蛇の道のレビュー・感想・評価
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哀川翔も「コメットさん」も出て来ない錯綜した復讐劇リメイク
黒沢作品は国際的な映画賞を獲ったり、評論家から褒められまくったりしてるが、如何せん小生はどうも感じるものがない。
普通の映画とは違う印象を与える部分とか、現実への視点の独自性とか、肯定的な言葉も無理すれば出て来ない訳ではないが、それより「現実感が希薄」とか「書割の世界で展開される下手くそな学芸会」とかのコトバの方がしっくりする。別に監督個人に恨みがあるわけではないのだが、単につまらないのだからしょうがないw
『地獄の警備員』しかり、『CURE』しかり、『蛇の道』(98)しかり、『蜘蛛の瞳』しかり、『ニンゲン合格』しかり、『カリスマ』しかり、『リアル~完全なる首長竜の日』しかり…である。しっかし、つまらないとケチをつけながら、何故、こんなにたくさん見てるのか、我ながら不思議に思わないでもないww
で、今回のリメイク版『蛇の道』である。
ストーリーはまあ、紹介するほどのこともない。単に「復讐する人間」の話というだけのことである。その復讐の仕方が怖いとか、惹きつけられるとか、鬱になる…というコメントもあったが、小生はまったくそんなことを感じなかった。
復讐するために誘拐するシーンはお笑い映画のようなドタバタだし、食事を汚れた床にぶちまけるのもウンザリだし、トイレさえ許さないのもバカげているし、弛緩した復讐劇だな~程度にしか感じない。
設定はオリジナル版が少女に対する性犯罪と拷問、そのビデオ販売が元凶だったが、リメイク版はそれが少女の臓器摘出とビデオ販売に変更されている。恐らくは政治的な配慮によるものだろうが、その犠牲となった少女の親たちの錯綜した復讐劇が絡み合うという点は同じ。
そして最後には、やたら拳銃でドンパチやりたがる日本映画にありがちなパターン。やれやれ、そんなにドンパチが面白いのか?
しかし、クサしてだけというのも何だから、98年版の魅力を上げておこう。
一つは哀川翔のパワフルなのに何故か透明感のある表情、いま一つは仕込み杖で容赦なく人をぶった切っていく「コメットさん」なるビッ〇のオバちゃんの奇怪な存在感。
ところが本作からは、その要素が二つとも消えてしまったのだった。
かわいそうな子供たち
8歳の可愛く美人な少女がピアノの前に座り、
その父親がナレーションする。
頭が損傷酷く歯型で身元判明、
内蔵の80%が‥‥、と
聞いてられない内容。
父親である男は🇫🇷人のジャーナリスト、アルベール。
女は🇯🇵人小夜子、精神科医で🇫🇷に長期滞在。
場所は🇫🇷。
ある財団の会計係の男を拉致して
人気の無い廃屋に鎖で繋ぐ。
少女の映像を見せ知らないか?と聞く。
男は知らないと言うからそのまま。
トイレも行かせない、
食事も一旦床に落として食べさせる。
その男が口にした別の男を拉致して隣に繋ぐ。
次の男も口を割らないので、また次の男。
先の二人容易く捕まったと思っていたら、
三人目なかなか手強い、ジムで鍛えているだけある。
小夜子はアルベールの手助けしている行動だが、
時折拉致した男たちに、アルベールを無視したり騙したり
したような言葉をかける時があり、何を考えているのか。
女の名前が出た。
アルベールもその財団に属していた時があるらしく、
その女の名前を知っていたが、死んだと言う。
代わりに自分の妻が、とも言う。
三人目に案内させてアジトへ。
途中から小夜子の姿が消え、探していると、
あの少女の映像が流され、小夜子の声のナレーション。
TV画面がいくつもあり少女の映像、と思っていたら、
違う少女だった。
その少女は小夜子の娘だった。
手や内蔵などが瓶詰めにされ、数多く棚に並べてあった。
アルベールは元妻に会い、
親しく近寄る妻が刺そうとするのより先に
銃で撃った。
だが、アルベールを小夜子が襲うのだ。
小夜子は自宅で日本の元夫とビデオ通話して‥‥。
タイトルの意味は?
