雪の花 ともに在りてのレビュー・感想・評価
全32件中、21~32件目を表示
内容が優等生過ぎて極度に詰まらない、映画としての面白みは及第点。
最近注目している木下Gさん+松竹さんですね。
早くからトレ-ラ見てましたのでかなりこの作品は期待はしておりました。
----------
江戸時代末期、全国各地で大流行した疱瘡(天然痘)に対して正面から挑んだ福井の町医者・笠原良策の信念を描いた実話。
京都⇒福井への猛吹雪の中 峠越え強行を図り、海外から輸入した 疱瘡に二度とかからなくする種痘(ワクチン)を運び人々の命を救う死闘展開なのだが。
--------
お涙頂戴の超感動作になると思っていましたが、
フタを開けたら 場内はガラガラ。宣伝が伝わってない?
若い人は興味無しなのか、老人ばかりなのか。
どうも感触悪し・・・。
映画見終えて 確かにこれでは人は来なさそうですな。
そう感じましたよ。
話展開、脚本が 功績流れそのまんまの描写で。
もっと 脚色入れて変化をですね。直球過ぎる展開ですな。
どこかに伏線を、そして感動域を作らなきゃ。
なんと言うか例えると、旬の脂のったサンマを両側しちりんで焼いたのに
焼き跡も焦げ目も脂も取って皿にのせて殿様に出したような、
そんな感触になってますね。しかも醤油なしで。
つまりはネタは良いのに不味いって事ですよ。そう素直に感じます。
出だしの村人の疱瘡発症症状、隔離、そして死別。
ココだけでも時間を割いて見せるべきで さらりと流してしまってるのが
惜しい点。掴みが弱く感じました。
あと、引き画が多いです。全体的な自然調和は上手く映ってるんですが
寄りが少な目で誰が何を、この点が見えづらく感じました。
この作品の撮影を担当された方が最近お亡くなりになられたそうで、
そう言う話を聞くと 撮った当時何か感じることが有ったのかなとは思います。
兎に角流れが全体的に速くって
感動が追いつかない作りに感じましたね。
アクが感じられ無くて、そこなんですよ。
都合良く話が進んでしまっていて、本人は長崎には行かないわ、望みの種痘はかさぶただけど既に手配されて手に入るわ、必死に書いた嘆願書。これだけは殿様に届く様に~なんですが、最終中根雪江(役:益岡徹さん)の根回しで上手く取り計らいが出来ているわで。笠原良策の苦労が どうもなぁって伝わり方に感じますね。
(感じたところ)
・笠原良策(役:松坂桃李さん)と奥方 千穂(役:芳根京子さん)の夫婦関係は良い感じに思えました。
夫の留守中に家を守ったり、ワクチン接種の場所や子供集めに奔走している姿(内助の功)は良かったと思います。
・猛吹雪の中の峠越え大作戦ですね。辛うじて一番良かったのは。
先に数人男手を先に行かせて、母子が後から行って万が一遭難しかかったら戻ってきて手助けしてくれ~ ここの思考作戦が功を奏して上手くいった事が良かった場面ですね。
中々あの猛吹雪の雪山の中 撮影は困難極まり無いなと感じましたわ。
よく頑張ったなと思います。
・当時、ワクチンは鮮度が重要で、次々に子供達に摂取して行かねば成らないと言う事。それをしながら種痘(ワクチン)を運ぶっていう思考と、藩主、殿に如何にしてこの病とワクチン接種と そして人々の命を救う重要さを説いたって事が偉業なんだと思います。
・最初 初めて輸入された種痘を子供6人に入れてみるがどれも失敗。最後の欠片七つ目を我が子の腕へ入れる・・・。
翌日 白い腕に一つの赤い斑点が、それはまるで雪の中に咲く赤い花のよう。
上手くいった瞬間であった。ここの想いは上手く伝わったと思います。
中々難しい内容かもですが
興味ある方は 劇場へ!
