「ユリはいい子だった」毒親 ドクチン りかさんの映画レビュー(感想・評価)
ユリはいい子だった
学校に行った筈の高校生の娘ユリが所在不明。
警察からの連絡で、
湖のほとりに止めた一台の車の中で男女二人と
亡くなって見つかりました。
解剖され、一酸化中毒が死因だと?
車内には炭が焼かれていて直接の原因らしく。
自殺か他殺か、わかりません。
残された携帯の履歴などに
同級生の言葉が見つかります。
それを持って警察にこの子が犯人だと言いはる母親。
最近に担任とも話し込んでいたこともあり、
母親は担任とその同級生を告訴してしまいました。
同級生からのイジメによるのか、
母親には言えない担任と相談していた
何かが原因なのか
母親は悩み苦しんだ上でのことでしょう。
時間が経たないうちにこの二人を告訴したことに
疑問が生じました。
警察の調べもまだ始まったばかり。
短絡的な行動だと感じました。
この母親、娘たちの父親である夫とは
別居状態であること。
たまに帰って来た夫に浴びせる言葉にも、
子供の手前ながら敬うかけらもありません。
息子は幼いながら聞いています。
また夫と娘がレストランで二人きりで会う場にも
行っています。
不安なのでしょうか。
警察は、その場にもう一人いたことを突き止め、
加害者なのか、自殺志願者の一人なのか探る為
探し、見つけました。
男は殺しはきっぱりと否定して、
メンバーを引き合わせたことは認めました。
その男と母親が対面し男が言うには。
ことを起こす直前、
コーヒーを飲みながらケーキを頬張るユリ。
一番嫌いな人物の名前を言います。
毒親という言葉も言います。
またその男は、ユリの嫌いな食べ物も
知っていました。
牛乳とサンマ。
そして、なぜ母親が知らなかったのか疑問ですが、
青魚アレルギーで身体中が痒くなることも
知っていました。
ユリがあの場で話したのです。
聞いて愕然とする母親。
家で母親は幼稚園児の息子の横に座り、
息子の嫌いなものを食べろ食べろとやかましく言い、
息子はパニックを起こしてしまいました。
ユリは、母親の実家に行った時、母親がその母から
厳しくしかられていたことを知ります。
イエナに、
お母さんのお母さんになって
お母さんに子供の愛し方を教えてあげたい。
と言っていました。
担任教師は、
またレストランで両親と兄と兄の婚約者と
食事を共にします。
優秀な兄ばかり贔屓にする父親。
顔にお皿のものをかけました。
少しは気が済んだでしょうか。
真面目で母親の期待にそえるよう努力するユリ。
学習面、素行面、食べ物の嗜好、体調、‥‥。
成長と共に無理が来たのでしょうか。
でも、ユリちゃん、とってもいい子なんです。
母親を殺せないから自分を殺す、という説明。
自分を押し殺していただけともとれますし、
持って生まれたものもあるかと思いますが、
母親はある程度までよく育てたのだと思うのですが、
やり過ぎたのではないでしょうか?
自我が芽生えた一人の人間にしてはいけないことを
たくさん言い、してしまった、その結果でしょうか。
本作の警察関係者、刑事さんたち、
とても良い方たちでした。
何度も、子供にであってもしてはいけないことを
していますよ、と母親に言っていて、
下の息子の為にも変わるようにと
母親に言っていました。