪名高いテロ犯専用刑務所に送られるケースもあったという。
自国から命からがら自由の国のアメリカに逃れてきて、九死に一生を得たと感じていたベネズエラ難民の人々にしたらたまったものではないだろう。
そんなベネズエラの人々の事情を考えればディエゴが何としてもビザを取得してアメリカへの移住を成し遂げようとした気持ちも理解できる。エレナもそれはわかっていたはずだった。
しかし彼女は噓をつかれたこと、同時進行で別の女性と婚約していた事実から自分への愛情は初めからなく、自分を利用していただけなのかと彼を信じられなくなる。それは致し方ないこと。
一旦離れた二人の距離が再び近づく。エレナはディエゴのすぐ隣のベンチに腰掛ける。彼女は彼を受け入れたのだろうか、それとも膝を突き合わせて今後のことを話し合おうと決意を固めたのだろうか。
その瞬間突然二人のパスポートに入国スタンプが押される。ポカンとするふたり、ポカンとする観客。今までの精神が引き裂かれるような苦行ともいえる審査は一体なんだったのか。
それはまさに審査官たちの日常業務の一端でしかなかった。ディエゴたちのこれからの人生を左右するであろう数時間が彼ら審査官たちにとっては。
入国が認められた二人。まるで台風が過ぎ去り、瓦礫の山に突然放置されたかのように。今後二人でこの瓦礫を修復していくのか、それとも修復はあきらめて別々の道を歩むのか。
本来人には移転居住の自由が認められる。それは何人だろうが人が保障されるべき権利だ。人は行きたいところに行けるし、住みたいところに住める。はずである。しかし現実にはその権利が保障されることはない。
国境という見えないバリアでそれぞれの国は自国を守っている。それは逆に見れば他国からの救いを求める手を振り払うことにもつながる。
人道的考えから欧州諸国は移民難民を多く受け入れてきた。いまそのバックラッシュがおきて移民排斥が起きているという。不思議なことに難民をほとんど受け入れてこなかった日本でも外国人バッシングが起きている。これは欧州諸国とは違いその閉鎖性からくるものだろう。日本人のパスポート取得率は極端に少なく内向きな姿勢がさらに加速して排外主義に走ってるようだ。
どちらにしろ移民政策は確かに難しい。だが、自国の不具合をなんでもかんでも移民のせいにするのはいかがなものか。移民が自国の文化やアイデンティティを損ねるという意見もあるが逆にそれらを強化することにもつながるという意見もある。経済面も同様に。欧州諸国は戦後に労働者不足を移民に頼ってきた歴史もある。
アメリカも建国以来移民が多く流れ込んでそのおかげで今の繫栄がある。トランプもイーロンも移民の子孫だ。
本作でディエゴたちを尋問するのがラテンアメリカ系の審査官。ドミニコ出身だからスペイン語も流暢だ。彼女は同じラテン系のディエゴにあえて厳しく接する。
移民としての自分が排除されないためにアメリカへの忠誠心を表してるのだろうか。日本でも外国人差別してるのが外国にルーツを持つミックスの国会議員だったり、外国人タレントなのが目立つのもそういう事情があるのかもしれない。
あと、入国審査がなされてる空港建物内で終始内装工事の音が鳴り響いていたのが印象的。最初はそれこそ映画館の建物が工事をしてるのかと後でクレーム入れようと考えてたら、劇中の音で安心した。
その音はディエゴへの尋問が佳境に近づくと会話もできないくらいの騒音に。これは何を意味してるのだろう。入国審査をしている建物がいまだ建築途上ということで体制の不完全さ、未熟さを表しているのだろうか。
77分の間、とにかく息をするのも忘れてスクリーンにくぎ付けになることができた。想像していた通りの内容だけど、尋問の様がリアルで本当に自分が主人公たち同様に尋問を受けてるかのような嫌な思いが出来る、なんとも貴重な体験ができた作品だった。そして監督が脚本段階から決めていたラストがあまりにも秀逸。
入籍審査
