劇場公開日 2025年3月7日

「気持ちよく泣けた。脚本も演技もすばらしい。」35年目のラブレター p.f.nagaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5気持ちよく泣けた。脚本も演技もすばらしい。

2025年7月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

「泣かせよう」という、わざとらしさあるかもと心配して観たけど、それを感じることなく、気持ちよく泣かせてもらった。「そろそろ、ここが泣かせどころか」と思う場面で、いったん”フェイント”が入り、皎子の病気などで動揺させられたあと、最後の方でドカンと来た。とてもうまい脚本だと思う。

鶴瓶と原田知世も良かったが、若い頃を演じた重岡大毅と上白石萌音が良かった。西畑保という人の誠実な人柄が伝わってきたし、読み書きができないことをなかなか言えないのもわかる気がした。皎子さんが「あなたの手になる」と言う気持ちになったというのも、同じ気持ちになれた。

実話だということが感動的。
西畑保さんのインタビュー記事を読むと「兄弟のために貯めていたお金をなくし、それが見つかったのに、自分のお金だということを信じてもらえなかった」とあった。このエピソードは映画にも出てきたけど、これが原因で学校に行かなくなるのは「そりゃ、そうだろう」と思う。映画で「ひどい話だ」と思ったが、実際に起こったことだとは・・  そんなひどい体験をしているのに、誠実で実直な人柄に育って、立派な人だと思う。

最初「わざとらしさがあるかも」などと疑って、ごめんなさい。
とても良い映画でした。

p.f.naga