ハロルド・フライのまさかの旅立ちのレビュー・感想・評価
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中盤はジーンと来るが、最初と最後が…。奥さんが見どころでした。
人生後半戦では積み残しや残された時間が気になるもの。心に蓋をしていた想いを遂げるための行動力は羨ましい。ただ入りだけは共感出来ない、クイニーとのエピソードに歩く、聖地巡礼絡みが無いのになぜ歩く、ホスピス患者は3ヶ月も経ったら亡くなっている可能性高い、歩いてる間に死んでたら激しく後悔する!すぐ会いに行ってクイニーの希望の何かのために歩くならと感じた。
後は途中のエピソードが人種、階層等に配慮し過ぎでやや鬱陶しい。
なのでハロルドとクイニーにはあまり共感出来なかったが、奥さんの描写は素晴らしかったので星3つです。
小説の邦題のままかも。
ハロルドの贖罪の旅がいろいろな人に幸福を与える、と。細かい出会いのエピソードが張り巡らされているのは良いけれどちょっと細切れ感が…。夫婦と隣人とガソリンスタンドの女性にまとを絞って展開させたほうが良かったのでは…。
必要な施しと過剰な応援との間にある温度差とは何だろうか
2024.6.10 字幕 MOVIX京都
2022年のイギリス映画(108分、G)
原作はレイチェル・ジョイスの小説『ハロルド・フライのまさかの旅立ち(The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry)』
旧友に言葉を伝えるためにイギリスを縦断する老人を描いたロードムービー
監督はヘティ・マクドナルド
脚本はレイチェル・ジョイス
原題の『The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry』は、「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」という意味
物語の舞台は、イギリス南部のキングスブリッジ
そこに妻モーリーン(ペネロープ・ウィルソン)と住む高齢のハロルド・フライ(ジム・ブロードベンド)は、数十年前に交流のあったクイーニー(リンダ・バセット)から手紙をもらった
差出元はイギリス北部にあるホスピスからで、彼女はそこで予後を過ごしているという
ハロルドは何を書いてよいのかわからず、妻は「思いついたことを書けばよい」と素っ気ない
とりあえず手紙の体裁だけを整えたハロルドは、その手紙をポストに入れようと思っては辞めるという行動を繰り返して、とうとう町の郵便局まで来てしまった
一息つこうと、向かいの雑貨店に入ったハロルドは、そこにいた青い髪の店員(ニーナ・シン)から「祖母の話」を聞かされる
ハロルドは何かを思い立ち、ホスピスに電話をかけて、「ハロルド・フライが今からそこに行くと伝えてくれ」と言って、何の用意もせずに歩き始めた
妻に連絡をいれるものの、「800キロを歩く」という意味のわからない申し出にあきれ返られてしまう
だが、妻とクイーニーにはある過去があり、夫に捨てられるのではないかと畏れてしまうのである
映画は、ハロルドの無謀な挑戦を描き、その道中でたくさんの人に助けられて「歩いていく」様子が描かれる
カフェで身の上話を聞かされたり、牧場で亡き夫の話を聞かされたりする中で、ある男が写真を撮ったことで、SNS上でバズってしまう
ヤク中の若者ウィルフ(ダニエル・フロッグソン)が「一緒に歩く」と言い出したり、ヒッピーの集団に囲まれたり、挙句の果てには「巡礼Tシャツ」を作って一大ツアー状態になってしまう
そして、旅の速度は落ち、当初の予定が大幅にズレてしまうのである
物語は、闊歩するハロルドと対象的に、気が気でないモーリーンの様子が描かれていく
かつて、クイーニーは町を出るときにハロルドに会いに来ていたが、モーリーンが会わせなかった
