「質高い作品と感じ、大変面白く観ました。」35年目のラブレター komagire23さんの映画レビュー(感想・評価)
質高い作品と感じ、大変面白く観ました。
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
(レビューが溜まっていたので数行で短く)
結論から言うと、今作の映画『35年目のラブレター』を面白く観ました。
予告の印象から言うと、感動の押し付けがあるのかな?と思われたのですが、意外にも描き方は抑制が効いていて、感動ありながらも質高く描かれていると思われました。
その理由は、主人公・西畑保さん(笑福亭鶴瓶さん、重岡大毅さん)、妻・西畑皎子さん(原田知世さん、上白石萌音)を演じた4人の演技の素晴らしさがまずあったと思われます。
また、主人公・西畑保さん、妻・西畑皎子さんだけでなく、登場人物それぞれの人物造形も確かで、例えば、夜間学校の谷山恵 先生(安田顕さん)も、自身も夜間学校で再スタートするという、生徒と同じ目線の人物造形も、上から目線でない、それぞれの人物背景を疎かにしない作り手の志の高さがあったと思われました。
妻・西畑皎子さんの描写も、現代から考えればやや主人公・西畑保さんにとって都合の良い妻を強いられていたと見れなくもないですが、戦時中にやけどを負った姉・佐和子さん(江口のりこさん)との関係性など、時代を生き抜いて来た時代背景により、西畑保さんと西畑皎子さんとの2人の関係性にも必然の説得力があったと思われます。
西畑皎子さんの内職のタイプ仕事が、時代の流れの中で必要とされなくなる描写も、時代の流れで変化して行く私達の仕事に関する普遍性を表現していて、深く心に刺さる場面だったと思われます。
今作は実話を基にした作品であるので、やや淡々とした展開ではありましたが、逆にその劇的にしない誠実な構成表現により、各登場人物の深みある人物造形と合わさって、質高く優れた作品にしていると、僭越ながら思われました。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。