理解は上、怖さは…
哀川翔役が女性になり柴咲コウへ
え〜っ‼️と思ったが意外と良かった
哀川翔の方は意味不明の数式をもてあそぶ講師
映画に不気味さを醸し出していたので、より怖かった
柴咲コウの方は、タイトルの意味を外国人に浸透させるために選ばれたのかも
目力以上の価値&存在感を放ったのはさすが柴咲コウですね
ただ、ゲランのあのセリフは取ってつけたようでいただけないなぁ
しかもヤバいはずの彼が、無計画の弱者2人に、いとも簡単に拉致されるのは、膨大な数の監視カメラがあることも含めて考えれば、あり得ない
拉致自体は無計画で、雑すぎるのだけれど、振り返って考えると全て小夜子の思い通りに進めた、ある意味完全犯罪なんでしょうね
日本ではほとんど報道されないけれど、海外では、恐ろしいほど当たり前に行われているの児童の拉致・誘拐・臓器摘出・人身売買
現実の悲惨さは、きっとこんな生易しいものではないはず
結局アルベール自身もそれらに関わっていたのだから、自業自得な面もあるよね
日本版よりはそれぞれの登場人物の繋がりもあって理解しやすい分、不気味さ怖さは減ったかな
でもこれを見る外国人にとっては日本人が見るよりは
リアル度は高く受け入りやすいのでは?
西島秀俊の使い方が……
ちょい役で情けない役であっけなく自▲しちゃうなんて勿体ないよぉ
ラストの夫とのビデオ通話で小夜子の発したセリフは、日本人から見ると「あり得ない」けど、外国人から見ると「そうかもな」と思うんだろうね
仏俳優は柴咲コウへの依存性を上手く表現し、ルンバも十分に不気味。ただ柴咲の怖さが期待以下。
黒沢清 監督による2024年製作(113分/G)のフランス・日本・ベルギー・ルクセンブルグ合作映画。原題:Le chemin du serpent、配給:KADOKAWA、劇場公開日:2024年6月14日
「バトル・ロワイアル」 で殺戮しまくっていた柴咲コウの目力と恐怖与える笑みが忘れがたく、この映画を視聴した。ただ期待が大きすぎたせいもあってか、少々物足りない印象であった。
黒沢監督のセルフ・リメイク作品ということだが、前作は見ていない。
舞台はパリで、柴咲は在仏の精神科医師新島小夜子を演じ、現地の方々とは特訓したらしいフランス語で会話。小夜子の協力を得て、娘を殺した人間への復讐を果たそうとするのがダミアン・ボナール。いざとなったら怖気付く彼を、冷静に復讐実行に導いていく小夜子。そして、その中で、精神的に次第に彼女への依存性を強めていくボナール。それをさり気なく示していく演技は、実にしっかりとしている印象で流石。
彼らに捕まり、袋詰めにされて運ばれ、鎖に繋がれてままの酷い扱いを受けるマチュー・アマルリックも印象に残る演技であった。そして、糞尿垂れ流しをさせられた彼に、冷徹な表情で放水をかけまくる柴咲コウの姿は、かなり不気味であった。
彼女は、ボナールに内緒で、でっち上げ犯人の提示を鎖に繋げた囚人たちに持ちかけ、挙げ句の果てに彼らを裏切り、殺し合いに追い込む。なかなかに怖く、不気味なストーリー展開。ただ、無表情すぎる柴咲に、あまり魅力は感じなかった。監督の演出力が、深作欣二に及ばないということかもしれない。
ずっと彼女の意図するところば謎であったが、最後の方でそれは明らかにされる。彼女も娘を殺され、その復讐を果たそうとしていたと。ただ、彼女の娘への思いが、演出のせいか演技のいたらなさかは不明だが、あまり伝わってこなかった。娘を売ったのは実は、妻おもいに見える優しげの夫(青木崇高)という意外性も、ネット上でのやり取りのみであったせいか、取ってつけた様に感じてしまった。
他の出演者では、精神科医小夜子の患者として、西島秀俊が登場。精神を追い詰められた患者を上手く演じていた。ただ解決策としての自殺を教えた様にも見えた小代子だが、スートーリー展開との繋がりは、自分には良く理解出来なかった。彼女が復讐心の蓄積で、もはや正常ではないことを暗示?