あの二人は結局、関係整理の為にアメリカに来たんですね。ラストの「アメリカへようこそ」は裁判長の判決言い渡しです。人間は騒音にイライラし、思わず声高に本音を叫びます。あの工事騒音は、その為の意識的な審査BGMかも知れませんね、きっとそうです。
【今作は、人権侵害極まりない、これがトランプが大統領になってからのアメリカ入国審査の実態・・、かと思いきや、もっとシニカルな物語であり、イヤーな感じがラスト後も漂う作品なのである。】
ー 冒頭、カップルのディエゴとエレナが、浮き浮きでタクシーに乗る所から物語は始まる。タクシーのラジオからは”メキシコ国境の警備””トランプの壁”というワードが聴こえてくるが、二人の耳には入らない。
そして、二人はマイアミに向かうのだが、トランジットでニューヨーク、ジョン・F・ケネディ空港に降り立ち、緊張した顔で入国検査の列に並ぶ。
二人はパスポートチェックを終わるが、何故か一方的に二次審査室へ連れていかれる。
そこでは、意地悪そうな黒人系女性審査官が待ち受けており、次々に二人に高圧的に質問をして行くのである。
意地悪そうな黒人系女性審査官はその後、ディエゴとエレナを別々にして、個別審査していくのである。
工事の音が異様に耳障りな中、彼女は二人に、週に行うセックスの回数や、ベッドで寝る時に相手のどちら側で寝るのかなど、入国審査とは関係ない人権侵害極まりない質問を次々に浴びせ、ディエゴとエレナを苛立たせ、不安にさせて行くのである。
そして、少しでも反抗的な態度を取ると”私の一存で、貴方達の取り扱いは決まるのよ。”という悪魔の囁きを口にするのである。
そこで、明らかになって行くディエゴが政情不安な故郷ベネズエラを離れて、スペインのバルセロナに居た理由や、抽選で米国の永住権を獲得した事。
ディエゴには、エレナの前に婚約までした女性が居ながら、エレナには隠していた事。
エレナの職業はダンス教室の先生で、ディエゴには定職がない事。
などディエゴとエレナの関係性が、徐々に明らかになって行くのである。
<今作が秀逸なのは、見る側には最初は
”どうせ、移民を極力少なくしたいトランプの政策を揶揄した作品だろう。”
と序盤で思わせつつ、”入国審査”の段階で権力の横暴と共に、ディエゴが何故に婚約した女との婚約を解消しエレナと共にアメリカに来た理由が徐々に明らかになって行く過程が面白怖いのである。
正にディエゴという男の表と裏が”入国審査”の中で透けて見えて来るという、イヤミスのような作品構成の妙。
そして、長い”入国審査”の後に、二人のパスポートには入国許可の押印がされ、
”ようこそ、アメリカへ!”という言葉が複雑な顔をしたディエゴとエレナに掛けられ、画面は暗転するのだが、二人が新天地アメリカで二人で新生活を送り始めるかどうかは、観る側の想像に委ねられるのである。
今作は、人権侵害極まりないこれがトランプが大統領になってからの、アメリカ入国審査の実態・・、かと思いきや、もっとシニカルで。イヤーな感じがラスト後も漂う映画なのである。>
スタンプ音が響く移民政策の難しさ
ベネズエラ国籍の男、同棲しているスペイン人女性がDVロト(多様性移民ビザ)当選したのを機に米国へ一緒に移民しようとする物語。事実婚(pareja de hecho)を証明書で主張し入国を試みるが、男の怪しい過去(世界を点々としていた経歴・ネットで知り合った米国の年長女性と婚約して米国入国を試みた過去)が厳しい尋問で暴かれる。米国移民法では事実婚が「配偶者」として認められにくい中、一部のレビューで「意味不明」「すかしたオチ」と評されるラストで入国許可のスタンプを得る展開は、怪しくても受け入れざるを得ない米国の移民審査の現実を見事に描く。
国へ帰りたい…
入国審査
アメリカの入国審査はあんなに厳しく審査されるのか?
スペイン人やベネズエラ人には厳しいのか?
移民には厳しいのか?
テロ対策なのか?
難民対策なのか?
安易な国際結婚への警鐘なのか?
