劇場公開日 2024年8月2日

「法律系資格持ちが見ると違和感マシマシ」赤羽骨子のボディガード yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5法律系資格持ちが見ると違和感マシマシ

2024年8月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年279本目(合計1,371本目/今月(2024年8月度)4本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。

(前の作品 「俺のヒーローアカデミア」→この作品「赤羽骨子のボディガード」→次の作品「ツイスターズ」)

 いや、そりゃこの手のいわゆるギャグ映画というか、ちぎら君みたいなタイプ「でもある」この手の映画でそんなこと言ってどうするんですかっていう話なのですが、主人公(女の子、骨子ちゃん)が「弁護士を目指している」といいながら「一部は正しいが他が適当すぎて???な展開になる」というのがまぁどうかなといったところです(高校生であっても試験勉強をすること自体は可能ですが、予備試験を経る必要があります(この映画の場合、法科大学院を出ていないことは明確なので))。

 ストーリーとしては、その骨子ちゃんのボディガードの「偽物」を多数撃破しながら彼女を救えるか?という、多少ロマンスものもないわけではないですがアクションものと解してよいのでは…と思います。私が入ったときはツイスターズのほうに人気があったのかガラガラだったのが印象的でした。

 展開としては非常にわかりやすいので、何も考えないなら(逆にツイスターズは化学の知識を要求したりと何かとマニアック)おすすめですが、この映画は事実上、女子中学生・高校生の方の枠なのかもしれませんね。

 採点に関しては以下まで考慮しています。

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 (減点0.6/「弁護士を目指している」という割に発言が偏りすぎる)

 脅迫罪が2年以下の懲役か30万円以下の罰金であることは事実で(刑法222)、その話は何度もする一方で(狙われているとはいえ)敵が出てきてもう一人の主人公の子(ラウールさんが中の人)がバトルするシーンで「殺人罪に問われる」という話をしないのは謎です。

 また、「何とか諜報機関」に関しては行政法の観点からおかしいので(憲法や統治条文から派生する法律にない機関を勝手に設置できない)、行政法の観点から「そんな機関はない」というのかというといわないし(まぁそれを突っ込むと映画が成り立たないので言わないというしかない)、民法上の事務管理(697)の話もしないし、何がどうなってるんだかといったところです(弁護士の試験科目は刑法だけではありません)。

 まぁそんなの突っ込んでもしょうがないですが、行政書士の資格持ちのほうがまともな発言をするんじゃないかなぁ…と思います。

 (※) かつ「脅迫罪が成立する」も実は判例で「畏怖する目的で発言すれば、たとえ畏怖心が発生しなかったとしても脅迫罪が成立する」という判例知識が必要ですが(大6.11.12)、判例学習までしないとここまでは言うことはできないので結構発言の偏りが変です。

 (※) 民法では「強迫」(96条)、刑法では「脅迫」(222)と漢字が違いますので注意です。
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yukispica