さらに彼女から預かった伝言を今もなお伝えていなかった
モーリーンはハロルドとクイーニーが不倫関係にあると思い込んでいたのだが、実際には「息子デヴィッド(10代:ブラッグストン・コロディー、成人期:アール・ケイプ)の死の際に荒れたハロルドの失態を被った」ことで、彼女は会社を辞めるハメになっていた
クイーニーはハロルドを失職から救った恩人であり、そして彼女の伝言は「あの時のことは後悔していない」というものだったのである
映画は、イギリスの色んな景色が堪能できるロードームービーだが、ハロルドたちが抱える問題はかなり重い
ドラッグの後に自殺したはずの息子を街角で見たりと、ハロルドの疲労が蓄積するたびに過去の怨念に囚われていく
そして、ようやくクイーニーに会えたというのに、彼女の認知症は進んでいて、ハロルドのことを思い出せなくなっていたのである
過去を振り返る旅の中で、心残りがハロルドを抉っていくのだが、これらのミステリー要素が結構ハードなので、意外なほどに疲れる映画になっている
過去を抱えていない老人などいないのだが、仕事に没頭して向き合わなかったことで刻まれたものは、自分を正当化してきた分だけ深くなってしまう
それゆえに、同じ境遇に思えるウィルフに肩入れしてしまうのだが、彼すらも救うことができなかったのは現実的だなあと思った
いずれにせよ、サラっと観られるコミカルな映画だと思ってみると心にズシンと来てしまう内容なので、心して鑑賞した方が良い作品であると思う
親切にしてくれる人はすべて、ハロルドと同じくらいの過去を背負っていて、それゆえに同調し手を差し伸べていくのだと思う
ハロルドの行動は過去を清算したりはしないのだが、必要な施しをして見守ることの意味は大きい
ヒッピー集団や、ハロルドとの旅に意味を求めようとする若者とは対象的になっているので、その温度差を体感するには良い内容ではないかと思った
実話っぽいフィクション
『君を想い、バスに乗る』では、バスを乗り継いでの旅だったけれど、今度は徒歩。
イギリスの爺さん元気で無謀。
『あんのこと』を観た直後だったけど、こちらもなにやら大変。ホスピスにいるクイーニーを応援したいだけではなく、ハロルド自身のケジメの旅でもあった。
ロードムービーにはつきものの出会いも、わりと現代的。
スロバキアのお医者さん、ぶっきらぼうな出会いだったけど、すごく魅力的なキャラクター。
ガソリンスタンドの子や、スニーカーおじさんも、ハロルドに会って変わっていく。なんかみんな幸せになってほしい人たち。
水晶をはじめ、それぞれのキラキラがとっても印象的。
大部分はとっても好きなのだけど、『君を想い、バスに乗る』でも同様、SNSを使ったエピソードは、現代の象徴的なものではあるけど、お祭り的に便乗してきた人たちのプラカードとか、変なシュプレヒコール的なものは要らないので減点。
いつも思うけど、イギリスの田舎町の景色はホント美しい。
おしまいに出てきた窓辺のクリスタルは「最後の一葉」を思わせた!
最初は、何という荒唐無稽な話かと思った。ホスピスにいる昔の恩人から連絡があったとは言え、イングランド南端の海辺の街から、波の荒いスコットランド東岸まで、500マイル(800km)も歩いて英国を縦断し、彼女に会いに行くなんて。500マイルと言えば、PPMやブラザース・フォアによって歌われて日本のフォーク・ブームを決定づけた「500マイルもはなれて」が思い出される。しかし少し我慢して観ていたら、主人公のハロルド・フライは、歩くことによって、うまく行かなかった息子とのことや、不仲であった奥さんのことを含め、初めて自分の人生と本当に向かい合っているのだと思ったら、納得できた。黒沢明の「生きる」の英国版が、また一つできたということか。