安心して観てられました。
安定の桃李くん。実際は壮絶な物語なのでしょうが残忍な殺傷や恐ろしい陰謀などインパクトありすぎるシーンは無く、案外あっさりと様々な障害困難を乗り越えて種痘を行えた。落ち着いてゆったりした気分て観れました。天然痘から生還した女性が本人が嘆くほど跡が残っておらず、、ん?となったり
自分のわらしに接種させたくないという親があっさりと説得に応じたり、、ん?という所もまあまあ、ありましたが、映画だもの!
先人の方々のおかげで元気に暮らせているのですね
と感謝の気持ちで一杯になりました。
キレイすぎる映画だけど…
登場人物のほぼ全てが、こんな人は実際いないんじゃないか?というほど清らかで真っ直ぐです。道徳のビデオかと思うほどです。
中には、きれいごと言うな!って思えるシーンもあった(たとえば痘痕が残った少女への慰めなど。…桃李くんが励ましますが、少女の「この顔で(生き残っても)何を感謝しろっていうの、痘痕のせいでみんなめちゃくちゃだ、うつるって騒がれて」というようなセリフのほうに共感できました。)し、猛吹雪の中、巻き込んだ周囲の人を犠牲にするリスクを負ってまで突撃する桃李くん(人命を救う立場のはずなのに…責任が取れない、根拠のない楽観論に基づいた突撃なんて、指揮官として一番やっちゃいけない事だと思う。)など「ん?」と思うシーンはありましたが、悪人がほぼ出てこないんで、全体として、見ていて気持ちがいい映画なのは確かです。
なぜなら、現実の生活ですでに嫌というほど汚いものを見せられているから。
保身しか考えず、時にはヤクザも平気で使う悪代官。
平気で他者を陥れる人の、獣よりはるかに薄汚く醜い悪意と獣性。
次から次へと、それこそ疫病のように世にはびこる陰謀論。
躓いた人をスケープゴートとして叩きまくり、ストレス解消する一部のネット世論。
同じものをわざわざフィクションで見たいとは思いません。
石清水のような清らかな映画を観て、鑑賞後の気分は最高でした。
最近の邦画は、ごく狭い範囲での人間関係のあれこれを描いているものが多くて、はっきり言って苦手なのですが、これは、久々に、見て良かったと思える映画でした。
タイトルが渋すぎて損してるが、見ると「雪の花」の意味が分かり、しみじみと、良い映画だなと思いました。
人物が話し合うシーンの背景は、里山など、和の自然の風景が多いのですが、これが絶妙に美しいです。また、懐かしく哀愁漂う、時代劇にぴったりな笛の音とピアノ、チェロの静かな音楽が、溶け合っていました。
主人公の妻も出来過ぎた人で、超美人・健気・善人・正義感強い・自分の着物を売ってでも夫のピンチを支える・夫を常に立てる・夫を真っ直ぐに信頼している・常に笑顔・自身もいざとなると強盗を追い払えるほどの戦闘力を有する。
など、スーパーウーマンです。
少し前の時代なら、貞淑で夫を立てる妻は、「婦人の鑑」とでも呼ばれたんでしょうか。
最初に出てくる村人一家のお母さんも、病気なのに「私は後回しで構いませんから、我が子を先に看てください」と言うし、隔離された後も人の世話ばかり焼いていた描写がありました…
こんなに健気な人は実際いないでしょうが、美人で優しくて、真っ直ぐな気性で、頭も良くて、決してひけらかすことなく、自分を常に立てて尊敬してくれる。そして働き者で、人のために尽くす女性ばかり出てきます。二次元にしか存在しない。男性からしたら、理想像かも。だから脚本は男が書いたんじゃないかと思ったらやっぱりそうだった。
それにしてはエロ要素が皆無だったけど。そこも、子どもと一緒に安心して見られる健康的な映画ってとこ。
ここまで来ると、水清ければ魚住まずで、私が夫であれば、もうちょっと頭のゆるい愛人を作りたくなるかもしれません。あんな奥さんいたら、だらしない姿を一切見せられない…