アメリカのお節介な入国審査政策だよね。
まあ、渡航経験者には、あの緊張感を思い出す。
ミュンヘンでは怖かった。
テロ警備で兵隊が自動小銃抱えて警備していたからね、
アメリカ本国は知らない…
調べてみると、
アメリカの入国審査は、テロ対策、不法移民防止、ビザ詐欺対策、難民管理を目的に厳格化されている。
スペイン人(ビザ免除対象)には比較的緩やかですが、ベネズエラ人のようにビザが必要な国籍や移民の可能性がある場合は、厳しい審査が現実的です。
『Upon Entry』は、こうした政策の複雑さや、個人に対する心理的・社会的影響を浮き彫りにしており、国際結婚や移民の「簡単ではない現実」や警鐘と考えたい。
それにしても、プライバシーにドンドン土足で入ってくる。まあ、それが越境審査警備というものだと理解したい。
半世紀前の入国審査にはビビったものだ。まあ、若かったしね。
ところで、
あの後は?
故郷に帰っただろうなぁ👋
( ^ω^ )
入国審査
移住のためアメリカへやって来たカップルを待ち受ける入国審査での尋問の行方を緊迫感たっぷりに描いた、
スペイン発の心理サスペンス。
本作が監督デビューとなるアレハンドロ・ロハス&フアン・セバスティアン・バスケスが監督・脚本を手がけ、故郷ベネズエラからスペインに移住した際の実体験に着想を得て制作。
わずか17日間で撮影した低予算の作品ながら、サウス・バイ・サウスウエスト映画祭2023に正式出品されるなど、世界各地の映画祭で注目を集めた。
スペインのバルセロナからニューヨークに降り立ったディエゴとエレナ。
エレナがグリーンカードの抽選で移民ビザに当選し、事実婚のパートナーであるディエゴとともに、新天地での幸せな生活を夢見てやって来た。
しかし入国審査でパスポートを確認した職員は2人を別室へ連れて行き、密室で拒否権なしの尋問が始まる。
予想外の質問を次々と浴びせられて戸惑う彼らだったが、エレナはある質問をきっかけにディエゴに疑念を抱きはじめる。
「記憶探偵と鍵のかかった少女」のアルベルト・アンマンがディエゴ、「悲しみに、こんにちは」のブルーナ・クッシがエレナを演じた。
入国審査
Upon Entry
2023/スペイン
(^_^)
### 1. アメリカの入国審査はあんなに厳しく審査されるのか?
アメリカの入国審査(特に空港での一次審査や二次審査)は、ケースによって非常に厳格です。
映画のように、詳細な質問や長時間の尋問が行われる場合もありますが、これは全ての入国者に一律に適用されるわけではありません。以下のような要因で厳しさが増すことがあります:
- **不一致や疑わしい情報**:ビザの種類、渡航目的、滞在期間、資金証明、過去の渡航歴などに矛盾がある場合。
- **ランダムチェック**:テロ対策や不法入国防止のため、特定の国籍やプロファイルに基づくランダムな二次審査。
- **ビザ免除プログラム(ESTA)以外の入国**:映画のベネズエラ人のように、ビザが必要な国籍の場合、審査はより詳細になる傾向。
一般の観光客(特に日本やEU諸国のビザ免除対象者)は、通常、簡単な質問(「目的は?」「滞在期間は?」)で済むことが多いですが、
映画のようなケースは特に移民やビザに関連する複雑な状況で発生します。
### 2. スペイン人やベネズエラ人には厳しいのか?
- **スペイン人**:スペインはビザ免除プログラム(VWP)に参加しており、ESTA(電子渡航認証)で90日以内の観光・ビジネス目的の入国が可能です。
映画ではスペイン人キャラクター(おそらくビザ申請者)が厳しく審査されますが、これはビザの種類(例:移住目的のビザ)やカップルとしての状況が影響している可能性があります。単純な観光であれば、スペイン人への審査は比較的緩やかです。
- **ベネズエラ人**:ベネズエラはビザ免除対象外で、かつ政治・経済的不安定さから難民や不法滞在のリスクが高いと見なされるため、入国審査は厳格です。ベネズエラ人の場合、B1/B2(観光・ビジネスビザ)や他のビザでも、資金証明、帰国意思の証明、犯罪歴の確認などが細かくチェックされます。
映画のベネズエラ人キャラクターが厳しい尋問を受けるのは、この背景が反映されていると考えられます。
以下、省略…
絶妙にリアルで重苦しい
尋問室に響く工事の音や事務的かつ高圧的な尋問官、待合室の雰囲気など、入国者の不安を掻き立てる描写が上手く、上映時間が実際よりも長く感じた。
散々尋問を受け、米国に入国するよりもスペインに帰りたいように気持ちが傾いたところで唐突に結末を迎えてエンドロールとなるが、エンドロール中の選曲も優れていると思う。
その後、主人公たちは作中序盤で借りたペンを無事に持ち主に返すことはできたのだろうか。
いまどき、なんのひねりもない話 ⁉
似たような経験(NY出張で、別室ご案内!結局何かの誤解だったが)があって、今夏一番の期待作だったのに……
追い詰められる描写は、テンポよし、音響効果よしで、なかなかのものでしたが、ただ、純朴な女性が男の詐欺にあっただけのお話は、いただけないよね。
結婚式のスピーチで新郎新婦の過去を暴露する無粋な輩を、たまに見るけど、あんな感じで終わられてもねぇ。
実は彼女、ヤクの運び屋で糖尿病薬に仕込んだブツを米国内で、売り渡し………とか
検査官が途中で”ニセモノ”にすり替わって、”助かる方法”を持ちかけられ、パスポートと金を騙し取られるとか………
なんかないんでしょうか〜
移民政策、社会背景を深読みするムキもあるだろうが、ラストの“アイデア”だけでこれをエンタメと認めるのは是か?
予告編、詐欺!
追記
入国OKの後、マイアミで爆弾テロ事件発生!防犯カメラに実行犯らしきあの二人の後ろ姿が………
もう一つ! ペンを貸した男は手配中の国際スパイだったので、接点を追求する尋問が延々と続き、3日も解放されず………
ふたりの愛と打算が問われるだけのサスペンスなのだろうか
NYの空港で入国審査を待つ幸せなカップル。移住のビザも取得し、新天地で暮らす準備は万全だったはずが、説明もなく別室に連行され、密室での不可解な尋問が始まる。なぜ二人は止められたのか?審査官は何かを知っているのか?予想外の質問が次々と浴びせられる中、やがてある疑念が二人の間に沸き起こり──(公式サイトより)。
総製作費65万ドル(ブラッド・ピッドの「F1」は3億ドル)、上映時間77分、ほとんどのシーンが尋問室での場面と、それだけ聞けば自主製作映画のようだが、内容は多義的な世界の位相を観客に提供してくれる秀作である。
個人が持つ愛と打算の峻別を他人が行い、しかもその基準に「出生国」が持ち出されたら?フラメンコに代表される情熱的なスペインの女性の愛は真実で、政情が不安定で一刻でも早く逃げ出したいベネズエラの男性の愛は打算という安直な仮説が、男性の過去の遍歴から、少なくとも外形的に立証されていく。女は、徐々に明らかになる、男の外形的な立証要素を信じるか、それでも3年間連れ添ってきた事実婚の男を信じるか。
現実世界において、トランプ政権は、これまでの決定を突如撤回し、ベネズエラをはじめとする政情不安の国民のアメリカ入国を厳しく制限し、現時点ですでにアメリカに居住しているベネズエラ人の在留資格延長も認めない決定を下した。こうした巨大な決定が、本作に登場するような小さな男女に及ぼしている影響について顧慮されることはない。
本作は、単にふたりの愛と打算が問われるサスペンスなのか、あるいは、世界に蔓延しつつある右傾化、排斥主義化、衆愚政治化という巨大な流れの煽りを喰らい、性交渉の頻度を答えさせられたり,職業であるコンテンポラリーダンスをここで踊れと愚弄されたり、都市計画のどこがプロフェッショナルスキルだと暗に馬鹿にされたりといったような、無数に起きているであろう市井の犠牲の物語なのか。「疑わしきは罰せず」に則った自由の国アメリカの導いた結末に、喉元から酸っぱいなにかが込み上げる。
全54件中、41~54件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。