与えられた使命(清掃)をたんたんと実施していくルンバ映像は、不気味で印象に残った。小夜子が、娘の敵たちを冷徹に一掃(殺害)していくアナロジーには思えた。
監督黒沢清、製作ダビド・ゴキエ 、ジュリアン・デリス 、小寺剛雄、原案高橋洋、脚本黒沢清、撮影アレクシ・カビルシーヌ、編集トマ・マルシャン、音楽ニコラ・エレラ。
出演
新島小夜子柴咲コウ、アルベール・バシュレダミアン・ボナール、ティボー・ラヴァルマチュー・アマルリック、ピエール・ゲラングレゴワール・コラン、吉村西島秀俊、ビマラ・ポンス、スリマヌ・ダジ、宗一郎青木崇高。
この映画の基盤の内容に乗れるか乗れないか?
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
この映画『蛇の道』は、娘を猟奇的に殺害されたアルベール・バシュレ(ダミアン・ボナールさん)と、精神科医・新島小夜子(柴咲コウさん)が、事件の真相のために関係者を拉致して拷問する場面から始まります。
結果的に、事件の真相は明らかになるのですが、個人的には、相手の組織に対するディテールを含めた説得力を映画から感じることが出来ず、アルベール・バシュレや精神科医・新島小夜子による拷問などに対する納得感も得られることは出来ませんでした。
この作品は1998年作品の黒沢清 監督によるセルフリメイクだそうですが、1998年では猟奇的殺人やそれに関わる組織の表層のイメージだけで乗り切れたのかもしれませんが、様々な事件やそれをモデルにした作品が数多く作られて来た現在では、事件を表層でなぞっただけでは説得力を持った作品にならないのは仕方のない話だと思われました。
精神科医・新島小夜子を演じた柴咲コウさんのその殺伐とした演技は特筆すべき点はあると思われながら、作品全体を支える事件の本質への踏み込みの無さが、表層をなぞっただけの食い足りない悪い意味でのジャンル映画になっていると、僭越ながら思われました。
結果オーライ?
フランスでスポンサーが見つかってセルフリメイクが出来るとは、黒沢清は監督冥利に尽きるのではないか?大昔、大学生の時に”ドレミファ娘の血は騒ぐ”を観た時には凄い監督が現れたと思った。その後幾つか素晴らしい作品もあった、が、最近は岸辺の旅とかクリーピーとか駄作も多い。平日ということもあるのだろうが、観客は10人もいない。主人公は寝袋を引きずることに異様に拘るように見えた。計画そのものが雑だし、実行する時はもっと雑。こんなに雑なのにいつもうまく行って主人公の計画通りのエンディングになる、というのは納得し難い。怖さは殆ど無い、寧ろコメディのような感じだが、怖くないので不満だった訳ではない。柴咲コウという女優はあまり好きではないが、フランス語の台詞をここまで頑張ったことには心底敬意を表したい。
娘を殺された男。復讐を手伝う心療内科医。男も中身を知らなかったとは...
娘を殺された男。復讐を手伝う心療内科医。男も中身を知らなかったとはいえ娘が殺される様子を収めたビデオを仲介していた。心療内科医は男にも制裁。心療内科医の娘もビデオで撮られ(?)殺されていた。心療内科医の娘を売ったのは心療内科医の夫。
娘を売ったのはあなたね‼️
対象者の誘拐の仕方とか、銃撃戦とかドン臭いんですけど、それを補って余りあるのが全編を包み込む柴咲コウの氷のようなクールな存在感‼️愛娘を誘拐された父親の復讐に協力する女医という役どころなんですが、味方なんだけど何考えてるか分からないというか、フランス語がペラペラなのもミステリアス感を高めていてイイですね‼️柴咲コウだけでなく、すべての登場人物が怪しい(特に西島秀俊)状況をうまくさばいた黒沢清監督‼️監禁場所の倉庫内のシーンなんか黒沢清監督らしさが良く出てると思うし、終盤の展開はかなりドキドキさせられました‼️そしてラストの柴咲コウのセリフ「娘を売ったのはあなたね」‼️鮮やかな幕切れですね‼️シビれました‼️柴崎コウvs青木崇高の続編も是非観たい‼️
ジャーナリストのバシュレ(ダミアン・ボナール)は、8歳の娘を何者か...