あと、桃李君の着物の色が良かったです。薄い緑と濃い緑を重ね着してますが、どちらも和の色(名前が分からない)で中間色、下の袴?も栗の渋皮色というか、中間色のココアブラウンでとっても似合ってました。
逆に女性はみんな紺の着物で、庶民とはいえもうちょっと綺麗なの無かったの?と思いました。
男性が寝巻き?がわりに着ているバスローブみたいな白い服も気になる。素材がぽこぽこしていて、この時代にこんな生地があったのなら名称が知りたいと思いました。
日本の里山の風景をたっぷり鑑賞できますし、美術と音楽が素晴らしく、しみじみとした美しい映画でした。話の流れ上、ほぼ、「室内」と「自然風景」しか背景が出てこないので、その分、自然のほうにはメリハリがつけてあって、清流の流れや、森、雪山、など、毎回違う自然美が見られます。
けっこう低予算だったのかもしれません。
室内の小物も、目立つのは火鉢と盆、湯飲みぐらいで、かなりシンプルでした。
「仏心鬼手」の掛け軸も良かったな。
漢方に対して、当時、西洋医学が「蘭方」と呼ばれていた事も初めて知りました。
この物語ほどスムーズに受容はされなかったでしょうが、私が庶民の立場なら、いきなり種痘と言われても信じられないし、そんなもの注射して本当の疱瘡になったらどうするんだ、と食って掛かるのは当然。
で、解体新書の原本その他は東大図書館と九州大学図書館、九州大学病院図書館にあるんですね。オランダの医学が中国を通って長崎のシーボルトまで伝わってきた事に感銘を覚えるとともに、ワクチンが今や利権と陰謀論の温床になってしまったのはちょっと切ないなぁ・・・と思いました。金が絡むとすぐ利権。
ジェンナーも使用人の少年を実験台にしてますが、この物語でも最初に接種されたのが子供たちだった事や、医者の娘が「私に注射して」と自ら申し出るのも、切なく感じました。自己犠牲っていいことばかりじゃない。
せめて跡が残る可能性あるんだから男の子にしたら良かったんじゃ…
この映画で唯一、気に入らない点があるとしたら自己犠牲の賛美ですね。
最後、エンドロール見てたら猟友会の名前が出てきたけど、
解剖用のイノシシさんは本物だったのかな?
あと、主人公が、俸禄をもらい武士の身分に取り立てられることを自ら断っていますが…江戸時代の医者ってどういう身分なの?学問を身に付けたお武家様の子じゃないの?と思って調べてみたら、そうでもないようですね。
読み書きができないと医学書が読めないので、町人や農民の子で、比較的裕福で、優秀な人がなっていたようです。藩医に取り立てられれば、武士身分になったようですが、町医者や村医者は武士階級ではなかったそうだ…。詳しく書いてあるサイトも見つけることが出来て勉強になりました。
こういう人ばかりの世界だったらいいのになぁ。
もったいない
ガミさんと日岡の対峙に超テンション上がった(笑)
原作は未読です。
恐らく、原作を読んだことがある方々には
残念な仕上がりになっているのではないかと
容易に推測されます。
美しい福井の四季を感じさせる映像の数々に
心癒される思いではあるけど、
もっと重要なシーンを
撮るべきではなかろうか?とか
シーンの繋ぎや、場面展開などの演出が
全く好みではなかったです。残念。
この時代に西洋医学に目を向け、耳を傾け
それらを取り入れる勇気や
福井から京都まで、果ては長崎まで
福井藩のため、いや日本国のために
ひたすら駆け回る笠原良作(松坂桃李)と、
影で支える妻 千穂(芳根京子)の姿には
胸がジーンとなります。
こういう人達の苦労の数々があるからこそ
今がある!
感謝しきれない思いでいっぱいになる。
が、テンポが悪い。
さくら貝なんかエピソードあった?
