「誰」あのコはだぁれ? ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
誰
去年の「ミンナのウタ」に引き続いての録音ホラーシリーズ(勝手に位置付け)ですが、「ミンナのウタ」の違う世界線を辿っている作品で、わりかし被っている場面が多く、前作ではゾクゾクっとさせられたところも既視感満載なのでお笑いに繋がっていて、純粋なホラーとしてはちと弱くなってしまっていたかなと思いました。
前作では被害がGENERATIONSメンバーに分担されていたのですが、今作ではヒロイン1人に集中的に、先生や生徒に分担されているので、1人分の恐怖がしっかりと伝わってきました。
今作のヒロイン・ほのかが彼氏と会える〜ってなったら車にバチコーン轢かれて、そこから色々な流れもあって臨時教諭として雇われた学校には色んな不思議があって…みたいな感じで全く同じ学校じゃないですかやだ〜ってマダムみたいな感想がぱっと出てきました。
謎の少女・さなと一緒に補修を受けて、ちょっと煽ったら天井から突き落とされるし、一緒に歌を歌っていたら洗脳の如く脳内再生されまくるし、とにかくさなが今作でも無敵でやりたい放題でした。
さなが相変わらずど畜生でどえらい性癖持ちで理不尽なのは相変わらずで、今作ではジェネの面々を残虐に襲わなくていいという制限解除によりしっかりとキル数&ホラー描写マシマシで良かったです。
騒がしいであろうゲームセンターを舞台にしたホラー演出は最高に不気味でしたし、UFOキャッチャー内でのドールのようなさながガクガクしながら最後の音を聞こうとする様子は若干やりすぎで怖いを通り越して面白いですし、プリクラへと一家が全員集合していく流れなんかコントみたいでもうしっかりお笑いしていました。
お母さんが続投していた時点で、この人絶対また走ってくるなと思っていたら、案の定声をノイズかけて走ってきましたし、旦那との会話のループももちろんありありで、気が狂う様子もふんだんに盛り込まれていて、本当になぜか分からないんですが今作ではワープもできるようになっていて、これまた強烈なホラーアイコンだわだってなりました。
旦那さんはそう考えるとそこまでインパクトが強くないなと今作でも感じましたが、お母さんの引き立て役としてはバッチリなのでバランスは取れていました。
お婆ちゃんのホラー描写がなぜか村シリーズの頃の奇想天外なものになっていて、おっと悪ふざけ心が戻ってきちゃったかな?とマズいようななぜか嬉しいような…。
終わり方もやっぱその方向に行っちゃうよねと納得できる終わり方でしたし、1本の作品として綺麗にまとまっているホラーは珍しいのでそこは評価したいなと思いました。
序盤のなんて事ないセリフがそのまま伏線となって繋がってゾワっとさせるオチ、こういうのを待っていたよーってなりました。
どうしても同じことの繰り返しが今作では多く新鮮味も薄れてしまったので、退屈な場面が結構あったのは残念でしたが、村と島シリーズから解放されて清水監督も伸び伸びとやれているので、この調子で新たなJホラーを開拓して行ってほしいです。
ただ続編は絶対にダレるんで新作でお願いしたいです。
あとがきですが、夏休みシーズン×ホラーという時期なのである程度覚悟はして観に行きましたがやっぱり劇場内がうるさい…。
入場する時にガキンチョが走って入って行ったのを見てうわぁってなりましたし、もう本編始まるぞっていうのに全然大声で会話していてスタッフさんに注意喚起されても辞めないし、いちいち反応を声に出さんでもいいのに声に出したがるしで、今年映画館で観た作品の中で鑑賞環境は一番最悪でした。
あのガキどもの最後の音も録音してやろうかオォン?
鑑賞日 7/22
鑑賞時間 11:40〜13:40
座席 C-16