最後の方で、旅に出て歩き続けることを支援してくれた、食堂で同席した紳士、スロヴァキア出身のドクターで、イングランドでは掃除婦しか仕事のない女性、病と闘うことを教えてくれた青い髪の若くて美しい女性、が光を見上げるところがとても良かった。
不安が強く、自信が持てないでいる日本人に、一人でも多く、この映画を観て欲しい。やはり、体を動かすことが大事なのだろう。それにしても、強い身体をもっている(スコティッシュのショーン・コネリーのような)アングロ・サクソンにしか、あんな無茶なことはできないが。
Keep On Marching
とりあえず、タイトルの雰囲気とポスターの色彩は詐欺だろ、コレ。笑
もっと明るくコミカルなものを想像してました。
導入から旅立ちまでは、驚くほどスムーズ。
そこからは様々な人と出会いながら、断片的に過去を振り返っていくロードムービー定番の流れ。
道中で受ける親切が大袈裟でないのは美点。
ハロルドの年齢や見た目、立ち振る舞いからも、説得力を感じる。
安宿を選んでも相当かかりそうだな、と思ったら後半は財布含めた諸々を家に送ってて驚いた。
いや、でもサスガに無謀ではないかな…
1枚の写真からニュースになり、支援を受けるようになるものの、同行者が増えキャラバンの様相に。
あの軽薄なパリピ感は嫌いだったので、ちゃんと違和感を感じて離れてくれたのは良かった。
しかし、全体としてまとまりに欠けた印象もある。
旅の目的であるクイーニーより、彼女に助けられる元となった息子の件が大き過ぎたことがひとつ。
更に最終的な着地点が夫婦愛の再確認だったことで、どうにもクイーニーにピントが当たらない。
ウィルフも行動の変化が唐突過ぎて、結果的にトラウマ誘発装置の役割に思えてしまう。
キャラバンで当然のように隣にいるおばちゃんも謎だし、お隣さんはいい人なのに便利屋扱い。
ラストのプリズム(まさかウマ娘と被るとは…)が当たるキャラも少なすぎないですかね。
90分くらいで短くまとめるか、120分超えてでも何人かは奥行きのあるキャラが欲しかった。
人生でやり残した事、それはやり切る事。 そしてその後悔。 駆り出し...
人生でやり残した事、それはやり切る事。
そしてその後悔。
駆り出した気持ちはお遍路さんとか御百度参りに近い感覚
そしてとにかく歩く、ひたすら歩く
その道中にこれまでの人生の回想と不思議な人々との出会いと別れ。
決めたことをやるという単純なことに年齢としての限界はないんだと感じ
ハロルドフライの人柄も感じさせる良い映画でした
Keep walking, keep living
泣けました。
邦題が、ちょっとコメディみたいな印象を受けたんですが、シリアスなお話でした。
自分を救ってくれた元同僚クイーニーを救うためなのはもちろん、ハロルド本人の後悔を乗り越える旅でもあり、家族と向き合う話でした。
自分は妻側なので、妻モーリーンの気持ちもよくわかります。
計画性なく突発的に旅立つ。
思い立ったが吉日ではないけど、今だと思った時がその時。
家族は心配でたまらないけどね。
車で移動できる中、歩くということは、自分に試練を課すだけでなく、地に足をつけしっかりと問題に向き合うということなのでしょう。息子が生きている時に、もっと対話してぶつかっていたらと。
Let's go home.
ハロルドの旅の最後は自分の家でした。
しっかりと握った手を放さないでねと思います。
*****
おじいさんのロードムービーというと、「ストレイト・ストーリー」を思い出します。ロードムービーは、自分を見つめる時間が描かれ心に残りますね。
意外に暗い
ポスターやチラシを観ると、おじいちゃんのほんわかハートウォーミングな旅みたいな印象でしたが、確かにそんな場面も無かった訳では無いですが、地味な暗い映画でした。
ハロルドが贖罪の旅を決意するにいたった理由がなかなか明らかにならない、という趣向は良かったですね。じいさんの退屈な一人旅の様子を見続ける大きな動機付けになりました。