太鼓のシーンいる?
なぜ死ぬかもしれないというリスクも省みず
冬場の峠越えを決断した?
あれ、下手したら全員☆になっててもおかしくない。
八甲田山かと思った(苦笑)
古き良き時代劇、日本映画‼️
「名を求めず、利を求めず」‼️
江戸時代、不治の病と言われた痘瘡に有効な「種痘」を広めるために尽力した主人公とその妻、そして志を同じくする医者たちの物語‼️素晴らしいストーリーです‼️今の我々の生活があるのは先人たちの死に物狂いの努力があったからこそと思わされます‼️しかしこの作品で特筆すべきは小泉堯史監督の演出ですね‼️さすが黒澤明監督の弟子というだけあり、沈む夕陽、流れる雲、吹き荒ぶ吹雪などの自然描写がまず素晴らしい‼️主人公たちが山道を歩く姿、祭りに興じる人々など、江戸時代に生きる人々のいろんな息づかいが画面から聞こえてきそうです‼️そして小泉監督が敬愛してやまない先輩方へのオマージュがいたる所で感じられます‼️松坂桃李演じる笠原が「種痘」の邪魔をしようとする無頼の輩をねじ伏せ、「治療してやるから、療養所へ来い」と言うシーンは「赤ひげ」の新出去定みたいだし、妻の千穂を演じる芳根京子さんが、クライマックスに祭りで披露する太鼓のシーンは「無法松の一生」の松五郎を思わせるし、笠原が役所さん演じる日野に教授されるシーンの衣装は、これまた「赤ひげ」‼️ホントに嬉しくなる‼️主役を演じる松坂桃李も、誠意と正義感と使命感に溢れた笠原をイヤミなく演じていて素晴らしいんですが、やはり一番は芳根京子さん‼️男之助‼️質屋強盗を撃退するシーン、そして前述の太鼓のシーンまで、おしとやかで夫を立てる良妻賢母ぶりの中に、鉄火肌の姉御な女傑キャラぶりでヒジョーに魅力的でした‼️なんか古き良き日本映画、時代劇を久しぶりに観せてもらったので、星一つオマケです‼️
【名を求めず、利を求めず、民が疱瘡で子を亡くすことなきように種痘を蘭方医より学び、民に尽くした清廉なる町医者の姿を描いた時代劇。今作は町医者や、その妻、彼を助ける仲間達の姿に胸を打たれる逸品である。】
ー 今作では、福井藩に実在したとされる笠原良策(松坂桃李)の民のために奔走する生き様が描かれる。
今作が観ていて清廉なる気持ちになるのは、彼の民の為に町医者として生きるという姿にブレがない事と、彼を支える妻(芳根京子)がいつも笑顔で夫を支える姿や、笠原の親友の藩医(三浦貴大)が友の意を受けて江戸の藩主に種痘の許可を得る姿や、笠原に京で蘭学を教える蘭方医(役所広司)の姿である。
特に、笠原が種痘の種を、京で蘭方医の娘に打ち、それを子を通じて福井藩まで吹雪の峠越えをして運ぶシーンは、感動したモノである。ー
<松坂桃李さんを始め、邦画の名優が参集した今作は、今や希少な、剣劇無き時代劇ながら実に見応えがあり、且つ爽やかな感動に浸れる見事な時代劇である。
今作を観ると、福井藩主、笠原良策を始めとした人達の先見の明と、熱意と、人間としての善性に打たれるのである。
ご存じの通り、福井県は日本の中で幸福度ランキング一位を獲得し続けているが、その素養が江戸時代から面々と培われていた事が分かる、近代歴史映画の逸品であると、私は思います。>
新しい事を始める難しさ。
江戸時代末期、多数の死者を出し治療法のない天然痘はどうにかならないかと奮闘する町医者漢方医・笠原良策の話。
ある日出会った男・大武了玄という男から聞いた西洋医学、最初は少し抵抗があっものの前向きに新しい物を取り入れようと動き始める笠原だったが。
この時代のことは勿論知らないけど、本作通り漢方療法が主だった時代なんですかね?!
