劇場公開日 2024年6月14日

「オリジナル版とはまったく違う映画」蛇の道 あげ玉さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0オリジナル版とはまったく違う映画

2024年6月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

フランスで撮ったリメイク版は、Vシネのオリジナル版とほぼ同じショットを多数使いながらも、まったく違う映画に仕上がった。

オリジナル版は、娘を暴行され惨殺された香川照之の激情を軸に、謎の男(哀川翔)が絡む構成だが、今作は終始柴咲コウの復讐の「蛇のまなざし」がムードを支配する構成。柴咲コウの男たちに対する恨みは、中盤から直接的に説明されている。

オリジナル版にあった黒沢清特有の訳の分からない怖さや、Vシネ的な即物的バイオレンス、キッチュさなどはあらかた消え去ってしまったが、万人受けする明快さを得て良質のサスペンスドラマになっている。

日本人キャストは素晴らしかったが、フランス人キャストは黒沢監督の演出が行き届いてなかったように思う。西島秀俊の知り合いの女性、ゲランと猟銃を持った男性などは、TVの再現ドラマに出てくる外国人なみの安っぽい演技で映画のムードをぶち壊していた。

柴咲コウは素晴らしかったが、あらためて哀川翔の凄さも感じた。ママチャリにまたがる姿、溶接をする姿(プロにしか見えない)、ゴルフ場の芝の緑の上死体袋を滑るように軽々と引いていく姿は網膜に焼きついて離れない。柴咲コウの溶接はかなりのへっぴり腰で、ちょっと笑ってしまった。

どっちが好きかというと、圧倒的にオリジナル版。

あげ玉
琥珀糖さんのコメント
2024年6月15日

共感そしてフォローバックありがとうございます。

よろしくお願いします。

琥珀糖
琥珀糖さんのコメント
2024年6月15日

こんにちは

前日にオリジナルを観ました。
哀川翔はなんかユーモアあって良かったです。
セルフリメイクは、エンタメに振り切っていて
面白く感じました。
フランスとフランス語に化かされてる感じは
ありますね。

琥珀糖