「戦争は本当に嫌だ」フィリップ ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争は本当に嫌だ
ナチスドイツ絡みの作品は色々あって、それぞれ攻める側、防衛する側、反攻する側、逃げる側などなどですが、これは出自を偽ってドイツに暮らすポーランド出身のユダヤ人の物語、大戦の状況がどの時点化はよくわかりませんが、連合軍の空襲はありながらも、まだドイツ軍がブイブイ言ってる頃のようですね。
人々の行動にはまだ敗戦の影は迫っていないようで、だからこそドイツ民族以外への迫害は酷いもの、そんな中、ポーランドで恋人を殺されたフィリップはフランス人としてしたたかに暮らしていて、心の中に不安を抱えながらも強さを感じさせてくれました。
彼の本当の目的はよく伺え知れなかったし、ラストへ向けての展開も真意は何処にあったのかは明らかにならないので、これは観る人の感性に委ねるということなのかな。
戦争の作品を観れば観るほど、人の想いなんか全く無視して狂信的(妄信的?)に一つ方向に向かってしまう、恐ろしくて嫌悪する世の中になってしまう。
部隊の一部であるポーランドは今も難しい立ち位置にいて、過去からずーっとそんな嫌な遺産を抱えている国なのですね、そんな歴史を感じさせてくれる作品でした。
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かばこさんのコメント
2024年7月1日
共感とコメントありがとうございます。
チャラいオトコだけどフィリップには、したたかで柔軟で一本筋がとおった堅い芯があったように見えました。
フィリップは国として危ういところでバランスを取りながらしたたかに生き延びる祖国ポーランドの、その魂を共有しているのかもしれませんよね