「試される2人の関係」入国審査 furuさんの映画レビュー(感想・評価)
試される2人の関係
主人公は2人のカップル。スペイン(カタルーニャ)のバルセロナから米国に移住を希望しています。普通に入国審査を通るかと思いきや別室に連れて行かれ、極めて個人的なことまでも尋問される羽目に・・・
一見、不条理劇風にも思えますが・・
カップルの女性は永住権を懸賞に当たったかのように獲得したダンサー。男性は元々ベネズエラ国籍であり、都市計画について学ぶも就職活動が上手く行かず、その女性と正規に婚約していない「事実婚」状態にあります。更には両人とも住居や職業は定まらず、資産も豊富ではない。
こういったことで入国管理から疑念がかけられてしまったようです。
特に、正規に結婚しておらず、男性の過去に婚約歴があって破綻していていたことが新たに判明したことで、永住を目的とした偽装カップルであるとも疑われることに。
観光旅行、一時的な商用、駐在、とは異なり、移住となればその審査は厳しくなり、社会的信用も深く問われることは当然でしょう。にも関わらず、主人公であるカップルは移住の目的や計画や展望があやふやであり、行き当たりばったり的な感じを受けました。特に男性が過去に婚約して移住を試みるも直前に破棄したり、現在敢えて結婚を選ばなかったりしたことが不利に働いたとも言えます。
特に大きな疑いは無いも、彼らの関係や繋がりは本当に確かなのか?ということで、プライベートに踏み込んでまで双方の真意を探るも、最終的に双方の真意に相違や偽りが無いと判断された、と信じたいものです。
ちなみに鑑賞中、SNS配信を積極的に行っている若い女性が一人で観光でハワイに行ったら服の多さや滞在先の曖昧さで娼婦を疑われて入国拒否されたり、ネット配信で利益を得ている(ビジネス)なのに目的を観光と申告したことで虚偽申告を疑われてしまった、というニュースをひたすら思い出させられました。
米国のように移民問題に苛まれている国にしてみれば、外国人、特に永住を望む者は必ずしも歓迎されるわけではないのも事実です。
それでも世界的に信用度は高いために、観光目的の入国審査の際、自動化されるなど手続きがスムーズであることを経験すると、日本人としてのありがたみや誇りをつくづく痛感するものです。
共感ありがとうございます。
グリーンカード制の矛盾という現実問題よりも映画としてどうなの?と思ってしまいます。あのラストをやりたい監督の気持ちはわかりますが……
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