「亡霊を完全な悪とする表現」あのコはだぁれ? 由良さんの映画レビュー(感想・評価)
亡霊を完全な悪とする表現
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元来、日本のホラーでは、「恨めしや~」というセリフに代表されるように、亡霊のバックグラウンドを描き、その恨みが晴れるような描写を描くものが多かった。
しかし、『呪怨』でもそうだったが、清水監督作品は、そういった亡霊の悲しい性は描かず、徹底的に利己的な感覚から人を陥れていく亡霊を描いていく。
ある意味、この描き方はキリスト教的な亡霊は悪という認識と近いような気がした。
また、亡霊の少女の父親と母親が生きているのにもかかわらず、亡霊のように出てきたり、最後に恋人が生徒にいつもすまないと言ったりする描写は、始め辻褄が合わないような気がしたが、母親に関しては生霊だったり、父親に関しては少女が生み出した幻想(亡霊の少女は何でも生み出すと言う原則があってもおかしくない)というものだとも思わされたり、最後の恋人のセリフに至っては、主人公が死んでいたという展開があったために、生徒と恋人との関係性が変わったことで納得できた。
一つだけ、突っ込むとするなら、前半で主人公は補習授業の名簿を渡されたいたのに、亡霊の少女をメンバーだと認識する過程がどういったものだったのかが描かれていなかったので、その辺の説得力を持たせてほしかった。
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