ジャーナリストのバシュレ(ダミアン・ボナール)は、8歳の娘を何者かによって殺されてしまう。
死体は損壊されており、森の中に遺棄されていた。
犯人を突き止め、自ら復讐しようとしていたバシュレ。
彼を手助けするのは日本人精神科医・新島小夜子(柴咲コウ)。
バシュレと小夜子は、バシュレの娘の死にある財団が関係していることを突き止め、その幹部(マチュー・アマルリック)を拉致・監禁し、真相を自白させることにする・・・
といったところからはじまる物語で、いわば終わりのない復讐を描いた物語。
拉致監禁した幹部は、自身は直接のところは知らない、真相は財団トップが知っていると告白し、バシュレと小夜子は財団トップも拉致・監禁し、自白させようとする・・・
なんだか恐ろしい、おぞましい話だが、おぞましいのはそこではなく、精神分析医としての小夜子のもとを訪れる日本人患者(西島秀俊)に対する助言がおぞましい。
彼はあまりに重なる心労がひどいのだが、「このまま日本に帰るのは嫌だ。そうすると何もかも終わってしまう」と告げる。
小夜子は「終わってしまうのなら、それはいいことです。このままの状態でいることのほうがよっぽど恐ろしい」といったようなことを助言する。
結果、患者は自殺してしまうのだ。
おぞましくも恐ろしい輪の中で、堂々巡りを続けるのが、もしかしたらよいのではないか・・・
それをあえて小夜子は選択している。
それはバシュレに対しても同じで、娘の復讐の妄念にとりつかれた彼を、そのおぞましさの中に留めておくことが、小夜子の治療(キュア)である・・・
と『CURE キュア』と同じようなテーマが浮かび上がって来る。
この中盤がものすごく恐ろしい。
が、映画後半、バシュレの娘の真実に辿り着いてしまう。
それはおぞましい現実であるが、現実的な虚構(映画的な事実)のような感じがする。
妄念から現実へとジャンプし、おぞましさが薄まってしまう。
また、小夜子がバシュレに同行していた理由も明らかになるが、それも「映画的な事実」の枠組みに収れんされてしまう。
ま、「衝撃的な結末」という手垢のついたものだ。
中盤のぞくぞくするようなおぞましさは影を潜めた後半。
ちょっと残念。
とはいえ、これはこれで面白いのですが。
別途、オリジナル作品も鑑賞してみたいと思います。
母は強くて怖い
リメイク元の作品は観ていません
娘を奪われた母の躊躇ない復讐劇
怖い話だと思っていたのですが寝袋を引きずるあたりからコメディ?という感じも
分かり難いストーリーではあったのですが途中からは娘の敵を全員殲滅するというワクワク感もあったり楽しんでしまいました
復讐完遂まであと1人(ラスボスがあの人とは)で映画は終わりましたがラストの🐍の👀は作品の中で一番怖かったけど
柴咲コウさんが母親役をやる年齢なんだと納得する一方で西島秀俊さんは何だったの?という疑問は残りました(笑)
(おまけ)
つい先日映画館で観た松たか子さん主演の「告白」(2010年公開)と母親の復讐劇という点では同じです