1人の男から聞いた西洋医学のことで、ただただ病気で苦しむ人達を助けたいで動き、新しい物を取り入れようと頑張る笠原の姿に惹き込まれた。
てか、この時代にはまだ注射は無かったんですね~、てっきり注射使って天然痘の膿を接種するのかと思ってたら…。でもこういう時代を経て今の医療があるのよね!感謝です!本作のキーマンは医者仲間の半井元沖ですかね!作品としても面白かった。
タイトルなし(ネタバレ)
徳川時代の末、市中・在郷を問わず疱瘡(ほうそう)が大流行していた頃のこと。
疱瘡とは天然痘のことで罹患すると多くは死に至り、また感染力も強い。
福井の漢方医の町医者・笠原良策(松坂桃李)は、患者を隔離するより術がないことに無力感を抱いていた。
そんな折、ひとりの中年蘭方医(吉岡秀隆)と出逢い、西洋医学には術があるかもしれないと聞き及ぶ。
家格が上の同じ漢方医・半井(なからい。三浦貴大扮演)の紹介で、京の蘭方医・日野(役所広司)のもとへ修行することになる。
修行のなかで「疱瘡は牛も罹患するが、その症状は軽い。牛の疱瘡(牛痘)を人に植え付けることで、受け付けられた人は生涯、疱瘡に罹らないということが西洋で発見された」ことを知る。
種痘、現代でいうワクチンである。
が、植え付ける種、牛の疱瘡が手に入らない・・・
といったところからはじまる物語で、その後は、種痘を始めるための努力、広めるための努力が描かれることになる。
歴史的にみて、重要でヒューマニズム溢れる良い話である。
が、良い話と良い映画・面白い映画とは別物。
残念ながら、あまり面白くない。
特に、前半が凡庸。
疱瘡の恐ろしさを描く様子が少なく、個人的な怖さが伝わらない。
たしかに、大量に出た死者を焼き払う描写などはあるのだけれど、「生々しさ」に直結しない。
また、種痘の種の輸入に奔走する場面も、江戸屋敷で殿さまへの上申のシーンが繰り返されるのみ。
座敷に座ったままで動きがない。
実際にそのとおりだったとしても、映画で残すべきシーンか、簡潔に省略すべきかの勘所が乏しい。
さらに、先行輸入できた種を日野が先行して実験→失敗。
最後のひとり分の種痘実験を笠原が行う。
その際、器具や植え方に工夫を凝らしたようだが、先に台詞で語られるのみで、日野との差異が画で描かれない。
と、ここまでの前半がどうにもこうにも面白くない。
後半、京で成功した種痘済みの子どもを福井に連れ帰る段以降は、多少なりとも映画的ダイナミズムを得るのだが、前半のつまらなさを取り返すところまでは至らず。
笠原の妻(芳根京子)の挿話はほとんど水増し的。
笠原良策エライ (/--)/ 。 ただ、物語は鑑賞前に思ってたほどの困難もなくトントン拍子な感じがした。
町医者·笠原良策は、多くの幼な子の命が天然痘で失われていくのにも関わらず、医者である自分が為す術もなく残念でならなかった。
しかし、「種痘」によって天然痘が予防できることを知り、私財を投げ売って福井での「種痘」の普及に邁進する。
「医は仁術なり」の鑑のような笠原良策の生き方に感銘を受ける。
松坂桃李さんと芳根京子さんの殺陣も見所のひとつ。
妻·千穂には、夫·笠原良策が知らない面が有るなんてとこもいい → 剣の腕が立つ事、太鼓を力強く叩く姿が「男の助」と呼ばれる程である事。
ただ、物語はもっと困難に直面し解決に苦労すると思ってた。
例えば、金銭面、「種」の入手、特に「種痘」を受ける事に対する抵抗や拒否反応がもっと有ると予想してた。
ところが事前の予想に反してスンナリ行ったように見えた。
鑑賞後に見た笠原良策のWikipediaのほうが、大変さや困難さを感じた。
