「アニメの出来が良いという事実自体に号泣」アイドルマスター シャイニーカラーズ 2nd Season 第1章 Shikiさんの映画レビュー(感想・評価)
アニメの出来が良いという事実自体に号泣
冒頭十数分でまず思ったのは、
「BGMでかっ! ピアノでかっ!! セリフが聞こえねえよ!!」
だった。
1期のときもBGMのセンスが無いと言わざるを得ないような有様で、これは2期も終わったか……と落胆しかけていたところに、満を持してStraylightが登場。
Wandering Dream Chaserをフルサイズで披露し、お通夜ムード(主観)を見事にかき消してくれた。
映画館ならではの音響に加え、疾走感たっぷりの演出、迫力満点のPVを見せつけられ、この時点で観客は大満足である。
EDなどコマ送り感を拭えないシーンもありCGにした意味……と思いはしたが、それを補って余りあるほどに出来が良く、1期を経た懸念を見事に振り払ってくれた。
だが、本作の本領はここからである。
時間軸が巻き戻り、ストレイのメンバーである冬優子、あさひ、愛依の顔合わせから結成、オーディション、初ライブまでの流れが丁寧に描かれる。
ここの人間関係の描写が喜怒哀楽に富んでおり、正直見ていられないほどに胸が締め付けられる場面もあって、1期のしょーもない無意味な義務台詞など見る影も(ry
原作を尊重しつつ、アニメーションという媒体に合わせた描き方がなされているだけでなく、近年の傾向に合わせてか(あるいは尺の都合か)テンポ良くストーリーが進んでいく。
1期で見たかったのはこれなんだ!! と言わざるを得ない大満足のストレイ回だったといえる。
さらにハロウィンライブに向けてキャラクター全員で準備が進められる。
まさかのシャッフルユニット結成で、シャニPならば大興奮必死である。
越境コミュさながらの新鮮な絡みを拝めたのは言わずもがな、特に目を見張ったのはメンバー同士の思いやりである。
アイドルとしてどうあるべきかという問いを投げかけられ、思い悩む真乃に対し、シャッフルユニットで仲間となったメンバーが、自分なりに真乃を気にかけ、気遣っている。
あまりにも尊い……尊すぎる……!!
これがシャニマスというコンテンツの武器といっても過言ではない。
キャラクター同士が互いを気遣い、思いやっている様子を描くのが美味すぎるもとい上手すぎるのだ。
そしてラストのハロウィンライブ。
実際のライブ会場の雰囲気を見事に再現しており、自分自身がまるでライブに参加しているかのような感覚を味わえる(これは1期にもあったね)。
ライブも終盤となり、最後のシャッフルユニットが曲を披露し始めた頃、堪らず嗚咽を漏らしながら号泣してしまった自分がいた。
あの悲惨な出来となった1期を経て、よくここまで素晴らしいものを作ってくれた……と。
アニメの出来が良いがために涙を流したのは生まれて初めての体験である。
なぜ1期があんな出来になってしまったのか……これほど素晴らしいアニメーションを作る技術がありながら、なぜ……?