どちらも鑑賞後に不思議と爽快感がありました(作り手の意図とは違うかも知れませんが)
映画としては「告白」の方が面白いと思います
ただどちらが好みかというと本作です
どちらも人を操り復讐に利用するのですが「告白」は娘の死とは無関係な人まで利用しているところが引っかかるのです(ウェルテルは再起不能?美月さんは殺される😢)
本作は自業自得?なので
やはりベテラン俳優の真ん中で堂々たる演技の柴咲コウが凄い
Vシネマのセルフリメイク・フランス映画。
とにかく大量のフランス語のセリフ、無表情の恐怖、蛇のような目、柴咲コウの存在感が圧倒的に凄い。
さすが、大河ドラマ主演で1年間演じただけのことはある。
ベテランフランス人男優たちに囲まれても引けを取らないどころか、コントロールすらしているように見える。
特に、復讐する男がいない人質とだけいるときに、突然取引を提案してくるところが狡猾で面白い。
いい機会だから、またフランス映画に出てほしい。
また、アクション・シーンや寝袋を引きずるシーンでは、その長身の身のこなしが画面に映える。
フランス男優陣の中では、「007慰めの報酬」に出ていた、マチュー・アマルリックが面白い。
捕らわれの身で命すら危ないのに、どこかユーモラス。
三人しか出ていない日本人(しかも一人はリモートのみ)の一人で、このためだけにパリに渡り、1日だけ撮影したという西島秀俊の役も、診察室のシーンで、患者でありながらも柴咲コウとの距離を詰めようとするところは緊張感があってドキドキする。
夢の国の裏側
蛇と言うには少し優しい。
もう少しねちっこさがほしかった。
ジワジワ追い詰める怖さがほしかった。
主人公より西島秀俊が怖い。彼は果たして無関係だったのか?
きちんと治療を受けれてたのか?怖い。
パリ好きが期待したパリは全く出てこない。
廃墟や森ばかり。
復讐の果てにあるものは・・・
ファンの人には申し訳ありませんが、この作品、自分には合いませんでした。
柴咲さんの全編フランス語の演技とか、頑張っているのは素晴らしいと思いますが・・・
黒沢監督が自分の作品をセルフ・リメイクしたようです。
復讐劇の脚本が素晴らしく、限られた人しか見ないVシネマではもったいないと言うことで、世界に向けたフランス語のリメイクらしいですが・・・
そんなに面白いかな?
リベンジものは、大好きなジャンルなんで、期待してたんだけど・・・大きすぎたかな?
思った程じゃなくてガッカリでした。
【ネタバレ】
気になった所を幾つか・・・
ホラー大好き親父としては、拷問からドぎついスプラッターを期待してたんだけど、それは無かった。ただ、食事を目の前でバラけたり、そのままで排泄させたりと、尊厳をおとしめるえげつなさは、あった。見た目じゃ面白味が、よくわからないけど。
拉致の仕方が雑すぎる。ばれたらどうするの?
武装集団に素人が拳銃一丁で挑む?
あれだけ銃声が響いているのに、誰も気づかない?
子供たちの様子も気になる。なんか信頼しきってないかな。(「約束のネバーランド」みたいにまんまと騙してるってことか?)