映画では、種痘に関する事より吹雪の峠越えのほうが余程の困難には見えた。危うく遭難するとこだったぜい。
もっと丁寧な説明があればなあ~
江戸時代末期に種痘の普及に尽力した福井藩の街医者である笠原良策の奮闘を描いた作品でした。笠原を松坂桃李が演じ、笠原に種痘の接種術などを教えた京都の蘭方医・日野鼎哉を役所広司が演じており、この”師弟コンビ”は名作「孤狼の血」と同様で期待大。さらには長らく時代劇冬の時代が続いていましたが、去年の「侍タイムスリッパ-」の大ヒット辺りから潮目が変わった感じで、その波に乗ったところで本作にも大いに期待して観に行きました。
しかしながら、どうも話の大前提を理解するのに苦労してしまい、残念ながら作品を堪能するには至りませんでした。私の理解を妨げたのは、種痘の運搬の困難さに関する説明不足でした。天然痘ウィルスに対するワクチンである種痘は、当時オランダないしは清国からの輸入に頼っており、しかも効果がある状態で運ぶためには、人体から人体に受け継いでいかないと駄目だったようです。最終的にその辺りのことも描かれてはいるものの、もっと物語の序盤で、大前提としての天然痘という病気の説明や、種痘の発明、そして日本における種痘接種の歴史などを解説していてくれれば、物語の理解が促進し、後半の流れがより切迫した緊張感をもって観られたのではないかと感じました。
また、苦労して福井に運んだ種痘が、新しいものに対する偏見などもあって地元住民に拒絶され、また藩医が妨害する憂き目に遭うシーンがありましたが、この辺りも史実ではあるらしいものの、もう少し伏線を張っておいてくれないと、物語としては唐突過ぎて付いていけませんでした。さらに、藩医の妨害が藩主の知るところとなり、家老からお叱りを受けるという勧善懲悪的な展開もありましたが、新技術に対する慎重な姿勢というのも必要な態度であり、この辺ももう少し丁寧に描いて欲しかったところでした。
加えて、笠原良策・千穂夫妻が、剣術や格闘術に秀でていて、悪漢を退治する下りに関しても、本作に相応しくない勧善懲悪的なストーリーであり、一体偉人伝として描きたいのか、痛快娯楽時代劇として描きたいのか、意図が理解できませんでした。
以上、どうにも物語の描き方が納得が行かず、役所広司・松坂桃李の「孤狼の血」コンビの復活に期待したもののあまり楽しむことが出来なかったので、本作の評価は★2.4とします。
本編に無関係なチャンバラと音楽要素で、雪山で寝そうな人を起こそうとしている感じがした
2025.1.24 MOVIX京都
2025年の日本映画(117分、G)
原作は吉村昭の小説『雪の花』
実在の町医者・笠原良策が種痘を始める様子を描いた伝記映画
監督は小泉堯史
脚本は斎藤雅人&小泉堯史
物語の舞台は、江戸時代の末期の福井藩
町医者の笠原良策(松坂桃李)は、妻・千穂(芳根京子)に支えられながら、遠方の村などにも診察に出向いていた
藩では疱瘡(天然痘)が流行し、良策が訪れる村でも感染が広がっていた
村では、感染者を隔離するために山の上のお堂に移すしきたりがあり、百姓の与平(宇野祥平)の妻・たみ(山田キヌヲ)、娘・はつ(三木理紗子)もそこに向かうことになった
良策は無力感を感じていて、何とか疱瘡の拡大を止められないかと考えていた
ある日のこと、温泉宿で加賀藩の町医者・大武了玄(吉岡秀隆)と出会った良策は、蘭方医学についての話を聞くことになった
漢方医としての自負から反論をしてしまうものの、目的のために多くの知識を得ようと考え始めていく
そこで、大武の紹介にて、京都にいる日野鼎哉(役所広司)の元で学ぶことになったのである