安直なハッピーエンドで片付けなかったのも好印象。
カタルシス効果は得られませんが、落ち着いた大人の映画という感じです。
それに気づかせてくれた
嘗ての同僚が癌で余命僅かという手紙が届き、悩んだ末に800キロ離れた彼女の元に歩いていく決心をした男の物語。
コンビニの青髪姉さんから信じる心の大切さを伝えられ、希望の眼差しで無謀にも思える旅に出るハロルドだったが…
差し込まれる過去の後悔や行く先々で出会う人々の死生観も良きアクセントに、人の親切さややり遂げることの難しさも伝えてくれる内容。
歩き続けるハロルドもそうだが、待ち続ける奥さんの姿も…。長く仮面夫婦状態だったとはいえ、他人に会うために急に置き去りにされちゃあ面白くないですよね。
明かされていく過去に加え、厳しくなる旅路…この緩急も良い感じ。挫けそうなハロルドに、漸く告げられた真実にはウルウル。そして…お前は急に白状だなw
そんなこんなありながら、着地点はシンプルと言えばそうだが、最高でしたね。光の演出もグッド。ワン公はまぁ良いとして、ケイトやウィルフ、お隣さん、最初の牧場のおっかさんとかにも届いて欲しかったな〜。
この旅で得たものは…
800キロ歩いて埋めたのは遠い距離ではなく、25年の時間だったのかな。
中々にキツい状況ではありますが、ワタクシも何かを信じて歩いてみよう、そんなことを思わせてくれた作品だった。
足は前に向かって進んでいくが、心は過去を遡っていく
予告編を見て、ホスピスにいるのは、てっきり男の親友だと思っていた。ところが、ビール工場で一緒に働いていた女性とわかり、何やら事情がありそうで先が気になる。
足を痛めて立ち往生したハロルドに手当をしてくれる女性。彼女はスロバキアから移民らしく、本国では医者なのにイギリスでは清掃婦として働かなくてはいけない。そんな、移民事情にも触れながら、ハロルドの旅は続いていく。
ハロルドの心の澱となっている息子との確執。回想シーンで徐々に明かされていくが、誰もが想像してしまう最悪の結末。
ハロルドが本当の旅の目的に気がついたあたりから、涙をこらえることができない。
神仏に感謝をしながら信仰を深めるのが巡礼の目的と思っていたが、長い距離を自分の足で歩くことよって、自分と向き合う時間ができてしまうのであろう。
足は前に向かって進んでいるが、心は過去を遡っていく。そんな物語でございます。
【"贖罪と心の再生の旅"初老の男が昔の同僚のホスピスに入居する女性に会う為に英国縦断の800キロを徒歩で旅する中で様々な人と出会い、過去の悔いある人生と向き合い心を再生する様を描いたロードムービー。】
◼️定年退職したハロルド・フライ(ジム・ブロードべンド)の元に、昔、ビール工場で働いていた時の同僚クイーニーが入院している英国北部のホスピスから"彼女が死の床にある。"と言う手紙が届く。ハロルドは返事を書くが、逡巡した後にホスピスに向かって歩き始める。
◆感想
・ハロルドは携帯電話も持たず、手ぶらで歩き始める。彼が最初にミルクを買った店の青い髪で、タトゥーを両腕に入れた若き女性に励ましの言葉を受けながら。
・彼は道中、様々な人と出会う。喫茶店で同席したパンを分けてくれたサラリーマン、確執があった息子デヴィッドに似たウィルフと言う酒とクスリをやっていた青年。そしてハロルドは青年と共に歩き始めるが、SNSでその様が拡散され、徐々にデモ行進の様になって行く。そして、ウィルフも再び酒とクスリをやり始め、ハロルドは再び一人で歩き始めるのである。
◼️旅の途中でハロルドが、歩きながら過去の悲しき出来事を思い出すシーン。