柴咲さんが、復讐の手伝いをする振りをして、実は自分の復讐を実行していた真相には、満足でしたが・・・それまでがね~。
あまりにも淡々とし過ぎて、面白味がなかった。
柴咲さんの怖さは、十分に感じられた一本でした。
柴咲コウが、いいね。
セルフリメイクらしいが、オリジナルは知らない。フランシスが舞台だ。なぜ、こうなったのかは、わからない。SAWみたいな感じもする。残酷だね。西島秀俊や青木崇高らもちょい役でした。柴咲コウも、復讐にクールに挑む感じが良かった。
星はいつも三つです。
黒沢清監督『蛇の道』
娘を惨殺されて復讐に燃えるフランス人の男と彼を助ける日本人女医の柴咲コウ。
黒沢監督が以前に発表した映画のリメイク。
製作のいきさつは知らないが、監督はフランス語を操って活躍する柴咲コウを撮りたかったからリメイクしたのかと思えるほど、綺麗で格好いい。
復讐のためターゲットを次々に拉致する手口は笑ってしまうくらい乱暴。遺体搬送用の黒袋にターゲットを押し込め、男と柴咲コウがずるずると引きずっていく。運ばれる奴はコメディ映画みたいに頭をガンガンといろんなところに打ち付けられながら拉致されていく。残酷残虐を想起させる場面がずっと続くが、捉えられて屈辱的な排便を強いられた男がホースで水をかけられながら尻を洗って欲しいといわんばかりに四つ這いの
格好になるところや、だんだん増えていく死体の間抜けな顔とか、ところどころ笑ってしまう。このように笑っていいのかわからんが笑ってしまう瞬間が、ところどころに仕掛けられている。
また立ち回りで投げ飛ばされまくる柴咲コウ。細身の身体には傷もアザもできていないが、映画だからそれでいいのだ。
異郷のパリで心身を失調させてしまって診察を受ける西島秀俊が不気味。
異郷でのよるべなさ、というトーンも見え隠れする。
監督はパリでよほど心細く暮らした経験があるのだろうか。
柴咲コウは一貫してほとんど表情を変えない。監督も全編を通して広めのサイズで撮っているから、俳優も顔だけで演技をするような小手先芝居は許されない。だいたい顔だけの演技などだれでもできる。こうでなければ。
見終わったあとプロダクションノートなどがないかなあと思ってスマホで公式サイトを調べたところ、予告動画と上映劇場一覧しか見当たらない。動画はあるが、監督やスタッフ、俳優のプロフィールもない。公式サイトには基本のデータは文字でちゃんと記載してもらいたいです。
後味スッキリ~~~(※個人的な感想です)
たまに複数人でいじめとか犯罪した時に罪の大小を計って押し付け合うシーンとかありますが、「もういい、全員殺そ?」って毎回思うのをやってくれてアタシ嬉しい。
この人なら旦那さんも確実に始末してくれそうという安心感も良いですね。
主人公の女性像が「告白」と似ているのでつい比較しちゃいますが、松たか子さんの冒頭の独白や最後の泣きながらの笑顔に締めの一言といった演技はなく、終始怒りを秘めた無表情を貫いた感じでしたね。でも棒ではなくミステリアスで威圧的で…柴咲コウさんお上手でした。
サスペンスという点では…、秘められたサヨコの娘も同様に亡くなったのだろうというのは中盤で予想ついちゃうし、アルベールは多分クソっていうのも小出ししてくれるし、とんでもねえくそ悪魔女外科医には復讐できないというオチで…マイナスかしら。
懐かしい(?)黒沢清監督の嫌~な感じを目当てで来ましたし堪能できたので個人的にはヨシヨシ(*^-^)なんですが展開ゆっくりだしエグい話だが絵面もしてることもそこまで過激じゃないし……、万人受けゼロなのは勿論ですがそっちの方面お好きな人にも諸手を挙げてオススメ出来るわけでもないかな。
惜しい
どうも黒沢清作品は、予告で面白そうだと思って見るとちょっと思ってたのと違う…となる。
この男怪しいな…と思ってみていたんだけど、最後に敵のアジトでサヨコの子供の映像が流れて二重スパイで同士討ちを狙ったのか?と思ったけど、そうではなかった。
アルベールが本当に娘を愛していたのなら、ローラの言い分と違いがありすぎるし…。
最後の旦那が子供を売った?のも。
あと適当に出したはずの警備担当も、結構細かく知っていたということは財団自体が真っ黒なのか?
吉村さんが結局なんだったの?