良策は、蘭方の基礎から学び始め、そこで「引痘新法全書」という書物に出会う
それはイギリスで行われた牛痘法に関する書物で、牛痘の苗を植えたものは疱瘡に罹らないというものだった
そこで良策は、牛痘法を日本でも試そうと考えるものの、牛痘に使う苗は7日間しか効果がなく、大陸からの持ち込みは幕府が禁じていたのである
映画は、良策が牛痘法を福井で行うために藩や幕府に嘆願を起こす様子が描かれ、協力する者、邪魔をする者などが描かれていく
福井藩の藩医である半井元沖(三浦貴大)は良策の方法に興味を持ち、御用人の中野雪江(益岡徹)に彼の嘆願書を献上することになった
これによって牛痘の搬入が許されるのだが、種痘を行うためには苗を生きたまま京都、福井へと繋がなければならない
季節は冬を迎え、雪の峠を越えることは至難だと思っていた
それでも、協力者の柿屋宗介(橋本一郎)とその妻(和田光沙)たちの尽力を得て、山越えを果たすことに成功する
ようやく福井に帰ったものの、藩医の悪巧みによって風評被害が立ち、種痘に協力してくれる藩民が現れてくれず、苗は根絶しようとしていたのである
物語は、史実を淡々と描いていく内容で、悪く言えば退屈な映画だと言える
そんな眠気を晴らす役割になっているのが、浪人とか強盗などとの立ち回りと、はつの歌、千穂の太鼓などの音楽シーンになっていた
本編とはほとんど関係ないシーンがアクセントになっているのもおかしな話で、ピークとなる峠越えに関しては、遠方からの俯瞰撮影になっていて、誰が倒れたのかとか、どのような状況だったなどはわからない
史実ベースでみんな助かったのかどうかはわからないが、あの感じだと子どもが無事だった方が奇跡のように思えた
いずれにせよ、最終的には幕府がOKで普及するのだが、風評被害も藩がお達しを出して収まるなど、良策の努力のほとんどが役人や幕府への嘆願とか啖呵になっているが地味な要因となっていた
史実ベースだし、当時はお上次第だったので仕方ないと思うが、そう言った政治的な掛け合いをもっと詳細に描いたほうが良かったように思えた
また、種痘によって副作用が起こっているあたりは完全にスルーで、噂話で亡くなった子どもがいるというのでは良策の葛藤も描かれていないようなものだと思う
医者として、実験によって犠牲になる人がいるリスクにどう向き合ったのかとか、そう言ったものに対して民衆をどのように説得したのかは肝心な部分だと思うので、完全無欠の万能治療法(予防法)として描くのはどうなのかなあと感じた
予算配分
吉村昭原作・役者のメンツ見ただけで
地味で重厚な映画と覚悟のうえ
試写会参加。
年齢層の平均は60代以上の ご隠居世代。
(主催者側でふるいにかけた印象)
映画好きというよりも
時代劇マニアという感じ。
この系統の時代劇を見慣れていないせいか
最近のSHOGUNや大河ドラマの映像に比べ
予算のほとんどを 俳優のギャラに使ったのか?
言うくらい、美術、効果、撮影、衣装等
とてつもなく質素。
特に 照明に関してだが
画面全体が眠い~コントラストが浅く
解像度の低い画像で平坦な印象。
脚本に関しては
子供を連れて吹雪の中の峠越えのシーンは
いくら映画でも 無理があるだろうが…
しかも、命がけで同行させる
説得力も薄い。
他にも芳根京子の太鼓のシーンとか
いろいろな自治体の絡みや
この時期にこのテーマの作品と
いうのも、ワクチン製造の製薬会社との絡みが
あるのか?と政治的なことも邪推してしまう。
個人的には、昨年話題の坂東龍汰の芝居がもっと見たかった。
全32件中、21~32件目を表示