「新ジャンル誕生…? 青春学園ストーリー×ボディガード・アクション!」赤羽骨子のボディガード 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
新ジャンル誕生…? 青春学園ストーリー×ボディガード・アクション!
設定やあらすじだけを見るとおバカ映画の類い。
錚々児高校に通う赤羽骨子。(←何か凄い名前…)
彼女には100億円の懸賞金が掛けられている。
彼女の実の父親は“日本のCIA”=国家安全保障庁の長官。それ故殺し屋たちのターゲットに。
娘の身を案じた長官はボディガードを付ける事に。
選ばれたのは、骨子の幼馴染みのヤンキー、威吹荒邦。
父親の事、命を狙われている事、ボディガードである事は秘密にして、骨子を守れ!
知らぬは骨子のみ…。
バリバリヤンキーの荒邦にクラスメイトはドン引き。
が、正義感はあり、いじめられっこの染島を助けたり。
喧嘩は強くても、ボディガードとしてのスキルはナシ。襲撃者にピンチに。
そこへ助けに現れたのは、染島。クラスメイトたち。
実はクラスメイトは全員、荒邦と同じく長官の命を受けた骨子のボディガード。
荒邦一人がボディガードではなく、クラス皆が“ボディガード軍団”だった…!
要人の娘とは言え、100億円の懸賞金…!?
クラス全員がボディガード…? どんだけのVIP待遇…?
何で幼馴染みヤンキーがボディガードに…?
ツッコミ所は…まあまあまあ!
青春学園ドラマとボディガード・アクションがなかなかミックス。新ジャンル誕生…?
骨子に密かに片想いしている荒邦。
バリバリヤンキーだけど、恋愛には奥手。
クールなイケメンってだけじゃなく、結構おバカ。おバカだけど、バカ熱い。
ラウールの演技は拙い所多々だが、役柄同様バカ熱く真っ直ぐさに好感。
出口夏希の可愛さは言うまでもなく。天真爛漫でありつつ、荒邦にピシャッと物言い。ダンス部所属で、スマイルやパフォーマンスには堪らずKO!
クラスメイトの面々にも注目。
倉悠貴、山本千尋、戸塚純貴、長井短、木村昴、かなで、あの…。
若手注目株に声優にお笑い芸人にマルチタレントとバラエティー豊か。
いじめられっこと思いきや、実はクラスの司令塔。『MOTHER/マザー』で注目された奥平大兼が巧演。
骨子と同じダンス部所属で、親友ポジションの寧。高橋ひかるが任務と友情の狭間で揺れ動き、ダンスやカッコいいアクションも魅せてくれる。
荒邦と骨子の淡い幼馴染みラブストーリー。
骨子と寧、荒邦と染島、荒邦とクラスメイトたち…。この王道の友情と青春のストーリーが意外と良かった。
青春と言えば、部活で全国大会。ダンスパフォーマンスもなかなか本格的。
キラキラ学園生活の一方…
殺し屋の襲撃。
クラスに裏切り者。すぐ分かる。何か捻り無いなぁ…と思ったら、一捻り。さすが頼れる司令塔!
クライマックス。ダンスと各々のスキルを活かしたチームプレーと友情と若手らが身体を張ったボディガード・アクションが迸る!
何で幼馴染みってだけでヤンキーがボディガードに…?
実は、荒邦の亡き父親。父親は伝説のボディガードであり、染島らを育てた厳しい教官。
今の染島があるのも威吹父のお陰。実の父親のように尊敬している。
在りし日の父を思い出す荒邦。
家族ドラマも加味。
ラスト、顔を合わせる骨子と実父。
名乗りはしなかったが、エンケンさんにちょいとホロリとさせられた。まあ確かにこの顔(エンケン)からあの顔(出口夏希)は生まれないけど。
長官には子供がもう一人。正親。
骨子にとっては存在すら知らなかった兄。…いや、姉。
父や妹に憎しみメラメラ。“俺”や“~じゃねぇ!”の男口調だが、男気ある荒邦にフォーリン・ラブ。実はピュア乙女…? それとも肉食女子…?
土屋太鳳がハッスル演技で場をさらう。
数年前だったら彼女が骨子役でぶりっ子ヒロインだったかもしれないが、笑わせ(“遺言”と“伝言”を間違えるほどおバカ)、個性抜群で、カッコよくもあり、美味しい見せ場もある。こちらの方がハマった。個人的に本作のMVPを!
コミック原作故、非現実的な設定、話。
ヘアやメイクもちょい過剰。
アクションにベタな友情やラブ、キャスティングなど若者に受けそうなもの詰め合わせ。
映画と言うより、学芸会かもしれない。
でも学芸会であっても、福◯学芸会なんかよりずっとマシ。
割り切って、頭空っぽにして見たら、案外楽しめた。