なんか見終わってモヤっとする感じ。
蛇の目の幽閉人
わざわざ自らリメイクするからには面白いんだろう、と思いきや…
とりあえず、拉致の方法が雑過ぎる。
表から見えるエントランスやジムの中など、何故これで目撃されないのか。
鎖から離れた場所で拘束を解くのも謎。
一番屈強そうなクリスチャンに限って拘束しないまま袋にぶち込むし。
説明し過ぎないつくりも、謎を謎のまま引っ張るのも構わない。
ただ、確定した真実が与えられないまま何もかもあやふやで進むのはキツい。
真相に近づいてるか遠ざかってるか、確証どころか“アタリ”すら付けられず、常に迷路にいるようだった。
「終盤に怒涛の伏線回収から驚きの真実が!」なら甲斐もあるが、予測の範疇を超えないし。
クライマックスの舞台は敵のアジトのはずなのに、小夜子が用意した映像や音声が流れる。
敵の男どもは素人のアルベールにあっさりやられ過ぎ。
電話してる隙に後ろから撃たれた上に、マシンガン持っていながらハンドガンにやられたり。
このへん何かウラがあるのかと思いきや特にナシ。
意味深に出てきた西島秀俊はいつの間にか勝手に自殺するし、丸々いらなかっただろ。
雰囲気だけはあるし、柴咲コウのフランス語も凄かったけど…
登場人物ことごとく信用できないので、見せられた真相を信じていいのかも分からず、モヤモヤして終幕。
クリスチャンに組み敷かれた小夜子が、咄嗟に「離せ!」と日本語で叫ぶのは細かくて良かった。
水攻めがご褒美なっているのがツボだが、舞台が変わるとサラっとしたものになるのだなと思った
2024.6.20 一部字幕 MOVIX京都
2024年のフランス&ベルギー&ルクセンブルク&日本合作の映画(113分、G)
監督自身によるセルフリメイク作品
ある事件に関与することになった精神科医を描いたスリラー映画
監督&脚本は黒沢清
フランス語タイトルは「Le chemin du serpent」、英題は「Serpent‘s Path」で、ともに「蛇の道」という意味
物語はフランスのパリ
精神科医の小夜子(柴咲コウ)とその患者アルベール(ダミアン・ボナール)は、ある事件の犯人を追っていた
アルベールは娘のマリーを殺されていて、その遺体は凄惨な姿で帰ってきた
二人は、あるアパートメントにてラヴァル(マチュー・アルマリック)を待ち伏せし、スタンガンによって気絶させて、ある工場のようなところに監禁することになった
ラヴァルは財団の会計係をしていた男で、ふたりは事件に財団が絡んでいると考えていた
だが、彼はそれを否定する
その後、二人は食事も与えず、排泄すら行わせない徹底的な監禁によって、ラヴァルの疲弊を待つことになった
映画は、アルベールのいない間に小夜子が「ささやき」によって誘惑をする様子が描かれ、ラヴァルはゲラン(グレゴワール・コラン)を指名し、ゲランはクリスチャン・サミー(スリマヌ・ダジ)を指名するという流れになっている
そして、クリスチャンを騙してある場所につれていき、そこが犯行現場であることがわかるという流れになっていた
そこにはアルベールの妻ローラ(ヴィマラ・ボンス)がいて、ジェイク(タレク・ハダジ)とともに財団の裏の顔を維持していたことがわかるのである
物語は、小夜子の診察に吉村(西島秀俊)が登場し、彼はパリでなじめずに自殺をしたことが仄めかされる
また、スカイプ越しに夫の宗一郎(青木崇高)と話す小夜子が描かれるのだが、彼女もまた、一連の幼児誘拐殺人事件の被害者遺族だったことがわかる
小夜子はアルベールを利用して事件の真相を追い、アルベールもまた間接的に組織犯罪に関与していた、という流れになっていた
個人的には、パリが舞台のためか「湿度の籠った陰湿な感じ」というものが足りないように思えた
監禁される場所も日が入るような場所で、見せられる映像もそこまで狂気性を感じない
舞台設定がパリでも良いが、もっとジメジメした感じの不穏さと、光が当たらないことによる絶望感というものをもっと濃くした方が良いように思う
小夜子による水攻めもご褒美になっている感じになっているのだが、それが意図的だとしたら、結構マニアックな性癖が露呈しているなあと感じた
いずれにせよ、リメイク元とは別物なので、重ねる意味はほとんどないと思う
柴咲コウが蛇に見えたらOKという映画なので、それに関してはOKだと思う
彼女の心理学を利用した服従や支配というものがメインになっているのだが、外国なのであっさり銃殺というところも味気ないなあと感じた
全33件中、1~20件目を表示