そこでは、息子のデヴィッドがケンブリッジ大学に入りながら、酒とクスリに溺れ、ハロルドに悪態を付き最後は縊死する姿や、その悲しみに依りハロルドを叱責する妻、モーリーンの姿である。ハロルドは息子に何も出来なかった自分を恥じ、妻との関係もギクシャクしていく。そんな彼は自棄になり、ビール工場のビール樽を次々に転がして行くのである。だが、彼の行為の罪を被り、馘首されたのはクイーニーだったのである。このシーンを観ると、何故ハロルドが、800キロの道を歩き彼女に会う決心をしたかが良く分かるのである。
・一人歩くハロルドに対し、出会う人達は優しい。水を所望する彼に快く、水を差し出す女性、道端に"ご自由に"と書いて野菜や果物を無料で籠に置く名もなき人達。異国の女医だった女性は倒れていたハロルドを自宅で介護し、ボロボロの足を治療し、彼女の元を去ったパートナーの事を話しながら彼にナップザックに必要な物を入れて、ボロボロの靴を渡すのである。
-異国の女医がハロルドを優しく治療する姿は、人は自分が悲しき境遇にあっても、他人に優しく出来るのであるなあ、とかなり心に沁みたシーンである。-
・妻のモーリーンも、ハロルドに隠していた事。それは、クイーニーが彼が留守の時に来て"気にしないで"と言う伝言を残していた事である。だが、モーリーンは"自分だけ、救われるなんて。"と言う思いで伝言を伝えなかったのである。
- 前半では、彼女はTVから流れるハロルドのニュースを直ぐに切るが、後半は彼の事を心配し、心優しき隣人レックスの車で彼に会いに来るのである。彼女がハロルドを赦したと言う事であろう。-
◼️ハロルドは漸く、クイーニーが居るホスピスに到着し、彼女に話し掛けるが、病状が悪化している彼女は反応しない。だが、ハロルドは彼女の為に持って来た水晶のネックレスを窓に下げ、帰るのである。
そして、ハロルドは妻モーリーンとベンチに座る。モーリーンは満足げなハロルドに対し、優しくキスをするのである。
ハロルドがクイーニーの病室に吊るした水晶を通した丸い反射光は、優しく彼女を照らしている。それに気付いた彼女は微かに微笑みを浮かべるのである。更には、ハロルドの旅する気持ちを後押しした青い髪の若き女性店員やサラリーマンにも、その反射光は届くのである。
<今作品は自らの過去の人生に悔いを持ちながら生きていた初老の男ハロルドが、元同僚のホスピスに居るクイーニーを励まそうと旅する中で様々な人達と出会い、自らの人生をしみじみと省みながら、徐々に心を再生して行く様を描いた、滋味深く心に染み入るロードムービーなのである。>
軽い乗りに見せかけた罠です。贖罪の旅です。
こころ温まるロードムービーかと思ったら結構シリアスで重く、ズシンときた。「コット、始まりの夏」の撮影監督なのね、英国らしいしっとりとした絵とキリッとした構図がカッコいい。フォーカスの薄っぺらいロングや顔のクローズアップも老人のモヤっとした孤立感を凄く良い感じに切り取っていた。
癌でホスピスに入ってる昔の仕事仲間に会うために歩いてイングランドを南北に縦断する話ですが、その間に奥さんと息子の話、同僚の話、そして旅の仲間達の人生に触れて行きます。どれ一つ軽い話はなく、えっ!?ちょっと待って的なのが次々と噴出。
甘さ控えめ大人のロードムービー、、、いや無糖。
なかなか見応えアリです。
歩くことは生きること
とても素敵な映画でした。
希望と言う言葉が人に与える力の強さを改めて感じました。
ホスピスにいるクイーニーの手紙から、その場所まで歩くことを決意するハロルドさんですが、ハロルドさんがそこへ歩いて行ったからと言ってクイーニーの病が良くなる訳でもない。でも会いに行こうとする力と会いに来てくれる人を待つ力は紛れもなく希望と言う名の力になりますね。
ずっとハロルドさんの行動に反対していた妻のモーリーンさんが、くじけそうになったハロルドさんの最後の力になりました。
モーリーンさんもまたハロルドさんを待つ希望の力が最後に背中を押させたのではないのでしょうか
クイーニーの事、息子の事、最後に明かされますが、人生いろいろ、希望を持って生きて行きたいものです
信じる心…?
