「どう観たらいいのか・・・」大きな家 周回遅れさんの映画レビュー(感想・評価)
どう観たらいいのか・・・
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冒頭の施設スタッフさんのインタビューで、施設を出たあとしっかり貯金をして自立している子もいれば、生活が破綻してしまったり犯罪を犯してしまったりみたいな子もいて、きちんと自立できている子は半数くらいかな?みたいな語りがあったので、ずっとそれに引っ張られすぎてしまったかもしれない。
実際に登場した子どもたちは皆、それぞれ心に闇の部分を抱えつつも、施設に適応した生活を送っているように見えたが、これらの子どもたちも施設を出たあとの自立は容易ではないのか、半分は破綻してしまうのか・・・といえば、決してそういうことではないように思える。とはいえ、ではこの施設にはここに登場した以外にもっと破綻しそうな危なっかしい子どもたちもいるのか、といえば、それもちょっと違う気がする。
実際に登場した子どもたちがどのような境遇でこの施設にたどり着いたのか、詳細は語られず(それは当然仕方のないことではあるが)、施設のスタッフや園長先生の気持ちも語られないなかで、淡々と子どもたちの生活場面が流されていく。もちろん、こういう子たちが居るんだなと感じることは大事だと思うが、それをどういうふうに受け止めたらよいのか、結局最後までもやもやしたままだった。
ただ少なくとも、ここの施設の子どもたちは、施設スタッフのあふれる愛情の下で暮すことができ、経済的不自由も少なそうで、かなり恵まれているんだろうなと。こういった施設の多くでは、もっとギスギスした、過酷な環境に置かれているのではないかと、そこは容易に想像できるところであり、そこに思いを馳せるとどうにも暗い気持ちになる。
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