「大空に憧れる少年のような男の半生」アビエイター Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
大空に憧れる少年のような男の半生
総合:80点
ストーリー: 80
キャスト: 80
演出: 75
ビジュアル: 80
音楽: 70
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夢見がちな少年のような航空業界の異端児だが、それでもビジネスの世界に存在感を示したハワード・ヒューズの挑戦を描く。
派手な生活や潔癖症や奇行で知られる彼だが、飛行機にかける情熱は大きかった。利益度外視でやりたいことをやった彼は、必ずしもビジネスセンスがあった良い経営者とは言い難い。現在の基準からすればひどい経営者かもしれない。しかし損得抜きに飛行機にのめり込む彼が少年のようで見ていて飽きない。ディカプリオがその幼さと情熱をうまく表現した。また巨大な飛行機が登場したり女性関係が次々に出てきたり業界の競合が仕掛けてきたりと見所は多い。
もっとわかりやすくしてほしかったのは、いろいろなビジネスの結末。彼の波乱に満ちた人生を一人の人として描いているが、それだけに必ずしもいいことばかりではない。ビジネスにおける失敗も彼の人生の一部である。それがさらにはっきりと描かれていればもっと彼の実像に迫れただろう。
例えば最初の映画が当たったのか評価はどうだったのかというのが映画の中で暗示されたりするが、実際はどのような評価を得て収益はいくらだったということがはっきりと示されない。ヒューズエアクラフト社やTWA社の業績も同様。それらがはっきりすれば人としてだけでなく、経営者としてのヒューズの側面や彼の残した業績や社会に与えた影響もよりわかりやすくなったと思った。
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