500マイル離れた町のホスピスからお別れの手紙を送ってきた友人のもとへ歩いて旅をする男の話。
手紙を返しに携帯も持たず家を出て、近くのポストへ、そして町のポストへ、郵便局へと出し倦ね、ミルクを買いに立ち寄ったガソリンスタンドで青髪ねーちゃんの言葉に動かされ、サウス・デボンからベリックまでイングランドを縦断し会いに行くことになるロードムービー。
出会った人との交流に、嫁との関係、息子とのこと、そして友人クイーンとの過去や想いをみせていくけど…息子の行差し込み過ぎ。
そしてTVとか赤T軍団とかの絡ませ方が中途半端。
62日目のTELからの急な泣き言ラッシュもなんだかね…。
基本的にこう言う話しは好みだし、期待値が高かった分気になるところは多々あったけれど、25年の時を経て、過去を振り返り乗り越える物語でもあって、なかなか面白かった。
歩いていくことの大切さや、親が子にできること
今年207本目(合計1,299本目/今月(2024年6月度)7本目)。
(前の作品 「チャレンジャーズ」→この作品「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」→次の作品「罪深き少年たち」)
さて、こちらの作品。
趣旨としては理解できるし、「小説の範囲では」理解ができるのですが、どうしてもこの手の映画では実話化のほうが何かとお客さんがおおかったようで(この映画は実話ものではない)、そこがちょっと残念でしたが、それは「実話もの以外は全部だめ」ということを意味しません。
誰もが何らか間違えることもあるし、もう最後の力を振り絞って出した手紙に反応して「その(郵便で返すのではなく)直接人に会いに行こう」という考え方は理解できるし、それが実際に届けていくか、あるは郵便物でとするのかは、法律に触れない限り自由だろうと思います。
映画が進んでいくと、もとの家族に子供がいたこと、その子がよくない亡くなり方をしたことも示されますが、そうですね…。国も違う日本の行政書士の資格持ちの立場では、こうした類型の自死をとげる類型は一定数いるので、異変に気が付いた時点でダルクなり当事者の会につなぐなりの対応をしてほしかった点です(特に何もしてない模様?)。
ただそれらも含めての小説でしょうし、そのような自死をとげた子であってもその子が親であること自体は(戸籍などは別としても)残り続けます。その「自死をとげてでも伝えたかった」その子が親である主人公に何を残し、また、どのようにストーリーにからんでいくのか…といったところです。
なお、若干ながらイギリス英語を聞き取ると有利な点があることを確認していますが、大きな面ではないので、フルスコアにしています。
歩くとは走馬灯のように
ある事件から、愛と祈りを忘却した老人ハロルド・フライであった。
そんな彼に、その事件で一助の手助けをしてくれた旧友からのホスピスにいると言う通知が届いた。
返事を書き、その時のお礼と感謝の手紙を手にして外出したものの、
ポストに手紙を投函するつもりでいたのだが、沸々とあの大恩人に最大の恩義を返しに、
面会による延命と安らかなる終末を願う巡礼に旅立たないと居た堪れなくなる。
その理由は何であるのか?
どんな事があったのか?
妻と何があった?
子供がいたのか?
リタイヤ前は何をしていた?
恩人との関係は?
恩人のために800キロを徒歩で見舞いすることは慈悲であり、自己探求であり、
自分と関係者への贖罪でもある。
旅は次第に巡礼と変わり、懺悔懺悔、六根清浄へと変わる。
その道程は、走馬灯のように過去を回想され、歩行による気づきと浄化によるトラウマとの昇華を繰り返し、今の感じ方が考え方が変わる。
それは自身の視点が変幻して愛慕の感覚が蘇生して行く…
ああ、ラストの余韻に不足感が否めなく、
ハロルド・フライやドライブではなく、
どうぞ、復路は妻の伴歩をして帰宅してあげて下さい。
と願わずにいられなくなり僕は夜道を徒歩で帰宅した。
(^_^)
ハロルド・フライのまさかの旅立ち
劇場公開日:2024年6月7日 108分
イギリスの作家レイチェル・ジョイスによる
小説「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」を、「アイリス」のオスカー俳優ジム・ブロードベント主演で映画化。
定年退職し妻モーリーンと平穏な日々を過ごしていたハロルド・フライのもとに、
北の果てから思いがけない手紙が届く。
差出人はかつてビール工場で一緒に働いていた同僚クイーニーで、ホスピスに入院中の彼女の命はもうすぐ尽きるという。
近所のポストから返事を出そうと家を出るハロルドだったが、
途中で考えを変え、800キロ離れた場所にいるクイーニーのもとを目指してそのまま手ぶらで歩き始める。
ハロルドには、クイーニーにどうしても会って伝えたい、ある思いがあった。
ハロルドの思わぬ行動によって自身も変化していく妻モーリーンを、「ダウントン・アビー」シリーズのペネロープ・ウィルトンが演じた。
原作者ジョイスが自ら脚本を担当。
ハロルド・フライのまさかの旅立ち
劇場公開日:2024年6月7日 108分
全86件中、61~80件目を表示